外伝:ロンドネルの休日 BACK NEXT


「おはようございますエル様。」
「うむ、朝早くからご苦労。」
「本日はネストより12通の報告書が届いております。」


今日も朝早くから執務室に入ったエルは、書記官から報告書の束を受け取った。
そしてそのまま彼の体格に似合わない巨大な椅子に腰かけ(元々フェデリカが使っていた)
報告書の中身に目を通していく。


「リムステラさんから……兵糧の輸送に問題なし、武具の補充……鋼系武器の生産拡大、
新式投槍開発も順調……ただし市場の武器防具価格が急騰中……まあ仕方ないな。」

内容は主に後方支援が順調であることを示すものだった。
160000人もの大軍を支えるには広報組織の支援が不可欠である。
そのため、十字軍の出発地のエルテンドには現在『ネスト(巣)』と呼ばれる
大規模な兵站支援組織が設立されている。

ネストは兵糧の補給や武器の補充、新兵の募集はもちろん
十字軍の給料支払いや兵士宛の家族からの手紙の配達までやっている。
十字軍が飢えや物資不足に悩まされないのは、ネストのおかげなのだ。


「………新規募兵に応じた人数は12000人…多すぎるな。3000人いれば十分だ。
後は………うん?フィーネからの手紙?どれどれ……」

報告書類の中に、ロンドネルに残っている妹のフィーネからの手紙が混じっていた。


手紙に目を通した直後、エルは驚愕の表情を見せた。


「な……なんだと………!」
「?…如何いたしましたか、エル様?」
「こうしてはいられん。大至急ファーリルを呼んで来い!」
「畏まりました!」


エルは書記官に命じて大急ぎでファーリルを連れてくるよう指示する。
珍しく慌てた様子を見た書記官は即座に部屋を飛び出して行った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「……………………」
「……………………」
「……………………」


スタスタ…
 
 
 
ここは自由都市アネット府庁のとある一室。
殆ど物がないこの部屋で、三人のエンジェルが部屋の中央にある椅子に座っている。
机は無く、三人とも同じ方向を向いて…目を瞑り手は膝の上、足もしっかり揃え微動だにしない。

三人の後ろでは、ユリアが手にクルタナを持ってゆっくりと歩きながら、
椅子に座る三人をじっくりと見ている。


そして部屋の片隅では、クレイベル大司教がこの妙な光景を見守っている。
 
 
 
 
「……………………」
「……………………」
「……………………」


スタスタ…
 
 
 
 
 
ピクン…
「……ぁ…」




「喝!!」

ビシィーッ!!


「ひゃうぅんっ!」


ユリアは、わずかな挙動も見逃さず容赦なくエンジェルの一人をクルタナで打ち据えた。


「…マリエルさん、叩かれても声を上げないようにと、あれほど言いましたよね。」
「ぅ…も、申し訳ありませんお姉さま……」
「では、また瞑想に戻りなさい。」


どうやらユリアは、新人エンジェル達の訓練をしているようだった。
ちなみに今やっているのは精神の鍛錬らしい。


そしてまた無音の静寂が続く…
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
コンコンコンコンッ!

『!!??』
「ユリアさん、いますか!」
「エルさん?どうしましたか?」

瞑想の雰囲気は突如入ってきたエルによって崩壊した。

「緊急事態ですユリアさん!今すぐ転移魔法で俺をロンドネルまで送ってもらえませんか!」
「き、緊急事態ですか!?わかりました、少しだけお待ちくださいね。
マリエルさん、レリさん、エリーゼさん、今回の修練はここまでとします。
後は大司教様の指示に従ってください。」
「分かりました!」
「で…ですが、緊急事態とは…?」
「うむ、実は――」


真剣だったエルの表情が、一瞬で輝かんばかりの笑顔になった。


「ユリス一のパティシエール…グレーテルが新作のスイーツを発表したそうです!」
『へ!?』
「あら、本当ですか!それは素晴らしいことですね!」

ユリアもまた、エル同様に喜色満面になる。
しかし、三人のエンジェルは逆に不可解な表情をしている。

「あの〜、それが緊急事態ですか?」
「そうだ。だから仕事はファーリルに任せてある。」
「エル様…冗談ですよね?」
「たかがお菓子程度で、大げさですね。」
「エル様も子供っぽい一面が……ってあれ?」


エリーゼ、マリエル、レリの三人はエルのことを知らなさすぎた。
エルが、何気ない彼女たちの一言を耳にしたとたん、
今までに感じたことがないほどの強烈なプレッシャーがあたりを覆った。

「ひっ…」
「え、エル様……一体…」
「あ…ぁぅぁぅ…」

「たかがお菓子程度…だと?」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……


「あのー、エルさん?」
「ふぅ…まさかこれほど罪深いエンジェルがいるとは思わなかった。」
『ひいいぃぃぃ……』
「そうだな、貴様らには菓子の起源から話してやる必要がある。」
「え…エルさん…それはいくらなんでも…」
「いいか、これはまだ人類が国を持たなかった時代―――――」
「とんでもないことになりました……」




数十分経過……




「―――で、あるからにして有史以来人類の甘味に対する欲求は」
(…一体いつまで続くのかな?)
(エル様が壊れた…)
(長時間瞑想よりきつい……)
「あのエルさん、そろそろ行かなければ売り切れてしまうのでは?」
「む!そうでした!ユリアさん、よろしくお願いします!」
「はいっ!」


ヒュウウゥゥゥゥン


「…行ってしまわれましたね。」
エリーゼは力が抜けたように先ほどまで座っていた椅子に腰を下ろす。
「怖かったぁ!泣きそうになっちゃいましたよぅ!」
緊張の糸が切れてその場に崩れるマリエル。
「エル様が、まさかあそこまで甘いモノ好きとは…」
レリはまだ呆然としている。


「やれやれ、あの子もまだ子供っぽいところがありますね。」

そしてクレイベルもまた苦笑いしつつ、三人のエンジェルを集めた。


「エリーゼ、マリエル、レリ、今日もよく頑張りましたね。
ユリアさんの修練は厳しいですが、立派なエンジェルになるためにも
日々の鍛錬は欠かせませんよ。いいですね。」
『はいっ!』


一見清楚で温和的に見えるユリア(実際その通りなのだが)
しかしユリアが新人エンジェルたちに課す修練はかなり厳しい内容だった。
本人いわく「私が修身していた時よりも控えめにしているのですが。」だそうだが、
ユリアもまたエルと同く想像を絶する訓練を積んできているため、
控え目でも普通のそれより厳しくなってしまう。

それでも、さすがクレイベルが見込んだ三人だけあって
厳しい修練にも不満一つ言わずについてきているのはさすがと言ったところか。

「修練は厳しいけど、お姉さまみたいなエンジェルになるためにも頑張ろう!」
「わ、私も足手纏いになりたくありませんから…」
「私はもう少し自主トレしていきます。」

この後
エリーゼはユニースの第四軍団
マリエルはファーリルの第二軍団
レリはカーターの第三軍団
と、それぞれ分かれて活躍することになる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
さて、一方で自由都市アネットからロンドネルまで一直線に飛んだエルとユリア。
ユリアはすでに店の場所を知っているため、直接店の前まで転移することが出来た。

「ありがとうございますユリアさん!」
「いえいえ、お気遣いなく。」
「さてさて目当ての品は……っと!まずいですね、かなり混雑しています!」
「相変わらずすごい人気ですね。」


エルとユリアが訪れた店は『セプテット・シュプレヒコール』という菓子店だ。
創業約50年を誇る老舗菓子店を営むのは、ユリス一のパティシエールのグレーテルという人物。
超甘党のエルは幼いころからの常連であり、特にグレーテルの代になってからは
かなりの頻度でこの店を訪れていた。
そして、この店はかなり評判が高く味も超一品級であるため
はるか遠くからこの店の菓子目当てでやってくる人も少なくない。
そんな超有名店のセプテット・シュプレヒコールが新作の菓子を発表したというのだから、
エルは居てもたっても居られなかったのだ。
つくづく、早めにアネットを落とせてよかったと心から思うエルであった。


しかし、エルとユリアが到着したとき、店の前にはすでに長い行列が出来ていた。
仕方なくエルとユリアもきちんと列に並ぶことにした。

「売り切れてないといいですが。」
「エルさんの職権で優先的に手に入れることはできないのですか?」
「え…い、いくら俺が甘党だからと言って職権乱用はしません!」
「ですが…ちょっと前を見ていただけませんか?」
「前……ってえええっ!?」

エルがユリアに促されて前を見ると


そこには道が出来ていた。


「エル様!それにユリア様帰って来られたのですね!」
「どうぞエル様、ユリア様!お通りください!」
「みんな!エル様と天使様のために道をお開けなさい!」
「さ、エル様遠慮なさらずに…」

まるでモーセのエクソダスのごとく、行列が両脇に割れて道が出来ていた。

(ユリアさん…侮れないな。まさか二年でここまで国民の心をつかんでいたとは…)
(やっぱり…エルさんの人望は凄まじいですね…。当然と言えば当然でしょうが。)

二人は改めて、お互いの人気の高さに愕然とした。

「ううむ…その気持ちはとても嬉しいが、
俺とユリアさんだけ特別扱いされるのは不公平だろう。」
「ええ、その通りです。皆さんも新作のお菓子を食べたいのでしょう。
でしたらここでは身分の上下は、あまり関係ないかと。」

「い、いえ私達のことならお気遣いなく!」
「私達のせいで売り切れたら申し訳が立ちません!」
「これが私達にできる精一杯の心遣いですから…」
「お願いします!」

「なんとね…」

とうとう願望の域に達してきたようだ。
ここまでくるともはや本人たちにとっても不気味ですらある。


「わかった、皆がそこまで言うなら…厚意に甘えるとしよう。」
「いいのでしょうか?」
「まあ、偶にはいいでしょう。日ごろの行いが良かったということで。」


こうして二人は並ぶことなく店の中に入ることが出来た。









「いらっしゃいませ〜♪エルさん、ユリアさん、お久しぶりです!」

店に入ると、無邪気な声がお出迎えしてくれた。

店主のグレーテルはクリーム色のツインテールにやや幼い顔立ちをしている。
29歳であるにもかかわらず、見た目は15歳以下にしか見えない。

「相変わらず元気一杯ですねグレーテルさん。」
「うむ、早速だが新作のスイーツを見せてもらおうか。」
「はいは〜い!まずはこちらになります!」

そう言ってグレーテルが出したのは
全体的なピンクの配色が特徴の、モコモコっとしたロールケーキだった。
頂点に塗してある苔苺も魅力的だ。


「はい、どうぞ♪新作ケーキ『キルシュブリューテ』です!」
「うわああぁぁ……おいしそうです!」
「ほう…もう今すぐにでも食べてしまいたいな。」

エルもユリアもまるで子供のように目を輝かせている。

「では、お二人にはこの店の宣伝も兼ねてこの場で食べてみてください!」
「え?ですが私達の後ろにはまだ大勢いらっしゃるので、ここで食べるわけには…」
「みなさーん!スイーツは逃げませんから少し待ってて下さいねー!」
『はーい!』
「食べましょう、ユリアさん♪」
「え、あ…はい!」


大勢の客が見守る中、二人は店から借りたフォークでキルシュブリューテの一部を拾い、
優雅な手つきで口に運ぶ。淑女の手本のような食べ方に、女性たちは息を呑む。

そして…口に入れて咀嚼し…


「……………ふむ」
「どうですか、エルさん?」

エルは初めて食べる物を口の中で分析する癖があるので、リアクションには少々時間がかかる。


「うん!最高!」
『!!』
「やったー!エルさんに褒めてもらったー!」

輝かんばかりの笑顔。
至高の甘味が口の中に広がり、エルの顔も思わず幸せで一杯の表情になる。
見守っていた客たちもその笑顔に見とれてしまうほどだった。

「すごいです!天然クリームと苔苺がお互いの良さを引き出しあってます!」
「ありがとうございますユリアさん!作った甲斐がありました!」

ユリアもまたとびきりの笑顔を見せる。

「あは♪やっぱり二人に食べてもらうと凄い宣伝効果ですね!
見てください!行列の人数がいつの間にか二倍以上になってますよ!」
「いえいえ、これもすべてグレーテルさんの腕前のおかげですよ。」
「うむ、何度でも食べたくなる味だ。出来ることならファーリル達にも食わせてやりたいな。」



そんなわけで、さらなる盛況に包まれたセプテット・シュプレヒコールの中で
二人は特別に厨房の空いてるところを借りて食べることにした。

厨房では、グレーテルの弟子のパティシエール達6人が大急ぎで新製品を作り続けている。
なにしろ何百人どころか何千人も客が来るので、総動員しないと間に合わない。
釜を中心に溢れだす熱気とクリームや砂糖の甘い匂いが混じり合って、
さながら綿菓子の中にいるような感覚だった。


「頑張りますね、お弟子さんたち。」
「ええ、恐らく前線の兵士並みに大変でしょう。
さて……食べ終えてしまいましたが、ユリアさんは何かもっと食べますか?」
「私はこれで十分ですが、エルさんはなんか物足りなそうですね。」
「本当ならもう後十種類くらい食べたかったのですが、
店があの通り混雑していますので今回は我慢しましょう。」
「それがよろしいかと…(後十種類も食べる気だったんですか!?)」
「さーて、そう言えば支払いがまだでしたので会計を……ん?これは?」


エルが会計のためにレジに行こうとした時、
ショーウィンドウに見慣れない菓子があることに気が付いた。

見た目は長方形のアップルパイのようだ。

「ねえグレーテルさん、このお菓子は?俺は初めて見たんだけど。」
「あ!気付きましたか!実はそれも新しいお菓子なんですよ!」
『えっ!?』

エルとユリア、それに周りの客たちも驚きの声を上げる。
なんと、新作は二つあったのだ。


「ちなみにそのお菓子は私じゃなくて弟子の一人が考えたんですよ!」
「お弟子さんがですか!?」
「はい、今呼びますね。ネールちゃーん、ちょっと来てくれるー?」

「は、はいっ!」



グレーテルに呼ばれて厨房から顔を出したのは
見た目グレーテルと同年齢くらいに見えるくりっとした瞳が特徴の少女だ。
青を基調とした洋服の上に可愛らしいエプロンをつけている。

「はじめまして!この店で修業しているネールです!」
少女はものすごい勢いでペコペコお辞儀する。
「あら、なかなか可愛いお弟子さんですね。」
「この子がネールちゃん。この店に来て3年くらいになるのよ。」
「3年ですか。私よりも早くからこの街にいるんですね。」
「ま、まだ未熟者ですがっ!」


こういった大勢の人に注目されるのはやはり慣れていないのだろうか。
顔を真っ赤にしてひたすら縮こまってしまっている。

「さて、このお菓子を作ったのは君だったよな。」
「は、はいっ!これは『アプフェルシュトゥルーデル』と言います!
林檎の蜂蜜漬けを薄めの生地で包んで焼き上げた物です!」
「なるほど、家庭でも気軽に作れそうな汎用性のある菓子だな。
では早速俺とユリアさんの分を作ってもらえるかな?」
「分かりました!しばらくお待ちください!」


ネールは大急ぎで、なおかつ丁寧にアプフェルシュトゥルーデルを焼き上げる。
完成には30分ほど要した。


「どうぞ!お口に合うとよろしいのですが…」
「うむ、じゃあ早速いただくとしようか。」
「焼きたてのリンゴの香ばしい匂いがしますね。」

カリッ  サクッサクッ

エルとユリアは焼きたてのアプフェルシュトゥルーデルを頬張る。
焼いたリンゴの甘味と生地のサクサク感が見事に調和していて、
なかなか美味しいものだった。


「なるほど、意外とさっぱりした味わいだな。」
「ええ、甘さもちょうどいい感じですね。」
「い…いかがでしょうか…?」


周囲に緊張が走る。


「うむ、これなら普通に店に出せる美味さだ。自信を持っていいぞ。」
「本当ですか!!」
「強いて言うならもう少し開発の余地はあるが、これでも十分
この店の商品としてやっていけるはずだ。大したものだ。」
「よかったねネールちゃん!あなたのお菓子はお客さんにもちゃんと認められたわ!」
「あ、ありがとうございます!」


こうして、もう一つの新商品『アプフェルシュトゥルーデル』は
エルとユリアがその場で宣伝したことにより、爆発的に売り上げを伸ばしたという。
セプテット・シュプレヒコールは今日も大盛況だ。











さて、ロンドネル来たついでと言うことなので
あっちこっちに顔を見せていくことにした。
なにしろはるか遠くに遠征に向かっている最中なので、
下手をすればこの先数年は顔を合わせられないかもしれない。
エルやファーリルくらいならまだしも、十字軍の兵士たちは恐らく当分の間は故郷に帰れない。
それを考えると、猶のこと十字軍遠征を早く終わらせなければならない。



「お久しぶりですケルゼン様。」
「お、やっぱり戻ってたかエル。グレーテルが新作の菓子を発表したと聞いたから、
任務そっちのけで戻ってくるんじゃないかと思ってたが、その通りだったな。
はっはっはっはっは!」
「面目ございません(汗」
「ユリアさんも総司令官様の我がままに付き合わされて大変でしたな。」
「いえいえ、私も乗り気でしたから♪」


まずは上司のケルゼンに挨拶する。
エルとファーリルが遠征に行ってしまったので、仕事量が半端じゃないにも拘らず
こうして冗談交じりで迎えてくれる辺りは、さすが諸国同盟の盟主といったところか。


「聞いた話によると、自由都市アネットを陥落させてカンパネルラ地方を制圧したそうだな。」
「はっ、諸将の活躍により無事に第一の難関を突破することが出来ました。」
「まさかあれほど早くカンパネルラを制圧するなんてな。俺でも驚きだ。
ま、お前の活躍のおかげでこの国からも十字軍志願者が増えてきていてな、
あまりに多すぎて一部は拒絶しなきゃならん。」
「つくづく苦労かけます。」
「なーに、お前は前線のことだけ考えてればいいんだ。後方のことは俺たちに任せておけって。」


ユリス諸国同盟の中で直接前線に行かない領主たちは、足元の安定のため普段以上に仕事をせねばならない。
今回の第一次十字軍は、そういった意味では人類の総力戦にふさわしい模様を呈している。
これを可能とするのは『アルトリア奪還』『交易路の確保』という共通目的があるからだ。

後方組織『ネスト』を中心にした兵站確保はほぼ万全だった。
それゆえエルも安心して前線の指揮に集中できるのだ。


しかし後世の歴史家の間では、ネストに頼り切りすぎたことがエルの失策だったとも言われている。







「さて、アル爺はまだ生きてるかな?」
「残念だったな。まだピンピンしとるわい。」

次に向かったのは実家。
冒険者ギルドを引退したアルレインだったが、なんだかんだで武術の指南役として
気が向いたときにちょくちょく冒険者ギルドに顔を出しているそうだ。
未だに死ぬ気配を見せないのは不思議としか言いようがない。


「お久しぶりです、アルおじい様。」
「ユリアさんも一緒に来ておったか。今日はお主ら二人だけか?」
「はい、セプテット・シュプレヒコールにケーキを買いに来ただけですから。」
「なーんじゃ。『私達結婚します』ではないのか。」
『違います!』
「まあそうじゃな、女性同士では結婚できんわい。」
「をいこらアル爺、今のは聞き捨てならんぞ。」
「わ…私はエルさんなら…もし女性でも…」
「ユリアさんは何を言っているんですか!?」


ケルゼンならともかく、アルレインが言うと冗談も冗談と聞こえないのが怖いところだ。


「まあ、せっかく帰ってきたんだ。一日くらいゆっくりしていくがいい。」
「意外ですね。アルおじい様のことですから、てっきり
『なにをこんなところでサボっとるんだお前は!さっさと前線に戻って
一足も早くアルトリアを取り戻してこんか!』みたいなことを仰られるかと…」
「なんじゃ、そう言った方が良かったのか?」
「いやいやいや…余計なことはしなくていいよ。」
「ふむ、お主らのことじゃから日ごろ身を粉にして奮闘していることじゃろう。
だからこういう時くらいはのんびりしていくとよい。
筋も常に張りつめておくと、いざという時には使えなくなるからのう。」
「世界一の休み下手に休めと言われるとはな。」
「ですが、アルおじい様の言うとおりだと思いますよ。
今日一日だけは仕事のことは忘れてのんびりと過ごしましょうか。」

(この家の人たちはみなさん、休みましょうと言わなければ休まない方達ですから…)


それからは、アルレインと軽く雑談した後昼食をとり、
食後の運動がてらにロンドネル市内を軽く一回りして……



「あっ!にいさーん!ユリアの姉ちゃーん!おかえりー!」
「フィーネさん、ただ今戻りましたわ。」

途中の道でフィーネに出会った。

「久しぶりだなフィーネ。お前はもう仕事終わったのか?」
「え…ええっとね、まだ終わってないけどケルゼン様が
『せっかくエルが帰ってきてるんだ。仕事はいいから会ってこい。』って…」
「あの人ももう少し公私のけじめをつけてほしいんだが…」
「ふふふ、ケルゼンさんらしいですね。」
「でも帰ってきたってことはもうお菓子屋さん行ってきたんだよね?」
「ああ、なんだかんだでタダで試食させてもらった。」
「いいなー。私は忙しくて当分食べられないよ…」
「大丈夫ですよフィーネさん。ちゃんと余分に買っておいてありますから、
家に戻ってお茶にでもしましょうか。」
「本当!!ユリアお姉ちゃん大好きー!」
「あらあら。」

フィーネはあまりの嬉しさに、笑顔でユリアに抱きつく。

「フィーネ。お前ももう16なんだから、少しは大人らしい振る舞いも考えろ。」
「そんなこと言ってにいさん、少しうらやましいと思ってない?」
「バカモノ。俺はお前みたいな甘えん坊じゃないんだ。」
「………………」


ユリアとしては少し複雑な気分だった。















夕方。
アネットに戻ろうとしていたエルとユリアはケルゼンに呼び止められ、
夕食を奢ってもらうことになった。

内陸国であるロンドネルの、数少ない魚料理の店『真銀の蕀魚亭』
エルとケルゼンは高級魚料理を肴に酒を飲みかわす。
ユリアと、未成年のフィーネはミルクで。


「……で、ファーリルが考案したのが土竜攻め戦法でして、
城壁の下から城内に入りこんで敵をかく乱する作戦を実行したのです。」
「ふむ…、アネットの土壌が軟らかかったのも一つの要因か。」
「すごいね帝国の工兵。そんな短期間で長いトンネルを掘れるんだから。」

話題はやはりカンパネルラ攻略についてだった。
聞いていても楽しいし、何よりフィーネは聞きかじりでも経験になる。
中でも特に受けたのはユリアがマティルダとユニースを連れて
カンパネルラ城の最上階から脱出した話。

「こうして私達は間一髪で脱出することが出来ました。」
「私も見たかったなー、ユリアお姉ちゃんが飛んでるところ。」
「その羽はやはり飾りではなかったのですな。」
「ええ、この羽はいわば魔力の回路みたいなものですから、
この羽自体で飛ぶことはできませんが、役には立ってるんですよ。」


ヒョコッ


「へー!そうなのかー!初めて知った!」
『!?』

突然、彼らの席に身を乗り出したのは
セプテット・シュプレヒコールの店長、グレーテルだ。

「なんだグレーテルか。おどかすな。」
「やはは〜、なんだか楽しそうな話をしてたから気になってねー。」
「グレーテルさん、お店にいなくて大丈夫ですか?」
「んー、今ちょっと新商品が品切れだから、夕飯をここで食べることにしたの。
あ、女将さーんわたしにもワインちょうだーい!」

どうやら彼女は、この席に居座る気らしい。
グレーテルに呼ばれて、この店の女将…マリー=ルイーゼがワインを運んで……

「だめですよグレーテルさん。未成年者の飲酒は身体によくないのよ。」
「なにー!!私は未成年じゃないよ!エルさんよりも年上なんだよ!」
「あなたはミルクで我慢しなさい。」
「だーかーらー!私はもう大人なんだからお酒を飲むの!」
「ミルクを飲めば大きくなるかもしれませんね。」
「あら、エルさん。女性の成長期は14歳くらいまでですよ。」
「うわーん!みんなが私をいじめる〜!」
(外見がネタにされたのは今日で何回目でしたっけ?)










「……以上がルピナス河における戦闘の話です。」
「ほえ〜…人が何万人も死んじゃうなんて、悲しいね。」
「それに、現代の魔物はみんな可愛い娘ばかりですから、手にかけるのも辛いでしょう。」
「そうそう!俺もまだ冒険者だった時は何回誘惑されそうになったことか!」

いつしか話題は魔物のことになっていた。


「最近の魔物ときたらほんっとうに人間に都合のいい姿かたちをした奴ばかり現れやがる。」
「正確には『男に』都合のいい姿かたちだと思います。」
「特によう『ドッペルゲンガー』ってのがまた厄介な奴でさ!
なんでも振られた男の心に付け込んで、そのまま愛される対象になっちまうんだと。」
「昔のドッペルゲンガーとはずいぶん違う性質なのよね。
旧世紀のドッペルゲンガーと言えば『出会う=死』だったそうだけど。」
「なんでも今度また魔物図鑑の新版が出るそうですが、一体どれだけ増えることやら。」
「意外と身近にもいるかもしれないね。ユリアお姉ちゃんみたいにね。」
「あ、そういえばグレーテルさん。」
「なに?エルさん。」
「今日紹介してくれたお弟子さん……ネールだったかな?あの子……」









「魔物じゃないですか?」
「うん、そうみたい。」
『うそっ!?』

エルの言葉に、ユリアとグレーテル以外は大いに驚いた。


「私も…ネールさんは魔物…それもかなり若い個体だと思っていました。」
「気付いてたのかグレーテルさん。」
「うーん、なんとなく思ってたんだ。この子人間じゃないなって。」
「んないい加減な…」

これが本当だったら大問題。彼女は市民権を剥奪され国外退去させられてしまう。
しかも今ここにはケルゼンがいる。隠し通すことはできない。


「おそらく、ネールちゃんは『アリス』という非常に希少な魔物だと思われます。
まだ生まれて十数年もたっていないと思われますが、すでに人化術を備え
一般人ではほぼ見破るのは不可能とみてよいでしょう。」
「アリスって確か永遠に同じ時を繰り返す魔物だったよね。
そんな魔物がこの街に普通に住んでたなんて、信じられないよ。」
「で、ケルゼン様どうしましょう。魔物かどうかを確かめる方法は一応ありますが。」
「魔女裁判でもする気か?まあ確かに、この街に魔物がいるのは好ましくない。
しかし……俺の独断で、今回は目をつぶろうと思う。」
「いいの!?追い出さなくていいのね!」
「きっと彼女の目的は一人前のパティシエールになることだろう。
だったら、特に害をなさない限りは好きなだけ修業させてやろうじゃないか。」
「お優しいんですね、ケルゼンさん。」
「いや、この領主さまの半分はお人好しで出来ていますから。」
「残りの半分は?」
「筋肉と脂肪ですかね。」
「俺はそんな愉快な脳筋キャラじゃないぜ。」


笑い声が店の一角で沸き起こる。

かれらはもう、ネールが魔物かどうかなど気にしていないようだった。


実際、ネールはユリアの分析通り、まだ世に出て間もない『アリス』という魔物。
お菓子作りが大好きな彼女は、一流のパティシエールを目指すべく
グレーテルの下で修行するために危険を承知でこの街に入ってきたのだ。
いつかばれてしまうかもしれない。そう思いつつも、菓子作りの情熱は失わなかった。
人魔分け隔てなく美味しいお菓子を食べられるように、ネールは修行の日々を送る。

この十数年後、ネールは魔物界屈指のパティシエールとして
スイーツの世界にその名を刻むことになる。




「本当によろしいのですかケルゼン様?」
「なーに、最近金を使う機会がなくてな。たまには散財しておかないとつまらん。」
「ごちそうさまですケルゼン様!」
「私も、お言葉に甘えさせていただきます。」


結局エルとユリア、それにフィーネはケルゼンにおごってもらった。
他人におごるという風習があまりないユリスでは珍しい光景だ。


「さてエル。もう帰るのか?」
「はい…故郷を離れるのは名残惜しいですが、これ以上本陣を空けるわけにはいきません。」
「大変だね、にいさん。私も早くにいさんの役に立てるように頑張るから、待っててね!」
「ああ、期待してるぞ。」
「では私達は再びアネットに戻ります、お二人とも元気でいてくださいね。」
「そっちこそ、変なところでくたばるんじゃないぞ!」
「行ってまいりますケルゼン様。次に会う時まで……」




ヒュウウウゥゥゥン




「行ったか。次会う時がヴァルハラじゃなけりゃいいんだが。」
「ケルゼン様、私ももう帰りますね!お疲れさまでしたー!」
「気をつけて帰れよフィーネ!」

フィーネもそのまま家に帰って行く。



「ふふふ、しんみりした顔をしてらっしゃいますねケルゼン閣下。」
「マリー=ルイーゼ…お前は後頭部を見ただけで表情が分かるのか。」
「いえ、きっとしんみりした顔をしていらっしゃると思っただけです。」
「なんだよそれ。」

店の中から女将のマリー=ルイーゼが顔を出す。

「あーあ、私がもう少し若ければ、もしかしたら十字軍で活躍できたかもしれないのに。
今では私もすっかりおとなしいおばさんになっちゃったわね。」
「気にするな。熟女には熟女の魅力があるもんだ。」
「どんな魅力かはこの際聞きませんわよ。」
「それに、俺だって領主じゃなければ十字軍の将軍になってアルトリアを目指してみたかった。
しっかし何を間違ったか、こうして選挙によって領主に選ばれちまったからな。」


かつては冒険者として一線で活躍していた二人。
しかし今は、平穏な世界でお互いの仕事をこなす日々が続く。
不要な肉が付き、戦いの勘も鈍り、刺激にかける日常。
平和な世界に飽きて、不要な戦いを求める人の気持ちが今なら分かる気もする。


「でも、私達は方法は違えどみんな同じ目的で働いているのですから。」
「ん?そりゃどういう意味だ?」
「エルさんも…天使様も…ケルゼン様も…私も…
頼ってくれる人々の幸せと笑顔のために、一生懸命になってるでしょう。
グレーテルさんのお弟子さんも、きっとたくさんの笑顔を見たいから
身の危険を承知で毎日頑張っていると思いますわ。」
「その哲学的なところも相変わらずだな。さて、俺もそろそろ家に戻ろう。
今日は久しぶりに美味い酒が飲めた。ぐっすり眠れるだろう。」
「ええ、おやすみなさい。またいつでも飲みにいらしてくださいね。」


領主ケルゼンも、帰途の夜道を進んでいった。
















コンコンッ

「ファーリル、まだ起きてるか?」
「あれエルじゃん。もう戻ってきたの。」
「はい、ただ今戻りました。」

アネットに戻ったエルとユリアは、ファーリルの部屋を訪ねる。
すでに十二の刻(午後十時くらい)ではあるが、寝るにはまだ早い時間だ。

「ほれ、お土産を買ってきてやったぞ。ありがたく食え。」
「なんとね、わざわざ保冷石を入れて持ってきてくれたんだね。
カーターもユニースも今はいないから、僕だけで独り占めしちゃおっと。」
「カーターさんには内緒にしておきますね。」


カーターとユニースは現在、カンパネルラ地方の安定のために各地を駆け回っている最中だ。
非常事態がない限りは一週間は戻ってこないものと思われる。

早速ファーリルは夜食の用意を整えて、新作ケーキを頬張る。

「うん!いいね!このふわふわのスポンジの上に広がる苔苺の甘酸っぱさ!
それとこっちは…アップルパイの様でアップルパイじゃない…ちょっと生地が薄い?」
「ああ、お前が今食べてるのは『アプフェルシュトゥルーデル』っていうらしい。
グレーテルさんのお弟子さんが考案した菓子だそうだ。すごいだろう。」
「へぇ〜、これをお弟子さんがねぇ……、あ、そう言えばエル
実はねグレーテルさんのお弟子さんの一人に魔物娘がいるって知ってた?」
「ファーリルさんはご存じだったのですね。私達は今日知りました。
それに、この菓子はその魔物娘…ネールさんが作ったんですよ。」
「おっ、そうなんですか!なるほどなるほど…その娘は将来が楽しみだね。
グレーテルさんの技術をぜひ世界に広めてほしいな。」
「そうですね!私も期待してしまいます。」
「しかし…」


ここで、ファーリルの表情が少し曇る。


「今回はパティシエールの技術でしたからまだ良かったと思います。
ですが、ロンドネルは原則的に魔物の長期滞在を認めてはいません。」
「ええ、反魔物国ですから当然でしょう。」
「いえいえ、ユリアさん。他人事ではありませんよ。
本来ならロンドネルの街はエンジェルやエルフと言った『人間以外』に対して
強力な立ち入り禁止権限を掛けなければならないところなのです。」
「…っ!!人間…以外…」
「まあ牛とか馬とか犬なんかは除外しますが、ユリアさんには少し御話ししておきましょう。
我々の故郷ロンドネルには、実はとんでもない『重要物』が保管されているのです。」
「……詳しく聞かせて下さい。」
「ロンドネルに保管されている重要物。それは『アルトリアの財宝』と私達は呼んでいます。」
「財宝…ですか。」
「アルトリアの財宝には三種類あります。書籍・技術・そして血統……
ここだけの話ですが、ロンドネル大図書館には地下深くまで書庫が作られています。
そこには、魔物の手に渡ってしまうと極めて危険な技術などが記されていたり、
伝説の禁呪魔道書が納められていたりします。セプテントリオンもその一つですね。」

机の上には、厳重な封がされたグリモワールが置かれている。
ファーリルのみが使える対軍魔法…セプテントリオンだ。

「そしてロンドネルに住む市民たち。彼らもまた、魔物に渡してはならない重要な『財宝』…
彼らはもともとアルトリアが誇る精鋭の中核をなしていた者たちの子孫にあたります。
時がたつにつれてその効果はだいぶ薄くなってきていますが、それでもまだエルみたいに
凄まじい能力を持ったものが生まれてきます。」
「つまり、持ち出されるとまずい…ということですね。」


不安。ユリアの心に不安が広がり始めた。

自分は本当は望まれない存在なのではないか…と。

だが…


「もっとも、ユリアさんならもう大歓迎ですよ!美人だし優しいし下心もないし!
そんなに硬く考えなくても、めったなことでは大惨事になりませんから
あまり昔の人たちの考えに固執しないでくださいね!」
「そうですよ、ユリアさん。むしろ今では、ユリアさんがいてくれなければ
俺もファーリルも、そして兵士やロンドネル市民も困ってしまいますから。」
「エルさん…ファーリルさん…」


まるでユリアの心を見透かしたように、二人のフォローが入る。
これだけで不安が徐々に消えていくから不思議だ。


「むしろ、ユリアさんがエルの子供を産んであげれば
呪われたアル婆さんの血から解放されていいんじゃないかな。」
「こ……子供!?」
「ファーリル…めったなこと言うもんじゃないぞ。」



ユリアはここ2年の滞在で、ロンドネルのことをほとんど知った気になっていたが
どうやら彼女の知らないところに、闇の部分が根付いているようだった。

ロンドネルが、旧王国の呪縛から解放されるのはいつの日か……

11/05/31 23:53 up

登場人物評


グレーテル パティシエール―Lv

老舗菓子店『セプテット・シュプレヒコール』店長にしてユリス一のパティシエール。
外見も性格も子供っぽい。ほぼ遊び感覚で菓子作りをしている天才肌。

マリー=ルイーゼ 女将―Lv
         引退前…アルケミスト23Lv
魚料理店『真銀の蕀魚亭』の女将。元錬金術師の冒険者。錬金術の応用で料理をする。
もうそろそろ50歳をむかえるが、そうは見えない。ロンドネルの女性は何気に若造り。

ネール パティシエール―Lv

見習パティシエの女の子。何事にも一生懸命尽くすタイプ。弟子歴三年で新商品開発。
正体はアリスという魔物娘。命の危険を覚悟で反魔物都市に潜り込んでいる。
時折自分が魔物であることを忘れそうになるくらい人間社会に溶け込んでいる。





ケルゼン「久しぶりの出番だ!やっほーい!テンションあがってきた―!
さてさて、久々のロンドネルの街の風景はどうだっただろうか。
反魔物都市は教団のアホな教えがゴテゴテはびこっていて辛気臭いイメージがあるが、
我がロンドネルの街は違う!平和で活気に満ちあふれた大都市なのだ!
立ち並ぶ飲食店!巨大な図書館!行きかう交易の品!かっこいい軍隊!
まさに理想の都市だろう!人間にだってこれくらいできるんだ!
ただ、ファーリルが話していた通りこの街には俺ですら手出しできない『禁忌』もある。
この都市で人と魔物が共存できる日は来るんだろうか?俺も分からん。

だが!!繰り返すが!いい街であることには変わりは無い!
ロンドネルについてもっと知りたい奴は、
ラジオ『スーパークレールヘンシスターズ』を読んでみてくれ!
通貨の話や、飲食店の詳しいプロフィールなんかも知ることが出来るぞ!
よろしくな!

さて…次回の出番はいつになるだろうか。不安だ…テンション下がる。帰って寝よう。」

バーソロミュ
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