連載小説
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えぴろおぐ
???「戦場の覇者である私の下僕にしてやるのだから、強者でなくてはならん。昨今の、大量生産された似非勇者などではなく、歴戦の戦士がいい。ある程度、落ち着きもなければな。」

とある魔王軍支部の一室。それなりに広い部屋の中、間に机もあり、直接手は届かない距離にある。しかし、圧倒的存在感に身を包まれるている。敵意を向けられていないのが幸いだ。

「なるほど。しかし、記録を見ますとそれなりの猛者とも今まで戦わられているようですが?」
本当は口答えなどしたくないが、布石は大事である。

???「ふん。あの程度が強者とは、我軍も教国側も鈍ったものだ。あの優男も、素材は良かったかもしれんが、鍛え方がなっておらなかった。本物の強者であれば、一目見た瞬間に血沸き肉踊るものよ」ッカッカッカ

「近年は我軍の進行もあり、教国側も人材不足ですからねえ。それに、自身に才は無くとも、教授に長けたものがいれば話は別ですが。」

???「私の母上が現役の頃には、私達に戦いを挑みつつ、敗れた後に教えを請うてきた者も居たと聞くが、今の世ではな・・・」


ここが仕掛け時か。
「それこそ今の世で、真の強者を育て上げるなど、貴方様にでしか無理なのでは?」

空気が重くなった。いや、威圧だけでなく、実際に魔力があふれているのを感じる。
???「私が教えるだと?いかに、本部からの使者といえども、冗談は程度にしたまえ。」
これまでも、それなりに死線をくぐり抜け、強者と戦ってきたつもりだが、『生ける伝説』とはこうも違うのか。




しかし、

確かな“嘘”の色が見えた。


「申し訳ありません。一から育てるとしたら、若いほうが良いかと思いましたが、幼子は駄目ですか?」

ッヒュ  ピシッ
意識か無意識か。イライラと揺れていた“黒い鋼”が振り下ろさた。
床にヒビが入ってないといいが・・・
???「あたりまえだ!!!子供など弱さの象徴ではないか。それも人間の幼子(苦笑)二本足で立てるようになっても、庇護を必要とし、身も心も邪悪な手で触れれば砕け散るほどに繊細。そのような幼子は戦場になど出さず、暖かい布団で寝かしておくのがお似合いだ。」ッカッカッカ

「しかし、それこそ神話の時代には、十の年にも満たない若さでかつての魔王軍討伐に旅立った勇者もいたと・・・ry)」

???「時代を考えろ時代を(怒)かつてより、直接的な命の危機は減ったかもしれないが、今や私を含めて魔物は『魔物娘』となったのだぞ。いかに才があろうと、いつ何時そのへんのアバズレ共にとって食われてしまうか!!!!」

「そうですね、危ないから守ってあげないとですよね。」
「そうだ!!!!」






???「そ、そ、そう。いつか強者になってもらわぬと困るのだから、それまでは人間どもに守られていなくては困るのだ。そうだ、そういう意味だ!」
「ですよね。まさか、貴方様が幼子などに興味はありませぬよね。」
???「ふざけたことを抜かすな。当然だ。」
ブンブンブンブン

こういう時、尻尾がある種族は興奮すると仕草が似ている。
ウチのワンコロのと違って、当たれば頭が消し飛ぶ恐れがあるが・・・

「ところで、この写真どう思います。」
「ん?・・ほう、一見たよりなく思えるが、この骨格。体は大きくなるだろうし、鍛えれば鍛えるほど強くなりそうだ。なにより、眼の奥に光が灯っておる。そして、玉のような肌、白銀の髪、それに・・・・・・」









ヘルメス「・・・『黒鋼』、いえ、メディア様、正直になられたほうが良いかと・・・・子供(というよりショタ)好きですよね?」


???改め、メディア「ッカッカッカ、貴君は冗談がうまいなあ。この私が?魔王軍の生ける伝説『黒鋼』『漆黒の死神』であるこの、メディア・バネッサが、子供好きだと?本当に面白い冗談だッカッカッカ:(;゙゚'ω゚'):」

ヘルメス「言葉でカッカッカとなっておられますよ。落ちつていて下さい。私は、貴方の性癖が何であろうと気にはしませんし、他言も致しません。むしろ、そのお手伝いをすることが本当の任務なのです。」

メディア「勝手に決めつけて話を進めるな!それに、本当の任務だと?ただの使者ではないと思ったが、何者だ?返答によっては消えてもらう・・・」

ヘルメス「あー、えーーーっとですねえ、、、」
一瞬命の危険も感じたが、既に彼女の後ろには奴が立っている。もう少し早く出てきてくれて良かったのに・・・

???「『コミックSO』(ShoTa)に、『美男子通信』、『赤ちゃんと一緒』(育児雑誌)『たまぴよ』ね〜。もちろん性的な面もあるけど、母性のほうが優っていそうだねこりゃ(苦笑)」

メディア「ひぇっ?!いつの間に背後を、、、、そ、そ、それをどこから( ;∀;)」

???「いやあ、ドラゴンの宝箱と言えば、金銀財宝がセオリーだけど、まさか二重底とはね。探すのに手間取ったよ。」

メディア「貴様何者だ!!!」

ヘルメス「別に背後を取る必要はなかったんじゃないか?そっぽアブねえぞ。」
ゆる〜
???「こういう時は死角から、と相場で決まっているのさ。しかし、心配してもらえるのは嬉しいね。両手が塞がってなければ、今すぐ手淫をしてあげたいのに。」
ゆるゆり〜
メディア「無視するな!」

ヘルメス「普通、抱きしめる程度だろ・・・」
ゆっゆっゆゆらゆら〜(低音)
???「おや?前戯も無しに、いきなりかい?確かにこの間手に入れた、異世界からの資料にあった“エキベン”とか言う体位に興味はあるけれど(^q^)」
ヘルメス「一度頭を精密検査してもらえ。」

メディア「お、おい!おい!!!」

???「それに似たのなら、メリーが作った“診断め〜か〜”って夢診断してみたけど。」
ヘルメス「結果は?」
???「20%が君との堕落的なエッチで、40%がラブラブエッチで、残りの40%が子作りエッチだったよ!」
ヘルメス「ただの色ボケじゃねえか!」

メディア「・・・無視しないで下さい(小声)(´;ω;`)ブワッ」


\(^o^)/大事件!





ヘルメス「えー、改めまして、魔王軍諜報部外局結婚活動補助部門隊長のヘルメスです。」
名刺をいそいそm(_ _;)m
あ、ご丁寧にどうもm(_ _)m

メディア「って、なんじゃい?!魔王軍諜報部ふくry(かみまみた)」
???「長いよね〜。未だに僕も言えないよ。」
メディア「そうそう。ってそうでもないわ!!!私も勤めて長いが、そんな部局聞いたことがないぞ。」
ヘルメス「まあ、元が諜報部ですから。正式に成立したのは半年前ですけど。で、こっちが」
既にお分かりであろう、ロビン
「元・魔王軍諜報部特殊潜入部門MS08小隊隊長、改め、婚活部(こっちが通称)副官ロビンで〜す!」
ヘルメス「部隊名を略すな。さて、部隊名は聞き及びないでしょうが、こちらの噂ぐらいは聞いたことがあるのでは?」
取り出したるは、紫色の書簡。蝋の封には、サキュバスの羽と尻尾のデザインがされている。
メディア「その印はもしや、魔王様からの直文か!!!しかし、紫色の書簡だと・・・そのような、形式のものは一度も見たことがない。」
ロビン「おやおや、ゴシップにはあまり興味が無いみたいだね。でも、流石にこれを見れば、分かるはずさ。」
びりびりと封を破り、ロビンが取り出したのは、一枚の白い紙。特に何も書かれていないように見えるが・・・

メディア「ま、まさか・・・・それは、『婚婬届』か!!!」

戸籍登録など合ってないようなものの魔界権では、読者の皆さんが知るような「婚姻届」は機能していない。
しかし、今回メディアに渡されるのは『婚姻届』である。これは、魔王軍上層部でも情報は隠されており、魔王の勅命によってのみ発行される。
その効力は、
1.緊急招集の免除
2.特別退役年金の支給
3.各種精力の元(虜の実など)から、技術開発局(サバト)の試供品提供
*たまに、実験台にされているが、基本エロいので問題ない。
4.魔王城カラオケ大会、バーベキュー大会、運動会(性的な)、忘年会、新年会etc...への参加券。

魔王軍の中でも特別な働きをした者のみに与えられる、功労賞である。

メディア「本当に存在するとは。」
ヘルメス「一応機密中の機密ですし、授与された後に雲隠れしてしまう方も多いですからね。」
メディア「しかし、白紙にしか見えぬが???」
ロビン「それは、触れてみれば分かるよ。はい。」

ロビンからメディアの手に渡った瞬間、『婚婬届』の表面には、デフォルト化された魔王と文字が浮かび上がった。
ヘルメス「一応、受取人の魔力に反応するようにできてます。」

魔王「はい、はい〜♪魔王どえ〜〜すぅ。メディちゃん元気〜?」

メディア「は!?魔王様、御無沙汰しております。」
ロビン「あ、これただの録画映像なので、会話は無理だよ。」

魔王「ワタシは、相も変わらずダーリンとらびゅらびゅチュッチュしてるよ〜。最近のブームは、コスプレかな。ワタシが村娘で、ダーリンが悪徳領主なの。貧乏なワタシは年貢が収められず・・・・・ry」

ヘルメス「こっから5分ほどただの惚気なので飛ばします。」
ロビン「え〜〜〜(●`ε´●)全部見ようよ〜。」
ヘルメス「誰が好き好んで他人の性事情とか聞きたいかよ。」
ロビン「いつもほぼ同じようなことしてるじゃん!」
メディア「そうなのか?」ちょい後ずさり
ヘルメス「そりゃ、仕事は仕方ないだろうが。ほら、こっからが本編だ。」

魔王「・・・・・。というわけで、これまですっごく頑張ってくれたメディちゃんにも、早く良い人見つけて欲しいんだ〜。折角だから『婚姻届』も出しちゃうね☆後は、そこの二人に任せておけばきっと上手くいくから、頑張ってね〜(*^_^*)」

ヘルメス「、というわけで、メディア様おめでとうございます。長きにわたる魔王軍への貢献(+魔王が一緒に飲みたいかどうか)により『婚婬届』ゲットです。」
ロビン「ドンドン、パフパフ〜♪」クラッカーっパーン
メディア「っお、おう。ありがたくいただく。しかし、噂程度に聞いていたものを実際目の当たりにすると、嬉しさより驚きのほうが大きいな。」
ヘルメス「いえいえ、冷静な対応をしていただけると我々としても助かります。」
メディア「だが、所詮噂だが『婚姻届』は結婚相手を見つけた時に授与されると聞いていたが?」
ロビン「そこらへんは、最近制度が変わりまして(ぶっちゃけ伝説級ほど行き遅れが多くて魔王様が我慢できなくなった)。」
ヘルメス「ちなみに、追加条項がありまして。そろそろ浮かび上がるかな。」

魔王のメッセージの下。1〜4の条項のさらに下に新しい文字が浮かび上がってきた。

5.魔王軍特別慰安居住区・実験都市『ノルン・パッカード』への移住権(任意)

メディア「なんだ?『ノルン・パッカード』???そんな土地私の記憶には無いが。」
ヘルメス「出来てからまだ一年経たない都市ですから。」
ロビン「ぶっちゃけ今の状況は村だけどね。」
ヘルメス「要は、『婚婬届』所持者だけが住める特別な場所ということです。メディア様のような伝説級の戦士の方々ですと、雲隠れも難しいですからね。」
ロビン「運営管理は、諜報部がやってるから万全ですよ。」
メディア「この実験都市とはどういう意味だ?」
ヘルメス「そこのところはこちらの映像を見ていただければ。あと、好みの男性(というよりショタか)のタイプに正直になられた場合の結果も見えます。」

ヘルメスがポケットから記録水晶を取り出すと、そこには農場に牧場、海・川・山・砂地とありとあらゆる自然が絶妙に調和された村の風景が写った。

メディア「ふむ、のどかで良い場所なのは確かだが・・・?!おい!、そこでコーヒーを飲んでるのは、カレンではないか。」
ロビン「カレン様は半年前に見事結婚相手をゲットされまして、ラブライフ満喫中ですよ。」
メディア「まさか、あの脳筋にも遅れを取っていたとはorz しかし、カレンの旦那とやらはどんな男だ?あの『酒鬼』、『鮮血のオーガ』の事だ。むさん臭いマッチョマンでも捕まえたにちがいなあああああ(´゚д゚`)

カレン(オーガ)が座っていたカフェテラスに来たのは、細身で眼鏡をかけた知的そうな男。戦場で剣を握るよりも、大学で教鞭でもとっている方が似合いそうだ。

メディア「あれが、カレンの旦那だと!!!!『酒鬼』も行き遅れのあまり、血迷ったか。」ッカッカッカ
ヘルメス「お、笑い方が治りましたね。しかし、もう少し見てて下さい。」
メディア「こんなものお笑いでしか無いではないか。あのカレンとこんな男がうまくいく筈がない。」
ロビン「ところがドッコイなんだよね〜」

どうやら、男は飲み物を持ってきたようだ。オーガに似合うものといえば酒瓶か。
しかし、次の瞬間二人が飲み始めたのは、コーヒーだった。
そして、机の下からボードを出し、チェスを楽しみ始めた。
それは、一般的なオーガへのイメージ。さらに、伝説の狂戦士を語る言葉からすれば、異様なものであった。



だが、二人の間に流れる空気の暖かさ。
ゆったりした時間。
なにより、一人の『女性』の幸せそうな笑顔は、水晶越しでも十分伝わってきた。


メディア「・・・・・カレンのやつ、あの様に笑うことが出来たのだな・・・・」
ヘルメス「元々、チェスはカレン様の父君から手ほどきを受けていたそうです。」
ロビン「本来の性格も大人しめなんだけど、それじゃあ戦えない、ってんで戦場に出る前に引っ掛け始めたんだって。」
ヘルメス「しかし、どうやら酒に弱くすぐに赤くなって、記憶もない状態で戦っていたそうです。」
ロビン「そしたら、知らぬ間に『酒鬼』やら『鮮血』やらの二つ名が付いちゃって、引くに引けなくなったみたいですよ。でも、ほんといい笑顔。」
ヘルメス「旦那様は、旧時代の遺跡の調査をしていたようでして。そこに、教国軍の敗残兵が逃げ込んだせいで(仕組んだんですがね)、危うく殺されそうになったところを、追撃していたカレン様が助けた(もち仕込みです)というわけです。最初は、オーガということで警戒されていましたが、カレン様の本質に気づかれてから、旦那様から改めて結婚を申し込んだようです。」
ロビン「僕も早く結婚を申し込んでほしいな〜((o(´∀`)o))ワクワク」

メディア「・・・・・正直になればいいのか。」

ヘルメス「はい。」

メディア「正直な気持ちを貴方達に伝えれば、私もあの様に笑えるのか?」

ロビン「もち、のろんさ。」

メディア「誰にも、笑われることはないのだな。」

ヘルメス「人の性癖には立ち入らない。それがパッカードのルールです。というより、勝手についたレッテルなど気にする必要がありません。」
ロビン「恋する乙女は無敵なのさ!」

メディア「・・・私も幸せになりたい・・・幸せになりたい!!!才能にあふれるけど庇護欲をそそるショタのダーリンが欲しい!らびゅらびゅチュッチュ、したい!!!!!」

ヘルメス「うわー、改めて言われるとすごいっすね。」
ロビン「この映像は、今度の結婚式で流させて頂きます。」

メディア「貴様らそこになおれーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」もちろん旧ドラゴン化


ッガ
バチッ
フンフン(嘘)



で、具体的な段取りで・・・・実はさっきの写真の子・・・・・この子が勇者に?!早いではな・・・・・・・・・・・・・・・・そこで、彼は引かないと思うので・・・・・・・・・・・・・・・・後は流れで・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いけるいける・・・・・・メディアさん可愛い!かわいい!!!カワイイ!!!!・・・・・・・わかるわ・・・・・・・・・・・・では、また後日・・・・・・・・・・・
































ロビン「いや〜、今回も上手くいくといいね。」
ヘルメス「大丈夫だろう。メディア様もだが、相手の子も早くにお母さんを亡くしてから、綺麗系のお姉さんが好きっぽい。」
ロビン「カンかい?」
ヘルメス「しっかり下調べはしたよ。もちろん最後の詰めは、ティンときたかどうかだがな。」
ロビン「ところで、君のあそこは僕にティン!と来ないのかい?」
ヘルメス「今のところその予定はない。」
ロビン「『今のところ』って言ったね!じゃあ、いつかは決定だ(・∀・)」
ヘルメス「・・・・・・まあな(小声)」
ロビン「さーて、帰る前に一泊していくかい?」
ヘルメス「早く帰らないと、ワンコたち怒られるから却下だ。」
ケチー(●`ε´●)

ロビン「ウルスなんて怒らせたほうが可愛いじゃないか。」
ヘルメス「あんまりあいつテンパらせると、反動が夜に来てアルトがキツイんだと。」
ロビン「それこそ役得じゃないか!」
ヘルメス「あほ。さっさと転移陣使うぞ。」
ロビン「は〜いはい。では、僕達の愛の巣へ。」
ヘルメス「目的地は、『ノルン・パッカード』っと」
ロビン「ちょっとまってくれよ〜〜〜〜〜」


続け
13/01/07 01:45更新 / S.L.サンチェス
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■作者メッセージ
なんとか早くあげようと思って書いてたら、普通に別バナにしてしまった・・・・
ゴメンチャイ
解説、あれからのこと、あいつら出てきて無くね?はウルスとアルト君で書きます。


あと、・・・・エロは期待しないで><
書くかもしれんがね。

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