連載小説
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竜の秘宝 1
竜皇国ドラゴニア。国民の大半が竜種の魔物娘で占められた正に竜の国。

「うひょ〜!壮観壮観〜。どこを見ても目に入れても痛くない竜系のカワイコちゃんばっかり!こりゃ目の保養になるぜぃ」
「おいヌパン、浮かれんのは勝手だが目的を忘れんなよ」
「わーってるよ二元、忘れてねえから心配すんな」
「どうだかな」
「土ェ門が先に来て宿を取ってる。早速行こうぜ」

ドラゴニアに現れた3人な男たち。この来訪によってドラゴニアは史上最大の大事件が勃発するのだが、それは国の人々どころか3人すらもまだ知る由も無かった。



竜泉郷。ドラゴニア領内にある温泉街で有名な観光スポットである。
その竜泉郷のとある旅館の入口に編笠を被った和服の浪人風の侍が立っていた。侍は静かに佇んでいたが気配を感じたのか、顔を上げて感じた方向に視線を向けた。

「む、来たかヌパン、二元」
「遠いわ!なんで竜泉郷なんだよ!」
「近場でいいじゃねえか!めっちゃ歩いたぞ!」

ヌパンと二元は出会い頭いきなり猛抗議した。

「ジパングの雰囲気によく似ていたのでな。即決した」
「即決すな!まずはよく考えろ!主に俺らのことを!」
「温泉は魅力的だ」
「……駄目だヌパン。こいつの脳みそはジパング一色だ」
「……取り敢えず中に入ろうぜ」
「うむ」

3人は会話を切り上げて土ェ門がとった部屋に移動すると、早速目的について話し合う。

「さて、俺たちが狙う今回のお宝はドラゴニアがその昔竜帝国ドラゲイだった頃から王家が代々受け継いできた特別なドラゴンオーブ、その名も『竜の秘宝』だ」
「『竜の秘宝』ね。大層な名前だが本当にそんな物があるのかね?」
「確証はあるのか?」
「信用しろぃ。なきゃそもそもここには来てねえぜ」
「ま、それもそうか」
「して、決行はいつにする?」
「準備が出来次第今夜にでもすぐに始めようぜ。大闘技大会を明日に控えた今が狙い目だ」
「ハッ成る程。大会の準備で大勢の兵士が忙しく駆り出されてる今なら守りも手薄になってるだろうってことか」
「大会…外の賑わいはその為でござったか」
「言っとくが土ェ門、お宝優先だぜ?」
「承知している。が、終わった後は某の自由でござるな?」
「ん?いやまあそれはそうだけど?」
「土ェ門、お前まさか大会出る気か?」
「ぬわにぃ!?本気か土ェ門!負けたらその場でいただかれるかもしんねぇんだぞ?!」
「問題ない。勝てばよかろう」
「いやそりゃそうだけどもよ……」
「恐れを知らぬとは正にこのことだな……」
「遠い異国の地、拙者の腕がどこまで通ずるか……試すのも一興」
「うーわ燃えてらっしゃる……」
「剣鬼、此処に極まれり。だな」
「あーあ、もしかしたらやられてその場で見せつけられるのかもしんねえのか…土ェ門のアーンなシーンとか誰得だよ……」
「そん時は精々目を瞑ってやろうぜ」
「何故負ける前提の話なのだ」
「とにかく!土ェ門のことは後だ。今はお宝のことに集中しようぜ!」

後のことはさておき、今は目の前の物事を片付けることを先決とする。

「だがよヌパン、その前に俺にはどうしても気になることがあるんだが……」
「? どした二元」

だがその前に二元にはどうしても気になることがあった。
それは、

「アァン❤アン❤アン❤アァァァァァン❤❤❤」
「イクっ❤イクイクイクっ❤イっちゃう❤イグぅぅぅぅぅ❤」

「この声どうにかなんねえのか?」

両隣の壁の向こうから真昼間から致している声が筒抜けだった。

「……本人たちに言え」
「かーっ!真っ昼間から盛りやがって!」
「この調子だと夜は一層眠れんな」
「おいヌパン、なんとか言って来い!」
「こりゃもう自分たちの世界に入ってから何言っても無駄だよ」
「拙者たちも負けじと応えるか?」
「「気色悪ぃこと言うな!!」」
「冗談だ」

ヌパンと二元は想像してしまったのかその悍ましさに堪らず震え上がった。
18/09/04 13:57更新 / ウルトラ自爆マン
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■作者メッセージ
1話丸々おっさんの会話ってどうなの?

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