肉人形は傷つかない %02 c=15d %02 c=15d %02 c=15d

魂消去済(Darkend Bルート)

目が覚めると暗い暗い水の底にいた。
 目を開けても暗く、目を閉じても暗い。

 ここは・・・?   寒い・・・

 ミクは、、、どうしてここにいるんだろう?





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 お誕生日会の後、ミクはお部屋に引きこもった。お母さんのお説教なんて聞きたくなかったし、お誕生日なのに今日もお仕事で遅いお父さんなんかに顔を合わせたくなかった。
 でも本当は、お兄ちゃんにあんなことを言ってしまった自分をどこかにやってしまいたかったから。
 バカだな。そんなこと出来るわけないのに。
 一人、布団に包まってお友達のエミリーを眺めてた。エミリーはミクを責めたりしない。励ましてもくれないけど、抱きしめてるとほんのり温かくなるから、優しいお人形なんだなって感じる。他にも、リコルに、レイレ、ミーシャに、クラリー、みんながミクを見てる。
 優しいお人形さん。
 そう言えば、エリィはどうしたのかな?
 ま、いっか…。ミクに嘘ついたお友達なんて、どうでも。

 お兄ちゃんに嫌われてないかな…。
 そんな風な思いが頭の中をぐるぐるして寝付けないよ。はぁ、だって始めてお話できるお友達だったんだもん。あんなに仲良くしてたのに。

 お布団を被り直して、エミリーを抱きしめる。ギュッと、ずっと、もう残ってるのはこの子達だけ。お兄ちゃんも、エリィも…。

<ガタッ、ガチャガチャ・・・  ヒュォォー…

 耳が痛い。冷たい風が頭の上を通り過ぎて、ほっぺたや耳たぶを冷やしていく。寒くて、冷たくて、痛い。

「…んっんぅ、あれ?おかしいな?」

 窓が開いてる。
 バサバサと揺れるカーテンの隙間から夜の冷え切った空気が、まるでコップから溢れ出す水のように流れ込んでいた。重たい空気はお部屋の床一面を埋め尽くすとベッドの上まで溢れてきて、ミクのお布団の中を濡らしていく。
 とてもじゃないけど、ベッドの中になんて居られない。…、窓、閉めなきゃ。
 ベッドから起き上がる。お布団の中とは比べ物にならないほどの冷たさが、手に、足に、パジャマの中にまで…。
 寒い、
 もし…、もし、エリィがお兄ちゃんに気に入られなくて、途中で捨てられてたりしたら。
<ブルッ!
 怖すぎて体が震えちゃった。そんなことあるはずないのに、あるはずないと分かっていても、怖いよ。
 今のミクみたいに、お兄ちゃんが居なくなったら、お兄ちゃんが消えちゃったら、お兄ちゃんに…………捨てられたら…………。

「窓、閉めなきゃ…。」
 
 水のような空気の中に足を下ろす。水をかき分けながら窓に近づくと、

<クス♪クススス♪

 聞こえた、あの子の声が。

「コンバンハ♪ミクちゃん♥」

 ミクのお友達が窓の外に立っていた。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





 綺麗にロールした髪をなびかせて、エリィは立っていた。ミクが驚いて床に座り込んでしまうと、またクスクス笑って窓の淵に腰掛けた。すると、勝手に窓がぴしゃりと閉じた。
 窓が閉じると、つけっぱなしだったクーラーの風がミクを励ましてくれた。
 座ってる場合じゃない、何か言わないと。でも、何を?今のエリィはなんだか普通じゃない。お友達だったエリィは喋れるけど、ただのお人形だったのに、今は、なんだか生きてるみたい。わけわかんないよ。
 そうやってまごまごしていると、エリィの方から近づいてきた。
 窓枠からフワッと飛び降りると、軽い足取りでミクに近づいてきて、お膝の上に乗った。

「もう、こんばんはって言ってるのに。ミクちゃんのはエリィのこと忘れちゃったの?」

「う、そ、そんなことないよ、ぜんぜん。ビックリしちゃったから、それで…。」

「今頃、お兄さんのお家で仲良くしてるはずなのにって思ってたから?」

「ち、ちがうよ!何言ってるの!?」

 ミクはただ心配してただけなのに。でも、本当になんで戻ってきたんだろう?やっぱり…。

「フフ♪知ってるわ。ちょっとイジワルしただけヨ♥」

 ほっ…。そうだよね。お兄ちゃんがお人形さんを捨てるわけないもんね。それにこんなに可愛いし、お喋りもできるし、髪だって作り物の筈なのにサラサラのキラキラでロールも巻いてるし、…………ミクとは、全然違う。

「お兄さん、怒って私を捨てちゃったんじゃって思ってたんだよネ?大丈夫よ。お兄さん、怒ってないし、私のこともすっごく大事にしてくれてるのヨ♥」

「そうなんだ。」

<チクッ

 あれ?なんだろう?エリィのお話がすごく聞きたくない。
 お兄ちゃんに大事にされてる。それでいいはずなのに。
 いやだ、何これ?思わず胸の前でパジャマを握り締める、本当はかきむしりたいのを我慢して。胸の奥がウネウネして気持ち悪い、………吐きそう。

「ほんと、お兄さんにも困ったものよネ。生きたお人形なんて初めてだ〜、とか言って襲いかかってきたんだから♪」

「そうなんだ…。よかったね…。」

 お人形さんは襲うのに、ミクは襲ってくれないんだ。ミクじゃダメなんだね、お兄ちゃん。

「ミクも、お人形さんになれたら、襲ってもらえるのかな?」

 空っぽの心からポロっと落ちるように出てきた言葉にエリィは口を押さえるほど驚いたみたいだった。
 ハハッ、ミク、何言ってるんだろ。そんなこと出来るわけないのに。
 ああ、またお胸がかゆくなってきた。

<ニヤァ♥
「本当にねぇ〜♪ミクちゃんがお人形さんだったらどんなに気持ちよくして貰えたかぁ〜♥」

 エリィはスッっと立ち上がると窓の方に歩いて行く。窓から差し込むお月様の光がエリィだけを照らして、お部屋の中はテレビで見たバレエの舞台のよう。エリィはその中心でくるっと回るとミクの瞳を見つめながら、スカートを裾からたくし上げた。
 細くてかわいいくるぶし、すらっとしたふくらはぎ、丸くてゴツゴツしていな球体の膝、白くて柔らかそうな太もも、そして、つるつるで綺麗なお股、小さな、でもお尻ってわかる形のお尻。
 ぜんぶが丸見えになる。恥ずかしくて目をそらしたいのに目が離せない。
 ミクとは違う。違いすぎる。人とは違う膝やくるぶし、腰の関節が人間じゃないことをはっきりと伝えてるのに、目の前のお人形が理想の女の子にしか思えない。
 もしかし、人間じゃないからこんなに綺麗で可愛いのかな?
 ミクも、お人形になればこんなにも綺麗で可愛くなれるのかな?

「んっ、ンゥ〜///」

 いきむ声を上げて、躯を震わせたかと思うと、エリィのお股から白くてドロっとしたものが垂れてきた。
 汗?おしっこ?ミクが見たこともない汁。

   でも、       なんだか、      

      
お  い し  そ  う   ♥

「ン!  フゥ、フゥ、ンフ♪これ、何か解る、ミクちゃん?」

 右手をスカートから放し、自分の太ももを指でなぞるエリィ。指にはお股から溢れ出てきたあの白くて粘っこそうな液が糸を引いてこびり付く。
 ひどくいやらしい。ミクにはエリィが何をしてるのかわかんないけど、いやらしいって事だけは解った。
 お胸の音が激しくなってきた。顔が熱い。ミクもいやらしくなっちゃったのかな?

「わかんない、です。」

「これはね、精液って言うの。」

「セーエキ?」

「そう♪殿方が出す汁でぇ、と〜っても甘くて美味しいの♥ でもね、ミクちゃんにはくれないと思うよ♪」

「えっ?」

「精液はね、本当に好きな人にしか殿方は出してくれないの♪ミクちゃんには、まだ無理かなぁ〜?」

 本当に好きな人にしか。ミクにはくれないって、ミクを本当に好きな人はいないってこと?お兄ちゃんも、ミクを好きじゃないの?
 そんなことない…。そんなことないよ!

「そんなことないもん!!お兄ちゃんはミクのこと大好きだもん!大大大好きだもん!!お兄ちゃんならミクにもくれるもん!」

「どうかしら?これ、お兄さんの精液なのよ。私にはくれたけどネ♪」

「そんな…、だって、エリィ、本当に好きな人にしかって…。」

「本当に愛されてるのは、私だったみたいネ♥」

 ウソだよ…。嘘って言ってよ…。
 もうダメ、何も聞きたくない。こうして、体を丸めて耳を塞いじゃえば何も聞こえない。何も知りたくない。お兄ちゃんと遊んだ思い出、これだけあれば何もいらない。
 お胸がうるさい、耳の奥もうるさい。ああそっか、生きてるからか。じゃあもう、生きていたくもない。思い出だけ、思い出だけでいい。優しいお兄ちゃんがミクの中にいてくれれば、何も…。

「(フフ♪いい感じだワ♪ 頃合ね、あとは、、、)
 ねぇ、ミクちゃん。これ、舐めてみる?」

「えっ?」

 そう言いながら、エリィはミクの前に白くベタついた右手を差し出してきた。
 いつの間にか近づいていたエリィの指がミクのすぐ近くまで来た。
 うっ…。近づくと鼻を付くような臭いがして、ちょっと臭い。でも、これがお兄ちゃんの。お兄ちゃんが本当に好きな人にあげる臭い。
 欲しい。舐めたい。ミクにだって、ミクだって舐めてもいいはず!こんなにもお兄ちゃんが好きなんだから!
 丸くなるのをやめて、四つん這いになりながら一歩、また一歩、手で、膝で、エリィを追いかける。
 ミクが進むたびに後ろへと後ずさるエリィを追いかけて。
 ハァァァ、ひぅぅぅ、ハァァァ、が、我慢できない!
<ドサァ、ガシッ!

 つんのめりながら、エリィの右手を捕まえて口元へと持っていく。よく見ると、白く見えたセーエキは、エリィの雪のような白さじゃなくて、少し黄ばんだ色をしてた。
 これを、これを舐める。お兄ちゃんをミクの中に…。

「んちゅ、じゅる、ちゅ、チュプ、ちゅるるぅ、んく、んぅ」

「ンフフフ♪アハハハァ♥どう?美味しい?」

「んん、んく、………苦い。」

 おえ、苦い。ぜんぜん甘くない。エリィがあんなに美味しそうに言うから、てっきり練乳みたいに甘いのかなって思ってたのに。
 こんなのが好きな人にあげる汁なの?また、ミクは嘘つかれてるの?

「あはは!苦いのはね、ミクちゃんが人間だからなのよ♪あはは!それじゃあいつまでたっても、ミクちゃんが大人になっても、ずっともらえないわよネェ♪」

「ミクが、人間だから…。」

「ねぇ、ミクちゃん?本当にお人形さんになりたい?」

 ミクが、お人形。
 なりたい。お兄ちゃんに愛してもらえるなら。

「何もかも無くしてしまうけれど、それでもいい?常識も、理性も、魂さえも。空っぽの『躯』になってしまうけれど、それでも?」

 空っぽでも、なんでもかまわない。むしろ、空っぽのほうがいい。何も入ってなければ、その分、お兄ちゃんの思い出を詰められるから。






「………いいよ。空っぽでもなんでもいい。ミクは、お人形になりたいの!」






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 ああ、そっか。
 あの後、エリィに連れられて、お兄ちゃんのお家まで来たんだっけ。
 それで、その後どうなったっけ?たしか、真っ暗なお部屋に入って・・・・・・・ダメだ、覚えてないや。
 とにかく、ここどこだろ?
 やっと目が慣れてきた。ぼんやりとだけど辺りが見える。いくつも並んだ透明な棚、ミクのお家にもあるプラスチックの衣装ケース、小さくて丸いテーブル、パソコンっぽい黒い箱とモニター、そして、ミクを見つめるたくさんの瞳。ああ、なんだ、お兄ちゃんのお部屋か。
 お兄ちゃんのお部屋には前に来たことがある。たくさんの可愛らしいお人形がミクに挨拶してくれてるみたいにお辞儀をしてて、お人形の服のつくり方とかいろいろ教わったなぁ。
 んっ、ダメだ、体、動かないや。なんだか体がだるいな。今ミクは、お兄ちゃんお気に入りのソファーに寝かされてるみたい。ちなみに、素っ裸。寒くも暑くもないけど、お兄ちゃんのお部屋で裸になってるって考えるだけで顔が熱くなってくる。恥ずかしい。
 そう言えば、お兄ちゃんはどこだろ?それにエリィも。

「お目覚め?クスクス♪」

 声のする方、ミクのお胸の上を見ると、いつの間に乗ったのだろう、エリィがほほ杖をついて寝転がってた。そして、エリィも裸。
 裸の女の子同士で何するんだろう?きっと、とってもイヤらしい事なんだろうな。

「エ、……リ…、ィ。」

「それじゃあ早速ぅ〜♪ミクちゃんをお人形さんにしたいと思いま〜す♥」

 そう言うと、エリィはミクのお胸のあたりを撫で回し始めた。
 何?何する気なの?
 指の動きはただ撫でてるだけじゃない。文字当てゲームみたいに何かの文字を書いてる感じ。

「ミクちゃんにはねぇ、いらないものが多すぎるのよ。例えば、コレ♪」
<ズキュッ!!

「ひぎゅっ!?」

 あっ、がぁ!あ、熱い!な、何!?胸が熱くて、ひぎ!

「人形に心臓なんていらないの。だって、ドクドクうるさいし、お兄さんとお話をするのも邪魔するんですもの。いらないわよネ♪」

 エリィの腕がぁ、あがぁ!、ミク、の、お胸の真ん中に、うあぁ!!突き刺さって、ひうぎぃ、あがぁ!

「えい♪」
<ズボァ!!
「いぎゅ!!」

<ドクンドクンドクンドクン

「はぁ、はぁ、ひぃ、はぁ、ひぁあ、あぁ、はひぃ。」

 あ、ああ、あれがミクの。ミク、死んじゃったのかな?でも、まだ、お兄ちゃんのお部屋にいるし、なんだか気分がいい。あんなにうるさかったのに今はとても静か。

「フフ♪たっぷり精が詰まってるわネ♪じゃあこれは、あなたにあげるワ、ロナ。」

 そう言うと、エリィはミクの心臓をどこかへと放り投げちゃった。

「次はぁ、このお胸の下のものネ♪こんなもの無くたって、お人形になれば躰の隅々までお兄さんの匂いを吸い込めるようになるわ。それこそ、指の先までネ♥」
<ズブップ、ジュブブブブ
「う、あああああああああああ!!」

 今度はゆっくりとミクの大きくないお胸に沈み込んでいく。エリィの両腕の先が紫色に光り輝いてて、それがミクの体の中に入ってくる。血が出てるわけじゃないけど、なんだか気持ち悪い。本当に体の中から触られてる感じが、自分じゃない感じが、ひどく吐きそうになる。
 でも、これで、お人形さんに、お兄ちゃんのお気に入りに、っあああ!!ひあああああ!!

<プギュッ!ブププ
「はぁ〜い♪綺麗に取れましたぁ♥ これはぁ、ミクちゃんのお友達にあげましょうネ?エミリー、リコル、ハイ♪柔らかくて、綺麗で、可憐で清楚な精がたっぷり詰まってるワ♥」

「〜…、!?ッー……〜っ♥」

 い、息が出来ない。でも、苦しくない。くらくらするような焼けた匂いが『躯』の中を駆け巡ってく。
 また一つ、空っぽになっていく。
 抜け落ちていくものの代わりに、口から鼻から、水を飲んでるみたいに別のものが入り込んできて、空っぽになったところを埋めていく。
 『爛れていく』。ミクの知らない言葉がふっと浮かんで消えた。

「やっ!ちょっと、ダメよ!ミクちゃんはまだ人間なんだから、優しくしてあげないと!もう!」

 エリィが怒ってる。
 首を横にすると、たくさんのお人形が、目をライトのように輝かせて、ミクを囲い込んでいた。
 エリィはそれを押しのけようとミクの上で立ち上がったけど、とても抑えられるようには見えないよ。
 レイレ、ミーシャ、クラリー、残りのお友達もみんないる。
 みんな、ミクの体を欲しがってる。

「もうぅ〜!仕方ないわねぇ。ミクちゃんには辛いでしょうけど、我慢してネ♪痛くはないはずだから、むしろ、気持ち良すぎて頭おかしくなっちゃうかも?でも、まぁ、いいでしょ?どうせ、頭の中身もなくなって、空っぽなお人形になるんだから♥」

 そう、ミクはお人形になるんだ。全部、ぜんぶなくなって、お兄ちゃんだけを入れる入れ物になるんだ。だから、いらない。あげる。

「…。」<コク

「それじゃあ、みんな、楽しい楽しいお人形遊びの時間ヨ♪可愛がって上げてネ♥」

 ワッと押し寄せるお人形たちをかわして、エリィは空中へ飛び上がった。
 残されたミクの体にいくつもの手が差し込まれて、ぐちゃぐちゃになっていく。
 引きずり出されて、外されて、くり抜かれて。
 でも、みんなその代わりに自分達のパーツをミクにくれる。
 くるくる回る白くて綺麗な代わりの足や、すっと細い指が5本揃った手、星のように輝いてる目、サラサラの黒髪。
 軽くなっていく体が『躯』になって、どんどん白くなっていく。シワのない、でも女の子の柔らかさで吸い付くような肌が広がっていく。

 <パキッ
                 じゅぶ>
<ずるる

 外されていっちゃう          ぶずずず>

<ぐじゅ
            グリィ>

      何もかも、ミクじゃなくなって

<ギュポッ!          ボキ、ぺき>

ミクじゃなくて、ワタシになって

       <ギュム、きゅぽっん

      ワタシカラッポ  オニイチャンのオモチャ




「あ、子宮だけは残してあげてネ♪ミクちゃんもお兄ちゃんの子供欲しいでしょうからネ♥」







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「ん〜、ふぁ、んー、今何時だ?」

 若干、頭が痛い。
 昨日はハッスルしすぎた。なんてったって、あのリビング・ドールが家にやってきたんだ。我慢する理由がない。
 裸で寝たからだろうか、喉もちょっと枯れてる。
 思えば、人形趣味も前の彼女の影響だったな。ゴスロリな人形を所狭しと並べて、ニヤニヤしてた彼女を気持ち悪いとすら思っていたっけ。
 彼女の気を引ければと、男なのに裁縫やドールの手入れ何かを勉強して、ボーナスもつぎ込んで人形揃えたっけか。
 それが、ある日、突然俺の前から姿を消して、人形だけ押し付けて行きやがった。
 全部燃やしてもよかったのに後生大事に引き取っちまうんだから俺の性癖も後戻りできないとこまでイっちまったようだな。
 そんな俺でもやっと彼女が出来ると思ったら、まさか、人形に変態なんて言われるとは思わなかったぜ。ましてや、魔物娘相手に。

 ………、まぁ、壊すぐらい犯したのは正直反省点だな。

 時計を見ると朝の5時、仕事にはまだ早い。起きてシャワーでも浴びようかと身を起こすと、リビングの方から物音が聞こえる。
 パソコンでも点けっぱなしにしたかな?いや、昨日はずっとセックスしてて電源すら入れてないはず。
 という事は、あのリビング・ドールかな?名前は確か、エリィと言ったな。可愛い、いい名前だ。
 とにかく、物音の正体を確かめようとフスマに近づく。近づくにつれ、物音は話し声に変わり、やはりエリぃが喋っているのだろうと解った。
 だが、誰と?
 俺はフスマをすっと開いた。

「おはよう、エリィ。昨日はごめんね。俺もちょっとハッスルしちゃ…って………。」

「あら?おはようございます、マスター♥ 今ね、新しい家族を歓迎してたのヨ♪みんなでネ♥」

 そこに居たのは、見知った少女と良く似た、等身大のドールだった。髪型も顔つきも何もかも同じ。
 違うのはお粉のように白い肌と、球体の関節を持った手足だけ。

「お兄ちゃん、ワタシ、オニンギョウになれたヨ♥」

「な、なんだこれは?ど、どうして?」

<がしっ
「ひっ!」

 足元を見るとロナががっちりと足を掴み、俺を見上げていた。

「ご主人様、朝食の用意が出来て御座います。ささ、ミクを召し上がってくださいな。」

              ストン>
「うわぁ!」

 肩には俺が持っていない人形が舞い降り、

「も〜、お兄さん!早く食べてあげなよ。ミクちゃん昨日からずっと我慢してるんだよ!リコルの友達を待たせるなんて許さないから!」

「そうよ。」<ぽす

「ひぃ!」

 首から回された別の腕が俺の首を軸にくるんと体を正面に回してきて、

「お、お前は!?前の!!」

「里琴よ、あなたの前の彼女であり、今の彼女達の一体、のね♥ でも今はリコって読んで♥」

 ショーケースを見回すと、大事なコレクションが一体も入っていない。
 その代わり、俺の足元に、肩に、体のいたるところに人形が張り付いている。

「オニイチャン。」

 ミクにそっくりな人形が一歩一歩近づいてくる。

「や、やめ」

「ワタシを満たして、精液人形に、可愛い肉人形に、オニイチャン、
 


 オニイチャアアアアアアアアアアアアアアアアンンンンン!!!!」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




ザー、ザ〜、ザザザザ

「〜つ続いて、今月〇×日に行方がわからなくなった園山ミクさん(10歳)の搜索が続けられていますが、依然として行方はわからない状況です。」
「捜査当局の調べでは、部屋に荒らされた形跡はなく、鍵もそのままになっていた事から家出の可能性が高いとして調べを進めています。」
「続いてのニュースです。サッカー代表の活躍目覚しいワールドカップでは〜〜〜〜〜。」



 虚しくテレビの音だけが響く部屋で、黒と白のゴスロリ衣装を身に纏い、居眠りをしているかのようにソファに座らされていた。
 太ももの関節や、肩の関節から精液がにじみ出て、躯を濁った白で汚す。
 半分閉じた瞳から、白濁液の涙を流し、半開きの口からはヨダレと精液が混じったものが垂れる。
 精液がタプタプ揺れる空っぽの頭とリビングドールの魂でミクは思う。





オカアサン、オトウサン、ゴメンネ♥
           アカチャンデキタラ、カエルカラネ♥











                   fin

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エリィ「どうかしら?リビングドールがどうやって生まれて来るか解ったかしら?」
ミク「お兄さん達もお人形さん遊びはほどほどにしないとね!」
エリィ・ミク「さもないと」


「お兄さんの大切な人が、お人形になるかもね」
            キャハハハハ>
<いひひひ        えっへへえへ>
     ふひひひ>    <アハハハ
  <クスクス
         ケラケラ>








というわけで、Bルート完結で、この度の物語は終幕と相成りました。
お付き合いいただき有難うございます。
いや〜、本当はですね、こちらのBルートが主軸だったんですけどね、あまりにもグログロしいから別ルートを考えたんですけどそっちのほうがエロかったって落ちなんです。
でももったいないから2ルートマルチエンドなんて訳わからん仕様になりました。
元ネタは某リョナ漫画家・〇〇Y〇の作品の中の一つだったんですが、流石にここでやる話ではないだろうと自重しました(絶対に検索するなよ。まじで)。
まぁ、でも人間が人形になるホラーって結構たくさんあるので一々どれがどれって言う必要もないかな?
まぁ、楽しんでいただけたなら幸いです。
次回作でお会いしましょう。

14/02/17 21:51 特車2課

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