読切小説
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二重
 私は毎晩、妄想の『あなた』に犯される。

 このままじゃあ足りない。あなたじゃなきゃ駄目。

 このままじゃあ永遠に満たされない。


 私は今日、あなたに手紙を送りました。あなたは読んでくれたのかな。
 それともあなたのことだから躊躇っているのかな。
 そんなことを考えていると体育倉庫のドアがゆっくりと開く。
 そこにはあなたがいた。私が妄想で作り上げた『あなた』じゃなく、あなたが。
───どうしたんだ? こんな所に呼び出して
 あなたは言う。
「…………あなたもわかっているでしょ」
 私はあなたに歩み寄っていく。一歩近づくにつれて鼓動は速く、息は荒くなっていく。
 そしてあなたの耳元で囁く。
「私を」

「私を犯して」

 絞り出したその声は湿った息と混じり合い静かな体育倉庫に響いた。
───な、なにを言って
 私はあなたの耳たぶを甘く噛む。あなたは少し痙攣して、女の子のような声を出す。
 『あなた』とは違いあなたはか弱い。少し物足りなく感じてしまう。
───や、やめないか! 僕はこんなことしたくないんだ!
 あなたは泣き出しそうな声で言う。か弱いを通り越して腑抜けた声だ。
 ならば、こうすれば嫌でもしてくれるかしら?
「もしあなたが私を犯してくれないんなら───」
 私はあなたの目を見つめる。

『私があなたを犯す』

───うぁっ、はぁっはっ、くっ
 淫らな水音が橙色に染まった倉庫を満たしていく。あなたは下半身を露わにして棒立ちになっていた。
 私はあなたのそそり立つ肉棒を咥え、口内で先端を舌でくすぐる。
───はぁっはっ、くっ、おい、おい!
 肉棒を口から離すと唾液と先走りの汁が糸を引き、橋を作る。私はそのまま裏の筋を舐める。
───はっ、はっ、おい●●、やめてくれぇ、もう、ひっ、はぁっ、ぁっ
 そして、また口に咥え、ゆっくりと喉の奥に押し込んでいく。
───●●!で、でちゃう、うっ、で、
「出そうなの? 早いわね。でも駄目よ」
 肉棒から口を離し、私は近くにあったマットに腰掛ける。
「私、ずっとこの時を待ってたの、だから」
 私はスカートの端をつまんで持ち上げ、ひどく濡れたそこを見せつける。
「全部全部、あなたのをここに注いで」

───ふっ、ふっ、はっ、ふっ、はっ、
「あっあっ、ぅん、ぃっ、あっはっ、あん♥」
 あなたは私に覆い被さり、その肉棒を何度も何度も私に突き刺してくる。
 お互い一糸纏わぬ姿で絡み合って解けない。
 もう、外の音なんて聞こえない。聞こえるのは私とあなたの喘ぎとさっきよりも淫らで激しい水音だけ。
「い、いいっ、やぁっ、はっあん、」
 一回突かれるごとに愛は深まっていってる、そんな気がしてならない。
「ね、ねぇ、き、キスっ、ひぃっ、し、ぁん、してっ♥」
───●●っ、はっ、んっ
「ちゅっ、ん、はっ、んっんっ♥おいひっ♥」
 私はあなたの唇を貪る、あなたと私の唾液のカクテルが喉に流れていく。
───はっ、はっ、でっ、でるっ!
「んっ、はっあっ、い、いよ♥だひてっ♥ナカにぃっ♥いっぱいぃ♥せーえきっ♥」
 いよいよだ、妄想の中でなら何度も経験したあの瞬間が。私を何度も絶頂に導いたあの感覚が。
───くっ、ああっ!
 しかし、あなたはその瞬間、肉棒を引き抜いた。
 白濁した精液のアーチが私の腹を、胸を、顔を汚した。
───はっ、はっ、はっ、はっ、
「───────どうして?」
 こんなはずじゃない、それは私の中に注がれるはずなのだ。私の子宮を満たすはずなのだ。
「どうしてよ、どうしてよ!」
 私は涙目になり、あなたの顔を引き寄せる。
「いいわ、もう我慢も遠慮もしないわ」
 私はあなたを、
 あなたの瞳を見つめる。
 そして

───あなたは、『あなた』になった

────………………
「はっ、はっ、ねぇっ、早く、早く。めちゃくちゃにして、ドロドロにしてっ」

「私を壊して」

「あっあっあん!いっ!ひぃっ!ゃん!あっ!」
 私の喘ぎはもう叫び声となり、倉庫を揺らす。結合部からは私の愛液が吹き出す。
 これだ、これこそ私の求めていた『あなた』。
 激しくて、熱くて、獣のような、野蛮な、
 どんな言葉も当てはまらないような『あなた』。魔物よりも、おぞましい『あなた』。
 今、私はどんな表情をしているだろうか、歓喜に震え、理性を捨てた雌のような表情だろうか。
「ああん!いやっ、あっ、ぃっ!はっひっ、ぅん!あっ♥」
 私は今までにないほど乱れていた。今までのどんな妄想の私よりも。
「ね、ねぇ!あいしてる♥あいひてるっ!」
 『あなた』にしがみつき強く首筋を噛む。
 それでも『あなた』は変わらずに私を犯し、壊し続ける。
「いっ、いっひゃう、いっひゃうからあ、いっしょにぃ♥」
 本当にどれくらいこのときを待ち望んでいたか。何回も何十回も何百回も経験したはずのこの瞬間がまるで夢のようだった。
「こんどはぁ♥ちゃんと♥ナカにぃ!♥」
 私は足で『あなた』にしがみつく。
 もう逃がさない。
「あっ、あああああ♥やっやっ、ああん!」
 お腹の奥に暖かいものが流れてくる。今度はちゃんと私を満たしてくれた。
 『あなた』は汚れた肉棒を引き抜く、私の裂け目からは濁った液が零れる。
「はっ、はっ、」
 『あなた』は立ち上がった。
 私はその肉棒を口に含む。汚れてしまったのだからきれいにしないと。
 だが『あなた』は私の頭を掴み、無理矢理喉の奥へ肉棒を突っ込む。さっきまでと同じように腰を前後し犯してくる。
「んんんんんん!!むんんんんんん!」
 苦しい!苦しい!
 私は『あなた』腰を叩き、助けを求める。
 だけど止まらない。何度も私の喉を突いてくる。
「んん!んん!んんんんんんんんん!」
 喉の奥に精液が注がれる。どんどん胃が精液に侵略されていく。
「ぷはぁっ! げほっげほっ、おえっ」
 思わず手のひらに精液を吐き出してしまう。
 もったいない。これは『あなた』の大事な一部だ。こんな所に零してはおけない。
 私は手のひらを傾けて喉を鳴らし飲み込む。
「んっんっ、はっ」
 美味しい、もっと飲みたい、もっともっと。
「もっと、くださいぃ」
 『あなた』は私をまた、マットの上に押し倒す。
 そして、私の薄い胸に肉棒を押しつけ、こすりつけてくる。
「いやぁ!もっとぉ、のませてぇっ!ちがうのぉ!せーえきぃ、せーえきぃ♥」
 それでも私は無い胸を寄せて奉仕する。
「だひてっ、だひてっ、こいのぉっ、だひてっ」
 ビュルル!
 私の顔に精液がかかる。それをすくい取ってなめる。
「はっはっ、ちゅっ、んはっ、おいひいよぉ♥」
 次に私はどこを犯されるのだろうか、アナル?それとも手?足?脇?耳?お腹?
 もうどこだっていい。多分全部犯してくれるはず。だって『あなた』のそれはまだまだ元気なんだもの。
「は、はやくぅ♥わたしが、わたしが、死んじゃうまで」

「犯して頂戴♥」

 これから私は何度犯されるのだろうか。多分何回かだろう。多分何十回かだろう。多分何百回かだろう。多分私が今まで『あなた』にさせてきた分なのだろう。
 ならばそれほどうれしいことはない。だって
 ずっと『あなた』と繋がっていられるもの。

 『あなた』に壊してもらえるんだもの。
15/09/27 20:00更新 / 鯖の味噌煮

■作者メッセージ
 初エロ投稿です。深夜テンションで制作したものです。恐ろしいな、深夜テンション。
 スマホで書いているのですが、勢いで二回押したり変なところ押さったりすると大変なことになったりしちゃいます。
 大きなミスがあったとき大抵はこういうことが原因だと思います

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