連載小説
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アリスな国からこんばんは●
「いやぁ、素晴らしい時間だった」


そう語る、ここは不思議の国。

マッドハッターことハッターである。


貴方は現代にくたびれて彼女にここへと案内されてしまった。

戻るつもりも無い。


それを知ってか知らじか彼女はすっかり治った腕を高らかに上げ、二人しかいないお茶会会場で演説をしている。


「入れたり入れられたり、出したり出されたり!」


貴方は用意してくれた紅茶を飲みながら演説をスルーした、大人の対応だ。


「その性交は片方が疲れてももう片方が無理矢理襲い掛かり、その片方が逃げ出してもまた片方が満足するまで離さなかった!」


彼女はこぶしを握り、眼をキラキラとさせて語る、貴方は少し恥ずかしいが大人の対応である。


「そして喉が渇こうが腹が空こうが、性交中に口にしたのはお互いの精液か愛液だけであっふぇ」


貴方はさすがに恥ずかしくなったので彼女の頬を軽く抓る事にした。


「こふぁこふぁ、止めないか君」


貴方は流石に嫌がってしまったかと思った。



「揉むなら胸にしてくれよ、控えめなのは知ってるから少しでもおおふぃふ」


貴方はやっぱり頬を抓る事を再開した。




刹那、貴方は後ろから巨大なホットケーキをぶつけられるかもしれない様な感覚に陥る。


貴方はどうするか判断に40フレーム。

抗議する彼女を抱きしめテーブルの下に潜り込むのに120フレーム。

抱きしめた事で満更でも無い声を出した彼女の声を認識したのは・・・置いといて。


掛かった時間は約3秒、その更に数秒後に


「おすだああああああああああああああ!!」(バギャン)


黄色い声と共にテーブル真ん中へと突撃した大きな鳥の様なものを貴方は認識する。


「おお、これはジャブジャブことジャフじゃないかー」


テーブルから顔を出した彼女は間延びした綺麗な声で、そして大げさな手振りをしながら言った。



「やぁー、ハッター。集会に来なかったのはそちらの彼の為かな?なら仕方ないねえ」


そう語る理解の早い彼女はテーブルにバタバタと首だけ突っ込んだ状態で言った。


全身が大きなピンク色のふわふわな羽毛、身体の割には大きい胸。


何より逆さまなので股間が喋ってる様に見える。


股間の羽毛に合わせたピンク色の下着はあそこの形は辛うじて見えないがシミが出来て汚れている、よっぽどアレがアレなのか。


冷静にそんな事を思っているとそっとハッターが貴方の目の前に手で見えない様に覆い隠す。


「そろそろ起き上がったほうがいいんじゃないかなお茶会が出来ないじゃないか」

彼女は少し早口で股間に話しかける。


よっ、と起き上がった彼女もまた魔物娘らしい。


「かぁー!見つけた雄はお手付きでした!残念だ!」


高い可愛らしい声でニコニコと語る彼女はここの常連の一人だそうだ。


「まぁーそういうことだよ、あと下着は毎日変えた方がいいねー」


やっと手を下ろしてくれた彼女の口調は間延びした声に戻る。


と言ってもほぼ丸出しの下着、トランジスタグラマーを通り越してダイナマイトな胸、可愛らしい見た目とフワフワな羽。

そして何より独り身であれば抱き着いてむしゃぶりたくなるような全身から香るメスの匂い。



しかし貴方はもう只の人間では無く、インキュバスと化した身体。


パートナー以外には性の反応が乏しくなったのは明らかに確実だった。


ハッターの言うことには性交を続け、インキュバス化した男性は

「無病息災」
「長寿福禄」
「性欲増加」
「万年発情」
「焼肉定食」
「出前迅速」
「落書無用」



と当てになる様な、ならない様な、事を言っていたのを貴方は思い出す。


きょろきょろと周りを見渡すジャフ。

「まだ他は来ていないねえ?」

黄色い声で言った後。


「・・・いるわよ」(ファー)

テーブルの真ん中に有ったオブジェかと思う大きなティーポットからネズミの様な耳をした女性があくびをしながら出てきた。


「・・・や、僕はドーマウスのマーチャン、気軽にマーちゃんと呼んでね」(グー)


そう枕片手に話す彼女の姿は小さな身体、前がはたけたネグリジェの様な服、大きな耳、長いしっぽ、フワフワな毛に包まれた脚。


だらしない着方をしてるせいか、かなりなだらかな胸が見え隠れしている。

そして彼女からもジャフとはまた違う強烈な甘い香りが漂う。


しかも眠りながら話す彼女をやっぱり独り身であれば押し倒し、その下着を脱がし、全身をくまなくしゃぶり尽くすかもしれなかった。



これは小柄な見た目から歩く事案になるところである、貴方はそう思った。


・・・今回はさすがに目を覆わなかったが右腕に胸の形が分かるようにハッターは抱き付いてきた。




「さぁお茶会を始めよーう、今日は私が彼を出会ってー3日目の日だ!3日目の日にー、万歳ー!」


あ、そこは原作と同じなのか・・・そうつぶやく貴方、良く判らないお茶会が始まり続く。





「さあ、僕の紅茶をどうぞ」(グー)


寝ながらマーチャンは貴方に紅茶を差し出す、香りは良い。

むしろ良すぎる。


貴方は紅茶を口に含むと旨く甘い紅茶と認知する。



しかし旨すぎるのだ、貧相な発想だが焼肉食べ放題で出てくる肉が軒並みA5ランクの霜降り和牛の様に。


貴方は2口目は飲む事は出来ないと謝った。


そしてハッターの入れてくれた紅茶を再び飲むことにする。


寝ているマーチャンの目が開いた、ハッターとジャフが驚く。



「「起きた!?」」



「・・・僕の紅茶じゃなくてハッターの紅茶を選んだ、うんそうか・・・」(グー)


そう言うと彼女は再びまどろみの海に浸る。



貴方は少し困惑したが、やはり大人の対応である、判らなかったらスルーだ。

不思議の国には良くある?事だ。


そしてお茶会は続く・・・

文字道理、ウサギの様な魔物娘やトランプカードの兵士や紫の龍の様な魔物娘も居る。



彼女達の話の内容の9割はシモいネタばかりである。


まるで親父のセクハラ会議に混じってしまった若い女性事務員の様な気分になる。

まぁそこも大人の対応である、それに貴方は言うのも聞くのも若干慣れてきた。

・・・
・・



その中の一人が話す。

「そういえばチェシャキャットはやっぱり来ないね」

「あいつは神出鬼没だしね、さぁそろそろ引き上げるかな」


どうやらお茶会はぼちぼち終わりらしい。

ジャフとマーチャン、ハッターと貴方だけになった頃、そろそろ帰ろうかとハッターに言い掛けた時・・・



目の前に口だけが浮かぶ、貴方の直感は今回働くことは無かった。


もう獲物を見つけて嬉しくて仕方ない様な口の形だけが貴方の周りをフワフワ漂う。


「いやイヤいや、これはカッコいい雄。もといお兄さん」


口が消え、突然姿が現れる。


「わたくしめは不思議の国の案内人、混乱と魅惑のチェシャキャットことミーコと言います、コンゴトモヨロシク・・・」


ニヤニヤと笑う整った顔、揉みし甲斐がありそうな胸、身体から良い香りがする、わざと身体を強調させる様な服。

とても魅力的に感じる、強力な魅了の魔法でも使っているのかと思えるぐらいに。


しかし貴方はむしろ気分の悪さが脳内に出る。


心なしか余裕が無さそうに見えるハッターが貴方にしがみ付き、声を彼女に掛ける。



「・・・おや、チェシャ猫ことミーコ殿。今更さ、お茶会は終わったよ。もうお開きだ」


いつもの間延びした声では無く、やや冷たく感じる声だ。


それに憶する事もなく、目の前の彼女は続ける。


「貴女には言っていない、今は私の身体を舐めまわす様に見て、私と交わりたくて仕方ないそっちの殿方に言っているのですよ」


ニヤニヤとした笑みを貴方に飛ばす。



しかし貴方はそれは無いと答える。


絶対に無い、と2回も言った。


巨大ティーカップからマーチャンが蓋を上げ、顔を出してきた。


「彼は僕の紅茶よりもハッターの紅茶を望んだ・・・もう判るよね?」


再び戻る。


しかしニヤニヤとした顔つきのままに目つきが細くなる。

苛ついた様な、獲物を目の前に取り逃がした様な顔だ。


「ほほう・・・そうかそうか。私に抵抗するなら全面戦争と行こう。何、喧嘩じゃないよ・・・謎々だよ。君が勝てば私は退散。私が勝てば・・・まぁ判るよね?」



ニヤニヤとした笑みを絶やさず、姿を消したり現れたり、貴方の尻を撫でまわしたり、息を耳に吹きかけたり。


ハッターが動く。


「する必要は無い、さぁ帰ろ「貴女には言ってないと言ってるだろう?聞こえてないキノコだね?」



鋭さの増した声にハッターの顔が強張る。

ジャフも同じく固まっている。


貴方はチェシャキャットに大人の対応で答える。

目的は自分だけだろう、戦うしかない。

そう貴方は覚悟した、無論撃破するまでだ。



「イイねイイね・・・では問題デス。1足す1はイくつになるでしょうー!田んぼじゃなイよ?もちろん答えの理由も付けてネ。制限時間ハ1分!」



貴方は近所にいた小さな子供が貴方をからかった時と同じ顔をしているな、と思った、口には出さない。


これは・・・
・・・貴方の直感は閃いた!



貴方が飲んでいたティーカップとハッターが飲んでいたティーカップ。

それを持ち、2つに残っていた紅茶を飲み干した。


貴方は2つのカップを自分の足元で叩き割った。


貴方は言う、1と1を足せば答えは(ゼロだ)と。



チェシャキャットは苦虫を噛み潰したような顔になったかと思うと姿を消した。





・・
・・・

固まった空気の中、最初に声を出したのジャフだった。

「はぁ〜、どうなるかと思ったよお〜」


貴方は思った以上に厄介な相手だと察する、確執が生まれたかもしれない。


「僕は手助けしたつもりだったけど、意味が無かった・・・」

巨大ティーカップが揺れる。


貴方はそんな事は無いと感謝する。


ぎこちなくゆっくりとハッターが貴方に近寄りしがみ付く。


「ごめんよ、私、怖かった。よかった、大丈夫で、連れ去られなくて、良かった」

震える彼女を大丈夫と諫め、貴方は抱きしめた。




・・
・・・


夜、家の中、彼女も貴方も明け方まで互いを離さなかった。



服の臭いを嗅ぎ、乱暴にお互いの身体を触りながら服を脱がせ合う。


下着の臭いを嗅ぎ、滴る液体で染みが出来ている事を確認する。


彼女は貴方の突起した物に引っ掛からせながら貴方の下着を剥ぎ取る。


貴方は彼女の愛液で重く濡れた下着をわざと音を出るように床へ置く。


お互いの性器を咥え、吸い、しゃぶり、互いから何度も出る体液を飲み干す。


舌を伸ばし、中に、あるいは絡ませて、舐め取る。



身体は上に、または下に、掛け合う言葉は無く、喘ぎ声だけが響く。



貴方は胸を揉みつぶしながら後ろから前後に動く。


彼女は貴方に跨り、貴方の口から唾液を吸い尽くそうと口腔へ舌を伸ばし、上下にピストンする。


貴方は座った状態で跨らせた彼女の胸を吸い、尻を掴み、揉みながら上下させる。


彼女は貴方の手と恋人繋ぎをしながら寝そべる貴方と前後にピストンする。


貴方は彼女にのしかかり、彼女の片足を掴み上げてピストンする。



何度も果て、何度も動き、何度もイク。


お互いの性器が出入りする度、飽きることのない快楽が満ちる。



疲れた貴方は立ち上がり、外の空気を吸おうとする。


狂った彼女は貴方を押し倒し、再び性交を続ける。



満足した彼女は動きを止め、眠ろうとする。


足りない貴方は彼女を眠りに逃がさず、無理矢理にでも身体を重ねる。


・・・
・・


お互い、精も根も尽き果てる。

明け方になり、ゆるゆると身体を清める為に風呂場へ向かう。



言葉も無く、頭や身体を洗い合う。



風呂桶のヘリに彼女の両手を掴ませる。

貴方は彼女の脇腹を掴み、彼女の膣内へ肉棒を滑らせる。

身体がぶつかり合い反響する音と荒い呼吸音だけが風呂場に響いた・・・




新しい下着と寝間着を着た貴方と彼女は、朝方。

抱きしめ合いながら泥の様に眠りについたのでした・・・

18/09/21 04:27更新 / ひいらぎさん@
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■作者メッセージ
再掲続きです、もうちょっとだけ続けたいです。

見てくれた方、ありがとうです。

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