俺は貴女と共に生きたい
今日も説教から始まる一日だ。相変わらず両親は『早く婚約者を決めろ』だの『誰か良い人が居るんだな！？』と、飽きもせず口に出すもんだ。せいぜい頑張って叫んでくださいな。第一、両親が決めようとする相手のほとんどが政略的な相手ばかりじゃないか。そんな女と一緒になっても不幸な結末しか見えないし、例え結婚したとしても不仲になって離婚するか、どちらかが色欲に走って勝手に消えるだろう。そんな未来がわかってて誰が結婚すると思うんだ。
「壮一！お前は一体何が気に食わないんだ！」
「そうよ？貴方はもうすぐ田河グループを受け継ぐ身。それなのにどうして御見合い話を全部断わってしまうの？」
「それが嫌っだってんだよ！あいつらの顔見てるだけで気分悪いんだ！欲望まみれの顔した女と結婚なんてする気ねぇ！！」
俺こと田河壮一は田河グループ創始者である田河雅信の跡継ぎ。その身分ゆえに何度も御見合い話を持ち込まれては一悶着が起きる。そして後に続く御断りの返事。
「相手が欲望まみれだろうが何だろうが構わん！とりあえずは付き合え。話はそれからだ！」
親父とお袋が部屋を出て行く。俺は軽く溜息を吐き出し鬱陶しい御見合い用のスーツを脱ぎベッドへ投げ捨てる。他人に値段を付けるような女なんかと一緒に居たという事実だけで不愉快だ。確かに生きる為には金が必要なのはわかるし、それが生活の全てである事も当然理解している。だけど、俺は金の匂いに釣られただけの女なんかとは居たくねえ。奇麗事ばかり言ってるのはガキの証拠だとわかっている。それでも俺は待ち続けたい。俺の身分を気にせず心から愛してくれる女に出会える事を。
「・・・・わかってるよ・・、そんな都合のいい女なんて居ない事ぐらいは・・」
昔と違い、今は魔物娘が街中にいくらでも居るが、俺は何故か良縁に恵まれなかった。伴侶を見つけた魔物娘は俺の理想そのままに男に尽くすみたいだ。たまに暴走して街中で事に及ぶのはちょっとあれなんだが。時々、魔物娘と付き合ってる男を見かけるが、羨ましいぐらいの笑顔で腕を組んで歩いているのを見ていると俺もそんな相手が欲しいと切に願いたくなる。
「どうして俺には居ないんだろうなあ・・」
魔物娘は男を見つけたら即飛びつき一生尽くす、という噂だったはずなのに、俺には誰も飛びかかって来なかった。見かけても優しく挨拶をされる事はあったがただそれだけ。俺には魅力が無いんだろうかと思うとかなりショックだ。
「いい女ってのは・・探しても探しても見つからないもんだな」
たまに親父の目を盗んで街に繰り出してるが見事に全て空振り。このままだと親父の思惑通りになっちまう。
「クソッ！このままじゃ見合い相手と無理矢理結婚させられてしまう・・、どうすりゃいいんだ！」
自室の壁を思いっきりぶん殴る。殴る。殴る。殴る。ガヅンガヅンと大きな音が鳴ってしまったが誰も文句を言いに来ないところを考えると親父とお袋は出掛けたようだ。五月蝿くしてまた説教受けるのかと思ってたが誰も居なくて良かった。誰も居ないのなら、俺も着替えて出掛けよう。
「・・・誰も、居ないな・・？」
俺はこっそり自宅を抜けようとしたが、まさか玄関脇に親父の秘書である一乃瀬 正さんが立っているとは想像出来なかった。
「壮一様、どちらへお出掛けでしょうか？」
「・・・なんでここに正兄さんが居るんですか・・」
「社長より仰せ付かっておりませので・・・」
あのクソ親父め、俺が逃げる事わかってて正兄さん置いていきやがったな。
「どちらまでお出掛けでしょうか？」
「・・・適当だよ」
最悪だよチクショウ。俺が唯一頭が上がらない相手を見張りに付けやがって。正兄さんにはガキの頃からしょっちゅう世話になってたから逆らえないし。かと言って黙って行くと後がやばいしな。おっ、そうだ。
「正兄さんさ、そろそろ結婚とか考えた事無い？」
正兄さんは確か、まだ独身だったはずだ。巧い事言い包めればなんとかなるかも。
「いいえ、壮一様が良き伴侶を御見つけになるまでは・・」
この手は駄目か。それならいっその事巻き込んでやるしか。
「それならあれだよ、俺にぴったりな女を一緒に探して欲しいんだ！それなら正兄さんも納得出来て結婚出来るだろ？なっ？なっ？」
「・・・・」
駄目か。こうなったら正面突破するしかないのか。
「そぅ・・ですね。一理ありますね・・。確かに名も知らないような女性をいきなり連れてきて、結婚します、と言ったところで社長は許さないでしょうし・・」
こ、これは脈ありか。
「わかりました。私も壮一様の為に一肌脱ぎましょう。それで・・どちらにお出掛けで？」
「それはこれから適当に決めるとこだった」
「・・・適当なのですか」
「そりゃそうだろ？知ってる顔ばかり居る場所に行っても寄ってくるのは金が欲しい女ばかりで鬱陶しいし。それにさ、俺の事を全く知らない女に会ってみたいんだよ。欲ボケした女とか御断りだっつうの」
「・・・そうですね、金銭欲だけで壮一様に近づこうとする女性は、我が社には必要ありません。まさか壮一様がそこまで考えていたとは・・、申し訳ありません」
正兄さんが頭を下げてくるが俺は無理矢理止める。これはどっちかというと俺の我儘なんだし、無理言って付いてきてもらうだけなんだ。本当は俺が悪いんだからな。まぁ、それでもこれでなんとか出掛けれるってもんだ。
「よっしゃ、それじゃ行ってみっか！」
「それでどちらへ向かうのですか？」
「そうだなー・・・。俺の勘がこっちだと言ってる！」
俺は適当に明後日の方角を指差しひたすら歩く。もちろん親父の秘書であり、俺の世話役でもある正兄さんも一緒に付いてくる。なんだかどこかのローカル番組を味わってる気分だ。
失敗した・・。此処はどこなんだろう。適当に歩いて適当感覚で電車に乗って乗り継いで、着いた先は全く知らない土地。無計画にもほどがあるだろ。ま、それでも気分は楽になった。此処だったら、まさか俺が田河グループの跡取りだなんて知ってる人は居るわけないしな。
「壮一様、此処はどこでしょうか？」
「わからん・・、まぁ・・此処なら目的を達成出来そうな予感がする」
「はぁ・・」
曖昧に返したのが不味かったのか、正兄さんの眉間に皺が寄ってる。ちょっとだけ不機嫌になってる証拠だ。このままだと『時間を無駄にしてしまいました、戻りましょう』と言われて連れ戻されるのが目に見えてる。どうすりゃいいんだか。
「壮一様、このままでは時間を無駄に・・」
「っと、待ったーー！」
「何ですか？」
「出来れば、その『壮一様』ってのを辞めてくれないか？知らない人が聞いたら詮索されてばれちまうだろ？」
「それもそうですね・・、では昔のように 壮 と呼びましょうか？」
よっしゃ、上手く誤魔化せた。んじゃ今は適当に歩いてみっか。
しかし、すっげーど田舎だなあ。マジで此処どこなんだ。うちに帰ったら調べておくか。
歩けど歩けど、何もねぇ。有るのは民家と畑のみ。こりゃ最悪な場所に来てしまったか。
「壮。こういうのもなんですが・・・。もしかしてこれは失敗だったのでは？」
「・・・すまない、正兄さん。俺もちょっと後悔してるよ」
本当はちょっとどころじゃなかった。あまりのド田舎ぶりに何も出来ず、ただただ歩くしかする事が無かった。人もほとんど居ないし、たまに見かけても爺さんか婆さんばかりだった。後悔先に立たずとは良く言ったもんだよ、今しがた身を持って体験しちまったわ。
「壮・・、もう帰りましょうか。時間の無駄ですし」
「ああ・・・帰ろうか・・。・・・ん？正兄さん・・アレ何だ？」
「ぅん・・？ん〜？良く・・わかりませんねえ？もう少し近づかないと・・」
前方に見える小さな建物に近づくと、すぐに正体がわかってしまった。わかっただけにガッカリ感が溢れてしまって何も言えない。
「パチンコだったな・・・」
「そうですね・・」
「やっぱ帰ろうか・・・、って、やっぱ待ったああああああ！」
「五月蝿いですよ、壮。何があるというの・・・で・・・」
パチンコ店の前で掃除してる女性を見た瞬間、俺は本物の女神を見た気がしたんだ。チラリと隣を見れば正兄さんも凝視したまま動けなくなってる。
「壮･･･、居るとこには・・本当に居るんですね・・。あんな美しい女性がこんな田舎に居たなんて・・」
「あ、ああ・・・恥ずかしい話だけどさ・・、一瞬だけ女神に見えちまったよ・・」
「私も同感ですよ・・、あれほど美しい女性を今まで見た事が無かったです・・」
こちらに気付いたのか爽やかな笑顔で頭を下げる女性を見た時、俺は無意識の内に店に向かって足を進めていた。もちろん正兄さんも同じように誘われるかのように付いてくる。
「いらっしゃいませ♪パーラーI☆ZA☆NA☆Iへようこそ。当店では御客様に御満足頂けるよう最大のおもてなしをさせて頂きます」
「は、はぃ！ほほ・・本日はお日柄も良く・・・」
「ちょ！？正兄さん何言ってんだよ！」
「へ？あ、いや・・ち、違うんだ・・」
正兄さんがここまでパニクるなんて珍しい。実は俺も内心はパニクってんだけどな。
「正兄さん、ちょっとだけ打ってみないか？」
「え？何を打つんですか？」
「決まってんだろ。パチンコだよ、ほら入ろうぜ」
「あらあら、仲が宜しいのですね♪羨ましいですわ・・、貴方達を見ていると姉妹を思いだしますわ。未だに、私を含め皆さん一人身な姉妹ですけど・・・。ほら♪姉と妹の写真見てみます？」
し、姉妹だと・・。こんな美人の姉妹ということは・・、考えるだけで体が震えちまうが正兄さんと一緒に写真をチラッと見る。
「ぁゎゎゎゎゎゎ･････」
「ぅ、嘘・・だろ・・。ありえねぇ・・・。これで一人身だなんて・・」
「ふふ♪」
正直、見るんじゃなかった。ガタガタ震える正兄さんをギクシャクした体で店に引き摺っていく。右手と右足が一緒に前に出そうになっちまったのは内緒だ。
「それでは、ごゆっくり御寛ぎください♥」
店に入った途端、新天地にやってきたのかと思った。いや、此処は新天地だ。それだけは確実に言える。正兄さんも店内をじっくり眺めながら溜息吐いてるしな。
「これが・・パチンコ店ですか〜・・。初めて入りましたが・・綺麗な空間ですね・・」
「え、ちょ？マジで初めてなの！？」
「え、ええ・・。生まれてこの方３４年一度も入った事はありません」
「ま、まぁいいや・・。しっかし・・凄かったなあ。あんな美人３姉妹が全員独身だなんてな・・。正兄さん、何ぼけ〜っとしてるん？」
「ハッ!?い、いえ・・、何でもありません」
「正兄さん、もしかして・・惚れちまったかー？」
「そそそそそそんな訳ないでしょう！」
バレバレだっつうの。ま、いいや。店に入っちまったし、ちょっとだけ遊んでいくか。一応、金はそこそこ持ってきてるし。それに、少しでも店員の近くに長く居たいってのもあるしな。
「んじゃ、正兄さん打ってみようぜ！」
「･･･先ほどから『打つ打つ』と言ってますが・・何を打つのでしょうか？」
「正兄さん・・何もかも初めてなんだな・・。それじゃ俺が手本見せるよ」
俺は手近にある台に座り、財布から札を抜き取り投入口に差し込んだ。そしてハンドル横のボタンを押して玉を吐き出させる。
「それで、こうやってハンドルをちょうどいい角度に調整して玉を打つって訳」
「ほうほう・・なるほど。そうやって打つのですか」
「んで、弾き出された玉がこのチャッカーに入ると・・と、ちょうどいいタイミングで入ったな・・。んで液晶画面のキャラが動き出すんだ」
「ふむふむ・・そうなるとどうなるのです？」
「同じ絵柄が左右に揃うとリーチ状態になって、始めはノーマルリーチと呼ばれるものから特殊なSPリーチに発展する、というパターンもあったりして・・」
「・・外れてますね」
「ああ、これは左右のキャラが同じじゃないだろ？この状態ではハズレ状態なんだわ。ま、ようするに同じキャラが三つ揃えばいいだけの話さ」
「なるほど・・理解しました」
本当に理解したのかわからないけど、正兄さんは俺の隣に座って見よう見真似で同じ事をする。と、あれ？正兄さんの座ってる台って何だ？
「なぁ、正兄さん？その台って何？」
「さぁ・・・？何でしょうか？」
正兄さんの液晶画面にピラミッドが映ってるな。俺の台はなんだか陰鬱というか墓地とか妙な屋敷とか映ってるし。ま、この際打てるんならなんでもいい。
「なぁ、正兄さん・・」
「どうしました、壮？」
「あの店員・・どう感じた？」
「･･･」
珍しいな、正兄さんが無言になるなんて滅多に無い事だ。今日もハズレかと思ったけど、すごい収穫日になりそうだ。
「あんな人と結婚出来たら最高だろうなー、って無理だろうけどな」
「えぇ･･･、私達では到底手の届かない世界の方ですね・・」
ああ、本当に高嶺の花だよ。あれほどの美人がこんなとこで燻ってるなんてありえないわ。世の中の男の大半って女を見る目が無いのか？ましてや、こんな田舎にダイヤの原石が転がってるだなんて。それも３つも・・。
「っと、いつの間にかリーチなってるわ」
「へぇ・・・、そんな風になるのですか」
ん〜、ゴーストのリーチか。この娘、結構可愛いな。頭の天辺で結んだリボンが良いアクセントになってる。ちょっと幼い気もするがそれもいい。でも、ダメだな。これは確実に外れる。
「外れましたね、壮・・」
「ま、こんなもん、こんなもん。博打ってのはなかなか当らないから博打ってもんだよ」
「はぁ・・・？そういうものでしょうか？」
黙々と黙って玉を打つ。静かなのは、正兄さんが台をひたすら凝視してるから。何か気に入るのでもあったんだろうか？
「壮、このキャラクター達・・リアルで可愛いですね」
「ん？何言ってんの？これたぶんだけど・・実写だと思うよ？」
「実写･･･、ということはモデルが居るって事ですか！？」
「ああ、多分・・」
「素晴らしいですね･･･、こんなに可愛らしい御嬢さん達が居るというのは・・」
正兄さんって、この手に結構弱いのか。これなら今日一日のんびり時間潰せそうか。
「･･･。・・！？壮！壮！何か来ましたよ！？」
「ぅん？･･･スフィンクスのリーチだな、あの謎掛け好きの魔物娘だよ」
「あぁ、ピラミッドの番人と言われてる・・、でも可愛い耳ですねー」
え？正兄さんって、もしかして獣耳に弱いのか！？って、そんな訳無いか。見た目が可愛く思えただけかも知れないしな。ふぅ、もう玉切れか。とりあえずもうちょい打とう。正兄さんもなんだか妙に嬉しそうだし。
「ハズレちゃいましたね・・・」
なんでそんなガッカリしてるんだよ。まさか本当に獣耳が好きなのか？いや、初アタリしたかっただけかも知れないし。きっと気のせいだ。
「猫耳、・・可愛かったんですけどねぇ･･･」
聞こえない聞こえない。俺は何も聞いてないぞ。正兄さんが獣耳好きだなんて思ってもないからな。打とう。打って今聞いた事は忘れよう。しかし、俺の台なかなかリーチにならないなー、もうちょっとアクションがあればいいのに。
「あら？壮！？またリーチになりましたよ！」
「ええ！？ちょっと早過ぎないか！？」
見れば宝箱が左右に揃っていた。これってもしかしてミミックじゃないの？
「これ・・何でしょうか？」
「それ、きっとミミックだよ。ほら、ガタガタ揺れだしたし・・って、SPリーチに発展してるじゃん！」
「な、何ですかそれは！？」
ミミックの前に鍵が５本並んでる。これはもしかして選べって事なんだろうか。
「正兄さん、玉受けの真ん中にボタンあるだろ。そのボタンで鍵を選ぶんだよ」
「えと、・・それじゃこれで」
正兄さんらしいや、真ん中を選んでるし。お、鍵が穴に挿し込まれて・・。開かなかったか。
「開きませんでした・・残念です・・」
だからなんでそんな残念そうな顔するかなあ。俺を見ても当るわけないのに。と、俺にもやっとリーチが来てくれたか。お、おおお・・、ヴァンパイアのリーチだ。すっげー美人だなー。
「美しい人ですね・・」
「ヴァンパイアってマジで美人なんだな」
胸の前で軽く腕を組んで立ってるだけなのに気品を感じるわ。これがカリスマってヤツか。あー、発展無しでハズレか。美人だっただけに残念だ。当ててみたかったなあ。
「残念です・・」
「いや、だからなんで正兄さんが残念そうにするかな？」
「いえ、何分初めてなもので・・一度でいいですからアタリを見てみたいと思いまして」
ああ、正兄さんは何もかも初めてだったな。そうなるとプレッシャーでかいなあ。一度ぐらいは当てないとずっと残念そうな顔するだろうし。しょうがない、当るまで粘ってみるか。
この台、結構しぶといな。なかなか当らないから正兄さんがグロッキー状態になってるし。
「壮・・パチンコって当らないものなんですね・・」
「いや、普通ならこんだけ回せば当るはずなんだが・・」
２台とも最悪な台だ。なんつー回収台なんだ。ここまで当らないってのもマジでやばい。二人揃って回転数が500オーバーってどんな拷問だよ。普通はこんだけ回せばどっちかが当るだろ。
「はぁ・・・、私には博打運というものが無いという事でしょうか・・」
「それ言われると俺も心に来るもんがあるんだけど・・」
はぁ、と二人揃って溜息を吐き出す。美人な店員の誘惑に負けちまった俺が悪いんだが。
＜今日は緊急会議だ!!＞
「え？これなんですか、壮？」
「お・・？お？アヌビスのリーチが・・来た！」
「え？え？一体どうしたらいいのですか！？」
「とりあえず発展を祈ろう」
正兄さんの台にアヌビスのリーチが掛かった。なんだか発展しそうな雰囲気だな。・・と、予想通りに発展系に入ったな。
＜草案を纏めるぞ＞
流石、噂に名高いアヌビス。すげー勢いで書類を整理している。
「おや？書類を天秤に分けて置きましたね？一体何でしょう？」
「ん〜〜？なんだろなー？」
天秤が左右に揺れている。何か意味でもあるんかな？
＜では･･･判定を言い渡す＞
「どうなるのでしょう・・？」
「・・・」
アヌビスが天秤の揺れが治まるまでじっと眺めている。あー、俺こういう沈黙って苦手だわ。ん、だんだん揺れが治まって水平になったな。
＜我が天秤の采配は公平！よって可決とする＞
アヌビスの天秤って魂秤じゃなかったっけ？と、いうか書類審査する秤にしていいんかよ。
「そ、壮！当りましたよ！初めて当りましたよ！」
「やったじゃないか、正兄さん！」
あ〜〜、いいなぁ。このアヌビスの子すっげー可愛いな。俺にも早く当り来ないかねー。
「えっと・・ここに玉を入れたらいいのですね」
はぁ、羨ましい。大口入賞パカパカ開いていいなあ。ぅん？なんで玉が出てないんだ？詰まりでも起きたんかな？
-カチャン♪-
「おや？何か出てきましたよ？これは・・金貨でしょうか？えっと・・名前らしきものが彫られてますね。う〜ん、ルーナス・ファ・チシェでしょうか？裏面は・・、壮！見てください！当たったアヌビスの子が彫られてますよ！可愛いですねー」
うおっ！なんだよそれ！すっげー可愛いじゃないか。しかも金貨ってどういう事なんだよ。もしかして当ったら金貨が出るのか！？俺にも、俺にもかわい子ちゃんの金貨プリーズギブミー、当たったら絶対に家宝にしてやんぜ！
「綺麗な金貨ですねぇ･･･惚れ惚れしてしまいそうですよ・・」
くっ、羨ましいぞ・・。俺も早く当てて金貨欲しいぞ。頼むから当ってくれよ。
くそっ･･･正兄さんが羨ましすぎる。俺の隣で金貨を眺めたまま悦に浸ってるし。しかもあれから一万突っ込んじまったよ。もういい加減に当ってくれよ。
「はぁ・・・、なんで当らないかなー」
心がバッキバキに折れちまったよ。女運無いわ、博打運も無いわ、最悪すぎんだろ。と、いうかマジ空気読んでくれよ。ガックリどころか何もする気起きねぇわ。
「･･･ぁ、壮！画面が変わってますよ！」
「・・・へ？なんだこりゃ！？さっきまで墓地だったのにいつの間に館の中に！？」
＜ふふ♪いらっしゃいボウヤ＞
「もしかして、もしかすると・・リーチ来たぁぁぁー！･･･って、すっげー美人だ・・。紅い瞳に金髪ポニテ、それに落ち着きのあるシックな赤いドレス、そして淑女！俺の理想ぴったりじゃねぇか！最高すぎんだろ！」
「･･･壮、貴方は年増好みだったのですか・・。だから今までずっと見合い話を断わってきたのですね・・」
「ちょ！？違うからな！間違っても親父に変な事を吹き込まないでくれよ！」
正兄さんと馬鹿な遣り取りしてる間にリーチが発展していた。あの女性が洋館のホールで軽くステップを踏んでる。踊ろうと言いたいのか？
＜･･･手を差し出してはくださらないのですか？＞
やべぇ、今おもいっきりグラッときちまったよ。現実に居たら絶対に手を出してるわ。と、言っても俺は踊れないんだけどな、ハハッ・・。こんな美人と踊れたらいいんだけどなあ。
＜私は此処に居ますわ。さぁ、満月のスポットライトを浴びて一緒に踊り明かしましょう♪＞
ホールの窓から月明かりが差し込んで美しさを際立たせてくれてる。月光に照らされる女性っていいな。なんだか儚いような、でも綺麗だよな。
ああ、綺麗な動きだ。この女性が軽くターンする度に絵柄をいなしていく。なんていうか言葉には表せない美しさだ。俺も、・・俺も出来れば踊ってみてぇ。似合わないってのはわかってるんだけどな。
＜さぁ、フィニッシュですわ♪＞
その場でクルリと回転した後に左手を腰に当てて瞳を閉じ右腕を頭上にピンと伸ばす姿に惚れ込んでしまいそうになる。･･･あれ？揃ってねぇか？
「壮！当ってますよ！すごいじゃないですか！」
「うおぉっ！全然気付かなかった！？」
やべぇ、ダンスに見惚れて揃ってる事に気付かなかったわ。ん？俺の台も玉が出てこねぇよ・・、これってまさか・・な。
-カチャン♪-
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
やっぱり俺の台からも出てきたか、なんとなく薄々気付いてたけど。でもまぁ、綺麗だよな・・。
「フィア・Q・リコナ･･･、フィア・・いい名前だな・・。裏面は・・・クッ、なんだよこれ！･･･マジで惚れそうになるだろ！」
裏面を見るんじゃなかった。マジ美人じゃねぇか。端整な顔立ちなうえに自信に満ち溢れた瞳とか最高すぎんだろ！やべっ・・チンコ勃ってきた。
「壮の金貨に彫られている女性・・すごい美人ですね」
「さっき年増とか言ってなかった？」
「いえいえ、純粋に美人だと思ってますよ。･･･でも私の金貨のアヌビスさんも可愛いですねえ・・、特にツンと上に向いた耳が・・・」
今わかった、やっぱ正兄さん獣耳フェチだわ。本人は気付いてないっぽいみたいだけどな。
「おめでとうございます♪嗚呼、今日はなんて素晴らしい日なんでしょう･･･、二人も当りが出るなんて・・。これで姉さんの夢に一歩近づいたわ♥」
「うぉっ！？びっくりした！いつから居たんだよ！？」
「全く気配が感じられませんでしたね・・」
「気にしない気にしないの♪」
いつの間に俺達の後ろに立ってたんだ。ま、まぁ細かい事はどうでもいいや。とりあえず、この金貨どうしたらいいんだ。このまま持って帰っていいんか？
「すまんけど、この金貨って・・」
「はい♪もちろん御客様の者ですわ♪一生大切に肌身離さず持っていてくださいね〜」
「「・・・・（（・・・今、者って言った？））」」
こんな高価そうな金貨を本当に貰っていいんだろうか、それに、･･･注ぎ込んだ金額と比べても明らかに金貨のほうが値段が高い気がするんだが。きっと正兄さんも同じ事考えてそうだけど。
「はぁ・・、まぁ私はこの金貨を大変気に入りましたので大切に扱いますね」
「俺も同じく、ってとこかな。よく見りゃすっげー俺の好みだし、ぶっちゃけ惚れた」
「ありがとうございます〜♪お二人に喜ばれて満足です♪」
俺はそっと静かに金貨を見つめる。正兄さんもこっそり見て悦に浸ってるな。そうと決まれば早速家に帰って綺麗な額にでも飾っておこう。
「それじゃ正兄さん、そろそろ帰ろうか」
「そうですね、･･･今日は本当にありがとうございます。これほど充実した日は今までありませんでした、壮一様」
「･･･あっ、バカ！？」
「壮一・・・様？兄弟では無いのですか？」
「いやいや！何でもないから！早く帰ろう！正兄さん！！」
俺は正兄さんの手を掴んで急いで店から飛び出した。あのまま店内に居続けたら正体がばれちまう可能性が・・。たぶん、ばれてるかも知れないけどな。
「す・・すみません、壮一様」
「いいよ、いいよ。ちょっとやばかったけど大丈夫だろ。それはさておき、・・帰ろうか」
「ええ」
「・・・また此処に打ちに来たいな・・」
「そうですね・・、時間が空けばもう一度だけ此処に来たいですね。本当に・・楽しかったですから」
さ、帰ろう帰ろう。帰り際、俺は正兄さんを肘で何度も軽く突付く。理由はもちろん、金貨を見る度に顔がにやけているからだ。
「うぃ〜〜〜、ただいまぁー」
「只今戻りました、社長」
玄関開けたら正面に親父が待ち構えていた。なんかすっげー怒ってるっぽい。見事に青筋立ててくれちゃってまぁ、血管ぶち切れないんかねー。
「壮一・・今まで何処に居たんだ、それに一乃瀬・・・お前にはこのバカを見張ってるように頼んだはずだが、これはどういう事だ？」
「い、いえ・・それは・・」
やばい、このままだと俺のせいで正兄さんが不味い状況になっちまう。
「俺が無理矢理連れ出したんだよ・・。正兄さんは何も悪くねぇよ・・」
「ほぅ･･？お前が無理矢理・・か、どうせしょうもない嘘で巧く誘ったんだろう？ん？」
「しゃ・・社長・・ですが、・・本日は最高の収穫がありまして！」
「ん？どういう事だ？収穫とは一体どういう意味だ？」
俺は今日の出来事を変に脚色しないようにありのまま正直に親父に説明する。パチンコの事はめっちゃ怒られちまったが、それほどの美人なら紹介してみろ、と言われちまった。こりゃどうすっかなあ。あの店は偶然見つけただけだし、道順はっきり覚えてないんだよな。やっべーな。
「ま、なんとかなるだろ。降りた駅名は一応覚えてるし」
「申し訳ありません・・・壮一様。私が至らないばかりにこのような事に・・」
「大丈夫だっての。正兄さんは悪くないし、あれは俺の我儘だったんだしな」
でも、やっぱこのままじゃ不味いよな。もう一度行って見つけられませんでした、じゃ済まないだろうし。どうしたらいいんだ。
「正兄さん、今日はもう遅いからうちに泊まっていきなよ。どうせ帰っても明日の事ばかり考えて煮詰まるだけっしょ？」
「何から何まで申し訳ありません・・」
正兄さんが泊まれるように客間を綺麗にしておくか。普段から手入れしてるからあんまりする事無いけど。
「それじゃ、正兄さん。親父から一日時間貰えたし明日もう一度探しに行こう」
「わかりました、明日・・社長の喜ばしい顔を見る為にも」
「んじゃ、おやすみー」
俺は自室のベットにゴロリと横たわりながら金貨を見つめる。本音言えば、この金貨に彫られた女性が最高に好みなんだけどな。こんな人が居たら・・俺は絶対に・・。
・・・ん、なんか急に目が冴えちまった。なんで急に目覚めるんかなあ、もうちょい眠りたいっつうのに。ま、いいや。もう一回寝る・・・か・・！？だ、誰か居る。俺の部屋に誰かが・・。
「誰だ！？」
「あら？起こしてしまったみたいですね。もう少しだけ可愛い寝顔を見ていたかったのに・・。少しばかり残念ですわ♪」
全然残念っぽくねえだろ。くそっ・・薄暗くて顔が見え辛い、・・な〜〜んてな！
「キャッ！？」
「ハッ、油断したな！部屋のライトのスイッチは俺の手元にあるんだ・・・よ・・・？・・よ・・？」
な、なんだこれは・・。冗談だろ、誰か嘘って言ってくれよ。なんで・・あの金貨に彫られてた女性が目の前に居るんだ・・。しかも、胸でけぇ！！Ｄか！？それともＥなのか！？真紅のドレスが盛り上がっちまってるぞ！規格外だろ！
「あらあら・・私とした事が・・。お手元のスイッチに気付かなかったなんて」
嘘だな、目が笑ってるし始めからこうなる事を予想してました、って顔してる。でも、やっぱ胸でけぇ・・、しかもめっちゃ美人だっつうの。いや待て、その前にどこから入って来たんだ？窓はロックされてるな、ドアは開けた形跡が無い。
「ふふ♪何故、私が此処に居るか、ですか？」
「ぁ、ああ・・、一体どうなってるんだよ・・。あんたは・・確か・・金貨に彫られていた女性とそっくりで・・」
「そっくりで？」
「名前はフィア・・・キュリアス・リコナ･･･」
「まぁ♪覚えていてくれたのですね♪」
「あ、当たり前だろ！一目惚れしちまうぐらいに美人なのによ！・・あ」
あ？あれ？俺・・何か地雷でも踏んだか？なんでこの女性、手をワキワキさせてんだ。うわっ！手からでっかい爪みたいなのが出てきてるし！？
「一目惚れだなんて・・、殿方にそこまで想ってもらえる私は幸せですわ♥」
待て、待ってくれよ。幸せなんだろ、何でそんな物騒な爪をカチャカチャ鳴らしながらこっちに近づいてくんだよ。
「貴方の精、すごく美味な匂いがしますわ♪少しだけ味見させてくださいませ♪」
ヒッ！？ひょわぁぁぁぁあああああああ！！爪が！爪がさっくりと俺の腕に刺さってやがる！･･･あれ？全然痛くねぇ？ん？ん？これって透けてるのか？
「何がどうなってる・・・、うぐっ！うぅ・・・・ぐはっ!!?」
何だ！？何で俺は射精してんだ！？これってまさか！
「うふふふ♪そう、私はワイトですわ♥良くお判りになりましたね」
「ぐ・・、やっぱ･･･そうか。ワイトは・・不死の女王で・・吸精が得意な種族・・・」
俺に種族を言い当てられて嬉しいのか更に俺の精気を吸っていく。やばっ！また・・また出ちまう！・・・ううっ！？
「ああ♥素晴らしい香りですわ・・、今までに呑んだ高級なワインよりも濃厚で痺れるほどの・・・♥これほどの精をこれから毎日頂けるなんて最高に幸せですわ」
「ちょ・・・ちょっと、待ってく・・れ。毎日頂けるってのは・・」
「あ、申し遅れました。私は貴方の伴侶となる為にこちらに・・『うぉぉぃっ！待てよぉっ！』どうかしましたか？」
「伴侶って・・あ、あれだろ・・。要するに結婚って・・事だろ・・・」
「ええ、勿論ですわ♪それとも・・・私では満足出来ないと・・仰るのでしょうか・・」
瞳潤ませながら睨まないでくれよ。それにさっき一目惚れしちまったと宣言したばかりなのに。もしかしてもう一度、俺に言わせたいのか？
「・・・ひ、一目・・惚れしたって・・・さっき言っただろ・・、何度も言わせないでくれ・・よ。すっげー恥ずかしいからよ・・」
「…♥」
ちょ、いきなり抱き付いてくんなよ。驚くだろ・・んんぅ！？
「んっ・・・ふぅぅ・・・ぢゅる・・・んむ、ぷはぁ！」
「んふふふ♪美味しいですわ…、これが男性の唾液の味なんですね♪もっと・・くださいませ♥」
や、やめ！キスしただけでチンコギンギンになってんだよ。これマジでやばすぎる。んぐ！んんんぅーーー！！
「ん♪・・ぷはぁ・・・、あら？もう漏らす寸前なのですね。流石に下着の中に精液を３回も捨てるのは勿体無いですね・・・。では、そろそろこちらに・・」
俺の下着をゆっくりと優しく下ろしてくれるフィア。ブルンと飛び出した俺のチンコを蕩けた顔で舌で綺麗に掃除してくれる。ああ、これ最高だよ。こんな美人に御掃除フェラされるなんて最高だ。もういつ死んでもいい。
「念入りに綺麗にさせて頂きますわ♪・・んふぅ・・♥」
「はぅ・・、そ、そこ・・すっげーいいよ・・。やべっ！もう出る！」
「まだダメですわ♪出すならこちらで・・」
胸の谷間に指を掛け下にずらして見事なおっぱいをポロリと出してきた。これってもしかしてもしかすると・・。
「私のおっぱいの中に一杯出してくださいね。おっぱいが妊娠しちゃうぐらい濃いザーメンで染めてくださいね♪」
「おぅ！・・おっぱい柔らかすぎて・・最高！で・・出る！！」
「ぁん♪おっぱいの中に沢山ぴゅっぴゅしてますね。どうでしたか？私のおっぱいを染めた気分は」
「あぁ、･･･最高だよ・・。まだ出し足りないぐらいだ・・」
「んふふ・・、では次はこちらに沢山くださいませ」
俺の上に跨りドレスの裾を掴んでじわじわと上へと捲くり上げていく仕草が凄くエロい。もう少しで見えそうになった所でピタッと止まる。ここまで来て生殺しかよ。頼むから後少しだけ捲くり上げてくれよ。
「ねぇ、壮一さん。・・いえ、壮一様？この先を見たいですか？」
「･･･？なっ！？なんで壮一『様』って・・」
「ふふ・・何ででしょうね？」
もしかして・・こいつも金目当てなのか。もしそうだったら幻滅だ。
「あんたも・・金が欲しいのか・・？」
「････お金・・ですか？別にそのような物は私達魔物娘には必要ありませんが・・？」
「・・・。あ、そうだった。・・だったらなんで俺を選んだんだ？あんたほど美人なら誰でも選べるだろう？」
「いいえ、誰でも良いというわけではありません。私は運命の方と結ばれたいのです」
「まさか、・・それが俺って訳？」
「ええ♪・・御解り頂けたようですので・・そろそろ頂きます♪もう、我慢出来ませんので♥」
「ちょ、ちょっと待・・・ううっ！？」
いきなり腰を落として一気に俺にチンコを咥え込んできた。ドレスの裾で隠れて見えそうで見えないアングルが俺の興奮を更に高めてくれる。
「くぅぅ・・、やはり初めてですと、一瞬だけ痛むのですね♥でも・・凄く気持ちいいですわ・・、処女膜が破れた瞬間・・イキそうになりました・・♪」
おいおい、普通はすっげー痛がるもんだろ？なんで処女膜破られてイッちまうんだ。そこは「痛いっ！」とか「まだ動かないで！」とかじゃないのか。
「うふふ・・、やっと処女を捨てる事が出来ましたわ♪今日という日をどれだけ待ちわびた事でしょうか・・♥」
ぁ、なんか嫌な予感。
「ああ・・・、459年もの間・・守り通してきた処女をやっと捧げる事が・・」
げ、459年って。えとえと、・・俺が今29なんで・・・。430歳も年上女房・・。
「では・・459年溜め続けた私の愛を受け取ってくださいね♥♥もちろんこれから先も・・」
「い、いあ・・待って・・。459年分って絶対に死んじゃいますよ！後生ですから！」
妖艶な笑みを浮かべながら腰を前後に振ってくるフィア。ああ、・・この腰振りだけで・・もう、もう。
「んぐっ！・・・はぁぁ〜・・・」
「んんっ♪・・嗚呼・・美味しいですわ・・。私の子宮に濃厚なザーメンが流れ込んできてます・・。私の卵子を犯そうとする精子の動きが感じられますわ♥」
こんな美人に俺の精液に犯される卵子の状況とか語られたら我慢出来なくなってくる。俺はまだまだ勃起状態のチンコを奥に突き入れる。子宮口に亀頭がくっついた瞬間にフィアが嬉しそうに嬌声を上げてくるが、俺は気にせず何度も腰を上下に動かしてやる。
「んぅ・・あはぁ♪んく・・・、ん〜、そこぉ・・そこを突いて〜♪」
「此処か？此処を突かれるのがいいんだ・・な！」
「ああん！！そう！そこが凄くいいの！きゃぁん♥」
ドレスのスカートで隠れて全く見えないのが悔しいがこれはこれで凄く興奮してくる。なんていうか、周りから見えないように美女を犯すってのがとんでもなく興奮してきてヤバイ。おっぱいは見えてるけどマンコが全く見えなくて、でもドレスのスカートの中で犯してる状況ってある意味最高な気分だ。誰にも知られず美女のマンコに中出しするシチュって・・もう我慢出来ない！
「また、・・出すから・・なっ！んんっ！！」
「んぁぁぁ・・・、イイ・・いいですわぁ・・。私のオマンコに・・子宮にビチャビチャって精液が叩き付けられて・・」
「はぁぁあ〜〜・・・・、もう・・出ねぇ・・・」
もう出ないと宣言したのに、まだまだ搾り取ろうとフィアの膣が何度も蠢く。流石にちょっと休憩を挟まないと体力が持たない。
「フィ・・・フィア。少しだけ・・休ませてくれないか」
「しょうがないですわ♪それでは・・こうしましょうか♥」
俺にしな垂れかかってきて体を密着させるフィア。その拍子に手を握り合い恋人繋がりを愉しんでくる。
「こうやって・・愛する人と繋がってみたかったのです♥」
「そっか・・、俺で良ければ・・一生ずっと握ってくれてもいいぞ・・」
「それって・・」
その先を言わせたくなくて俺は強引にキスをして言葉を止める。フィアもわかってくれたのか黙ったまま受け入れてくれた。
なんだか壮一様の部屋が騒がしいですね。もしかしてと思いますが念の為に確認しておきましょうか。強盗という気配は感じられませんけど。ですが、妙な感じですね。なんだかこう・・パズルの最後の１ピースが綺麗に嵌ったような感じです。
「なんだか良くわからない感じですね・・？」
壮一様の部屋を訪れようとドアに手を掛けた瞬間、私の背後に誰かが立っている気配を感じました。
「どこへ行こうとする？嫁を放っておいて他人の情事を覗こうなどとは悪趣味極まりないぞ？」
振り返れば、綺麗な黒髪を腰まで伸ばし、犬耳を付けた身目麗しい褐色肌の女性が立っていました。一体これはどういう事でしょうか？この部屋には私以外には誰も居なかったはず。
「申し訳ありませんが、私には妻は居りません。きっと貴女様の勘違いでしょう？」
「何を言う、お前は私の婿に選ばれたのだ。運命の糸によってな」
なんだか的を得ませんね。何かが根本的にずれているような気がします。ですが、・・あの耳は一体何でしょうか。あのピクピクと僅かに揺れる耳。美しいまでに整った三角形のイヌ耳。なんでしょうか、この気分は。触れたくて触れたくて手が勝手に動こうとしています。
「む？その手は何だ？何故妙な動きをしているんだ？」
「･･･？はっ！これは申し訳ありません・・。私自信よくわからないまま体が勝手に動きまして・・」
「ふむ、まあいい。さて、そろそろ仕事の時間だぞ。まず、これから３０分後に私の処女を奪い、然る後、孕ませ射精。その後、子宮を精液で満たした後は私とピロートークを始めるのだ。そして甘い囁きで私をもう一度発情させ獣のように後ろから私を犯し、何度も膣内射精して私を確実に妊娠させるのだ」
「・・・・・・・・」
何でしょうか、この女性は。どうして私がこの女性を犯し妊娠させなければいけないのでしょうか？ですが・・私は何故かこの女性を・・、いえ、目の前の彼女に全てを捧げたいと思ってしまっています。これは一体・・。
「さぁ、どうしたのだ？もう時間が無いぞ？」
どうして私はこの女性に近づいてるのでしょう。今は壮一様の安否を気遣うのが優先されるべきはず。それなのに私は・・・。
「はぁ・・はぁ・・、いいぞ。お前の匂いが私を満足させてくれる。ああ・・さぁ、私を抱き締めて愛撫するがいい」
なんでしょうか、このデジャヴ。どこかで感じた気がします。
「貴女はもしかして・・、ルーナスさん・・でしょうか？」
「そうだ、私はルーナス・ファ・チシェ。良く覚えていた。流石は私の夫となる男だ」
やはりそうでしたか。どうにも初対面とは思えませんでしたから。まさかとは思いますが・・。
「なるほど、金貨を捜すようだが・・生憎ともう無いぞ」
「・・今わかりました、あの金貨には貴女が封印されていたのですね？」
「正解だ。ならば、これからする事もわかっているであろう？」
魔物娘は番となる伴侶を見つけた時は処女を捧げると聞いていますが、まさかこんな堅物の私にこんなに可愛らしい耳を付けた女性が一生を捧げようとするなんて。
「申し訳ありませんが、私のような堅物を相手にするよりもっと楽しい方を選んだほうが宜しいかと・・」
「ふ、ふざけるな！私はお前を選んだのだ！お前になら全てを捧げても後悔しないと決めてあるのだ。これから先、何があろうとも私はお前に付いていくぞ」
嗚呼、素晴らしいほど瞳が輝いています。何者にも負けない力強い眼力。前だけを見つめ続け、ただひたすらに己の道を切り拓こうとする心。後悔すら力に変えれるほどの自信。なんて素晴らしい女性なんでしょうか。
「私で良ければ・・、一生を貴女と共に過ごしたい」
気付けば私は彼女を口説いていた。不思議と言葉にして口に出してしまった。こんな堅物の私に寄ってくる女性は今まで居なかった。いえ、私から近づこうとしなかっただけかもしれません。私は殻に閉じこもっていたのかも知れません。ですが彼女は・・ルーナスさんは私の殻を破り力強く愛を語ってくれました。ならば私も彼女の言葉に愛をもって返事をしなくては。
「ルーナスさん、こんな私で良ければ・・結婚・・してくれませんか」
「あああああああ、当たり前だろう！いいいいきなり何を言い出すのだ！」
ちょっと驚く彼女が可愛いですね。耳もそれに合わせて激しく左右に振られてますし。
「ルーナスさん・・、少しだけ耳を触らせてもらえませんか？」
「・・・ぅ、ぅむ・・。ま、まぁ、夫からの頼み事だ・・。すす・・好きにするがいい」
なんて素晴らしい触り心地でしょうか。硬そうに見えた毛はふわふわでふさふさで。このピンと尖った耳が彼女の性格を現してるかのように真っ直ぐで。
「んんふぅ・・・、んん、・・・・きゃふぅ・・・きゅぅん」
「おや？どうかしましたか、顔が赤いようですが？」
「み・・耳は・・敏感なんだ・・・。そ、それ以上弄られると・・きゃふん！！」
膝をガクガクと振るわせながらも気丈に耐えようとする彼女が愛しく感じる。私は耳に触れるのを止め、彼女の背に手を回し抱き寄せます。
「んんぅ！・・あ、･･･」
「申し訳ないですが・・震える貴女を見ていたら我慢出来なくなりまして・・」
私は彼女をベッドへと押し倒し、軽く口付けを交わします。彼女は何も抵抗せず私の全てを受け入れ、貪るように何度も口付けを受け入れてくれました。そんな彼女をこれから孕ませようとする私は何て罪深く恵まれた男なのでしょう。
「ルーナスさん・・いえ、ルーナス。私の子を・・産んでください」
私は穿いていた下着とズボンを一緒に下ろし、彼女の前に性器を晒します。彼女とのキスで既に私の性器は張り詰め、いつでも挿入出来る状態でした。そんな性器を期待の眼差しで見詰め軽く股を開く彼女の下着を下げていき・・まだ僅かにしか濡れていない彼女の女性器にゆっくりと挿し込んでいきます。
「んぁぁぁ・・、お、お前のチ、・・チンコが私の中に・・」
「くっ・・、やはり少しばかり挿れるには早過ぎましたか・・。それと、ルーナス・・。私の名前は 一乃瀬 正と言いますので」
「た・・だし・・、正・・か。ふふ・・本当にお前らしい良い名だ・・、んぅ♪」
あまり濡れていない女性器に挿入したせいか、まだ動けない私にルーナスは何度も口付けをせがんできます。私はもちろん、彼女の期待に応えるように全てを受け入れ、時には舌で愛撫し彼女の艶やかな唇を味わいます。どれほど時が経ったでしょうか。彼女の女陰から僅かですが愛液が染み出し私の性器を嬉しそうに迎え入れてくれています。
「そろそろ･･･動いてはくれないのか？」
「ええ、それではお言葉に甘えまして・・んぅ」
「キャフゥン･･･クゥン・・♪」
可愛らしい子犬のような鳴き声を上げて嬉しそうに耳をパタパタと動かす彼女は本当に愛しい人です。私はこのまま彼女を孕ませてみたい。彼女からの願いでもありますが、私自身がそう望んでいます。私のような堅物な男を心の底から愛してくれる彼女を、これからの私の人生全てを捧げ愛したい。
「んっ・・、くっ！ルーナス・・凄く、気持ちいいですよ・・」
「きゃふん！ううん・・ハッ・・ハッ・・・、と、当然だろ・・う、キャィン♪」
「今とても・・喜んでました・・・ね！」
「きゃいん･･･きゃいん！・・そ、そこは・・・キュ〜〜ン♥」
どうやら彼女は子宮の手前が一番感じるようですね。もう少しだけ・・突いてみましょうか。
「きゅ〜ん・・・きゅ〜ん・・・うぁん♪・・今の・・いいぞ･･･。もっと攻め・・て・・あひゅん！」
ああ、弱い部分を突く度に膣がきつく締まってきて・・、このままですと・・。
「ルー・・ナス、出しますよ！出して・・貴女を孕ませたい！！」
「ハッ・・ハッ・・・、出してくれ・・！私を孕ませて！」
孕ませて欲しいと懇願する彼女に応え、私は膣内を欲望の白で染め上げていく。なんて素晴らしいのでしょうか。子を欲しいと願う女性に私の欲望を叩きつけるなんて。彼女の膣に子宮に吐き出した精液が全て吸われていくのがわかります。彼女はきっと妊娠するかもしれません。ですが私はそれこそが本望です。彼女を・・ルーナスを孕ませ愛の結晶を生涯守り通したい。
「ルーナス･･･、愛していますよ。これから先・・いえ、死が二人を別つまで・・」
「んぅ・・、こ、ここ・・こんな時に恥ずかしい事を・・♥」
ルーナスは射精した後にピロートークでもう一度興奮させて欲しいと願ってましたが、私はボキャブラリーに富んでいるわけではありません。ですので、私の全身全霊を賭けてでもルーナスをもう一度だけ興奮させてみましょう。
「ん・・んぅ？どうしたのだ・・？あっ・・」
「貴女を獣のように犯したいのです・・。貴女が妊娠するまで私は貴女の全てを欲望の白で染め上げたい・・」
「････♥」
ルーナスを四つん這いにさせ獣のように後ろから覆い被さり柔らかく張りのある乳房を優しく掴みます。私の手に綺麗に収まる乳房。ですが決して小さい訳ではなく、むしろ手全体に重みが掛かってくるのが実感出来ます。先端の乳首も触れられて嬉しいのでしょうか。小さいながらもツンと主張する姿に感動を憶えます。
「んぁ♪･･そんなに乳首を弄らないで・・」
「ですが、貴女の乳首はもっと触れて欲しいと願っていますよ？」
「ぁん♪･･ひぅ・・はぁぁ・・・んふぅ♥」
乳首を弄っただけでまたもや女陰から愛液が溢れてきました。どうやらもう我慢出来ないようですので挿入しましょう。かくいう私も既に我慢の限界でした。性器を押し付けた途端、私を呑み込むかのように誘う女陰がすごく淫靡で美しいです。
「また、挿れますね・・くっ・・・」
「んぁぁぁぁぁ･･･、また・・チンポきたぁぁ〜・・♪チンポ！・・チンポ！私を孕ませてくれるチンポォォォォ・・・♥」
すごくいい眺めです。それに彼女の臀部から生えてる尻尾が左右に振られ私の胸板を擦る度に私の興奮が高まっていきます。彼女の膣奥を突く度に尻尾が胸板を擦り、なんとも言えない快感を与えてくれます。今までに触れた事が無い感触だからでしょうか。この興奮状態のまま、彼女の子宮に何度も欲望を吐き出して・・・。
「また・・、また出しますから！・・今度こそ妊娠してくださいっ！・・うぐ・・っ！？」
「んぁぁぁ〜〜〜♥来てるぅ〜〜〜・・・子宮にザーメン入ってきてるぅ・・・んぁっ！！」
彼女を穢したという事実が私を何度も興奮させてくれます。まだまだ元気な私の性器を膣内で感じた彼女は膣を締め上げ『もう一度』と催促してきます。
「夜が明けるには・・まだ４時間９分あるぞ・・・」
どうやら私の愛しい犬姫様はまだまだ御所望のようです。朝まで耐えれるでしょうか・・・私が・・ですが。
「ふぁぁぁ〜〜・・・、あーねみぃ・・」
「ダメですわ・・。もっと背筋を立たせてくださいませ」
「こ・・こうか？」
「はい♪」
俺はリビングのドアを開け、そこに居るはずの親父に声を掛ける。
「おはよぅーす・・」
「朝から情けない声を出すなと・・あれ・・ほ・・ど」
親父が俺の隣に立っているフィアに気付き声を失う。やっぱこうなるよなー、フィア・・すっげー美人だし。
「そ・・壮一・・。そこ・・の、御嬢さんは・・一体・・」
ドレスの裾を少しだけ持ち上げ挨拶するフィア。様になってて綺麗だよな。
「初めまして御父様。私はフィア・キュリアス・リコナと申します。壮一様とは昨晩、愛の契りを交わしました♪」
「････ぶふっ!!」
うわっ！きったねぇ・・親父が飲んでた珈琲噴きやがった。
「ふ、・・ふふ・・・そうか・・。お前があれほど気に入ってた女性とは・・そこのワイトの御嬢さんだったのか・・」
改めて誰かに指摘されると顔が真っ赤になっちまう。
「べ、別に今言わなくてもいいだろ！」
「そうかそうか・・。なるほど、これほど美しいワイトの御嬢さんなら・・、昨日の収穫とやらは大見得を切った嘘ではなかったという事だな・・」
「って、・・親父は驚かないんだな・・。ワイトだってのに・・」
「ふんっ、･･これしきの事ぐらいで驚いてどうする。世の中にはもっと多くの驚きが・・『社長、おはようございます』、おおちょうどいい所・・に・・」
正兄さんの横に立っている女性ってもしかして。
「お初に御目に掛かります。アヌビスのルーナス・ファ・チシェと申します。気軽にルーナスと呼んでくれて構わないぞ」
「･･････」
うへ、親父の顔が今まで見た事が無い顔になっちまってるよ。って、親父・・泣いてる？
「い・・一乃瀬よ・・」
「は、はい！社長！」
「す、素晴らしい、・・素晴らしいぞ！我が社の社員がアヌビスを娶るなんて。アヌビスが一人居るだけで会社の経営は常に黒字になると言う話じゃないか！こうしては居られない、今から緊急会議を始めるぞ！支度をしろ、一乃瀬！」
「はい！畏まりました、社長！」
俺とフィアをほったらかしにして急いで出掛けた親父と正兄さんとルーナスさん。どうしようか、この状況。ま、考えてもしょうがないしお袋にも報告すっか。ヤっちゃった婚しましたって。いや、それもどうだろう？ま、いいか。なるようになるさ。
「お袋ー、居るー？」
「どうしたのよ、壮一？それにお父さんは急にどこへ・・あら？どちら様かしら？」
「初めまして、お母様。私、この度、壮一様の妻と成りましたフィア・キュリアス・リコナと申します。お見知りおきを」
「あらあら・・まぁまぁ・・。こんなに可愛らしい御嬢さんが壮一のお嫁さんだなんて・・。こちらこそよろしくお願いしますね、至らない息子ですが末永くよろしくお願いしますね」
なんだかすっげー恥ずかしい状況だな。なんだか段々、お袋とフィアの会話がどんどんエスカレートしていくし。これがあのなんとも言えない空気ってやつか。んじゃま、俺は邪魔しない程度にどこかに行くか。
「あら？どこへ行こうとするのですか？今からお母様と式の日取りを決めるところでしたのに」
「そうよ？あんたは男なんだからしゃきっとしなさい！そんなんじゃフィアさんに逃げられちゃうわよ？」
「いえいえ、お母様。それは一生ありませんわ♪私は壮一様だけを愛していますの♥」
「若いっていいわねぇ〜・・、私も若い頃はお父さんと・・」
会話弾みすぎだろ！しかも初対面だってのになんでお袋はそんなに和んでんだよ。ちょっとぐらいは詮索しようとか思わないのかよ！
「何かしら、その顔は・・・？ぁ、余計な事を喋るなって言いたいの？」
「ちげーよ！普通は詮索するだろ！なんで平然と和んでんだよ！」
「そうかしら・・？別におかしい事なんてないわよ？ねぇ、フィアさん？」
「ええ、そうですわね？」
これが女同士の連帯感ってやつか。俺、絶対にフィアの尻に敷かれそうだ。でも・・それもいいかもな。フィアの尻に・・あのむちむちの尻に・・。
「うふふ･･･♪壮一様ったら♥」
あ、これってもしかして心の中読まれちまったか？
「今晩も･･･私と深夜のワルツを踊ってくださいませ♥」
やっぱり尻に敷かれそうだな。でも、それもいいか。フィアは美人だし、俺の好みﾄﾞストライクってやつだし。それに・・・。
一目惚れ・・しちまった弱みがあるしな。こんな台詞、恥ずかしくてフィアには言いたくないけど・・。
「一生、愛し続けるぜ・・・フィア」
「私もよ、壮一様♥」
「壮一！お前は一体何が気に食わないんだ！」
「そうよ？貴方はもうすぐ田河グループを受け継ぐ身。それなのにどうして御見合い話を全部断わってしまうの？」
「それが嫌っだってんだよ！あいつらの顔見てるだけで気分悪いんだ！欲望まみれの顔した女と結婚なんてする気ねぇ！！」
俺こと田河壮一は田河グループ創始者である田河雅信の跡継ぎ。その身分ゆえに何度も御見合い話を持ち込まれては一悶着が起きる。そして後に続く御断りの返事。
「相手が欲望まみれだろうが何だろうが構わん！とりあえずは付き合え。話はそれからだ！」
親父とお袋が部屋を出て行く。俺は軽く溜息を吐き出し鬱陶しい御見合い用のスーツを脱ぎベッドへ投げ捨てる。他人に値段を付けるような女なんかと一緒に居たという事実だけで不愉快だ。確かに生きる為には金が必要なのはわかるし、それが生活の全てである事も当然理解している。だけど、俺は金の匂いに釣られただけの女なんかとは居たくねえ。奇麗事ばかり言ってるのはガキの証拠だとわかっている。それでも俺は待ち続けたい。俺の身分を気にせず心から愛してくれる女に出会える事を。
「・・・・わかってるよ・・、そんな都合のいい女なんて居ない事ぐらいは・・」
昔と違い、今は魔物娘が街中にいくらでも居るが、俺は何故か良縁に恵まれなかった。伴侶を見つけた魔物娘は俺の理想そのままに男に尽くすみたいだ。たまに暴走して街中で事に及ぶのはちょっとあれなんだが。時々、魔物娘と付き合ってる男を見かけるが、羨ましいぐらいの笑顔で腕を組んで歩いているのを見ていると俺もそんな相手が欲しいと切に願いたくなる。
「どうして俺には居ないんだろうなあ・・」
魔物娘は男を見つけたら即飛びつき一生尽くす、という噂だったはずなのに、俺には誰も飛びかかって来なかった。見かけても優しく挨拶をされる事はあったがただそれだけ。俺には魅力が無いんだろうかと思うとかなりショックだ。
「いい女ってのは・・探しても探しても見つからないもんだな」
たまに親父の目を盗んで街に繰り出してるが見事に全て空振り。このままだと親父の思惑通りになっちまう。
「クソッ！このままじゃ見合い相手と無理矢理結婚させられてしまう・・、どうすりゃいいんだ！」
自室の壁を思いっきりぶん殴る。殴る。殴る。殴る。ガヅンガヅンと大きな音が鳴ってしまったが誰も文句を言いに来ないところを考えると親父とお袋は出掛けたようだ。五月蝿くしてまた説教受けるのかと思ってたが誰も居なくて良かった。誰も居ないのなら、俺も着替えて出掛けよう。
「・・・誰も、居ないな・・？」
俺はこっそり自宅を抜けようとしたが、まさか玄関脇に親父の秘書である一乃瀬 正さんが立っているとは想像出来なかった。
「壮一様、どちらへお出掛けでしょうか？」
「・・・なんでここに正兄さんが居るんですか・・」
「社長より仰せ付かっておりませので・・・」
あのクソ親父め、俺が逃げる事わかってて正兄さん置いていきやがったな。
「どちらまでお出掛けでしょうか？」
「・・・適当だよ」
最悪だよチクショウ。俺が唯一頭が上がらない相手を見張りに付けやがって。正兄さんにはガキの頃からしょっちゅう世話になってたから逆らえないし。かと言って黙って行くと後がやばいしな。おっ、そうだ。
「正兄さんさ、そろそろ結婚とか考えた事無い？」
正兄さんは確か、まだ独身だったはずだ。巧い事言い包めればなんとかなるかも。
「いいえ、壮一様が良き伴侶を御見つけになるまでは・・」
この手は駄目か。それならいっその事巻き込んでやるしか。
「それならあれだよ、俺にぴったりな女を一緒に探して欲しいんだ！それなら正兄さんも納得出来て結婚出来るだろ？なっ？なっ？」
「・・・・」
駄目か。こうなったら正面突破するしかないのか。
「そぅ・・ですね。一理ありますね・・。確かに名も知らないような女性をいきなり連れてきて、結婚します、と言ったところで社長は許さないでしょうし・・」
こ、これは脈ありか。
「わかりました。私も壮一様の為に一肌脱ぎましょう。それで・・どちらにお出掛けで？」
「それはこれから適当に決めるとこだった」
「・・・適当なのですか」
「そりゃそうだろ？知ってる顔ばかり居る場所に行っても寄ってくるのは金が欲しい女ばかりで鬱陶しいし。それにさ、俺の事を全く知らない女に会ってみたいんだよ。欲ボケした女とか御断りだっつうの」
「・・・そうですね、金銭欲だけで壮一様に近づこうとする女性は、我が社には必要ありません。まさか壮一様がそこまで考えていたとは・・、申し訳ありません」
正兄さんが頭を下げてくるが俺は無理矢理止める。これはどっちかというと俺の我儘なんだし、無理言って付いてきてもらうだけなんだ。本当は俺が悪いんだからな。まぁ、それでもこれでなんとか出掛けれるってもんだ。
「よっしゃ、それじゃ行ってみっか！」
「それでどちらへ向かうのですか？」
「そうだなー・・・。俺の勘がこっちだと言ってる！」
俺は適当に明後日の方角を指差しひたすら歩く。もちろん親父の秘書であり、俺の世話役でもある正兄さんも一緒に付いてくる。なんだかどこかのローカル番組を味わってる気分だ。
失敗した・・。此処はどこなんだろう。適当に歩いて適当感覚で電車に乗って乗り継いで、着いた先は全く知らない土地。無計画にもほどがあるだろ。ま、それでも気分は楽になった。此処だったら、まさか俺が田河グループの跡取りだなんて知ってる人は居るわけないしな。
「壮一様、此処はどこでしょうか？」
「わからん・・、まぁ・・此処なら目的を達成出来そうな予感がする」
「はぁ・・」
曖昧に返したのが不味かったのか、正兄さんの眉間に皺が寄ってる。ちょっとだけ不機嫌になってる証拠だ。このままだと『時間を無駄にしてしまいました、戻りましょう』と言われて連れ戻されるのが目に見えてる。どうすりゃいいんだか。
「壮一様、このままでは時間を無駄に・・」
「っと、待ったーー！」
「何ですか？」
「出来れば、その『壮一様』ってのを辞めてくれないか？知らない人が聞いたら詮索されてばれちまうだろ？」
「それもそうですね・・、では昔のように 壮 と呼びましょうか？」
よっしゃ、上手く誤魔化せた。んじゃ今は適当に歩いてみっか。
しかし、すっげーど田舎だなあ。マジで此処どこなんだ。うちに帰ったら調べておくか。
歩けど歩けど、何もねぇ。有るのは民家と畑のみ。こりゃ最悪な場所に来てしまったか。
「壮。こういうのもなんですが・・・。もしかしてこれは失敗だったのでは？」
「・・・すまない、正兄さん。俺もちょっと後悔してるよ」
本当はちょっとどころじゃなかった。あまりのド田舎ぶりに何も出来ず、ただただ歩くしかする事が無かった。人もほとんど居ないし、たまに見かけても爺さんか婆さんばかりだった。後悔先に立たずとは良く言ったもんだよ、今しがた身を持って体験しちまったわ。
「壮・・、もう帰りましょうか。時間の無駄ですし」
「ああ・・・帰ろうか・・。・・・ん？正兄さん・・アレ何だ？」
「ぅん・・？ん〜？良く・・わかりませんねえ？もう少し近づかないと・・」
前方に見える小さな建物に近づくと、すぐに正体がわかってしまった。わかっただけにガッカリ感が溢れてしまって何も言えない。
「パチンコだったな・・・」
「そうですね・・」
「やっぱ帰ろうか・・・、って、やっぱ待ったああああああ！」
「五月蝿いですよ、壮。何があるというの・・・で・・・」
パチンコ店の前で掃除してる女性を見た瞬間、俺は本物の女神を見た気がしたんだ。チラリと隣を見れば正兄さんも凝視したまま動けなくなってる。
「壮･･･、居るとこには・・本当に居るんですね・・。あんな美しい女性がこんな田舎に居たなんて・・」
「あ、ああ・・・恥ずかしい話だけどさ・・、一瞬だけ女神に見えちまったよ・・」
「私も同感ですよ・・、あれほど美しい女性を今まで見た事が無かったです・・」
こちらに気付いたのか爽やかな笑顔で頭を下げる女性を見た時、俺は無意識の内に店に向かって足を進めていた。もちろん正兄さんも同じように誘われるかのように付いてくる。
「いらっしゃいませ♪パーラーI☆ZA☆NA☆Iへようこそ。当店では御客様に御満足頂けるよう最大のおもてなしをさせて頂きます」
「は、はぃ！ほほ・・本日はお日柄も良く・・・」
「ちょ！？正兄さん何言ってんだよ！」
「へ？あ、いや・・ち、違うんだ・・」
正兄さんがここまでパニクるなんて珍しい。実は俺も内心はパニクってんだけどな。
「正兄さん、ちょっとだけ打ってみないか？」
「え？何を打つんですか？」
「決まってんだろ。パチンコだよ、ほら入ろうぜ」
「あらあら、仲が宜しいのですね♪羨ましいですわ・・、貴方達を見ていると姉妹を思いだしますわ。未だに、私を含め皆さん一人身な姉妹ですけど・・・。ほら♪姉と妹の写真見てみます？」
し、姉妹だと・・。こんな美人の姉妹ということは・・、考えるだけで体が震えちまうが正兄さんと一緒に写真をチラッと見る。
「ぁゎゎゎゎゎゎ･････」
「ぅ、嘘・・だろ・・。ありえねぇ・・・。これで一人身だなんて・・」
「ふふ♪」
正直、見るんじゃなかった。ガタガタ震える正兄さんをギクシャクした体で店に引き摺っていく。右手と右足が一緒に前に出そうになっちまったのは内緒だ。
「それでは、ごゆっくり御寛ぎください♥」
店に入った途端、新天地にやってきたのかと思った。いや、此処は新天地だ。それだけは確実に言える。正兄さんも店内をじっくり眺めながら溜息吐いてるしな。
「これが・・パチンコ店ですか〜・・。初めて入りましたが・・綺麗な空間ですね・・」
「え、ちょ？マジで初めてなの！？」
「え、ええ・・。生まれてこの方３４年一度も入った事はありません」
「ま、まぁいいや・・。しっかし・・凄かったなあ。あんな美人３姉妹が全員独身だなんてな・・。正兄さん、何ぼけ〜っとしてるん？」
「ハッ!?い、いえ・・、何でもありません」
「正兄さん、もしかして・・惚れちまったかー？」
「そそそそそそんな訳ないでしょう！」
バレバレだっつうの。ま、いいや。店に入っちまったし、ちょっとだけ遊んでいくか。一応、金はそこそこ持ってきてるし。それに、少しでも店員の近くに長く居たいってのもあるしな。
「んじゃ、正兄さん打ってみようぜ！」
「･･･先ほどから『打つ打つ』と言ってますが・・何を打つのでしょうか？」
「正兄さん・・何もかも初めてなんだな・・。それじゃ俺が手本見せるよ」
俺は手近にある台に座り、財布から札を抜き取り投入口に差し込んだ。そしてハンドル横のボタンを押して玉を吐き出させる。
「それで、こうやってハンドルをちょうどいい角度に調整して玉を打つって訳」
「ほうほう・・なるほど。そうやって打つのですか」
「んで、弾き出された玉がこのチャッカーに入ると・・と、ちょうどいいタイミングで入ったな・・。んで液晶画面のキャラが動き出すんだ」
「ふむふむ・・そうなるとどうなるのです？」
「同じ絵柄が左右に揃うとリーチ状態になって、始めはノーマルリーチと呼ばれるものから特殊なSPリーチに発展する、というパターンもあったりして・・」
「・・外れてますね」
「ああ、これは左右のキャラが同じじゃないだろ？この状態ではハズレ状態なんだわ。ま、ようするに同じキャラが三つ揃えばいいだけの話さ」
「なるほど・・理解しました」
本当に理解したのかわからないけど、正兄さんは俺の隣に座って見よう見真似で同じ事をする。と、あれ？正兄さんの座ってる台って何だ？
「なぁ、正兄さん？その台って何？」
「さぁ・・・？何でしょうか？」
正兄さんの液晶画面にピラミッドが映ってるな。俺の台はなんだか陰鬱というか墓地とか妙な屋敷とか映ってるし。ま、この際打てるんならなんでもいい。
「なぁ、正兄さん・・」
「どうしました、壮？」
「あの店員・・どう感じた？」
「･･･」
珍しいな、正兄さんが無言になるなんて滅多に無い事だ。今日もハズレかと思ったけど、すごい収穫日になりそうだ。
「あんな人と結婚出来たら最高だろうなー、って無理だろうけどな」
「えぇ･･･、私達では到底手の届かない世界の方ですね・・」
ああ、本当に高嶺の花だよ。あれほどの美人がこんなとこで燻ってるなんてありえないわ。世の中の男の大半って女を見る目が無いのか？ましてや、こんな田舎にダイヤの原石が転がってるだなんて。それも３つも・・。
「っと、いつの間にかリーチなってるわ」
「へぇ・・・、そんな風になるのですか」
ん〜、ゴーストのリーチか。この娘、結構可愛いな。頭の天辺で結んだリボンが良いアクセントになってる。ちょっと幼い気もするがそれもいい。でも、ダメだな。これは確実に外れる。
「外れましたね、壮・・」
「ま、こんなもん、こんなもん。博打ってのはなかなか当らないから博打ってもんだよ」
「はぁ・・・？そういうものでしょうか？」
黙々と黙って玉を打つ。静かなのは、正兄さんが台をひたすら凝視してるから。何か気に入るのでもあったんだろうか？
「壮、このキャラクター達・・リアルで可愛いですね」
「ん？何言ってんの？これたぶんだけど・・実写だと思うよ？」
「実写･･･、ということはモデルが居るって事ですか！？」
「ああ、多分・・」
「素晴らしいですね･･･、こんなに可愛らしい御嬢さん達が居るというのは・・」
正兄さんって、この手に結構弱いのか。これなら今日一日のんびり時間潰せそうか。
「･･･。・・！？壮！壮！何か来ましたよ！？」
「ぅん？･･･スフィンクスのリーチだな、あの謎掛け好きの魔物娘だよ」
「あぁ、ピラミッドの番人と言われてる・・、でも可愛い耳ですねー」
え？正兄さんって、もしかして獣耳に弱いのか！？って、そんな訳無いか。見た目が可愛く思えただけかも知れないしな。ふぅ、もう玉切れか。とりあえずもうちょい打とう。正兄さんもなんだか妙に嬉しそうだし。
「ハズレちゃいましたね・・・」
なんでそんなガッカリしてるんだよ。まさか本当に獣耳が好きなのか？いや、初アタリしたかっただけかも知れないし。きっと気のせいだ。
「猫耳、・・可愛かったんですけどねぇ･･･」
聞こえない聞こえない。俺は何も聞いてないぞ。正兄さんが獣耳好きだなんて思ってもないからな。打とう。打って今聞いた事は忘れよう。しかし、俺の台なかなかリーチにならないなー、もうちょっとアクションがあればいいのに。
「あら？壮！？またリーチになりましたよ！」
「ええ！？ちょっと早過ぎないか！？」
見れば宝箱が左右に揃っていた。これってもしかしてミミックじゃないの？
「これ・・何でしょうか？」
「それ、きっとミミックだよ。ほら、ガタガタ揺れだしたし・・って、SPリーチに発展してるじゃん！」
「な、何ですかそれは！？」
ミミックの前に鍵が５本並んでる。これはもしかして選べって事なんだろうか。
「正兄さん、玉受けの真ん中にボタンあるだろ。そのボタンで鍵を選ぶんだよ」
「えと、・・それじゃこれで」
正兄さんらしいや、真ん中を選んでるし。お、鍵が穴に挿し込まれて・・。開かなかったか。
「開きませんでした・・残念です・・」
だからなんでそんな残念そうな顔するかなあ。俺を見ても当るわけないのに。と、俺にもやっとリーチが来てくれたか。お、おおお・・、ヴァンパイアのリーチだ。すっげー美人だなー。
「美しい人ですね・・」
「ヴァンパイアってマジで美人なんだな」
胸の前で軽く腕を組んで立ってるだけなのに気品を感じるわ。これがカリスマってヤツか。あー、発展無しでハズレか。美人だっただけに残念だ。当ててみたかったなあ。
「残念です・・」
「いや、だからなんで正兄さんが残念そうにするかな？」
「いえ、何分初めてなもので・・一度でいいですからアタリを見てみたいと思いまして」
ああ、正兄さんは何もかも初めてだったな。そうなるとプレッシャーでかいなあ。一度ぐらいは当てないとずっと残念そうな顔するだろうし。しょうがない、当るまで粘ってみるか。
この台、結構しぶといな。なかなか当らないから正兄さんがグロッキー状態になってるし。
「壮・・パチンコって当らないものなんですね・・」
「いや、普通ならこんだけ回せば当るはずなんだが・・」
２台とも最悪な台だ。なんつー回収台なんだ。ここまで当らないってのもマジでやばい。二人揃って回転数が500オーバーってどんな拷問だよ。普通はこんだけ回せばどっちかが当るだろ。
「はぁ・・・、私には博打運というものが無いという事でしょうか・・」
「それ言われると俺も心に来るもんがあるんだけど・・」
はぁ、と二人揃って溜息を吐き出す。美人な店員の誘惑に負けちまった俺が悪いんだが。
＜今日は緊急会議だ!!＞
「え？これなんですか、壮？」
「お・・？お？アヌビスのリーチが・・来た！」
「え？え？一体どうしたらいいのですか！？」
「とりあえず発展を祈ろう」
正兄さんの台にアヌビスのリーチが掛かった。なんだか発展しそうな雰囲気だな。・・と、予想通りに発展系に入ったな。
＜草案を纏めるぞ＞
流石、噂に名高いアヌビス。すげー勢いで書類を整理している。
「おや？書類を天秤に分けて置きましたね？一体何でしょう？」
「ん〜〜？なんだろなー？」
天秤が左右に揺れている。何か意味でもあるんかな？
＜では･･･判定を言い渡す＞
「どうなるのでしょう・・？」
「・・・」
アヌビスが天秤の揺れが治まるまでじっと眺めている。あー、俺こういう沈黙って苦手だわ。ん、だんだん揺れが治まって水平になったな。
＜我が天秤の采配は公平！よって可決とする＞
アヌビスの天秤って魂秤じゃなかったっけ？と、いうか書類審査する秤にしていいんかよ。
「そ、壮！当りましたよ！初めて当りましたよ！」
「やったじゃないか、正兄さん！」
あ〜〜、いいなぁ。このアヌビスの子すっげー可愛いな。俺にも早く当り来ないかねー。
「えっと・・ここに玉を入れたらいいのですね」
はぁ、羨ましい。大口入賞パカパカ開いていいなあ。ぅん？なんで玉が出てないんだ？詰まりでも起きたんかな？
-カチャン♪-
「おや？何か出てきましたよ？これは・・金貨でしょうか？えっと・・名前らしきものが彫られてますね。う〜ん、ルーナス・ファ・チシェでしょうか？裏面は・・、壮！見てください！当たったアヌビスの子が彫られてますよ！可愛いですねー」
うおっ！なんだよそれ！すっげー可愛いじゃないか。しかも金貨ってどういう事なんだよ。もしかして当ったら金貨が出るのか！？俺にも、俺にもかわい子ちゃんの金貨プリーズギブミー、当たったら絶対に家宝にしてやんぜ！
「綺麗な金貨ですねぇ･･･惚れ惚れしてしまいそうですよ・・」
くっ、羨ましいぞ・・。俺も早く当てて金貨欲しいぞ。頼むから当ってくれよ。
くそっ･･･正兄さんが羨ましすぎる。俺の隣で金貨を眺めたまま悦に浸ってるし。しかもあれから一万突っ込んじまったよ。もういい加減に当ってくれよ。
「はぁ・・・、なんで当らないかなー」
心がバッキバキに折れちまったよ。女運無いわ、博打運も無いわ、最悪すぎんだろ。と、いうかマジ空気読んでくれよ。ガックリどころか何もする気起きねぇわ。
「･･･ぁ、壮！画面が変わってますよ！」
「・・・へ？なんだこりゃ！？さっきまで墓地だったのにいつの間に館の中に！？」
＜ふふ♪いらっしゃいボウヤ＞
「もしかして、もしかすると・・リーチ来たぁぁぁー！･･･って、すっげー美人だ・・。紅い瞳に金髪ポニテ、それに落ち着きのあるシックな赤いドレス、そして淑女！俺の理想ぴったりじゃねぇか！最高すぎんだろ！」
「･･･壮、貴方は年増好みだったのですか・・。だから今までずっと見合い話を断わってきたのですね・・」
「ちょ！？違うからな！間違っても親父に変な事を吹き込まないでくれよ！」
正兄さんと馬鹿な遣り取りしてる間にリーチが発展していた。あの女性が洋館のホールで軽くステップを踏んでる。踊ろうと言いたいのか？
＜･･･手を差し出してはくださらないのですか？＞
やべぇ、今おもいっきりグラッときちまったよ。現実に居たら絶対に手を出してるわ。と、言っても俺は踊れないんだけどな、ハハッ・・。こんな美人と踊れたらいいんだけどなあ。
＜私は此処に居ますわ。さぁ、満月のスポットライトを浴びて一緒に踊り明かしましょう♪＞
ホールの窓から月明かりが差し込んで美しさを際立たせてくれてる。月光に照らされる女性っていいな。なんだか儚いような、でも綺麗だよな。
ああ、綺麗な動きだ。この女性が軽くターンする度に絵柄をいなしていく。なんていうか言葉には表せない美しさだ。俺も、・・俺も出来れば踊ってみてぇ。似合わないってのはわかってるんだけどな。
＜さぁ、フィニッシュですわ♪＞
その場でクルリと回転した後に左手を腰に当てて瞳を閉じ右腕を頭上にピンと伸ばす姿に惚れ込んでしまいそうになる。･･･あれ？揃ってねぇか？
「壮！当ってますよ！すごいじゃないですか！」
「うおぉっ！全然気付かなかった！？」
やべぇ、ダンスに見惚れて揃ってる事に気付かなかったわ。ん？俺の台も玉が出てこねぇよ・・、これってまさか・・な。
-カチャン♪-
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
やっぱり俺の台からも出てきたか、なんとなく薄々気付いてたけど。でもまぁ、綺麗だよな・・。
「フィア・Q・リコナ･･･、フィア・・いい名前だな・・。裏面は・・・クッ、なんだよこれ！･･･マジで惚れそうになるだろ！」
裏面を見るんじゃなかった。マジ美人じゃねぇか。端整な顔立ちなうえに自信に満ち溢れた瞳とか最高すぎんだろ！やべっ・・チンコ勃ってきた。
「壮の金貨に彫られている女性・・すごい美人ですね」
「さっき年増とか言ってなかった？」
「いえいえ、純粋に美人だと思ってますよ。･･･でも私の金貨のアヌビスさんも可愛いですねえ・・、特にツンと上に向いた耳が・・・」
今わかった、やっぱ正兄さん獣耳フェチだわ。本人は気付いてないっぽいみたいだけどな。
「おめでとうございます♪嗚呼、今日はなんて素晴らしい日なんでしょう･･･、二人も当りが出るなんて・・。これで姉さんの夢に一歩近づいたわ♥」
「うぉっ！？びっくりした！いつから居たんだよ！？」
「全く気配が感じられませんでしたね・・」
「気にしない気にしないの♪」
いつの間に俺達の後ろに立ってたんだ。ま、まぁ細かい事はどうでもいいや。とりあえず、この金貨どうしたらいいんだ。このまま持って帰っていいんか？
「すまんけど、この金貨って・・」
「はい♪もちろん御客様の者ですわ♪一生大切に肌身離さず持っていてくださいね〜」
「「・・・・（（・・・今、者って言った？））」」
こんな高価そうな金貨を本当に貰っていいんだろうか、それに、･･･注ぎ込んだ金額と比べても明らかに金貨のほうが値段が高い気がするんだが。きっと正兄さんも同じ事考えてそうだけど。
「はぁ・・、まぁ私はこの金貨を大変気に入りましたので大切に扱いますね」
「俺も同じく、ってとこかな。よく見りゃすっげー俺の好みだし、ぶっちゃけ惚れた」
「ありがとうございます〜♪お二人に喜ばれて満足です♪」
俺はそっと静かに金貨を見つめる。正兄さんもこっそり見て悦に浸ってるな。そうと決まれば早速家に帰って綺麗な額にでも飾っておこう。
「それじゃ正兄さん、そろそろ帰ろうか」
「そうですね、･･･今日は本当にありがとうございます。これほど充実した日は今までありませんでした、壮一様」
「･･･あっ、バカ！？」
「壮一・・・様？兄弟では無いのですか？」
「いやいや！何でもないから！早く帰ろう！正兄さん！！」
俺は正兄さんの手を掴んで急いで店から飛び出した。あのまま店内に居続けたら正体がばれちまう可能性が・・。たぶん、ばれてるかも知れないけどな。
「す・・すみません、壮一様」
「いいよ、いいよ。ちょっとやばかったけど大丈夫だろ。それはさておき、・・帰ろうか」
「ええ」
「・・・また此処に打ちに来たいな・・」
「そうですね・・、時間が空けばもう一度だけ此処に来たいですね。本当に・・楽しかったですから」
さ、帰ろう帰ろう。帰り際、俺は正兄さんを肘で何度も軽く突付く。理由はもちろん、金貨を見る度に顔がにやけているからだ。
「うぃ〜〜〜、ただいまぁー」
「只今戻りました、社長」
玄関開けたら正面に親父が待ち構えていた。なんかすっげー怒ってるっぽい。見事に青筋立ててくれちゃってまぁ、血管ぶち切れないんかねー。
「壮一・・今まで何処に居たんだ、それに一乃瀬・・・お前にはこのバカを見張ってるように頼んだはずだが、これはどういう事だ？」
「い、いえ・・それは・・」
やばい、このままだと俺のせいで正兄さんが不味い状況になっちまう。
「俺が無理矢理連れ出したんだよ・・。正兄さんは何も悪くねぇよ・・」
「ほぅ･･？お前が無理矢理・・か、どうせしょうもない嘘で巧く誘ったんだろう？ん？」
「しゃ・・社長・・ですが、・・本日は最高の収穫がありまして！」
「ん？どういう事だ？収穫とは一体どういう意味だ？」
俺は今日の出来事を変に脚色しないようにありのまま正直に親父に説明する。パチンコの事はめっちゃ怒られちまったが、それほどの美人なら紹介してみろ、と言われちまった。こりゃどうすっかなあ。あの店は偶然見つけただけだし、道順はっきり覚えてないんだよな。やっべーな。
「ま、なんとかなるだろ。降りた駅名は一応覚えてるし」
「申し訳ありません・・・壮一様。私が至らないばかりにこのような事に・・」
「大丈夫だっての。正兄さんは悪くないし、あれは俺の我儘だったんだしな」
でも、やっぱこのままじゃ不味いよな。もう一度行って見つけられませんでした、じゃ済まないだろうし。どうしたらいいんだ。
「正兄さん、今日はもう遅いからうちに泊まっていきなよ。どうせ帰っても明日の事ばかり考えて煮詰まるだけっしょ？」
「何から何まで申し訳ありません・・」
正兄さんが泊まれるように客間を綺麗にしておくか。普段から手入れしてるからあんまりする事無いけど。
「それじゃ、正兄さん。親父から一日時間貰えたし明日もう一度探しに行こう」
「わかりました、明日・・社長の喜ばしい顔を見る為にも」
「んじゃ、おやすみー」
俺は自室のベットにゴロリと横たわりながら金貨を見つめる。本音言えば、この金貨に彫られた女性が最高に好みなんだけどな。こんな人が居たら・・俺は絶対に・・。
・・・ん、なんか急に目が冴えちまった。なんで急に目覚めるんかなあ、もうちょい眠りたいっつうのに。ま、いいや。もう一回寝る・・・か・・！？だ、誰か居る。俺の部屋に誰かが・・。
「誰だ！？」
「あら？起こしてしまったみたいですね。もう少しだけ可愛い寝顔を見ていたかったのに・・。少しばかり残念ですわ♪」
全然残念っぽくねえだろ。くそっ・・薄暗くて顔が見え辛い、・・な〜〜んてな！
「キャッ！？」
「ハッ、油断したな！部屋のライトのスイッチは俺の手元にあるんだ・・・よ・・・？・・よ・・？」
な、なんだこれは・・。冗談だろ、誰か嘘って言ってくれよ。なんで・・あの金貨に彫られてた女性が目の前に居るんだ・・。しかも、胸でけぇ！！Ｄか！？それともＥなのか！？真紅のドレスが盛り上がっちまってるぞ！規格外だろ！
「あらあら・・私とした事が・・。お手元のスイッチに気付かなかったなんて」
嘘だな、目が笑ってるし始めからこうなる事を予想してました、って顔してる。でも、やっぱ胸でけぇ・・、しかもめっちゃ美人だっつうの。いや待て、その前にどこから入って来たんだ？窓はロックされてるな、ドアは開けた形跡が無い。
「ふふ♪何故、私が此処に居るか、ですか？」
「ぁ、ああ・・、一体どうなってるんだよ・・。あんたは・・確か・・金貨に彫られていた女性とそっくりで・・」
「そっくりで？」
「名前はフィア・・・キュリアス・リコナ･･･」
「まぁ♪覚えていてくれたのですね♪」
「あ、当たり前だろ！一目惚れしちまうぐらいに美人なのによ！・・あ」
あ？あれ？俺・・何か地雷でも踏んだか？なんでこの女性、手をワキワキさせてんだ。うわっ！手からでっかい爪みたいなのが出てきてるし！？
「一目惚れだなんて・・、殿方にそこまで想ってもらえる私は幸せですわ♥」
待て、待ってくれよ。幸せなんだろ、何でそんな物騒な爪をカチャカチャ鳴らしながらこっちに近づいてくんだよ。
「貴方の精、すごく美味な匂いがしますわ♪少しだけ味見させてくださいませ♪」
ヒッ！？ひょわぁぁぁぁあああああああ！！爪が！爪がさっくりと俺の腕に刺さってやがる！･･･あれ？全然痛くねぇ？ん？ん？これって透けてるのか？
「何がどうなってる・・・、うぐっ！うぅ・・・・ぐはっ!!?」
何だ！？何で俺は射精してんだ！？これってまさか！
「うふふふ♪そう、私はワイトですわ♥良くお判りになりましたね」
「ぐ・・、やっぱ･･･そうか。ワイトは・・不死の女王で・・吸精が得意な種族・・・」
俺に種族を言い当てられて嬉しいのか更に俺の精気を吸っていく。やばっ！また・・また出ちまう！・・・ううっ！？
「ああ♥素晴らしい香りですわ・・、今までに呑んだ高級なワインよりも濃厚で痺れるほどの・・・♥これほどの精をこれから毎日頂けるなんて最高に幸せですわ」
「ちょ・・・ちょっと、待ってく・・れ。毎日頂けるってのは・・」
「あ、申し遅れました。私は貴方の伴侶となる為にこちらに・・『うぉぉぃっ！待てよぉっ！』どうかしましたか？」
「伴侶って・・あ、あれだろ・・。要するに結婚って・・事だろ・・・」
「ええ、勿論ですわ♪それとも・・・私では満足出来ないと・・仰るのでしょうか・・」
瞳潤ませながら睨まないでくれよ。それにさっき一目惚れしちまったと宣言したばかりなのに。もしかしてもう一度、俺に言わせたいのか？
「・・・ひ、一目・・惚れしたって・・・さっき言っただろ・・、何度も言わせないでくれ・・よ。すっげー恥ずかしいからよ・・」
「…♥」
ちょ、いきなり抱き付いてくんなよ。驚くだろ・・んんぅ！？
「んっ・・・ふぅぅ・・・ぢゅる・・・んむ、ぷはぁ！」
「んふふふ♪美味しいですわ…、これが男性の唾液の味なんですね♪もっと・・くださいませ♥」
や、やめ！キスしただけでチンコギンギンになってんだよ。これマジでやばすぎる。んぐ！んんんぅーーー！！
「ん♪・・ぷはぁ・・・、あら？もう漏らす寸前なのですね。流石に下着の中に精液を３回も捨てるのは勿体無いですね・・・。では、そろそろこちらに・・」
俺の下着をゆっくりと優しく下ろしてくれるフィア。ブルンと飛び出した俺のチンコを蕩けた顔で舌で綺麗に掃除してくれる。ああ、これ最高だよ。こんな美人に御掃除フェラされるなんて最高だ。もういつ死んでもいい。
「念入りに綺麗にさせて頂きますわ♪・・んふぅ・・♥」
「はぅ・・、そ、そこ・・すっげーいいよ・・。やべっ！もう出る！」
「まだダメですわ♪出すならこちらで・・」
胸の谷間に指を掛け下にずらして見事なおっぱいをポロリと出してきた。これってもしかしてもしかすると・・。
「私のおっぱいの中に一杯出してくださいね。おっぱいが妊娠しちゃうぐらい濃いザーメンで染めてくださいね♪」
「おぅ！・・おっぱい柔らかすぎて・・最高！で・・出る！！」
「ぁん♪おっぱいの中に沢山ぴゅっぴゅしてますね。どうでしたか？私のおっぱいを染めた気分は」
「あぁ、･･･最高だよ・・。まだ出し足りないぐらいだ・・」
「んふふ・・、では次はこちらに沢山くださいませ」
俺の上に跨りドレスの裾を掴んでじわじわと上へと捲くり上げていく仕草が凄くエロい。もう少しで見えそうになった所でピタッと止まる。ここまで来て生殺しかよ。頼むから後少しだけ捲くり上げてくれよ。
「ねぇ、壮一さん。・・いえ、壮一様？この先を見たいですか？」
「･･･？なっ！？なんで壮一『様』って・・」
「ふふ・・何ででしょうね？」
もしかして・・こいつも金目当てなのか。もしそうだったら幻滅だ。
「あんたも・・金が欲しいのか・・？」
「････お金・・ですか？別にそのような物は私達魔物娘には必要ありませんが・・？」
「・・・。あ、そうだった。・・だったらなんで俺を選んだんだ？あんたほど美人なら誰でも選べるだろう？」
「いいえ、誰でも良いというわけではありません。私は運命の方と結ばれたいのです」
「まさか、・・それが俺って訳？」
「ええ♪・・御解り頂けたようですので・・そろそろ頂きます♪もう、我慢出来ませんので♥」
「ちょ、ちょっと待・・・ううっ！？」
いきなり腰を落として一気に俺にチンコを咥え込んできた。ドレスの裾で隠れて見えそうで見えないアングルが俺の興奮を更に高めてくれる。
「くぅぅ・・、やはり初めてですと、一瞬だけ痛むのですね♥でも・・凄く気持ちいいですわ・・、処女膜が破れた瞬間・・イキそうになりました・・♪」
おいおい、普通はすっげー痛がるもんだろ？なんで処女膜破られてイッちまうんだ。そこは「痛いっ！」とか「まだ動かないで！」とかじゃないのか。
「うふふ・・、やっと処女を捨てる事が出来ましたわ♪今日という日をどれだけ待ちわびた事でしょうか・・♥」
ぁ、なんか嫌な予感。
「ああ・・・、459年もの間・・守り通してきた処女をやっと捧げる事が・・」
げ、459年って。えとえと、・・俺が今29なんで・・・。430歳も年上女房・・。
「では・・459年溜め続けた私の愛を受け取ってくださいね♥♥もちろんこれから先も・・」
「い、いあ・・待って・・。459年分って絶対に死んじゃいますよ！後生ですから！」
妖艶な笑みを浮かべながら腰を前後に振ってくるフィア。ああ、・・この腰振りだけで・・もう、もう。
「んぐっ！・・・はぁぁ〜・・・」
「んんっ♪・・嗚呼・・美味しいですわ・・。私の子宮に濃厚なザーメンが流れ込んできてます・・。私の卵子を犯そうとする精子の動きが感じられますわ♥」
こんな美人に俺の精液に犯される卵子の状況とか語られたら我慢出来なくなってくる。俺はまだまだ勃起状態のチンコを奥に突き入れる。子宮口に亀頭がくっついた瞬間にフィアが嬉しそうに嬌声を上げてくるが、俺は気にせず何度も腰を上下に動かしてやる。
「んぅ・・あはぁ♪んく・・・、ん〜、そこぉ・・そこを突いて〜♪」
「此処か？此処を突かれるのがいいんだ・・な！」
「ああん！！そう！そこが凄くいいの！きゃぁん♥」
ドレスのスカートで隠れて全く見えないのが悔しいがこれはこれで凄く興奮してくる。なんていうか、周りから見えないように美女を犯すってのがとんでもなく興奮してきてヤバイ。おっぱいは見えてるけどマンコが全く見えなくて、でもドレスのスカートの中で犯してる状況ってある意味最高な気分だ。誰にも知られず美女のマンコに中出しするシチュって・・もう我慢出来ない！
「また、・・出すから・・なっ！んんっ！！」
「んぁぁぁ・・・、イイ・・いいですわぁ・・。私のオマンコに・・子宮にビチャビチャって精液が叩き付けられて・・」
「はぁぁあ〜〜・・・・、もう・・出ねぇ・・・」
もう出ないと宣言したのに、まだまだ搾り取ろうとフィアの膣が何度も蠢く。流石にちょっと休憩を挟まないと体力が持たない。
「フィ・・・フィア。少しだけ・・休ませてくれないか」
「しょうがないですわ♪それでは・・こうしましょうか♥」
俺にしな垂れかかってきて体を密着させるフィア。その拍子に手を握り合い恋人繋がりを愉しんでくる。
「こうやって・・愛する人と繋がってみたかったのです♥」
「そっか・・、俺で良ければ・・一生ずっと握ってくれてもいいぞ・・」
「それって・・」
その先を言わせたくなくて俺は強引にキスをして言葉を止める。フィアもわかってくれたのか黙ったまま受け入れてくれた。
なんだか壮一様の部屋が騒がしいですね。もしかしてと思いますが念の為に確認しておきましょうか。強盗という気配は感じられませんけど。ですが、妙な感じですね。なんだかこう・・パズルの最後の１ピースが綺麗に嵌ったような感じです。
「なんだか良くわからない感じですね・・？」
壮一様の部屋を訪れようとドアに手を掛けた瞬間、私の背後に誰かが立っている気配を感じました。
「どこへ行こうとする？嫁を放っておいて他人の情事を覗こうなどとは悪趣味極まりないぞ？」
振り返れば、綺麗な黒髪を腰まで伸ばし、犬耳を付けた身目麗しい褐色肌の女性が立っていました。一体これはどういう事でしょうか？この部屋には私以外には誰も居なかったはず。
「申し訳ありませんが、私には妻は居りません。きっと貴女様の勘違いでしょう？」
「何を言う、お前は私の婿に選ばれたのだ。運命の糸によってな」
なんだか的を得ませんね。何かが根本的にずれているような気がします。ですが、・・あの耳は一体何でしょうか。あのピクピクと僅かに揺れる耳。美しいまでに整った三角形のイヌ耳。なんでしょうか、この気分は。触れたくて触れたくて手が勝手に動こうとしています。
「む？その手は何だ？何故妙な動きをしているんだ？」
「･･･？はっ！これは申し訳ありません・・。私自信よくわからないまま体が勝手に動きまして・・」
「ふむ、まあいい。さて、そろそろ仕事の時間だぞ。まず、これから３０分後に私の処女を奪い、然る後、孕ませ射精。その後、子宮を精液で満たした後は私とピロートークを始めるのだ。そして甘い囁きで私をもう一度発情させ獣のように後ろから私を犯し、何度も膣内射精して私を確実に妊娠させるのだ」
「・・・・・・・・」
何でしょうか、この女性は。どうして私がこの女性を犯し妊娠させなければいけないのでしょうか？ですが・・私は何故かこの女性を・・、いえ、目の前の彼女に全てを捧げたいと思ってしまっています。これは一体・・。
「さぁ、どうしたのだ？もう時間が無いぞ？」
どうして私はこの女性に近づいてるのでしょう。今は壮一様の安否を気遣うのが優先されるべきはず。それなのに私は・・・。
「はぁ・・はぁ・・、いいぞ。お前の匂いが私を満足させてくれる。ああ・・さぁ、私を抱き締めて愛撫するがいい」
なんでしょうか、このデジャヴ。どこかで感じた気がします。
「貴女はもしかして・・、ルーナスさん・・でしょうか？」
「そうだ、私はルーナス・ファ・チシェ。良く覚えていた。流石は私の夫となる男だ」
やはりそうでしたか。どうにも初対面とは思えませんでしたから。まさかとは思いますが・・。
「なるほど、金貨を捜すようだが・・生憎ともう無いぞ」
「・・今わかりました、あの金貨には貴女が封印されていたのですね？」
「正解だ。ならば、これからする事もわかっているであろう？」
魔物娘は番となる伴侶を見つけた時は処女を捧げると聞いていますが、まさかこんな堅物の私にこんなに可愛らしい耳を付けた女性が一生を捧げようとするなんて。
「申し訳ありませんが、私のような堅物を相手にするよりもっと楽しい方を選んだほうが宜しいかと・・」
「ふ、ふざけるな！私はお前を選んだのだ！お前になら全てを捧げても後悔しないと決めてあるのだ。これから先、何があろうとも私はお前に付いていくぞ」
嗚呼、素晴らしいほど瞳が輝いています。何者にも負けない力強い眼力。前だけを見つめ続け、ただひたすらに己の道を切り拓こうとする心。後悔すら力に変えれるほどの自信。なんて素晴らしい女性なんでしょうか。
「私で良ければ・・、一生を貴女と共に過ごしたい」
気付けば私は彼女を口説いていた。不思議と言葉にして口に出してしまった。こんな堅物の私に寄ってくる女性は今まで居なかった。いえ、私から近づこうとしなかっただけかもしれません。私は殻に閉じこもっていたのかも知れません。ですが彼女は・・ルーナスさんは私の殻を破り力強く愛を語ってくれました。ならば私も彼女の言葉に愛をもって返事をしなくては。
「ルーナスさん、こんな私で良ければ・・結婚・・してくれませんか」
「あああああああ、当たり前だろう！いいいいきなり何を言い出すのだ！」
ちょっと驚く彼女が可愛いですね。耳もそれに合わせて激しく左右に振られてますし。
「ルーナスさん・・、少しだけ耳を触らせてもらえませんか？」
「・・・ぅ、ぅむ・・。ま、まぁ、夫からの頼み事だ・・。すす・・好きにするがいい」
なんて素晴らしい触り心地でしょうか。硬そうに見えた毛はふわふわでふさふさで。このピンと尖った耳が彼女の性格を現してるかのように真っ直ぐで。
「んんふぅ・・・、んん、・・・・きゃふぅ・・・きゅぅん」
「おや？どうかしましたか、顔が赤いようですが？」
「み・・耳は・・敏感なんだ・・・。そ、それ以上弄られると・・きゃふん！！」
膝をガクガクと振るわせながらも気丈に耐えようとする彼女が愛しく感じる。私は耳に触れるのを止め、彼女の背に手を回し抱き寄せます。
「んんぅ！・・あ、･･･」
「申し訳ないですが・・震える貴女を見ていたら我慢出来なくなりまして・・」
私は彼女をベッドへと押し倒し、軽く口付けを交わします。彼女は何も抵抗せず私の全てを受け入れ、貪るように何度も口付けを受け入れてくれました。そんな彼女をこれから孕ませようとする私は何て罪深く恵まれた男なのでしょう。
「ルーナスさん・・いえ、ルーナス。私の子を・・産んでください」
私は穿いていた下着とズボンを一緒に下ろし、彼女の前に性器を晒します。彼女とのキスで既に私の性器は張り詰め、いつでも挿入出来る状態でした。そんな性器を期待の眼差しで見詰め軽く股を開く彼女の下着を下げていき・・まだ僅かにしか濡れていない彼女の女性器にゆっくりと挿し込んでいきます。
「んぁぁぁ・・、お、お前のチ、・・チンコが私の中に・・」
「くっ・・、やはり少しばかり挿れるには早過ぎましたか・・。それと、ルーナス・・。私の名前は 一乃瀬 正と言いますので」
「た・・だし・・、正・・か。ふふ・・本当にお前らしい良い名だ・・、んぅ♪」
あまり濡れていない女性器に挿入したせいか、まだ動けない私にルーナスは何度も口付けをせがんできます。私はもちろん、彼女の期待に応えるように全てを受け入れ、時には舌で愛撫し彼女の艶やかな唇を味わいます。どれほど時が経ったでしょうか。彼女の女陰から僅かですが愛液が染み出し私の性器を嬉しそうに迎え入れてくれています。
「そろそろ･･･動いてはくれないのか？」
「ええ、それではお言葉に甘えまして・・んぅ」
「キャフゥン･･･クゥン・・♪」
可愛らしい子犬のような鳴き声を上げて嬉しそうに耳をパタパタと動かす彼女は本当に愛しい人です。私はこのまま彼女を孕ませてみたい。彼女からの願いでもありますが、私自身がそう望んでいます。私のような堅物な男を心の底から愛してくれる彼女を、これからの私の人生全てを捧げ愛したい。
「んっ・・、くっ！ルーナス・・凄く、気持ちいいですよ・・」
「きゃふん！ううん・・ハッ・・ハッ・・・、と、当然だろ・・う、キャィン♪」
「今とても・・喜んでました・・・ね！」
「きゃいん･･･きゃいん！・・そ、そこは・・・キュ〜〜ン♥」
どうやら彼女は子宮の手前が一番感じるようですね。もう少しだけ・・突いてみましょうか。
「きゅ〜ん・・・きゅ〜ん・・・うぁん♪・・今の・・いいぞ･･･。もっと攻め・・て・・あひゅん！」
ああ、弱い部分を突く度に膣がきつく締まってきて・・、このままですと・・。
「ルー・・ナス、出しますよ！出して・・貴女を孕ませたい！！」
「ハッ・・ハッ・・・、出してくれ・・！私を孕ませて！」
孕ませて欲しいと懇願する彼女に応え、私は膣内を欲望の白で染め上げていく。なんて素晴らしいのでしょうか。子を欲しいと願う女性に私の欲望を叩きつけるなんて。彼女の膣に子宮に吐き出した精液が全て吸われていくのがわかります。彼女はきっと妊娠するかもしれません。ですが私はそれこそが本望です。彼女を・・ルーナスを孕ませ愛の結晶を生涯守り通したい。
「ルーナス･･･、愛していますよ。これから先・・いえ、死が二人を別つまで・・」
「んぅ・・、こ、ここ・・こんな時に恥ずかしい事を・・♥」
ルーナスは射精した後にピロートークでもう一度興奮させて欲しいと願ってましたが、私はボキャブラリーに富んでいるわけではありません。ですので、私の全身全霊を賭けてでもルーナスをもう一度だけ興奮させてみましょう。
「ん・・んぅ？どうしたのだ・・？あっ・・」
「貴女を獣のように犯したいのです・・。貴女が妊娠するまで私は貴女の全てを欲望の白で染め上げたい・・」
「････♥」
ルーナスを四つん這いにさせ獣のように後ろから覆い被さり柔らかく張りのある乳房を優しく掴みます。私の手に綺麗に収まる乳房。ですが決して小さい訳ではなく、むしろ手全体に重みが掛かってくるのが実感出来ます。先端の乳首も触れられて嬉しいのでしょうか。小さいながらもツンと主張する姿に感動を憶えます。
「んぁ♪･･そんなに乳首を弄らないで・・」
「ですが、貴女の乳首はもっと触れて欲しいと願っていますよ？」
「ぁん♪･･ひぅ・・はぁぁ・・・んふぅ♥」
乳首を弄っただけでまたもや女陰から愛液が溢れてきました。どうやらもう我慢出来ないようですので挿入しましょう。かくいう私も既に我慢の限界でした。性器を押し付けた途端、私を呑み込むかのように誘う女陰がすごく淫靡で美しいです。
「また、挿れますね・・くっ・・・」
「んぁぁぁぁぁ･･･、また・・チンポきたぁぁ〜・・♪チンポ！・・チンポ！私を孕ませてくれるチンポォォォォ・・・♥」
すごくいい眺めです。それに彼女の臀部から生えてる尻尾が左右に振られ私の胸板を擦る度に私の興奮が高まっていきます。彼女の膣奥を突く度に尻尾が胸板を擦り、なんとも言えない快感を与えてくれます。今までに触れた事が無い感触だからでしょうか。この興奮状態のまま、彼女の子宮に何度も欲望を吐き出して・・・。
「また・・、また出しますから！・・今度こそ妊娠してくださいっ！・・うぐ・・っ！？」
「んぁぁぁ〜〜〜♥来てるぅ〜〜〜・・・子宮にザーメン入ってきてるぅ・・・んぁっ！！」
彼女を穢したという事実が私を何度も興奮させてくれます。まだまだ元気な私の性器を膣内で感じた彼女は膣を締め上げ『もう一度』と催促してきます。
「夜が明けるには・・まだ４時間９分あるぞ・・・」
どうやら私の愛しい犬姫様はまだまだ御所望のようです。朝まで耐えれるでしょうか・・・私が・・ですが。
「ふぁぁぁ〜〜・・・、あーねみぃ・・」
「ダメですわ・・。もっと背筋を立たせてくださいませ」
「こ・・こうか？」
「はい♪」
俺はリビングのドアを開け、そこに居るはずの親父に声を掛ける。
「おはよぅーす・・」
「朝から情けない声を出すなと・・あれ・・ほ・・ど」
親父が俺の隣に立っているフィアに気付き声を失う。やっぱこうなるよなー、フィア・・すっげー美人だし。
「そ・・壮一・・。そこ・・の、御嬢さんは・・一体・・」
ドレスの裾を少しだけ持ち上げ挨拶するフィア。様になってて綺麗だよな。
「初めまして御父様。私はフィア・キュリアス・リコナと申します。壮一様とは昨晩、愛の契りを交わしました♪」
「････ぶふっ!!」
うわっ！きったねぇ・・親父が飲んでた珈琲噴きやがった。
「ふ、・・ふふ・・・そうか・・。お前があれほど気に入ってた女性とは・・そこのワイトの御嬢さんだったのか・・」
改めて誰かに指摘されると顔が真っ赤になっちまう。
「べ、別に今言わなくてもいいだろ！」
「そうかそうか・・。なるほど、これほど美しいワイトの御嬢さんなら・・、昨日の収穫とやらは大見得を切った嘘ではなかったという事だな・・」
「って、・・親父は驚かないんだな・・。ワイトだってのに・・」
「ふんっ、･･これしきの事ぐらいで驚いてどうする。世の中にはもっと多くの驚きが・・『社長、おはようございます』、おおちょうどいい所・・に・・」
正兄さんの横に立っている女性ってもしかして。
「お初に御目に掛かります。アヌビスのルーナス・ファ・チシェと申します。気軽にルーナスと呼んでくれて構わないぞ」
「･･････」
うへ、親父の顔が今まで見た事が無い顔になっちまってるよ。って、親父・・泣いてる？
「い・・一乃瀬よ・・」
「は、はい！社長！」
「す、素晴らしい、・・素晴らしいぞ！我が社の社員がアヌビスを娶るなんて。アヌビスが一人居るだけで会社の経営は常に黒字になると言う話じゃないか！こうしては居られない、今から緊急会議を始めるぞ！支度をしろ、一乃瀬！」
「はい！畏まりました、社長！」
俺とフィアをほったらかしにして急いで出掛けた親父と正兄さんとルーナスさん。どうしようか、この状況。ま、考えてもしょうがないしお袋にも報告すっか。ヤっちゃった婚しましたって。いや、それもどうだろう？ま、いいか。なるようになるさ。
「お袋ー、居るー？」
「どうしたのよ、壮一？それにお父さんは急にどこへ・・あら？どちら様かしら？」
「初めまして、お母様。私、この度、壮一様の妻と成りましたフィア・キュリアス・リコナと申します。お見知りおきを」
「あらあら・・まぁまぁ・・。こんなに可愛らしい御嬢さんが壮一のお嫁さんだなんて・・。こちらこそよろしくお願いしますね、至らない息子ですが末永くよろしくお願いしますね」
なんだかすっげー恥ずかしい状況だな。なんだか段々、お袋とフィアの会話がどんどんエスカレートしていくし。これがあのなんとも言えない空気ってやつか。んじゃま、俺は邪魔しない程度にどこかに行くか。
「あら？どこへ行こうとするのですか？今からお母様と式の日取りを決めるところでしたのに」
「そうよ？あんたは男なんだからしゃきっとしなさい！そんなんじゃフィアさんに逃げられちゃうわよ？」
「いえいえ、お母様。それは一生ありませんわ♪私は壮一様だけを愛していますの♥」
「若いっていいわねぇ〜・・、私も若い頃はお父さんと・・」
会話弾みすぎだろ！しかも初対面だってのになんでお袋はそんなに和んでんだよ。ちょっとぐらいは詮索しようとか思わないのかよ！
「何かしら、その顔は・・・？ぁ、余計な事を喋るなって言いたいの？」
「ちげーよ！普通は詮索するだろ！なんで平然と和んでんだよ！」
「そうかしら・・？別におかしい事なんてないわよ？ねぇ、フィアさん？」
「ええ、そうですわね？」
これが女同士の連帯感ってやつか。俺、絶対にフィアの尻に敷かれそうだ。でも・・それもいいかもな。フィアの尻に・・あのむちむちの尻に・・。
「うふふ･･･♪壮一様ったら♥」
あ、これってもしかして心の中読まれちまったか？
「今晩も･･･私と深夜のワルツを踊ってくださいませ♥」
やっぱり尻に敷かれそうだな。でも、それもいいか。フィアは美人だし、俺の好みﾄﾞストライクってやつだし。それに・・・。
一目惚れ・・しちまった弱みがあるしな。こんな台詞、恥ずかしくてフィアには言いたくないけど・・。
「一生、愛し続けるぜ・・・フィア」
「私もよ、壮一様♥」
14/07/17 00:23更新 / ぷいぷい
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