連載小説
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祝福の流れ星
「……ごめん、ちょっとおかしくなってた……」
「気にするな……その……なんと言うか……」
「ん?」
「……いや、なんでもない。それより、話を続けたいが……」
「あ、うん、お願いね」

バジル君を抱きしめて一先ず落ち着いた私は、バジル君の話を聞く事にした。私はベッドの傍にある椅子に座り、バジル君は私の真正面でベッドに腰掛けている。

「村を襲った海賊たちを全員始末した後、村の仲間たちが遅れて海賊の拠点に着いたんだ。その時に俺は盗まれた金品とジャスミンの遺体を仲間たちに任せて……そのまま旅に出る事にしたんだ」
「え?なんでそこで旅に出たの?」
「ガスタリ村では自然との共存を尊重する習慣がある。自分たちが生きる為に他の植物や動物の肉を食べるのは許されているが、無闇に生物の命を消すような行為は禁じられている。人殺しを犯した村人には、掟として村から追放させるルールがある。ガスタリ村の掟を破り、村で暮らす資格は無くなったと判断した俺は、追放と言われる前に自ら村を出て行くと決心したんだ」
「そんな……」

バジル君は村の掟に従い、自分で故郷を出て行ったらしい。

そうか……帰りたがらない理由はそう言う事だったんだ。沢山の人の命を奪っておいて、今更帰る気にはなれないようだけど……。
でも、それでも私はバジル君が悪いとは思えない。復讐は良い事だとか、そんな海賊なんか死んで当然だなんて嘘でも言えないけど……。

「皮肉な話だが、俺がその百人の海賊を一人残らず殺した事により、そいつらに懸けられていた分の賞金を程無く得る事が出来た。その事に味を占めた俺は賞金稼ぎに成り上がり、海賊や山賊など……あちこちで悪さをしている悪党の首を狩って、その賞金を稼いで旅をする事になったんだ」
「旅を始めた時から賞金稼ぎになってたんだね……」
「ああ……」
「……バジル君……」

頭に浮かんだ疑問を、そのまま質問した。

「昔はともかく、今も海賊を憎んでるの?」
「……確かに昔は憎んでいたさ。だが、今はもう海賊そのものを憎んでない。メアリーや黒ひげ、それに……キッドの様に良い海賊もいると分かっているからな」
「そっか……」

妹を海賊に殺されたバジル君は、もしかしたら今でも海賊を憎んでるのでは?
そう思って質問したけど、どうやら今は海賊自体は憎んでないようだ。それを聞いてホッとした。私も海賊だから、もしかしたら裏でバジル君に憎まれてるのかと不安になったから……。

これでバジル君の過去について色々と知る事が出来た。妹がいた事も、その妹はもう、この世にいない事も……。
今ここでバジル君の過去を聞かされて、私はバジル君について何も知らなかったのだと思い知った。辛い過去を胸に抱えて、その後たった一人で何の目的も無い旅をして……一目見ただけでは分からないけど、そんなに大きい傷を心に負ってたなんて……。

「ガスタリ村を出て行ってからどれくらい経ったの?」
「そうだな……もうかれこれ十ヶ月は経つな……」
「そんなに!?」

十ヶ月って……もう半年以上は村を出て行った事になる。思った以上に長い年月を経ていたようだ。でも十ヶ月も一人だけで旅をしていたなんて……面には出してないけど、寂しい旅だったのだろう。

「一人で旅をしていた間に、一度でも里帰りしようとは思わなかったの?」
「……俺の過去の話はたった今聞いただろ?人殺しの俺が故郷に戻る権利なんか無いんだ」
「家族や友達に会いたくないの?」
「いや、それは……」

そう答えるバジル君の表情は、どこか寂しそうに感じた。
この様子を見れば分かる。バジル君もきっと心の奥底では故郷に未練があるのだろう。今まで一緒に暮らしてた家族にも、親しい友達にも会えなくて心細いと思わない理由が無い。

でも……このままじゃいけない。このままバジル君を放っておく訳にはいかない。
……もしも私が……バジル君の為にしてあげられる事があるのだとしたら……!


「バジル君!私ね、このままじゃダメだと思うんだ!」
「お、おい、いきなり何を言い出すんだ?」


バジル君はいきなり話を切り出されて戸惑ってるが、私は思い切って自分が考えてる提案を言った。



「バジル君……ガスタリ村へ行こう!黒ひげさんに頼んで、航路を変えてもらおうよ!」
「な、なに言ってるんだ!無理に決まってるだろ!」

バジル君の故郷、ガスタリ村へ行こうと聞いたバジル君は明らかに動揺している。
バジル君は故郷へ戻るのを躊躇ってるけど、本心では両親や友達に会いたいと思ってる筈。過去に何をやったのかはともかく、自分の故郷に帰るのに権利なんか必要無い。本人は無理なんて言ってるけど……無理なんかじゃない!

「なんで無理なの?昨日黒ひげさんも構わないって言ってたじゃん!」
「何度も言ってるだろ!俺にはあの村へと足を踏み入れる権利なんか無いんだ!」
「自分が生まれ育った故郷に行くのに権利なんか必要無いでしょ!そもそも、バジル君は村の人たちに『出て行け』とか『戻って来るな』とか言われたの?」
「いや、そんな事は言われてない。俺が勝手に……」
「そうでしょ?勝手に決めた事でしょ?バジル君の両親も友達も、みんなバジル君に会いたがってる筈だよ」
「いや、それは……」
「大体バジル君はどう思ってるの?故郷が恋しくないの?」
「…………」

最初こそ力強く反抗したバジル君だが、私が言葉攻めする度に少しずつ声が弱まっていく。そして最終的には視線を床に下ろして黙ってしまった。


「……俺だってそうしたいさ……」

バジル君は声を絞り出すかのように言った。

「親にも、友達にも会いたい。ジャスミンの墓参りにも行きたい……!」
「だったら……!」
「だが……自分を甘やかしてはいけない!俺は復讐なんて愚行を犯した!無意味に人の命を消した!だから俺はこのまま村に帰らない!それが最善の選択なんだ!」
「!!」


バジル君の怒号を聞いた瞬間、私の感情が爆発した。



「何が最善の選択よ!自分を苦しめるのもいい加減にしてよ!!」



椅子から勢い良く立ち上がり、煮えたぎる怒りに任せて言い放った。突然の事にバジル君は目を見開いている。
自分でも、声が尋常じゃないくらいに大きくなってるのが分かる。それでも私は自分の考えを隠す事無く言った。


「バジル君は、自分で自分を必要以上に苦しめてる!家族や友達に会うのも、ジャスミンちゃんの墓参りに行くのも全部我慢して……もう見ていられないの!」
「…………」
「このままずっと故郷に行かなかったら、バジル君は必ず後悔する。後悔しない為には、勇気を振り絞って故郷に行くべきだよ。それがバジル君にとって……最善の選択だよ!」


バジル君は、自分への戒めとして故郷に戻らない道を選んだ。でも、それがかえって自分の心の傷を抉ってしまっている。
その傷を癒す方法はただ一つ……自分の故郷に戻り、両親や友達に会って、ジャスミンちゃんのお墓へ出向く事。それはバジル君自身もよく分かってる筈。
なのにバジル君は、自分の想いを抑え込んで、無意味に自分を苦しめて……!

……自分でも気付かないうちに涙が流れていた。そして……バジル君を優しく抱き締めた。

「メアリー……?」
「お願いだから……自分を責めるのは止めて……!バジル君が苦しむ姿なんて、見たくないよ……!」
「…………」
「辛くなったら、私が支えるから!私が……バジル君の傍にいるから!」
「……そう言われるとは思わなかった……」

嬉しそうに言いながら、バジル君はそっと私の肩に手を添えた。
こうして触られるだけでも……心が安らぐ。バジル君が身近にいるだけで、心地良く感じる。

「……お前は……優しいな……そこまで言ってくれて……」
「……バジル君……」
「何時も明るくて、他人を気遣い、海賊の割には純粋で……」
「そんな事……」
「……だから……愛してるんだろうな……」


耳に囁かれるバジル君の言葉は…………え?
ちょっと待って……今の、聞き違いかな?愛してるって聞こえたんだけど……。


「あの、バジル君、今なんて言ったの……?」
「……上手く言えないが……その……」


バジル君は一旦私を離し、私の目を見つめながら恥ずかしそうに言った。


「俺は……メアリーが好きなんだ……」


……聞き間違いじゃなかった……。
バジル君が……私の事を……好きって言ってくれた!


「……本当に?」
「ああ……初めて会った時から、気になってて……」
「嘘じゃないよね?」
「こんな時に嘘なんて言わないだろ……」


……両想いだったんだ……!まさかバジル君から好きだなんて言われるなんて……!


「…………」
「急に言われても困るだろうけど……勿論、俺じゃ無理なら素直にそう言ってくれれば……」
「……嬉しい……!」
「え?」
「嬉しい!本当に嬉しい!」
「うわ!?」


昂る気持ちに従うままに、私は再びバジル君に……離れないようにしっかりと腕に力を入れて抱きついた。
まさか……初めての恋が報われるなんて思わなかった。しかもバジル君から告白されるなんて……私はなんて幸せ者なんだろう!

「私も好き!私もバジル君が大好き!」
「メアリー……」
「えへへ……私たち、今日から夫婦だね!」

自分の気持ちを素直に伝えると、バジル君は優しく私を抱き返してくれた。背中からバジル君の腕の温もりが伝わってくる。心が……温かくなる……!

「……本当に俺で良いんだな?」
「良いもなにも、私はバジル君でなきゃダメなの!」
「ああ、俺も……」

バジル君に頭を優しく撫でられた瞬間、私の理性が一気に吹き飛んだ。
……もうダメ……我慢出来ない!

「……ちょっとゴメンね」
「ん?」

バジル君の口元のマスクを顎の位置まで下ろした。バジル君の口元が露になり透かさず……。


「ん♥」


バジル君の唇と私の唇を重ねた。私にとって……正真正銘のファーストキスだ。

「…………」
「えへへ……初めてのキス、あげちゃった♪」
「初めて……だったか。実は俺も……」
「ホント?なんか嬉しいな……特別な気分になったみたい」

唇を奪われたバジル君は顔を赤くして視線を逸らしている。
何時ものクールなバジル君も素敵だけど、こんなに照れちゃってるバジル君も愛おしいなぁ……。

「とりゃ〜!」
「!?」

本能赴くままにバジル君をベッドに押し倒した。バジル君の身体はベッドの上で仰向けになり、私が上から圧し掛かる姿勢に入る。

「バジル君、大好き!私、心も身体もバジル君と繋がりたい!」
「……メアリー……まさか……」
「うん、エッチしよ!」
「やっぱりか……俺、経験無いから上手く出来そうもないが……」
「大丈夫♪経験なんてこれから積んでいけば問題無いよ。それに、私も処女だし、バジル君に初めてをあげられるのなら私も嬉しいから!」
「……まぁ、その……やろうか」
「うん!」

許可も貰った事で、私は早速バジル君との初エッチを始める事にした。

「バジルく〜ん♥ん、ちゅ……」
「ん……んん……」

まずはバジル君にしっかりと抱きつき、再び唇に吸い付いた。バジル君の方も私を抱き寄せ、私からのキスに応えてくれる。ただ触れ合うだけの優しいキスだけど、ほんのり甘くて美味しい……。
……舌も入れちゃおう……。

「ん、じゅちゅぅ……ちゅ、ん……」
「んん!?ん、ん……」

唇を重ねたまま舌を差し出してバジル君の舌と絡めた。生温かい舌がお互いを弄り合い、昂る気持ちを一層昂らせる。

そう言えば……バジル君のおちんちんはどんな感じかな……?ちょっと触ってみよう。

「ん……って、いきなり何を……!?」
「いやぁ、バジル君のおちんちんの具合が気になってね♪でも元気そうだね。キスだけでこんなに硬くして……ズボンの上からでも分かるよ」

突然ズボンの上から股間を触られて驚いてるバジル君。ズボン越しでもおちんちんの硬さと熱さが十分分かる。キスしただけでこんなに感じてくれてると思うと、なんだか嬉しいな……。

「もう、顔を赤くしちゃって……可愛いなぁ」
「……あまり調子に乗るなよ?」
「あ、あはは……そんなに怒らないで?私のおっぱい触らせてあげるから」

調子に乗ってからかうと軽く睨まれてしまった。ちょっと焦った私は上半身を起こして自分から服を脱ぎ、ブラを外しておっぱいを露にした。

「……大きめ……なんだな……」
「えへへ……どうかな?自慢じゃないけど、これでもGカップはあるんだ」

バジル君は生唾を飲んで私のおっぱいを見つめている。
こんなに見惚れちゃって、バジル君も男だね。でも私を見てくれるのは嬉しいな……。

「ほら、遠慮しないで揉んで……」
「あ、ああ……」
「あぁん、バジル君の手、温かい……」

バジル君は私のおっぱいを揉み始めた。どこかぎこちない感じがするけど、大好きな人に触られてると思うだけで気持ちよくなってくる。

「ねぇ、乳首も舐めて……」
「ああ、こうか?」
「ひゃん!良い!気持ち良い……♥」

片方の乳首がバジル君の舌で舐められる。
おっぱいを揉まれてる最中で、この攻めは凄く感じちゃう……!

「あぁ、んん!んあ、あぁん!」
「す、すまない!痛かったか?」
「違うの……おっぱい舐められるの初めてで、こんなに気持ち良いなんて思わなかったから……」
「……乳首が弱点か」
「そうなるかな……ひゃ!」

乳首が敏感だと知った途端、バジル君は私の乳首を吸い始めた。

「バ、バジル君……あん♥」
「ん……大丈夫か?痛くないか?」
「うん、大丈夫だから……もっと吸って……」
「それじゃあ……」
「あ、はぁん♥」

再び私のおっぱいを吸い始めるバジル君。更にもう片方のおっぱいも優しく撫でたり、ちょっと強めに揉んだり、時には乳首を弄ったりと、積極的な愛撫に喘ぎ声が漏れてしまう。
あぁ……もう最高!でも私だけ気持ち良くなるのはズルいよね。今度は私が……。

「ねぇ、私……バジル君のおちんちんが見たいな」
「……もし断ったら?」
「それでも見る!」
「だろうな……」
「当然!それじゃあ、ズボン脱がせて♥」

少しだけ後ろへ下がり、バジル君のズボンのベルトを外した。バジル君の方は抵抗するだけ無駄だと悟ったのか、恥ずかしがりつつも、されるがままの状態になってる。
照れてるバジル君に見惚れながら、私はバジル君のズボンを……下着ごと一気に脱がした。


「おぉ〜!これがバジル君のおちんちん……!」


露となった愛しいバジル君の逞しい肉棒に見惚れてしまった。キチンと皮が剥かれてる立派な逸物だ。カチカチに勃起してて、すぐにでも私の膣に入れそう……。
あぁ……早く入れたいなぁ。でも、私もちゃんとバジル君を気持ち良くしないとね。

「それじゃ、いただきま〜す♪ペロッ」
「っ!!」

私は早速バジル君のおちんちんを舐め始めた。最初に軽く亀頭の部分を舐めただけでも、バジル君の身体がビクッと痙攣する。
私自身、本物のおちんちんを舐めるのは初めてだけど……多分バジル君もフェラされるのは初めてだろう。バジル君に気持ち良くなってもらう為にも頑張らなきゃ。

「れろ……ん、ちゅ♥」
「あぅ……くっ……!」
「んふふ……れぇろ……ちゅ……」

まずは手始めにぷっくり膨らんだ亀頭を舐め始めた。円をなぞるように優しく舐め回し、時々軽くキスもしてみる。
どうやら感じてくれてるようだ。でも、まだ始まったばかり。今度は大胆に亀頭からパクリとくわえ込んでみる。

「あむ……ん、ちゅっ……んぷ」
「うぉ……あ……」

ゆっくりと首を上下に動かして、口内でおちんちんを愛撫してみた。頬の内側で擦ってみたり、舌で裏筋を舐めてみたりと色々試してみる。
こうして実際にお口で咥えると、バジル君の逸物の大きさを改めて実感してしまう。でも……結構美味しいなぁ……♥

「うぅ……初めての割には上手いな」
「んちゅぅ……子供の頃からねぶりの果実で練習してたからね。どうだった?」
「あぁ、気持ち良い……」
「あ、そうだ。一つやってみたい事があるんだ」

一旦バジル君のおちんちんを口から離し、今度は私のおっぱいでバジル君のおちんちんを挟んでみた。

「ちょ、それって……!」
「ふふ♪見ての通り、パイズリだよ♥」

挟まれてる肉棒を擦るように、おっぱいを上下に動かしてみる。さっきお口で舐め回した事により、唾液塗れになってるお陰で滑らかに擦れる。

「んしょ……どう?気持ち良い?」
「あぁ……もうすぐ出そうだ……」
「ホント?それじゃ……じゅう!ん、ちゅぱ、んぅ!」


勃起おちんちんを扱くおっぱいを止めず、更にお口で亀頭に貪り付いた。刺激されてる肉棒が激しく痙攣しているのが伝わり、今にも濃い精液を噴出しそうだ。

「うぁ、メアリー!俺、もう……!」
「んじゅ、ちゅ……いいよ♥我慢しないで出して♥バジル君の濃厚な精液、いっぱい飲ませてね♥あむ、うぅちゅ、じゅぽちゅ……!」

もうすぐ射精しそうだと察した私は一気に激しく愛撫した。肉棒を挟んでる胸を圧迫しつつ、赤く染まってる亀頭に勢い良く吸い付く。

「ダメだ……出る!」
「ん、ちゅぱ……ん、んん!んっぷ!」


そして限界に達したのか、バジル君の精液が私の口内へと勢い良く噴出された。突然の射精に驚きながらも、私はおちんちんから口を離さずにバジル君の精液を一滴残さず全部受け止める。

……これが男の人の精液……なんて美味しいの!こんなに美味しいなんて知らなかった!
初めて味わう精液に酔いしれながらも、私は口の中に溜まってる精液を飲み干した。粘り気の強い濃厚な精液が体の中へ行き届くと同時に、私の身体そのものも熱くなってるように感じてきた。

「ん、ぷはぁ……いっぱい出たね♥すごく美味しかったよ♥」
「はぁ……気持ち良かった……」
「私もバジル君の精液が飲めて幸せだよ♥」

お口とおっぱいを離しても、バジル君のおちんちんは見事に勃起状態を保ってる。
この調子ならすぐにヤれそうだね。私のおマンコも準備万端だし、いよいよこの時が……!

「おちんちんまで逞しいなんて、惚れ直しちゃった♥」
「素直に喜べないな」
「うふふ……バジル君、私……そろそろ入れたいな……」

私は穿いてるズボンと、愛液でぐっしょり濡れちゃってる下着を脱ぎ捨てた。そしてバジル君の上に跨って、勃起おちんちんと愛液塗れの陰部を触れ合わせる。

「それじゃあ……入れても良い?」
「俺は良いが……無理だけはするなよ?怖いんだったら、俺の方から……」
「大丈夫、私にやらせて……」

バジル君は心配してくれてるけど、怖いだなんて微塵も思ってない。それは本当の事。
確かにちょっとだけ緊張してるけど、これからバジル君と一つになれると思うと、むしろ怖さより幸せの方が大きい。

「さぁ、いくよ……ん……!」

ゆっくりと自ら腰を下ろし、バジル君の逸物を膣内へと侵入させる。先っぽまで入ったのは良いものの、もうすぐ処女膜が突き破られそうになる。
でも大丈夫……私の傍にバジル君がいるから……!

「う……痛っ!んん!」
「メ、メアリー!大丈夫か!?嫌なら、今すぐ抜いても良いから!」
「ヤダ!抜きたくない!大丈夫!大丈夫だから……!」

破瓜の痛みに耐えつつも、ゆっくりと腰を下ろして……ようやく全部入った。バジル君の肉棒が私の膣内でビクビクと脈を打ってるのが伝わってくる。何とも言えない幸福感に包まれて、入れたばかりなのにすぐイッっちゃいそうだ……。

「はぁ……やっとバジル君と一つになれたんだね……」
「メアリー……大丈夫か?」
「うん、確かにちょっと痛いけど……それ以上に嬉しくて……!」
「メアリー……」
「あ……」

すると、バジル君が繋がったまま上半身を起こして私を優しく抱きしめてくれた。

「その……こんな時に言うのもおかしいが……」
「……どうしたの?」
「メアリー……愛してる。必ず幸せにしてみせるからな……」
「!……嬉しい……私も愛してるよ!」

愛を囁かれて気持ちを抑えきれず、私もバジル君を抱き返した。一気に幸せな気分になり、破瓜の痛みも一気に消えた。

「バジル君、もう痛くなくなったから動いて……」
「ああ、動くぞ……」

バジル君は抱き合った状態で腰を振り始めた。高温度の鉄のように硬くて熱い肉棒が奥へと突き上げられ、その度に膣内が刺激される。卑猥に響く愛液の水音がより一層興奮させた。

「ひゃぁん!凄い!これ、凄い!あぁ、ふぁん!バジル君のおちんちん、気持ち良いよぉ!」
「うぁ、く……メアリー……!」

想像を絶する程の快楽に歯止めが利かなくなり、無意識にも膣内で肉棒をきつく締め付けた。立派な逸物と私の中の肉壁が親密になってるように互いに擦り寄り、徐々に絶頂を促している。

「う……あ、あぁ……!」
「バジル君……気持ち良い?私のおマンコ、気持ち良い?」
「あぁ……気持ち良い……」
「嬉しい……私も気持ち良いよ……ん、あふ、うぁ!」


気持ち良い……こんなに気持ち良いものだったんだ……!
でも、気持ち良いだけじゃない。バジル君と……大好きな夫と愛し合ってると思うだけで幸せな気分に……いや、私は間違いなく幸せだ!


セックスって……最高!


「バジルkんぁあ!……バジル……好きぃ……好きだよバジル♥あ、あぁん♥大好きぃ♥」
「……メアリー?」
「愛してるよ、バジル♥あくぅ、んぁん!バジル……バジルゥ♥んあ、う、ひゃうん!」」
「メアリー……メアリー!」

互いに名前を呼び合いながら繰り返されるピストン行為。さっきより早く、そして激しく突き上げられるバジルの逸物。情熱的で淫らな乱舞は、互いが絶頂に達するまで止まる事は無い。
あぁ……もうそろそろ……イっちゃいそう……!

「うぁ、あひゃ!気持ち良いよぉ……イっちゃうよぉ!」
「メアリー、俺も……!」
「うん!一緒にイっちゃおう!あ、ああ♥あぁん!あひゃああ♥」

バジルももうすぐ射精しそうなのか、更に腰の動きが激しくなる。逞しい肉棒に突き上げられる度に絶頂へと駆り立てられる。
もう少し、もう少しで、バジルの精液が……!

「メアリー、もう俺……!」
「良いよ♥いっぱい射精して♥このまま中出ししてぇ♥」
「くっ!ダメだ……出る!」

そして我慢できなくなったのか、バジルの肉棒が私の膣内の最奥を突き上げたと同時に、濃厚な精液が私の子宮へ注がれた。
熱い精液が中に……もう限界!イっちゃうよぉ!


「も、もうダメぇ♥イクイクイっちゃう♥ひぅ、んぁはっ!んっはぁぁぁぁああああぁぁぁぁああああ♥♥」


大量の精液が注がれた瞬間、私も遂に絶頂へと達してしまった。ビクビクと身体が痙攣し、思わずバジルを抱きしめてる腕に力を入れてしまう。
頭が真っ白になりそう……。でも、この感覚……癖になっちゃう……。
私……バジルと一緒にイけて本当に幸せ……!


「あ、あぁん……」


もう身体に力が入らなくなり、うな垂れるようにバジルに寄りかかった。バジルもそんな私を拒む事無く、ギュッと優しく抱き返してくれる。セックスの直後と言う事もあって身体が熱くなっているにも関わらず、バジルの温もりが心地よく感じた。

「はぁ……はぁ……」
「バジル……いっぱい出してくれてありがとう♥最高だったよ♥」
「俺も……気持ち良かった……」

照れくさそうに……そして嬉しそうな表情を浮かべるバジル。その笑みを見た瞬間に愛おしさが込み上げられ、辛抱出来ずにバジルの唇を奪った。

「んちゅ、んん……好き……大好きだよ、バジル……」
「……俺も……愛してる……ん……」
「ん……ちゅるっん、ちゅ……くちゅ……」

私が愛を囁くと、そのお返しとばかりに今度はバジルからキスしてくれた。私も素直にバジルの唇を受け入れて、そのまま少しの間何度もキスを繰り返し、優しくて甘い一時を過ごした…………。

















「あの、バジル、いきなりムードをぶち壊すような事言って悪いんだけど……」
「ん?どうした?」
「その、バジルと結ばれて、セックスもして、晴れて夫婦になれたのは嬉しいけど……」
「……まぁ、その……俺もメアリーと結ばれて嬉しいさ。本当に心から愛してるから……」
「バジル……嬉しい!あ、いやいや、それもあるけど、肝心な事がまだ決まってないでしょ?」
「肝心な事?」
「バジル……結局里帰りはどうするの?」
「ああ、その事か…………」



〜〜〜翌日〜〜〜



ダークネス・キング号の船長室にて、俺と黒ひげは四角い大きめのテーブルを挟み、対になる形で座っていた。
黒ひげの部屋に来た理由は、故郷であるガスタリ村へ戻るかどうかメアリーと話し合った結果を伝える為だ。なんせこの船は黒ひげのもので、航路の決定権も黒ひげにある。早めに伝えておかないと黒ひげやエルミーラたちに対して失礼だからな。



「本当に良いのか?何度も言うが、我は構わぬのだぞ?」

パチッ

「ああ、もう決めたんだ。メアリーも分かってくれたから」

スッ

「寄り道したところで何の問題も無かったが……まぁ、それでも良いかもしれんな」

パチッ

「急ぐ理由も無い。ゆっくり故郷へ向かうさ」

パチッ

「ところで、インキュバスになってから身体の調子はどうだ?」

スッ

「それが、人間だった時とそんなに変わらなくて、いまいち実感が無いんだ。強いて言うなら、その……」

スッ

「夜の営みでは盛りっぱなしになったか」

パチッ

「まぁ、な……。しかし、たった一回でインキュバスになるなんて思わなかったな」

パチッ

「無理も無い。それも魔王の娘であるリリムだからこそ成し得る業よ。血は争えぬと言う事だ」

スッ

「あれでも魔王の娘で、海賊の船長だったな。とんでもない船長の仲間になって、挙句の果てにはその船長の夫になって……これから色々と大変そうだな」

パチッ

「だが、貴様は離れる気など皆無であろう?」

スッ

「ああ、俺は決めたんだ。メアリーが俺を支えてくれるように、俺もメアリーを支えて、共に生きると……」

スッ

「生き生きとしておる……若人のあるべき姿よ!」


パチッ



「ほれ、逃げ道など無いぞ!」
「なっ!?ちょ、待った!」
「待った無しと言うたであろう?」
「……負けた……」
「フハハハハ!まだまだよのぉ!」


……黒ひげの飛車が俺の王将の前に置かれ、見事に逃げ道を塞ぐ。それによって、俺と黒ひげによる将棋の戦いは黒ひげが勝利を収めた。


「話をしながらやっていて、内心不味い状況だと思っていたが……これは敵わないな……」
「修行を積んで出直すが良い」
「いや、今更将棋の修行なんて積む気無いからな」


昨日、メアリーと話し合った結果……俺はまだガスタリ村には行かない事にした。と言っても、なにも永遠に行かない訳ではない。来るべき時が来たら必ず行くと決めている。村にいる両親や友達に会いたいのは変わらないが、急いででも向かう必要も無いし、もう少しメアリーと一緒に自分たちの海賊団を大きくしてから向かう事にする。
何よりも、メアリーと離れる気は微塵も無い。メアリーの夫として……ずっと彼女と冒険の日々を過ごし、共に生きていく。故郷に戻った後でも、この揺るがない決意を村のみんなに伝えるつもりだ。
メアリーの方も、今すぐではないとは言え、俺が村に戻る気になって安心してくれた。最初は今すぐ行かない事に不満を露にしていたが、何時か必ず行くと約束すると快く承諾してくれた。行く気になってくれたのならそれで良いとの事。



そして俺の事だが……外見は全く変化してないうえに、今でも実感が無いが、メアリーと初めて交わった直後にインキュバスと化してしまった。
交わりの最中で身体が変に熱くなってきたり、二回も射精したにも関わらず全くと言っていいほど疲れてなかったり……自分でも身体の異常に薄々と気付いてはいたが、あの時はまさかインキュバスになるなんて思わなかった。そしてメアリーも俺がインキュバスになったと知った途端、嬉しそうに顔を綻ばせながら再び俺を求めてきた。その後、俺とメアリーは時間も忘れてセックスに溺れて……合計八発もメアリーの膣内で中出ししてしまった。
我ながら性欲を持て余してる淫獣のようで、自己嫌悪に陥りそう……と言っても万が一にも人間に戻る方法があるとしても、俺はインキュバスのままでいるつもりだ。この身体の方がメアリーにとっても都合が良いし、これでメアリーと一緒にいられるのであれば本望。俺は喜んでインキュバスとして人生を歩み続ける道を選ぶ。


「では約束通り、今夜の飯のハンバーグ、半分ほど頂くぞ」
「はぁ……半分でも結構大きいだろ……」
「丸々一個分奪われるよりかはマシだ。それに貴様だって賭けを承諾したであろう?」
「まぁ、そうだが……」


ちなみに何故俺は黒ひげと将棋を指していたかと言うと、俺が黒ひげの部屋を訪れたと同時に、

『バジル、貴様は将棋を指せるか?』

とか言われて黒ひげから将棋を挑まれたからだ。ただ、黒ひげの方も俺が部屋を訪れた理由を察していたらしく、さっきのように話しながら将棋を指す事になった。
更に黒ひげから……

『貴様が勝ったら、褒美として金貨十枚渡そう。ただし我が勝った暁には、今夜のおかずのハンバーグ……貴様の分を半分程頂く。賭けに乗るか乗らないかは貴様次第だ』

と、提案を出されて俺はその賭けに乗る事にした。ここで金貨十枚貰って船の御代にしようと思ったが……考えが甘かった。結果は見ての通り、完膚なきまでに叩きのめされた。
お陰で今日の晩飯のおかずが減った。乗り気であんな賭けに乗った俺が馬鹿だった……。


コンコン!


「父上ー!入っても良いかの?」
「エルミーラか。鍵は開いておる。入ってまいれ」

すると、部屋のドアを叩く音が聞こえた。あの声からして、どうやら声の主はエルミーラのようだ。


ガチャッ!


「父上ー!暇じゃから一緒に遊ぶのじゃ!」
「失礼します、お父様」
「…………パパ……」

ドアが開かれ、エルミーラ、姫香、セリンに続いて……。


「お邪魔しま〜す。あ、バジル!やっぱりここに居たんだ!」


メアリーが部屋に入ってきて、無邪気な笑みを浮かべながら俺の傍まで駆け寄ってきた。
余談だが、昨日の交わりからメアリーは俺を呼び捨てで呼び始めた。本人曰く、もっと親密になりたいから君付けは止めるとの事。まぁ、そう呼ばれるのは嫌いではないし、俺としても距離が縮まったように感じて嬉しく思うがな。


「バジルがここに居るって事は……もう黒ひげさんに伝えたの?」
「ああ、村には寄らないのを承諾してくれた」
「そっか……ん?それって将棋?黒ひげさんとやってたの?」
「え?あ、ああ……」

そしてメアリーはテーブルに置かれてる将棋盤に気付いた。俺としては、完全に負けた状態での将棋盤なんて見て欲しくないんだが……。

「たった今勝負が決まったところよ。容赦なく叩き潰してやったわい」
「……あ、ホントですね。どう足掻いても王将が取られますね」
「それでな、将棋でとある賭けをしておったところで、我が勝った暁として晩飯のハンバーグを半分程頂く事になった」
「父上も容赦無いのじゃ……で、仮にバジル殿が勝ったとしたら何を頂くつもりだったのじゃ?」
「ああ、船の御代の積立として金貨十枚を……」
「え!?」

俺が金貨十枚と晩飯のハンバーグの半分を賭けていたと知った途端、メアリーは驚いた様子で俺を見つめた。

「でも、バジルが負けたと言う事は……」
「残念ながら、ハンバーグの二分の一は持っていかれた」
「バジル……私の為に……」

俺が負けたと知ると、残念そうな……尚且つ申し訳無さそうな表情を浮かべるメアリー。そして一瞬にして表情を固くして、視線を黒ひげへと向けて……。


「黒ひげさん!今度は私と勝負だよ!」
「メ、メアリー!?」
「ほう……」


なんと、人差し指を黒ひげへとピシッと突きつけ、自ら将棋の勝負を挑んだ。

「私が勝ったら、今晩のバジルのハンバーグを返して!」
「ふむ……で、我が勝ったら何を差し出すつもりだ?」
「それは、えっと……今晩のデザートのプリンをあげる!」
「……良かろう。受けて立つ」

そして賭けを承諾した黒ひげは、バラバラの位置に置かれてる駒をそれぞれ元の位置に戻し始めた。黒ひげも挑戦を受けるつもりらしいが……この男はどんな場面においても容赦しないから、次も手加減なんてしないだろう。

「ささ、バジル、交代して!」
「メアリー……何も取り返す必要も無いぞ」
「ダメ!意地でもバジルの仇を取るんだから!」

もう何を言っても引き返す気は無いらしい。止めても無駄だと判断した俺は仕方なく座ってた椅子から離れて、メアリーと交代する事にした。

「よ〜し!負けないよ!」

椅子に座ったメアリーは手をポキポキと鳴らして張り切ってる。やる気が十分なのは良いが、その自身はどこからやって来るのやら……。

「それじゃ……ちゃんと見守っててね、旦那様♪」
「あ、ああ……」

そしてメアリーは俺に向かって愛くるしいウィンクを見せた。そのあまりの可愛さに思わず見惚れてしまう。
やれやれ……俺ももう虜になってしまったな……。

「ほれ、準備が出来たから始めるぞ」

将棋を始める準備が出来たのか、黒ひげがメアリーに呼びかけた。視線を将棋盤へと移すと、バラバラになってた駒がそれぞれ元の位置に戻ってる。


「覚悟してね、黒ひげさん!」
「その意気や良し!遠慮は無用ぞ!」


そして、メアリーと黒ひげによる将棋の戦いが始まった!



〜〜〜数分後〜〜〜



「…………」
「認めろ」
「…………」
「この布陣から逃げられる術など無いぞ」
「…………」
「何処へ動かそうとも結果は変わらぬ」
「……うわ〜ん!負けちゃった〜!」
「フン……他愛も無いわ」


……早くも決着が付いた。結果はメアリーの惨敗……完膚なきまでに黒ひげに叩きのめされた。
メアリーが操る王将は盤の左隅へと追い込まれ、その王将の前方には黒ひげの香車、右側には飛車、右斜め上には角行と……どこへ行っても間違いなく取られる。他の駒で防ぐ事も出来ず、完全に逃げ場が無くなってしまい、文句無しの黒ひげの快勝となった。


「うわぁぁぁん!私のプリンがぁぁぁ!」
「泣くな……貴様が賭けで出したのであろうが」

負けた上にプリンを取られて、メアリーは子供のように悔しがる。対する黒ひげはメアリーの様子を見て、半ば呆れ気味に首を振った。
プリンを賭けに出したのは自分なのに……後先も考えないからこんな事になる。って、俺も人の事を言えた義理ではないか。

「父上……本当に容赦ないのじゃ」
「プリン一つなら手加減してあげても良いですのに……」
「…………鬼……」
「なんだ、貴様らまで!」

さっきまで勝負の成り行きを見守ってたエルミーラたちも、あまりの悲惨さにメアリーに同情の意を示す。

「うわぁぁぁん!バジル〜!負けちゃったよ〜!」
「分かった分かった……落ち着けって……」
「むぅ……」

子供のように俺に抱きついてくるメアリー。俺はそんなメアリーの頭を優しく撫でてやった。少しばかり罪悪感が募っているのか、そんな俺たちの様子を黒ひげはどこか申し訳なさそうな表情で見守っている。



そして晩飯の時……流石に不憫に思った黒ひげは賭けを取り消し、結局メアリーのプリンは没収されなかった。
それでも俺のハンバーグは約束通り半分程譲る事になったが、慈悲深くもメアリーが自分のハンバーグを三分の一程俺に分けてくれた。
ただ、黒ひげたちの目の前でア〜ンとか言って食べさせるのは、顔から火が出る程恥ずかしくて、勘弁して欲しかった……。



〜〜〜数時間後〜〜〜



「にゅふふ〜♪バジル、温か〜い♪」
「はぁ……夫婦になった途端に甘えん坊になって……」
「良いじゃん。だってバジルの事が大好きなんだもん♪」

晩飯を食べ終えた後、俺はメアリーと共に船の見張り台に座って夜空を眺めていた。とは言っても、さっきからメアリーは夜空なんて見向きもせずに、横から俺に抱きついて擦り寄ってばかりいる。
それによってメアリーの胸が当たって……正直、別の意味で困ってる。

「ところでさ、こんなところまで連れて来てどうしたの?」
「ああ、お前に言っておきたい事があってな」
「ん〜?」

恥ずかしさを覚えながらも、俺はメアリーに自分の気持ちを正直に伝えた。

「……その……ありがとう」
「……ふぇ?ありがとうって?」
「本心では両親や友達に会いたい筈なのに、俺は今まで故郷に戻るのを躊躇ってた。その結果……自分で自分を苦しめていた」
「…………」
「だが、メアリーのお陰で俺は故郷へ戻る勇気が出た。メアリーが背中を押してくれなかったら、俺はずっと自分を苦しみ続けていたかもしれない。メアリーには本当に感謝してる。メアリーの夫になれて……本当に嬉しく思ってる」

俺は自ら口元のマスクを顎までずらし、メアリーの顔をこちらへ向かせた。

「メアリー……愛してる……ん……」
「!……ん……」

そして俺は感謝と愛情を込めて……メアリーの唇にキスをした。メアリーの方も俺の頬に手を添えて応えてくれる。

「……えへへ……私たち、本当に夫婦になったんだね」
「これからも振り回されるのは避けられないだろうな」
「まぁね♪夫婦になっても、私が船長でバジルは部下!これだけは変わらないからね!」
「……まぁ、これから頑張って大きい海賊団にしないとな」
「うん!必ず立派な海賊の船長になるよ!なんたって私には、バジルが傍にいてくれるからね!」
「……納得し難い根拠だな」

唇を離してからも、互いに笑い合いながら話す俺とメアリー。その愛おしい笑顔を見た時、俺は心の中で決心した。

村に戻る時が来たら……両親や友達、そして墓に眠ってるジャスミンにメアリーを紹介しよう。俺を支えてくれた恩人でもあり……永遠の愛を誓った大切な妻だと堂々と言おう。
俺のこの想いに偽りなんて一片も無い。メアリーは俺にとって……掛け替えの無い最愛の妻だ!

「……あ!バジル、流れ星だよ!」
「ん?どこだ?」
「ほら、あれ……あぁ、消えちゃった」

メアリーが夜空の一点を指差した。それにつられて俺も夜空を見上げるが、流れ星なんてどこにも見えない。だが、流れ星が見えたと言う事は……もうそろそろだろう。

……もうすぐだ……もうすぐアレが始まる……。

「メアリー、何故こんな高いところまで移動したか分かるか?」
「え?う〜ん……分かんない、ってあ!また流れ星!」

俺たちが話してる間にも、再び流れ星が現れては瞬く間に消える。

「こんなに立て続けに流れ星が出てくるなんて凄いね!」
「……これからもっと凄い事になるぞ」
「え?あ!今度は二つ……三つ……あ、あれ?流れ星が……」

消えた瞬間に別の流れ星が現れ、それに続くかのように別の流れ星が現れる。二つ、三つ、四つと……その数は少しずつ増えて止まる気配が無い。


そして遂に……流れ星が群れを成して次々と降り注いだ。


「……うわぁ!綺麗……!」
「これは……美しいな……!」


無数に現れる流れ星に、俺もメアリーも見惚れてしまう。煌きの星が夜空を覆うかのように次々と流れてる……なんて神秘的な光景なんだ……!


「今日の夜から見れると聞いてたが、こんなに綺麗だなんて知らなかったな……」
「え?もしかして此処へつれてきたのも、あの流れ星の群れを見せる為に?」
「ああ、百年に一度しか起こらない自然現象で、是非ともメアリーと一緒に見たいと思っててな」
「バジル……」


メアリーもここへ連れて来た理由が分かったようだ。
そう……実はこの流れ星の大群が今夜になって現れるのは以前から知っていた。そしてメアリーと一緒に眺めたいと思った俺は、空を眺めるには打ってつけの場所とも言える見張り台までメアリーを連れて行こうと決めていた。


「バッフォーイ!凄いのじゃ!綺麗なのじゃー!」
「まぁ……なんて美しいの!」
「…………神秘的……」
「おぉ!素晴らしい!感服したわい!」


と、下から歓喜の声が聞こえた。視線を移すと、エルミーラ、姫香、セリン、そして黒ひげまでもが船の甲板にて流れ星の大群に心を奪われている。

「みんな楽しそうだね」
「そうだな」

そう言いつつも、俺とメアリーは互いの温もりを感じながら、夜空を華麗に流れる星を眺めている。
この貴重な一時は俺の心に刻まれるだろう。大切な妻との、大切な一時……それは……何にも代え難い大切な宝物……。


「……バジル……」


すると、メアリーが俺の目を見つめて、とびっきりの笑顔を見せながら言った。


「……ずっと……大好きだよ!」
「……ああ、俺も……」


そっと抱き合って、メアリーの温もりを感じ取った。そんな俺たちを見守るかのように、流れ星の大群は果てる事無く降り注がれる。

俺はこれからも……メアリーと共に生きていこう。
自分を苦しめていた俺の背中を押してくれた……俺の妻……。
俺は……何があろうともメアリーを愛し続ける。


これからも……ずっと……。


心の中で、固く誓った夜だった…………。
12/12/31 12:40更新 / シャークドン
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■作者メッセージ
<オマケの会話>


「あの見張り台……張り板で見えぬが、間違いなくメアリーとバジルがおるな」
「そう言えばバジル殿、『一緒に見張り台に来てくれ』とメアリー殿に言ってたのじゃ」
「二人っきりで流れ星の観賞……素敵です」
「…………その内……絶対ヤっちゃうと思う……」
「ま、まぁ……仕方ないですよ。新婚さんですから」
「とにかく、あの見張り台には近づかない方が良いな」
「そうじゃの。邪魔するのは心許ないのじゃ」
「余談だが、あの流れ星の大群は二時間以上も続くらしい」
「へぇ、そんなに長く続くんですね」
「うむ、そう言う訳で……酒とつまみ、好きな食べ物や飲み物を持って来い!今夜はここで宴会ぞ!」
「おお!父上、ジュースとクッキーとチョコ、それからマシュマロも持ってきて良いかの!?」
「構わぬ!その代わり、寝る前にキチンと歯を磨くのだぞ!」
「バッフォーイ!」
「まあ、お父様ったら♪」
「…………宴会、最高……」
「さぁ、今夜は思う存分楽しむぞ!」

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う〜む……我ながらこんなに♥マークを多用したのは初めてかもしれませんなぁ……。と言うかやっぱりエロって難しいorz

はい、と言う訳で完結しました。何とか年内に投稿出来て何よりです。
ここでようやくメアリーとバジルを夫婦にさせる事が出来ました。二人を作った本人としては、やっと結ばせる事が出来て肩の荷が下りました。
ガスタリ村?勿論行かせます。メアリーを連れて、必ず……!

そして次回は……色々と書きたいネタがあるのですが、相変わらずの不定期更新になりそうです。それでも見てくれたら幸いです。

では最後になりますが、ここまで読んでくださってありがとうございました!
そして良いお年を!

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