連載小説
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ケース02:悪魔化+αの場合(後編)
クリスは昨日訪れた魔界に入り、とうとう追手からは逃れるようになった。
クリスは空から落ちて着地しようとしたが、不慣れで数メートルから急降下したため、数回着地回転をした。
「ったく、羽根が泥だらけだ。」
クリスは、となりにいる池で、自分の悪魔の羽根を洗おうとした。
それを済んだところ、池の反射で、自分の姿を見て、思わず自分の体を眺めるようにした。
角の色合いは黒いだが、その先端には紅い艶があって、硬くて丈夫である。頭の真上をしっかり守っていて、岩が落ちても無事な気分だ。
羽根はサキュバスの奴と似ていた、腰が生えるもので、上には鋭い爪が皮膜から剥きだしている。意外と力が強く羽ばたけるから、羽毛の付いた奴と同様に空に飛べる。
そして同じく真っ黒な尻尾は相当太くて、強い筋力を有しているようだ。
クリスは、試しに身を振り向かい、尻尾を池の上へ振りだすと、そのスペードの前端が力強く空気をきり裂き、水面にも波紋を刻み、まるで鞭のようだ。
「僕の新しい身体...綺麗な羽根と強い尻尾...すごい...。」
少しナルシストなクリスは、自分の体を妄想しながら、思わず勃起してしまった。
しかし今回は、いつも着ていたズボンは、ものすごく窮屈に感じる。
クリスは、早速自分の陰茎を取り出し、勃起してからなにか異常はないかを確認した。
そそり立つちんぽは、前より相当大きくなった。
元々は片手で全部掴める子供ちんぽが、すっかり大人になってて、両手で掴んでも、下部しか掴めず、亀頭は丸出しになっている。
「すごい...めっちゃでかくなってる。」
それと、クリスは別に異様を感じる。
ちんぽを野外で丸出ししているのに、ちっとも羞恥心を感じない。
肌寒く感じもなかれば、勃起することに違和感を感じず、むしろいつもこんな感じだったと思えるように。
まるで、外に出して当然な器官、五つ目の肢体にも感じる。
おっぱいの大きい女性が存在感強く、みんなに意識されがちのように、自分もこの巨根でみんなに意識されたい。
いうもでもなく、新しい成長した宝物をしごき始めたクリス。
大きくなったイチモツは、前よりしごきしやすく、手いっぱいで掴めることもできる。
「そうだ、これを...」
クリスは尻尾を伸ばし、イチモツの前までに。
後ろの尻尾で前の尻尾を巻きつけ、セルフ尻尾コキを敢行した。
「尻尾がチンポを締め付けてる...気持ち...いい!」
自分の体を活用してオナニーすることで、クリスは体を後ろへ反り返え、体を張って快感を強めようとする。
同時に、尻尾の先端で、亀頭を摩擦し始め、さらなる快楽を得ていく。
「で、出る!!」
間もなくクリスは、前尻尾から精液を吹き出し、このまっさらな体を満喫した。
「はぁ...はぁ...はぁ。」
クリスは、地面で横たわって、オナニーにより絶頂の余韻で、草原の真ん中でくつろいだ。
「とはいえ、僕は今ホームレスだな。この角と羽根とかさえあれば、ケルビアには戻れない。しかもちんぽが無駄にでかくちゃって。こんな時じゃどうしようもないよ。」
賢者タイムに戻ったクリスは、ようやくこの体に不便を感じた。
尻尾も、ちんぽも、こんなズボンじゃもうこの下半身には窮屈すぎる。せめて穴でも空けたら、前後それぞれ入れれば穿けるだろう。
腰の羽根は服の下から出れるもので、さほどめんどくさくはないが、風が当たって体のバランスが崩れそうだ。
「よし、早く行こう…」
クリスはすぐ、イチモツと尻尾を洗って、緩やかめズボンに変えた。
独身男性、ましてやインキュバスが魔界でのオナニーは、大変危険である。
近くの魔物がすぐ精の匂いを気付き、ここへ駆けつけてくる。
クリスはそれを知り、できるだけ後始末を済まし、現場を去っていた。
〜〜〜〜
「彼女なら、僕の体になにが起こったかは知っているだろう。もしかして全てが彼女の仕業かも。」
クリスはポケットから、一枚の紙切れを取り出した。
その紙は、ポーションの口止めとして使ったもので、そこにはエカテリーナの住所を記載したものである。
一時間の飛行の練習を兼ねて歩行の末、クリスは、一つの巨大な荘園の前に止まった。
クリスは上空を見て、理解した。
このマンションは障壁守られて、上から侵入するのは無理である。彼女と会うには、ちゃんと作法通りやらなければならない。
クリスは、巨大なる鉄柵から出来たフェンスドアの隣にあるベルを揺らした。
すぐ、それを応じるように、フェンスドアは自ら開いて、屋敷への道を示した。
道の先には、豪華なマンションが建てている。
魔王の令嬢だからこういうマンションに住むものだな。っと考えるクリス。
クリスは、二階にある一つの窓を気付いた。
その開けた窓から、明かりが見え、本をめぐる音がする。
「おーい!そこのはエカテリーナさん?聞きたいことがあるんだけど!」
そして窓から、エカテリーナの声が伝わって来た。
「少し謹んでもらえるかしら?その『おい』とのような下品な言葉遣いは。」
「では、少しの間、面会させていただいてもよろしいでしょうか?エカテリーナ王女。」
エカテリーナは、本を閉じた。
「いいわ。会ってあげる。」
しかし次の瞬間、本来は二回の窓際にいたと思われるエカテリーナは、正門からドアを開けて、姿を現した。
まるで、瞬間移動をしたように。
いや、実際瞬間移動である。魔王の令嬢だから、こういう短距離のテレポートもできるだろうと、考えるクリス。
普段と変わらない美貌、白い髪とグラマラスなボディだが、服は図鑑にあるリリムの正装ではなく、普通に黒いキャミソールとショートパンツで、至って普通な女性部屋着だったが、それでもリリムらしく妖艶さが溢れている。
「やあ、エカテリーナさん。僕の姿になにか心当たりはあるかい...」
「え!?なにそれ!?あんたの姿!」
エカテリーナは、クリスを見た瞬間、驚いて口を塞いだ。
リリムとて、自分と同じ角、羽根と尻尾を付いた男性と会ったのは初めてだ。
「いや待て、お前の仕業じゃなかったの?」
エカテリーナは、首を横に振った。
「これは...アルプになったの?待って、違うわ。精の匂いがブンブンするんだけど。」
彼女は、しれっとクリスの普段以上に膨らんだ股間を見て、手を伸ばして触ってみた。
「ちょっとなにを!やめてくれ!」
「そうだわ。ちゃんと付いている。もしかして母上の魔力が...しかしあと1000年ぐらいって言ったじゃん、男を完全に魔物化させるには...」
「先からなんなの?僕になにがあったんだ?」
エカテリーナは、深呼吸をした。
「ごめんね、クリスくん。少し取り乱しちゃったわ。質問は一つずつで答えるから、うちに入りなさい。」
〜〜〜〜
クリスは、面会室で坐った。
「お茶飲む?今は媚薬を入れないから安心して。」
「遠慮するよ。僕はまだお前のことを信用し切っていないから。」
エカテリーナは仕方なく、自分の分のお茶を淹れ、コップに注いだ。
「じゃ、僕の体に起きたことは、少し説明してもらえるかしら。」
「残念だけど、クリスくんの状況は、私のせいじゃないわ。リリムだってなんでも出来るわけじゃないから。」
クリスにとって、先からテレポートで二階から一瞬で玄関まで行って、そして火の魔法でお茶を沸かせ、そしてケトルを浮遊術でお茶をコップへ注ぐ彼女には、あまりにも説得力のない話だ。
「バカにしないで。こんなの嘘に決まってる。」
「そちらこそバカにしないで。私は魔王の娘よ?こういう詰まらない嘘を吐く女とでも思うの?」
「だったらそのポーションはなんなんだ?お前がくれた薬じゃないのか?」
「バカなことを言わないで。あれは普通なポーションよ。しかも人間の行商人から買った市販品、蓋を開けた以外細工していないわ。」
クリスはポーションのビンの底を覗いた。
確かに反魔物領から生産したものだ。
「いや、それでも信じることはできない。細工されていないことが証明できないから。」
「どうしても私を信用してくれないみたいね。いいわ、疑いたいなら好きなだけ疑いなさい。」
「お前がやっていないなら誰がやるんだ?素直に白状しろ!」
「だから私はやってない。それだけ。私に八つ当たりする気?」
バン!と、怒りのあまりにテーブルを叩いたクリス。
「ふざけんなよ妖女め!僕を元に戻せ!」
「うちで乱暴な真似はやめて。聞く耳を持たないなら、ここから追い出してあげるわ。」
リリムの手から黒い魔力の玉が現れた。
クリスは唾を飲んだ。あんなどす黒い魔力の塊は、生まれてから見たことのないものだ。
あれに当てられたら絶対死ぬ。彼女には勝てないと、嫌なほど理解するクリス。
「…お前がそう反応しても、僕の問題は解決しないから。」
涼しい顔をしているエカテリーナを見て、焦りが表に出したクリス。
自分の潔白を証明できないエカテリーナも、長くため息をついた。
弁解を諦めたエカテリーナを見て、クリスも困った顔で対策を考案している。
「いい案があるわ。医者を呼んであげるなら、それでいいでしょう?ちょうど、一人の知合いがいるわ。男の魔物医者。もちろん、うちら親魔物領の人ね。」
「親魔物領……まあいいだろう。その医者とやらを会ってみようか。」
エカテリーナは指を鳴らし、一匹のコウモリを屋敷の奥から呼び出した。
「はい、お願いね。」
まるでテレパシーのように、コウモリはすぐ、自分の行き先と任務を理解し、すぐ窓の外へ飛んで行った。
十分後。
エカテリーナはテレポートの魔法陣を開いた。
目の前にある転移魔法陣は、明らかに30人以上用の集団転移魔法だ。魔力の消耗が非常に大きく、先生でも2,3人で数十秒の詠唱をしないと使えない代物だ。しかしエカテリーナはただ手を翳し、詠唱も精神集中することもなく、難なく掛けたことは、クリスの前にいる美人はとんでもない化け物の実力がある証明だ。
リリムの膨大な魔力に感嘆するより、クリスは疑った。相手が30人もいるの?このぐらいの大魔法はなんのためだ?
間もなく、その医者は転移魔法から現れた。
彼の見た目は、10代後半の少年であり、クリスよりわずか3、4年ぐらい年上に見える。
白衣の下にある服はどれも市販の服装ばかりで、しかもサンダルを着ていて、至って庶民派の家庭医者に見える。
しかしクリスの疑問は、彼が予想したものよりずっと簡単だった。
その魔物医者さんには、美人な助手がいた。
その助手さんは、お淑やかな表情をしている白いラミアだった。
ストレートで絹のような白髪、そして同じく雪のように白くて長い長い尻尾。
その蛇の尻尾は、たぶん2,3人もの男性を巻きつける長さで、人間のトルソーぐらいの太さはあった。確かに集団転移魔法陣じゃないと入れられない代物だ。
彼女が纏った看護師の服は塵一つない真白であり、清らかな姿はまるで極東にある「白蛇」のような美しいものだった。
「ごきげんよう、グレイくん、サルフェンティアちゃん。わざわざ来てくれて感謝するわ。」
「おはようございます、エカテリーナさん。今日はどこが気分が悪いんですか?」
「あいにくだが、今日は私が病気になったわけではなく、この坊やがね。」
「はい。えっ、この子、男性なのに角が…アルプでもないし、なにか薬でも飲んでこんな姿になったんじゃないですか?」
「それが謎だよ。私がなんもしていないのに、勝手に角とか羽根とかが生えちゃってるから、疑われているわ。」
「あの、今僕が病人ですけど、話せてくれる?彼女が僕にくれた傷薬を塗ったら、こうなったんだ。この薬の成分を分析してくれるかい、先生?」
「わかりました。じゃ、サフィー、お願いします。」
「ええ、わかりましたわ、先生。」
「薬の成分を確認する間、君の身体状況を検査してみよう。私はグレイ・リヒテンバイト。君の名前は?」
クリスは、グレイが自分と年が近くて気が合いそうな同性を見て、少し安心をした。
「クリス・オーピス。よろしく、グレイ先生。」
「うん、よろしく。じゃ、これから検査をしますね。」
グレイは、クリスの身体検査を始めた。
~~~~
「体温、血圧、呼吸、身体機能も全部異常なしです。羽根と尻尾、そして陰茎含めて、全身の機能が至って正常です。それに、体質は人間より遥かに上回っています。もう言うまでもないことかもしれないんですが、クリスくん、君はもうインキュバスです。」
「ふーん、もうなったんだ。」
「先生、回復ポーションの解析が終わりました。」
「ありがとう、サフィー。どれ…止血草、増粘剤、そして赤い食用色素ですね。至って普通な回復ポーションみたい。これで、エカテリーナさんの無実が証明されたんですね。」
「血液検査も終わりました。ほんの少しですが、この子の血液にはある種の薬が残っています。わたしが見たことのないものですが、中身の素材から見ると、精力剤と身体改造薬に使われているの成分が含まれています。」
「言っとくけど、僕は魔界でまだなにも口にしたことはないんだけど。」
「それなら、私もわからないんですね。なんせ魔界は水でも媚薬になっている可能性がありますから、空気の中でなにか揮発されて微粒化した薬でも漂っている可能性は否定できません。エカテリーナさんはどう思いますか?」
「ええ、グレイ先生の言う通りよ。もしやおっちょこちょいバフォメットなら、実験事故でこういう状況になる可能性は充分あるわ。ふふ。」
「そう。...じゃ僕は、元に戻れるの?」
「体の余った部位は解除薬を飲めば大体取れますが、しかし生活に支障がないなら、別にそのままにしても大丈夫です。今の魔界ではこれのように体を改造する男性も少なくないので、一風変わったな体をしている男性も段々と受け入れ始めますクリスくんは、この体に不満ですか?」
「そりゃ、僕はこの角のせいで住むところがなくなったけど。ほら。」
クリスは、聖ケルビアの住民票を取り出し、グレイに見せた。
「えっ、この人、反魔物領の住人ですか、エカテリーナさん?」
「ええ。だけど、私に敵意というか、ただ手合わせしたい言ったんだから、別に魔物には恨みはないと思うわ。」
「むしろ、なんでリリムであるエカテリーナさんに挑みましたの?勇者でも勝てそうにない魔王様の娘なのに?」ずっと黙っていたサフィーは、クリスに尋ねた。
「確かに僕は、魔物に恨みはない。ただ、強くて美しい女性に、挑んで打ち勝ちたいと思わないかい?そこに山がいるから、山を登りたくなるというのは自然なのでは?」
クリスの自信満々な顔を見て、グレイは少し複雑な笑みをした。
「そうですか。やはりみんなはなんらかのきっかけで、愛する人と出会うんですね。私も、サフィーと中立地区の医学院に出会って、一緒に絆を深めてここまでやってきたんですから。」
「もー、話さないでグレイ先生♡照れちゃうじゃない。じゃ、今夜たっぷり二人で愛し合いましょ♡」
「あはは...わかったよ。では、ここに処方箋を置いときます。私たちは先に帰りますので、診療代はエカテリーナさんのいつもの化粧品と一緒に請求します。またなにがあったら是非呼んでください。クリスくんも、エカテリーナさんとうまくやれるようにね。」
「うふふ、また頼みにくるわ。では、ごきげんよう、グレイくん♡」
「ちょっと!グレイ先生に色目に使わないで!先生は私のフィアンセだから!」
「嫉妬する顔もかわいいね、サフィーちゃん♪」
「もう!帰るわ、先生!」
「あっははは...」
「ヘラヘラしないで!私は真剣なんだから!」
「わかったわかった...落ち着いて、サフィー、ボクは君に一筋だから締め付けないで…」
微笑ましい痴話喧嘩の中、二人は転移魔法で姿を消した。
「で?問題なかったら、いい加減私のことを少し信用したら?私とてリリムとして誇りが掛けているから。」
「はいはい、わかった。疑って僕が悪かった。」
「あら、意外と素直ね。そっちのほうがかわいいと思うわ。」
クリスは処方箋を見た。
「ねえ。僕が元に戻ったら、またここに来て、いいの?」
「なにバカなことを言ってるの?乱暴なことはしない限り、私んちはいつもクリスくんを歓迎するわ。人間も魔物も。私の知り合いになった以上、遊びに来ても泊ってもいいわよ。今住むところがないでしょう?上に行って好きな部屋を選んで。どれも私が使ったことあるから。」
クリスは苦笑した。
「なんだ、最初から僕が泊ってもらえば済む話じゃん。」
「うふふ。夜まであと少しあるし、早速だけど、私と勝負してみない?」
「え?僕と勝負って?」
急に前回で大敗を喰らわせられた相手から挑むことに、少し戸惑ったクリス。
「ええ。クリスくんは、私を自分の女にしたいと言ったわよね?」
「そりゃそうだけど、今の僕はお前には勝てないよ、エカテリーナさん。昨日だって僕をコテンパンしてたじゃん?」
自分が勝てない相手に一気に自虐的になったクリス。
「いいから、表に出なさい。ルールを教えてあげる。」
疑問を抱きながらも、クリスはエカテリーナと一緒に庭に出ようと、ソファから起きた。
〜〜〜〜
二人は庭にある広場に出た。
「って、そのルールとは?」
「まずは、ちんぽを出しなさい。」
「は、はい!?」
魔物娘だからとはいえ、そういう発言をすることを予想できないクリスは、驚きを隠せなかった。
「ハンデをくれてやるわ。この勝負はね、クリスくんに絶頂させたら私の勝ち。代わりに私がクリスくんの攻撃に胴体と頭に一回でも当てられたら、私の負け。どう?これで対等に戦えると思うわ。」
「これじゃ僕が変態みたいになったんじゃないか…まあ誰もいないからいいんだけど。それにしても、そこまでのハンデかい?僕をそこまで舐めたらしっぺ返しされるよ。」
「私も本気でやるから、かかってきなさい。」
エカテリーナは、魔力制御の指輪を外し、淫らな魔力の突風でクリスを勃起させた。
クリスはすぐ、ズボンからちんぽを解放した。
少年としては中々の巨根で、並みの人間の大人だったら顔負けし、インキュバスだったら大人と比べても平均値以上はあるらしい。
「あらあら♪立派なちんぽだわ。これを味見するには待ってられない♡」
「この炎に勝てればな、見るがいい、僕の炎を!」
クリスは炎を放って、威勢を張って、退けない意志を示した。
突然、その炎は紅い炎から、紫色となった。
「紫色の炎!?」
「あらすごいじゃない、炎が紫色になって闇精霊使いみたいね。これは、体にある魔力の濃度が非常に高い証拠よ。ましてや精霊なしで紫の炎。これだったら百年以内で私と対等で張り合えるかしら。ゾクゾクするわ。」
「それでも百年か...」
「こう見ても父上と母上が譲った血脈に誇りがあるの。簡単に越えられちゃ困るわ。」
お喋りしていても、二人の体はすでに、戦いのために神経を引き締めている。
「御託はもういいじゃない?そろそろ決着をつけよう。」
「ええ。始めましょう。」
「じゃ、僕からいくよ!」
クリスは羽根を羽ばたき、エカテリーナへ飛び駆けた。
クリスは手に纏う炎を増幅させ、炎を刀のように切りかかった。
エカテリーナはすぐ、片手で魔力の盾を張ってクリスの斬撃を防いだ。
そしてもう片手は、伸ばしてクリスのちんぽを掴もうとする。
クリスはすぐ、それを手刀でブロックし、もう一振りの炎の刃を形成し、横から二刀流でエカテリーナへ切りかかった。
流石の魔物でも、この瞬間じゃ片手では防げられなかった。
エカテリーナは、もう片手で魔力の盾を張り、両手で魔力の盾を作り、防御を徹するとした。
胴体が守られていても、クリスは容赦なくエカテリーナの足へ連続蹴りを放った。
「意外と簡単じゃない?このままじゃ余裕で勝てそう。」
「クリスくんいいかい?魔物は、両手だけじゃないわ。」
エカテリーナは、尻尾を触手の秘穴と化し、クリスのちんぽを吸いつこうとした。
「って、尻尾が!」
クリスはすぐ後へジャンプし、辛うじて触手まんこで搾精されることを免れた。
「うふふ♪私の一番強い武器は手足ではなく、この尻尾よ。一度吸い付いたら、あなたの精液を全部吐き出さない限り離さないわよ♡」
リリムとして、エカテリーナは自分の肢体をよく理解して、使いこなしている。
この体を慣れていない上、自分の弱点を出しているクリスは、相当不利である。
「今回は私の番ね。」
なんと、エカテリーナはその場から姿を消えた。
「っ!!」
クリスは周囲をキョロキョロと見た。
右後方から殺気を感じる。
クリスはすぐ、火柱を放出し、エカテリーナの攻勢を止めようとした。
「はい、はずれっ♡」
エカテリーナは尻尾で左前方から鞭のようにクリスへ攻めかかった。
「真逆か!」
クリスは左手で辛うじて防いだ。
あまりの力でクリスを後へ押し込んだ。
「くっ!なんという力だ...!」
「プラスコレーテ。」
ちんぽがリリムに掴まれた。
エカテリーナは、加速魔法でクリスの懐に潜って、ちんぽを口にした。
魔法により加速した超高速フェラで、すぐさまに強烈な快感を覚えたクリス。
クリスはこの瞬間、彼女は自分を戦闘の真っ只中でも絶頂させることが不可能ではないだと、理解した。
余裕では勝てないことを悟ったクリスは、すぐ離れようとしたが、すでにピクピクして興奮するちんぽ。
クリスはちんぽを掴んで、快感を我慢しようとしている。
「なかなかおいしかったわ♡次は押し倒して、犯してあげる。」
エカテリーナは分身を作り出し、三方向からクリスに攻めかかる。
「「「さあ、どっちにする?言っとくけど分身でも生半可な技じゃ倒せないわ!」」」
クリスは深呼吸をし、一旦炎を収めて本体の気配を感じようとする。
三つとも魔力を帯びていて、三つとも殺気がある。しかし、三つとも同じぐらいの魔力しかない。
クリスはすぐ理解した。三つとも分身とのことを。
「じゃ、まとめて消してやるか...喰らいやがれ!」
クリスはすぐ、一気に炎の嵐を放って、分身ともを蹴散らした。
紫の炎の中から現れたのは、その分身の後ろには、隠れみの魔法で透明化したエカテリーナ。
魔力の障壁で身を守りながら正面から突撃をしかけようとしていたそうだ。
「させない!」
クリスは、両手から炎を合わせ、巨大なる火球を打ち出した。
エカテリーナは左でも右でも避けず、火球の方向を障壁で上へ偏移させ、くぐり抜け、低い態勢でクリスの股間へ狙う。
「頭ががら空きだ!」
クリスはジャンプし、エカテリーナに急降下蹴りを仕掛ける。
「バカね。私はね、角があるの、よっ!」
エカテリーナは頭の角突きでキックを相殺し、空へ飛んでかかと落としでクリスの腰を強くへし落とした。
クリスは地面に重く落ちて、血反吐を吐いた。
エカテリーナはすぐ、魔法でクリスの両手を束縛し、そして羽根と両足も全部押さえた。
「やばい…動けない!」
「ふふ♪これで勝負ありね。手足に魔力遮断を掛けたから、炎なんて出せないわ。」
クリスは必死に打開策を練った。
「そうだ!尻尾で…」
「させな〜い♡」
クリスはようやく自分の尻尾を思い出したが、それも虚しくエカテリーナの尻尾に縛られ、とうとう全身動けなくなった。
「正直ここまで頑張ったとは褒めてあげるよ。しかし生まれつきの体の扱いと魔力では、私の方が一枚上手よ。さて、このかわいくて愛おしいちんぽを楽にしてさしあげますわ。」
リリムはクリスのちんぽに顔を近づき、口を開け、とどめをさそうとした。
「まだだ…」
「まだ?四肢と羽根も尻尾も私に拘束されたのに?」
「僕は...まだこれが…ある...!」
クリスは、下半身に力ませているようだ。
なんと、クリスは自分の後ろ、地面と背中の狭い空間で炎の魔力を集まり、爆発をさせた。
元々人間は四肢からしか魔力を放出することができないが、クリスは尻尾で炎を放出して、それを背中に隠れていた。
その爆発は、なんとクリスの腰を振る勢いを増し、体の推進剤として、それを乗せてちんぽを突き出し、自分の弱点を攻撃に転じた。
「え!ちょっとこれ...ああん♡」
エカテリーナは、顔が真正面からこのちんぽ突刺に命中され、鼻に直撃を喰らわせた。
そういう攻撃はもちろんダメージはほぼないが、一瞬を気を引かせ、四肢を拘束する魔力を緩ませ、クリスに拘束を解けるチャンスを与えた。
「チャンスだ!頂く!」
「いや、もういいわ…」
クリスはすぐ、魔法の拘束を破り、エカテリーナへ反撃のパンチを喰らわせようとした。
エカテリーナはそのパンチを手のひらで受け止めた。
「はいはいもういい!勝負ありよ。私の負けだわ。」
「え?いや、僕はまだまともに一発命中していないよ?」
「バカね。そのちんぽ刺しは、もうまともな一発よ。しかし手合わせでちんぽに負けるなんで、私も油断したわ。」
「そうか。じゃ、これで僕の勝ちだよね。」
「ええ。見事です。では、」
瞬間、エカテリーナは尻尾を伸ばしてクリスのちんぽを吸い付いた。
「ご褒美にちんぽを搾精してあげるね、クリスくん♡」
「ちょ、僕のちんぽを放せ!」
「だったら、元々勝ったらどうするつもり?」
「まそれは、エカテリーナさんを嫁にしたいんだけど。」
「だったら素直にしたらいいじゃない♪優しくしてあげるから安心して。」
「じゃあ、ゆっくりにして…まだ敏感なんだから。」
リリムの尻尾は、ちんぽを強く、そして緩やかに吸い始める。
尻尾の中の蜜穴の凹凸が、ちんぽを刺激を与え、ゆっくり、ゆったりでちんぽを刺激した。
「うふふ♪我慢しなくていいわ、全部出しちゃって♡」
「もう我慢できない…出る!」
やがてクリスは、ちんぽから精液を放ち、エカテリーナの尻尾へ注ぎ込んだ。
ごくん、ごくん、エカテリーナはクリスの精液を尻尾から吸収し、サキュバスの吸精器官の独有な味覚感官でクリスの精液を吟味した。
「おいしかった♡いっぱい出してくれるなんて、大好きだよ、クリスくん♪」
「へー、前は僕の性格が最悪って言ったじゃない?」
「あの時はほんっとに可愛げないけどね。生意気だし、弱いし。でもね、今のクリスくんなら、実力を認めてあげる。だけど一番ポイント高いのは、父上さえない、私と揃いの角と、羽根と、尻尾。こういう男は、生まれて初めて見たものよ。私ね、弱い男には興味がないの。少し抵抗もせずに私の美貌に堕ちたなら意味ないじゃない?」
クリスは、少し照れた。美人に褒められることはとても嬉しいことを、初めて知った。
「私ね、本気でクリスの嫁に行きたいと思ってる。1000年以来、ううん、生まれて初めて、ときめいた。魔界の姫として、リリムとして。」
魔王の娘であるリリムは、生まれつきの強大な魔力と美貌を持ち合わしている。それを兼ねて持つと、男であれば一目で魅了させる強大なる力を持ち、その気があれば、熱恋しているカップルさえ、その男の心を一瞬で奪い取り自分の虜にし、その恋をチャラにするほどの美貌だった。もちろんリリムないし魔物の皆様にとってこういうのは「旧魔王のような最低最悪の蛮行」だから、間違ってもやることはないだろう。人魔問わず、お互いの尊重が大事である。
しかし男を得るのはあまりにも容易いため、一部のリリムは、最初で見つけたいい男と婚約に結ぶことではなく、代わりに、エキドナのように夫になれそうな男を厳選し、彼らに越えるべき難関を設けて、自分を女として落とす試練を与える。
エカテリーナも、まさしくその一人だった。
彼女は千年以来、無数の男を挫けた。肉体の強大さと美しさを求めるも大事だが、そしてなによりも、その魂にある智慧と勇気が愛でるべきだ。
しかしどれもピンと来なかった。自分より幼い妹が次々とお嫁になれる一方、自分はまだ一人ぼっち。まさか、リリムとして、自分の基準が高過ぎたのか。いつになってこの世は、自分の相応しい男が産まれて来るのか。
そこで、クリスは元々大好きだった美少年の上、さらにその幼くも威厳のある悪魔の姿は、リリムの心は打たれた。
そしてエカテリーナの試練を予想外の方法で通過した彼。エカテリーナは、彼から自分の夫になる資格を見出した。
彼なら、自分と何千年何万年でも歩める。次期魔王に目指し、自分を支える夫であると。
優しさが足りないけど、本性は悪く無いなら、些細なことだ。
むしろ少し自我が強いこそ、次期魔王王配にふさわしい。
「う、うん。僕も、エカテリーナのことが好きだよ。」
リリムの本気の告白を受け止め、それを迷わず応えたクリス。
「やっぱり、素直の方が可愛いね、クリスくん♡」
エカテリーナは、クリスを抱きしめて、そして二人を寝室のベッドへテレポートした。
「うわっ、いきなりベッドかよ!」
「まだまだ出せるでしょ?さぁ、二回戦よ。先に相手をイかせた方が勝ち…一緒に気持ち良くなりましょ♡」
エカテリーナは、ゆっくりと自分の股を開き、おまんこをクリスに見せた。
淫魔の肉穴を見て、クリスの肉棒はさらに興奮し、激しく跳ねていく。
「ああ…僕もまだ満たされていないし、今度こそ本気を見せてやる!」
クリスは、すぐさま自分のちんぽをリリムの膣内へぶち込んだ。
優しくはないが、乱暴なほどでもない。
ただ、少年が魔物の美女を征服しようと、必死に腰を振っている。
自分の腕ぐらい太いちんぽで、目の前のメスを貫き、自分の力を証明しようと必死に戦っている。
エカテリーナも、ただ犯されるなわけではない。
魔物娘として、自分の膣は名器として生まれ備えていた。男のちんぽの前では無抵抗になる謂れはない。そのちんぽを搾り尽くし、精液で自分を満たせ、ギブアップの声を上げるまで、この戦いは終わるまい。
数分間のピストンの末、二人とも限界を感じる。
ちんぽが溶ける感触、そして全身が電流が走る感触。
二人とも絶頂寸前になっていく。
二人とも相手に負ける気がない。
「僕の...ちんぽでイかせてやる!」
「私も...おまんこで搾り尽くしてあげる!」
「「ああ!もう!いくぅううう!!♡」」
そして、見事に両方同時に、絶頂を達した。
二人の精液と愛液が交換し、この性の戦の幕を閉じた。
引き分けだった。
しかし、引き分けこそ、最高の愛の営みである。
疲れでエカテリーナの横に倒れたクリス。
「クリスくんの…おちんぽ…すごかった♡」
「はぁ...エカテリーナこそ…はぁ…おまんこの締めがヤバいよ…」
しばらく息が整い、目を閉じて休憩をした二人。
やがてクリスは目を開き、目の前のリリムの髪の毛と、角を撫でた。
「綺麗な角だな。僕と同じの角。綺麗だ。」
エカテリーナも、自分の尻尾でクリスの尻尾を絡み付き、そしてお互いの羽根を重なり、二人ならではのスキンシップした。
「やはり私の目に狂いはないみたい。クリスくんは私の夫にうってつけよ。」
「そうだな。僕もこれでインキュバスになったな。まっ、リリムを落としたものなんだから、僕も嫁にふさわしい姿にしないとな。」
エカテリーナは、クスクスと笑った。
「ねぇ、あなた。実はね、母上が前教えてくれたんだ。今のインキュバスは未完成だって。本物のインキュバスは、サキュバスのような男だったって聞いていたわ。だったらクリスくんは、この時代で最初の完全体のインキュバスよ。」
「そういえばそうだな。魔物だったら、サキュバスみたいに角が生えた方が普通だったよな。」
「私が魔王になったら、男の皆に私たちみたいに綺麗な角と羽根、そして尻尾を付けたいわ。私と一緒に頑張らない?」
「ああ、やってやるよ。嫁の夢を支えるのが夫なんだから。」
「うふふ。じゃ、これからもよろしくね♪あ・な・た♡」
ようやく収まったクリスのちんぽは、この魅惑なる悪魔の美声を聞き、また勃起になってしまった。
「そうだ、僕のこれを見せよう。」
そのちんぽは、なんと手要らずで、勝手に動き出し、リリムの股間をこすったり、腰を撫でるように円を書き、彼女の柔肌を貪るような生き物だった。
「あらなにこれかわいい♡ちんぽが私を甘えに来たわ♡」
「先から感じてたけど、こいつを意志で操れるようになったみたい。まだ夜は長いし、エカテリーナをこの前尻尾で撫でまわしていこうか?」
「ちんぽで私の体を舐めるとはいい度胸じゃない。その前尻尾、私が調教してあげる♡」
これで、二人は幸せの人生を送れた。めでたし...と言いたいが、リリム姉妹で次期魔王を継ぐかなりの有力候補が出来てしまって、しかも今皇太子妃様はまだどこかへ旅行しに行って音信不通。どうか魔王家がお家騒動にならないように、なっ。
22/10/05 11:09更新 / 瞬間爆発型W
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■作者メッセージ
こうやって一人の少年は、魔界のトレンドに新たなる一ページをめぐった。しかし角・羽と尻尾付きのインキュバスこそ正統だなんて、旧魔王時代のインキュバスも面白いものだな。まっ、オレはこういうことに使う金がねえんだけどな。それと、編集長さんはそもそも地に降りて歩くことなんてしないなら、「足を運ぶ」という表現は辞めた方がいいじゃないかと。
編集長:確かに私はダークマターだから実際に歩いていくわけではないが、いちいち仕事場から離れていく面倒は変わらないから。それ以上口答えするのなら飯代を抜いてやるわ。
【作者後記】
いかがですか?今回はそこまでのベストマッチではないんですが、キャラの性格にかなり力を入れました。生意気なショタと少し行き遅れたリリムのお姉さん、そして脳筋戦士とその取り巻きの女性冒険者。キャラを考え、ストーリーを練るには楽しいものですね。少し短めですが、バトルにも少し練習になれるかなっと頑張って書きました。
もちろん二人が広がれる性技の対決はいくらでもありますが、作品のペースを影響しないように、いつか外伝形式で出したいと思います。現実の事情で後編を半年も先延ばしたが、これからもよろしくお願いします。

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