連載小説
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《 《 あとがき 》 》
【 貧乏暇なし ── 貧乏で生活に追われ、少しも時間のゆとりがないこと 】

 ……遥か東方ジパングの、ちょっぴり切ない言葉です。

 弊社:ナドキエ編集&出版社は貧乏いたしてはおりませんが、左うちわで悠々と運営できるほど裕福でもありません。
 そのため、今日も明日も、この世界を取材取材の毎日で過ごしております。

 再度確認するまでもないことですが、この世界は広大です。
 そして、この広大な世界では、様々な文化や価値観を持った人魔の皆さんが、“今”という時を生きています。

 さらにその中には、まだ広く知られていない『人間にとって未知なる魔物達』も含まれているのです。


 とある【彼女】は言いました。

「私のことを人間のみんなが知ったら、一体どんな顔をするのかしら。旧魔王時代はそれなりの暴れん坊だったから、怖がられちゃうかも知れないわね。見ての通り、今の私はお婿さん募集中のボン・キュッ・ボンな乙女なんだけど……昔とのギャップに惹かれて、誰かフラフラっと来てくれないかしら? 幸せにしてあげる自信はあるんだけどなぁ」

 別の【彼女】は言いました。

「私は、今も昔もこんな姿をしているから……人間のみんなも、特にビックリしたりはしないと思う。どちらかと言うと、問題があるのは私の方かなぁ。私は恥ずかしがり屋だから、人間のみんなに見つからないように生きて来たの。だから、今になってどんな顔をすれば良いのかわからなくて。とりあえず、笑顔と挨拶の練習から始めた方が良いのかなぁ?」

 こんな風に語る【彼女】もいました。

「もうね、色々我慢できなくなってきたから、人間の注目を集めるために攻撃的な策に出ようかと思ってね。何と言うかこぅ、[男! 即! 襲!]みたいなね。アタシと出会った男が抵抗の意思を捨てて、『あ、抱かれちゃう(確信)』的な気分になるよう追い込むのよ。この体と美貌を持ってすれば余裕だと思うから、まぁ期待しててよ。フフフ!」

 彼女達は、みなさんに知られる日をそれぞれの構えで待っています。
 素敵な未来が訪れることを、それぞれの場所で夢見ています。

 さて、彼女達と向き合う人間の側はどうでしょうか?
 慌てず騒がず、不必要な恐れや偏見を持たず、彼女達の輝きを受け止めることが出来るでしょうか? 彼女達の想いに応えることが出来るでしょうか?


 この世界を旅し、取材を重ねるたびに、私は思い、考えます。

 人魔を結びつけ、より大きな幸せへと導く鍵は、互いに対する愛と想像力なのではないか、と。
 何か特別な、あるいは難解なことをするのではなく、互いを大切な友として、隣人として、恋人として想い、支える心なのではないか、と。
 ごく自然に相手へ寄り添い、互いのぬくもりを感じながら笑いあうことが出来れば、ただそれだけで良いのではないか、と。

 それは、言うは易し行うは難しなことなのかも知れません。
 しかし同時に、決して不可能なことではないはずなのです。
 例えばそう……我が国を含めた親魔物国家に溢れる、数え切れないほどの愛と笑顔が、その証拠と可能性だと言えるのではないでしょうか。

 誰かから『楽天的だな』と笑われても、私はこの世界と人魔の可能性を信じます。
 あまねくすべての人魔が理解し合い、共に輝く未来を作り出していく道を信じます。

 ですから、この本の最後に、この質問を記します。


━━ ━╋╋━ ━━ ━╋╋━ ━━ ━╋╋━ ━━

≪ 最後の質問です。
  あなたは、魔物さんが好きですか?
  彼女達と共に、明るい未来を築いて行きたいと思いますか? ≫

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 皆様の日々に、無限の愛と平和が共にありますように。

 ナドキエ編集&出版社 社長 カタリーナ・ナドキエ




 ※ ※ ※ 社員募集のお知らせ ※ ※ ※

 あなたも、ナドキエ編集&出版社で働いてみませんか?

 出身地や学歴・職歴、種族・性別などは一切問いません。
 『魔物さんが好き!』というお気持ちさえあれば、どなたでも歓迎いたします!

 必要書類の内容、送付先などの詳細につきましては、この本のカバー裏をご参照くださいませ。 
 皆様からのご応募、心よりお待ちいたしております!
13/08/31 02:47更新 / 蓮華
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■作者メッセージ
 ※ ※  魔物娘図鑑を愛する皆様へ 懇親会のお知らせ  ※ ※

 魔物娘図鑑そして魔物娘を愛する紳士淑女の皆様方へ。

 この度、皆様との親睦と、さらなる魔物娘図鑑へのLOVEを高める度、
 『魔泉郷』にて温泉懇親会を開催する運びとなりました。

 参加費が若干高めとなり、誠に恐れ入りますが、
 その金額に違わぬ素晴らしい集いになると確信しておりますので、
 皆様ふるってご参加いただきますよう、何卒よろしくお願いいたします。

 注1 / ご自宅 ⇔ 現地間の交通費は、参加者様ご自身にてご負担ください。
 注2 / 1ゴールド = 1円とお考えいただければ、目安となるでしょう。


 ☆コースT
 “ぽかぽかの里”にて一泊二日。
 温泉旅館『こなゆき』に宿泊し、のんびりゆったりと日々の疲れを癒やしましょう。
 板長さんが大いに腕をふるった絶品料理の数々にご期待ください。
 参加費用 : 20,000ゴールド 〜 30,000 ゴールド

 ☆コースU
 “ときめきの里”にて二泊三日。
 温泉旅館『ケモ耳苑』に宿泊し、胸が高鳴る貴重な時間を過ごしましょう。
 『ケモ耳苑』は、獣人型の魔物さんが揃う老舗旅館として有名です。
 参加費用 : 45,000 ゴールド 〜 65,000 ゴールド

 ☆コースV
 “混和の里”にて三泊四日
 温泉旅館『マコン・ヌップール』に宿泊し、人間を止めてみませんか?
 「天国と地獄が交錯する宿」としてその名を轟かす『マコン・ヌップール』へようこそ!
 参加費用 : 120,000 ゴールド 〜 250,000 ゴールド
 ※担当の仲居さんと共に魔界や万魔殿へ旅立った場合、参加費用は無料となります。
 ※ただし、二度と戻って来られなくなる確率:大ですので、ご注意ください。


 参加をご希望の方は、下記の切り取り線下に必要事項をご記入の上、
 別紙記載の住所までお送りいただきますようお願いいたします。

 また、その他ご不明な点がございます場合は…………
 …………(以下、インクが滲んでいて読み取ることが出来ない)…………



 『魔物と結婚した皆さんへ、50の質問 〜2〜』 これにて閉幕でございます。

 完成までに1年2ヶ月以上の時間を要してしまいましたが、
 皆様の暖かいご支持・ご声援のおかげで完結させることが出来ました。
 この場をお借りして、本作を読んでくださった全ての皆様に御礼申し上げます。

 本当にありがとうございました!

 「『3』は、皆様から頂いた質問で50の質問を編みましょうか♪」
 ……なんて、ナドキエ社長は恐ろしく気の早いことを呟いていますが、
 いつかその時が来た際は、まぁ、何だかんだと色々やってみたいと思います。

 それでは、僕は……とりあえず、温泉旅館『こなゆき』に行って来ます。
 こっちの世界は、桶の底に何て書いてあるんだろう? やっぱり、ケ○リン?

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