連載小説
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ヒモの宇宙恐竜
 ゼットンがアイギアルムの街にいついてから七年が経った。
 馬鹿げた話だが、七年の月日はゼットンという人物を大きく変え、七年前には身長160cm程度の小柄な体格であった彼は、今では栄養状態の改善・日々の厳しい肉体鍛錬・インキュバス化により身長192cmの巨大な筋肉の塊に成長していた。

「ああっ、いけません旦那様! 旦那様には奥様が…」
「良いじゃないか。別に一夫一妻じゃなきゃいけない法律なんてこの街には無い……つまり、他の魔物娘とセックスしちゃいけないなんて事は無いんだぜ」

 七年前にはゴミだらけのボロ屋だったクレア宅だが、今では豪邸が建っている。
 それはクレアの伴侶となったゼットンに向けられた、ベルゼブブの持つ豊穣の力のおかげであった。今では何不自由無い生活を二人は送っており、メイドを数人雇えるほどの金銭的余裕があるほどだった。
 初めは魔物ということでクレアを避けていたゼットンだが、一緒に暮らすうちに情が芽生え始め、最早わだかまりは無くなったように見えた――しかし、

「第一、お前さんが悪いんだぜ。俺が悶々としてる中、そんな豊満でいやらしい肉体を見せつけるから!」
「も、申し訳ございません! 旦那様の逞しい肉体を思い返して自慰に耽っているところをまさか旦那様に見られてしまうなんて…」
「なんて破廉恥なメイドなんだ。これは俺の手によって、罰を与えなくてはな! 妄想ではなく、本物の肉体を味あわせてやろう!」

 クレアはその情が本物かどうか疑ってしまう時もあった。
 何故彼女がそう思うかと言うと、自分の愛する男はこの家に帰らないことも多く、帰って来たら来たで、他の魔物娘の匂いをその身から漂わせているからである。それを責めてもゼットンは口をつぐむため、これ以上聞けずにいた。
 今屋敷で雇っているメイドはサキュバスのエリカ、ワーキャットのリリーの二人だが、彼女等のゼットンに対する態度を見る限り、既に手付きになっているようであった。
 恐らくは自分のいない間にせっせと行為に励んでいるのであろう。

「ああ旦那様! なんて逞しいご子息…」
「だろう? 浮気に及んだことは数知れず。中途半端に色々な魔物娘とじゃれたせいで、インキュバスになっちまったおかげだ」
「ああ…なんて凶々しい形なんでしょう。今にも私を味わいたくて脈動していらっしゃる……」
「そうだ。御主人様の滾る性欲を受け止めるのも、メイドのお仕事だぞ? さあ、パンツを脱ぐんだ!」
「そんな、ご無体な!」
「思った通り、ビチョビチョだな。これなら前戯などいらなそうだ」
「そ、そんな……そんな大きいの入りません!」
「何を言う、男性器を受け止めるのが女性器の役目だ。構造上、入らないわけがないだろう?」
「し、しかし…」
「それにこれはオシオキなんだ、お前の都合は関係ない。メイドを教育するための正当なる行為なんだ! だから早く股をひらけ!」
「あっ、ああ…」
「お前も期待しているんだろう? オマンコが物欲しそうに開いたり閉じたりしているぞ。甘い匂いをここまで漂わせておいて、俺に何もするなと言うのは無理な相談だ………………では、いただくとするか」
「ああ、そんな……」

 クレア宅の寝室において繰り広げられる背徳の情事。
 クレアという妻がいるにもかかわらず、ゼットンは色々な魔物娘と不貞を繰り返してきた。そして今また彼はクレアの目を盗んで、メイドのエリカと間違いを犯そうとしている。

「ふん、今まで何回犯されたと思ってるんだ? それに最後には、はしたない嬌声をあげて自分から激しく腰を振るじゃないか」

 メイド服のスカートをまくり、エリカの下着を脱がさせたゼットンは、彼女の可憐な花びらに七年前からさらに成長した自分の怒張を突き入れようとした。
 グロテスクな怒張の先端からはカウパー液が垂れ流され、今にも挿入する喜びを味わおうとしていたが…

「へぇ〜居候の分際で、そんな事しちゃうんだ?」
「!?――――うぐおっ!?」

 残念ながら、それは叶わなかった。
 聞き覚えのある声に、まさかと思った青年が振り向いた瞬間、クレアの強烈な右ストレートが彼の顔に叩きこまれ、ゼットンの身体はベッドから壁まで吹っ飛んだのだ。
 ゼットンはクレアが用事で出かけたのを見計らって行為に及んだが、彼女は今回の彼の不貞を察知し、家に戻ってきたのである。浮気を堂々とされて黙っているほど、彼女は大人しくない。

「だ、旦那様!」
「怪我はしてないよ、解ってるでしょ? さ、戻っていいよ」

 クレアが鋭い目つきでエリカを一瞥すると、エリカは慌てて一礼してから部屋を出ていった。

「さぁ〜て、旦那様。これはどういう事か、説明してもらえる?」

 暗い部屋で爛々と輝く金眼を見てゼットンは震え上がったが、もう言い訳など出来る状況ではない。しかも厄介なことに、勃起はまだ維持されている。

「魔が差しまして…」
「それにしちゃノリノリだったね〜?」

 痛い所を突かれ、ゼットンは黙ってしまった。しかし、肉竿はまだ勃起を維持したままで、それを見たクレアは目が潤むと共に淫靡な笑みを浮かべた。

「いや、エロい匂いがして…つい…」
「ホント、悪い子だね」

 彼の怒張を見て欲情したクレアはベッドにゼットンを押し倒すと、そのまま口に咥え、そのまま上下させた。

「ふぉ〜んと、ふぁふいこ…」
「咥えたまま喋るなよ…」

 七年も一緒にいるだけあって、クレアは夫の急所を知り尽くしている。舌で鈴口とカリ首を丹念に刺激し、亀頭を喉の奥まで飲み込むと、より一層激しく上下させた。

「うぅ…」
「ふぃもふぃいいでひょ(気持ちいいでしょ)? ふぉのふぉふぃふぃんはほふぁのふぉにふぁんふぁふぁふぇてあふぇふぁいんふぁがら(このオチンチンは他の娘になんか分けてあげないんだから)」

 クレアは浮気をしたゼットンに躾の意味で度々折檻を加えたのち、浮気相手に見せつけるかのように行為に及ぶ。
 彼が自分の夫だということを相手に分からせたいのだろう。

「ふぉ〜らふぉ〜ら」

 激しいディープスロートにもかかわらず、クレアは余裕を見せている。それを見たゼットンは男として何か感じるところがあったのか、急にクレアの口から竿を抜いた。

「あっ」
「やっぱ、こっちを使わないとセックスって言わないよな」

 ゼットンはクレアを自分の腰に跨らせ、怒張を十分に濡れていた彼女の可愛らしい膣口にあてがうと、そのまま貫いた。

「ふああああぁぁぁぁっっ!!!!」
「ははっ、きっつきっつだぜぇ!」

 クレアの膣内はゼットンの物をきつく締め付け、美味しそうに味わっている。
 彼女の中は柔らかくも力強く、うねうねと蠢く様はまるで別の生き物のようであり、彼の一刻も早い射精を促そうと動きまくった。

「あっ、あっ、ああっ、ああんっ!」

 挿入の快楽に痺れていたのも束の間、クレアはより強烈な快楽を得ようと激しく腰を上下させ始めた。
 そして、腰を上下させる度、彼女の子宮口に彼の亀頭が突き刺さり、彼女は華奢な身体をのけぞらせた。

「頑張って揉んで良かったなぁ〜。昔から見たら、結構おっぱい大きくなったもんな」
「ふぇっ!? い、今乳首コネコネしちゃダメなのぉっ!!」

 ゼットンもただ下で寝ているのは面白くないので、クレアの出会った頃よりも大きくなった胸を揉み、乳首をこねくり回した。
 クレアがゼットンの性感帯を把握しているのと同じく、ゼットンもクレアの性感帯を把握している。

「ほらほら」
「ふえぇぇぇぇっ!!」

 乳首をこね回されて、クレアは先ほどの態度が嘘のように情けない声をあげている。それを見て満足したゼットンは、今度は彼女のクリトリスを優しく摘んだ。

「ふぎぃぃぃぃっっ!?」

 感じているのか、最早嬌声ではなく悲鳴をあげているクレア。そのまま身体を小刻みに痙攣させると、ゼットンの上に力無く倒れこんだ。

「お、今日は早かったな。さすがの魔界の武闘大会チャンプも、男の腰の上では場所が悪すぎるか」
「もう…チャンプじゃなくてディーヴァって呼んでよ」

 荒々しく息をしながらも、クレアは訂正をしてきた。

「む〜……ディーヴァは闘いでもセックスでも無敵だってことを教えてあげる!」

 ゼットンの発言にディーヴァとしてのプライドが傷つけられたのか、クレアは再び腰を激しく上下させ始めた。

「この体位ばかりじゃ芸が無い。こっちでやってみよう」

 一方のゼットンも、クレアに主導権を握らせたくはなかった。
 そうさせぬべく彼女と共に横に倒れると、そのまま自分は起き上がって“松葉くずし”の態勢を取り、そのまま腰を動かし始めた。彼の巨根が彼女の膣内を荒々しく抉り、彼女のGスポットを引っ掻いた。

「ひっぎいいいいっ!!!!」

 残念ながら、今回も夫の方に分があったようである。クレアはGスポットを刺激されて奇声をあげ、再び快楽の渦に呑み込まれた。ゼットンは腰の動きを緩めず、何回も彼女の性感帯を刺激する。

「らめっ、らめっ……もうらめなのおおおおぉぉぉぉぉぉっっ!!!!」
「おいおい、だらしないぜ!!」

 ゼットンは彼女の口に自分の口を重ねると、激しいキスを交わした。それと同時に右手で左乳房を揉み、左手でクリトリスを弾いた。

「ああっ…ああああああっっ!!!!」
「お、俺も…射精る!!」

 それが決め手となり、クレアは再び絶頂を迎えた。
 口からは涎を垂れ流し、目から涙を、そして尿道から潮を吹き、華奢な身体が壊れんばかりに激しく痙攣させたところで、大量の精液が子宮口を貫き、それ以上の快楽が再び彼女を襲う。

「ふぃ〜〜最高!」

 やがて強烈な快楽に耐えきれず、妻は失神し、夫の体に力無く倒れ伏した。

「あ、また失神してる」

 数年前に我慢できずにクレアを襲ってしまってからというもの、初めの約束はどこへやら、二人はセックスを思う存分楽しむようになっていた。
 彼は浮気するが、別にクレアに対しての愛情が消えたわけではないのだ。なればこそ、彼女との性行為は十分な時間を取っている。

「ん?」

 一息ついていたところで急にドアが開いたのでそちらを見ると、そこには顔を紅潮させたエリカがいた。
 右手で股間を弄り回し、左手で自分の乳房を揉みしだいており、その様はクレアに負けず劣らず淫靡である。

「ご…御主人様、私にも…私にも…お情けを下さいませ…!」
「なんだ、見てたのか」

 どうやら二人の激しい交わりを覗いていたらしい。
 そして自分もゼットンに貫いてもらおうと、熱に浮かされたようにのろのろと歩いて夫に近づき、すがりついた。

「あんなの聞かされたらもう我慢できません! 私を…私を犯して下さい!!」
「OKOK、焦るなメイドよ。俺も射精一回じゃ、かえって眠れなくなるだけだからな!!」

 ゼットンはエリカを壁に手をつかせ、そのまま後ろから貫いた。そのまま駅弁の態勢に持ちかえ、そのまま激しく突きまくった。

「だ、だんにゃしゃまああああ!! だんにゃしゃまの大きしゅぎて感じしゅぎちゃいましゅううううっ!!!!」

 すぐ隣で失神している妻を尻目にメイドを犯すというのは背徳感を味わえるもので、ゼットンは楽しくて仕方がなかった。

「夜は長い。もっと楽しもうじゃないか!」

 こうして長い夜はふけていく。しばらくしてクレアが目覚めたものの、興奮の収まらないゼットンによって押し倒され、結局3Pとなっただけであった。










「はっ! はっ!」

 その翌日。家の一回にある大広間で上半身裸となったゼットンは、打撃力を鍛えるための巻藁突きに勤しんでいた。
 いくら身体が巨大化し筋肉が付こうと、所詮は腕力で獣や魔物娘に敵わないのだし、だったら技術、頭脳、武器などでカバーするしかない。それ故、こういう日々の鍛錬が大切なのである。
 ゼットンはクレアと今まで幾度も闘ってきたが、一度も勝てたことは無い。
 そして、七年間に及ぶ日々で悟ったのは、肉弾戦のみでは高速で飛び回るベルゼブブを相手するのは限界があるという事だった。
 いくつかの武術は習っているものの、どれも行き詰まりつつあったのだ。

「ちっ、人間の身体ほど弱っちいものはないな。身長が伸びて、毎日鍛えてもこの程度か」

 やがて巻藁突きを終えたゼットンは、傷だらけの自分の拳を眺めた。拳は昔から見れば大分硬くなったが、それでもまだ柔らかいと彼は思った。
 これではクレアに攻撃が当たったとしても、倒すことは出来ない。もっとも、ベルゼブブに攻撃を当てる事自体が既に至難の業と言えるが。

「正攻法じゃ無理か。ならば裏技を使うしかなさそうだな」

 浮気相手の妖狐に教えてもらった事なのだが、ゼットン青年は巨体であるせいか、魔力量がかなり多いのだという。
 そして、“火”と“闇”の二重属性持ちであり、それらをどうにか活かすことが出来れば、相応の魔法戦士として通用するであろうと。
 しかしながら、ゼットンには魔術の素養が全く無く、初歩的な魔術すら使えないという有様であった。
 また、二重属性持ちとは言うが、これも別段珍しいものではなく、せいぜい五、六人に一人存在する体質というだけにすぎない。
 だが、諦めるには勿体ない特性ではある。
 素手にしろ武器にしろ、クレアには当てる事すら困難な有様なので、“面”攻撃の出来る攻撃魔術は魅力であり、そういった長所があるのなら出来るだけ活かしたいのだ。

「………………」

 本来ならば使うことすらままならない魔術だが、どうにか使えるようになるかもしれないアテがゼットンにはあった。
 どうなるかは分からないが、ウジウジ悩むよりはマシである。

「まさか戻ることになるとはな。懐かしの我が故郷へ」

 ゼットンの生まれ育った寒村、エンペラ。
 ゼットンをより強くしてくれるかもしれないものが、あの村に眠っているかもしれないのである。未だお尋ね者の身で訪れるのは抵抗があるが、それだけ今の彼は焦っていたのだ。

(まぁ、あるか無いか確かめるかは自由だろ)

 ゼットンが街の古書店で手に入れた、とある古文書。
 そこにはエンペラ村の由来と、由来になった『最強のアイテム』が隠されているという事が記されていた。
 強くなれるなら、多少の危険があろうとかまわない。巻藁打ちを続けながらも、自分がクレアにあっさり勝つ姿を彼は何度も夢想していたのだった。
14/12/28 00:03更新 / フルメタル・ミサイル
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■作者メッセージ
備考:ゼットンのインキュバス化

 ゼットンは通常のインキュバスと違い、多数の女性の魔力を宿している。
 これはクレアがくだらぬ約束を盾に抱かせてくれないので不満を持ったゼットンが様々な魔物娘に誘惑(性交)された結果である。
 その度にクレアに折檻を受けたが、そのおかげで彼の身体は異常な耐久力を宿すようになった。ちなみに、バイコーンの夫は彼と似たような魔力構成となる模様。
 ある日、業を煮やしたゼットンは「くだらん約束など知ったことか」と、ついにクレアに襲いかかり、散々に犯した。それが決め手となり、彼の体内に流れ込んだ魔力が一定値を超え、インキュバスとなった。
 さらに今まで貧困の中で成長できなかった彼の身体の成長が始まり、数年あまりでこのように大型化したのである。インキュバスとはいえ、成人男性の身体が成長するのは特異なケースだという。

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