連載小説
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前編 ―放蕩息子の章―
チャオ☆

やぁやぁこんにちは、それともこんばんはかな?

世間を騒がす恋泥棒
大貴族アルメリア家の一人息子
「メナス・アルメリア」だよ
気軽にメニーって呼んでおくれ☆


親父に呼び出されて、なんだかなぁと思ってたら

なんと、なんと!僕にピッタリな双子の姉妹が僕にご奉仕してくれるってさ!


ふっふっふ…実はその姉妹、僕身に覚えがあるんだよねー

むかーし、辺境の村が猪だかなんだかの被害にあってた時に親父に連れられて救助に行ったことがあるんだけど

同い年くらいの双子と仲良くなって、「およめさんになるー♥×2」なんて言われた事があったんだよねー☆

え?その時の返事?えー確か「もっと背とか胸とか太ももがおっきくなったらね☆」だったかな?

むふふ…♥どんな感じに成長してるのかなー?


はやる気持ちを抑えて彼女らがいるという僕の部屋を開ける


さぁ待たせたねレディ☆ この僕に仕えてくれるのは君たち…


「あぁ、メナス様!お待ちしておりましたッッッ!」ムキィ!

「姉者共々、誠心誠意お仕えいたしますッッッ!!」ムキィ!


パタン


・・・


あれ?おっかしいな?目の錯覚だったかな?

双子の美人姉妹って聞いてたけど(言ってない)

アレ違うよね?アドンとサムソンを女装させたヤツだよね

っていうかなんで人の部屋でマッスルポーズとってんの?

なんなの?僕の知らない間に自室は筋トレルームになったの?

いや、待て待て、あれはもしかしたら親御さんかも知れないじゃん

ちょっと話を聞いてみよう、うんそうしよう


ガチャリ…

・・・


「ど、どうかされましたかメナス様ッッッ!?」ムッキィッ!

「もしや我らの肉体がお気に召しませんでしたかッッッ!?」ムッキィッ! 


まぁ…現実はこうだよね…僕だって大人だからね、わかってたよ…


・・・



えーっとじゃあ改めて自己紹介してもらえるかな?

すぐ帰らせて怒らせるのも怖いし


「はいッッッ!私は姉のフウと申しますッッッ!
 メナス様に言われた通り鍛えてきたので、おっぱいには自信がありますッッッ!」

うん、大胸筋だね、ポーズとるのやめてね


「拙者はライと申しますッッッ!
 姉者とは別に、太ももを鍛えました!必ずご満足いただけるかとッッッ!」

うん、大腿四頭筋だね、距離感近いから気を付けてね


「「姉妹共々、メナス様の為命懸けでお仕えいたしますッッッ!!!」」ビシィッ!


うん、今日ほど女性を怖いと思った事と親父を殺したいと思った日は無いね



・・・


結論から言うと彼女たちを無下に追い払うこともできず

僕は彼女たちを傍に置くことにした


だって怖いじゃん!!!



昔の僕が言った言葉を変な解釈でずっと覚えていた彼女たちは、僕に仕えるのを夢見て田舎から来たと言っていた

姉のフウは(声量以外は)物腰柔らかで気配り上手であり、僕のナンパを上手く阻止してくれた

妹のライは(声量以外は)騎士のような立派な規律を持っていて、僕のお酒を飲む量をコントロールしてくれた

気が付けば彼女たちにもすっかり見慣れ…

いや見慣れないよ!!!


いや彼女たちは良い娘だよ!なんだったら今まで出会った女性の中でも1番の出来た娘達だよ!


なんでマッチョなんだよ!!!

ふとしたはずみで胸とかお尻触っても岩盤と同じくらいの硬さだったし!

女の子の汗のにおいとかちょっと臭いけど甘酸っぱさがあって興奮する♥とか思ってたけど

彼女らは訓練終わった後の僕の鎧と同じ匂いしかしないし!


主神教団とかもともとそんな信じてなかったけど、今ならはっきり言える!

神様なんてバッキャローだよ!!!




・・・


そんなこんなで健康的なような、げんなりするような、そんな生活も多少過ぎたころ

僕が彼女たちの目を盗んで外出をしていた時の事だった


僕達の国に魔王軍が攻めてきたんだ


親父はこのまま死んでくれていいとして

彼女たちが心配…でもないな、確実に魔物より強そうだもん(憶測)


ともかく僕は我が家へ急いだ

逃げるにしても戦うにしても準備しなきゃだったからだ


自室のドアを勢いよく開けた時

むせかえるような甘い匂いと、2人のハイオークの姿が飛び込んできた



つづく!
18/05/06 01:08更新 / トアル・ドコカ
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■作者メッセージ
もうなんていうか申し訳ありません…

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