連載小説
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第一章 上下する気持ち
 ご夫婦の愛と絆は、永遠の輝きを放つ尊きもの。

 ……とは言え、時には引いたり、驚いたり、半泣きになったりすることもあり。

 人間さんも魔物さんも、命と気持ちで出来ています。

 だから時々、『すごいこと』が起こってしまうのです。


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≪ 質問 : 1  奥さんに「お願いだからやめて!」と言いたいことは何ですか? ≫

・ホルスタウロスを妻に持つ男性
「最近、健康作りのために持久走を始めました。妻も応援してくれているのですが、『給水所ですよ〜』と言いながら、コースの途中、人目につかない所で乳を放り出して待ち構えるのはやめて欲しいです。いや、そりゃ色んな意味でハァハァ言いながらむしゃぶりつきますけどね」

・メドゥーサを妻に持つ男性
「夢の中で、僕が見知らぬ女性と親しげに語り合っていた……という理由で夜中に叩き起こされ、説教されることがあります。これ以上ないほどの無実の罪です。まぁ、彼女のそういう所も可愛いのですが」

・マンティスを妻に持つ男性
「狩った猪や鹿の解体作業中、切り落とした獲物の頭をおもむろに抱え上げて、僕を追い掛け回すんです。頭からは血がポタポタ滴ってるし、嫁さんの体には返り血がついてるしで、本気で怖いんです。でも、その時の嫁さんは、明らかに楽しそうな顔をしてるんですよねぇ」

・提灯おばけを妻に持つ男性
「古くなった物を捨てようとすると、『あぁ……無念の声が聞こえるよぉ』って呟くんですよね。本人は冗談のつもりらしいのですが、迫力と説得力がものすごくて、毎回凍りついてしまいます。ちょっと勘弁して欲しいです」

・サハギンを妻に持つ男性
「脱皮の時期になると、他の魔物さんの求めに応じて脱いだ鱗をプレゼントしてあげるのですが、自宅まで脱皮後の真っ裸状態で帰って来るんですよね。私が驚きの声を上げても、本人は『何が?』みたいな顔してますし。う〜ん、どうにかならないもんでしょうか」

・グールを妻に持つ男性
「最近は歯型に加えて、キスマークをつける楽しさに目覚めてしまったようで……。あっちをチューチュー、こっちをチューチュー吸われています。で、またそれが結構気持ち良くて、振り払えないんですよねぇ」

・ラージマウスを妻に持つ男性
「ブルーチーズを食べた後にディープキスをされるのは、非常に辛いです。もう何と言うか、嗅覚に対する暴力行為という感じで。奥さん本人はケロっとしてるんですけど、ホント勘弁……」

・アオオニを妻に持つ男性
「実はうちの奥さん、臨月なんです。でも、酒量には全く変化がありません。人間にとって妊娠中の飲酒はご法度ですが、オニには何の問題も無いらしく。とは言え、頭でそう理解できていても、目の前でグビグビいかれると、やっぱりヒヤ〜っとしちゃうんですよねぇ」

・刑部狸を妻に持つ男性
「『♪たぁ〜ん たぁ〜ん 狸のドキン○マぁ〜 かぁ〜ぜもなぁ〜いのに ぶぅ〜らぶぅらぁ〜♪』。お風呂に入るたび、オペラ歌手顔負けの美声で歌うんです。気分が乗っている時は、三番まで歌うんです。ご近所の評判になっちゃって、ちょっと恥ずかしいんです……」

・ベルゼブブを妻に持つ男性
「こちらが脱ぎ捨てたシャツを拾い上げ、顔を埋め、スーハークンカクンカし、しばらく静止した後プルプル震え始め、何かが壊れたかのように『ヒャッハー! 新鮮な夫だぜぇっ!』と叫びながら襲い掛かって来るのは、そろそろ止めていただきたいのですが」


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≪ 質問 : 2  奥さんとの日常の中でやってしまった、思わぬ失敗を教えて下さい ≫

・大百足を妻に持つ男性
「豪快にくしゃみをした所、唾やら何やらが彼女に直撃してしまいまして。結果、毒腺が刺激された彼女が『ふぅわあぁぁ……!』と悶え始める結果に。とりあえず、お詫びも兼ねて抱かれることにいたしました。はい」

・ウンディーネを妻に持つ男性
「近所に住むジパング出身のお爺ちゃんの真似をして、くしゃみの後に『てやんでぃ、バカ野朗!』と言ってみた所、妻が『イヤっ! そんなこと仰らないで!』と取り乱しながら飛びかかってきました。いや、あの、これは罵倒の言葉とか、そういうんじゃないんだけど……」

・ネレイスを妻に持つ男性
「一人で実家に帰省した後、美味しいと評判のお店で栗のムースケーキを購入。で、愛する奥さんが待つ家へ戻るため、ザブーンと海に飛び込んだら……ムース、全て溶け出して消滅。『そういう天然な所も好きよ』という嫁の慰めが心に刺さっちゃって、悲しいやら情けないやら」

・グリズリーを妻に持つ男性
「染みこんだ蜜の匂いで暴走しないよう、試しに妻の右腕を袋で包んでみました。効果はそれなりにあったのですが、夜、入浴前に袋を外した所……体温で暖められ、濃縮された一日分の匂いが溢れ出しまして。結局、普段の三倍くらいの勢いで襲われました。上手くいかんもんですね」

・フェアリーを妻に持つ男性
「うちの嫁は、僕の頭の上で昼寝をするのが大好きです。そして僕も、休みの日に昼寝をするのが大好きです。なので、二人してグースカ寝ていたら……額からは、嫁のよだれがツ〜。自分の口からは、自前のよだれがダラ〜。正直、人様にはお見せできない惨状でしたね」

・デビルバクを妻に持つ男性
「家に鼠が出たので捕獲・退治用のトリモチを仕掛けたら、見事に嫁と娘たちが引っかかりました。その後、何度気をつけるよう注意しても盛大に引っかかりまくるので、ついには鼠退治を諦めました。それにしても、何故に自分から引っかかりに行くんでしょうか」

・ダークプリーストを妻に持つ男性
「嫁の誕生日にて。プレゼントと共に『今日一日は、俺を好きにして良いよ』と伝えたら、そのまま万魔殿へ連れて行かれました。ほら、あそこって時間の流れが止まってるでしょ? だから、【エンドレス今日一日状態】なんですよ。結局、二ヶ月間くらいエロエロされっぱなしでした」

・ダークエンジェルを妻に持つ男性
「【心にグッとくるパンチラ・胸チラとは、どんなものであるのか?】というテーマで語り合い、ふと気づけば十五時間くらい経っていたことがあります。自分は一体何をしているんだろうと軽く自己嫌悪に陥りかけましたが、彼女が満足気に笑っていたので、まぁ良しとしましょうか」

・ぬれおなごを妻に持つ男性
「雨が続いて家の中がジメジメしていたので、強力な除湿剤を買って来た所、奥さんが若干乾いて元気をなくしてしまいました。『わたし、それ、きらいです……』と呟く奥さんに、一生懸命謝る結果となってしまいましたとさ」

・白蛇を妻に持つ男性
「ちょっとした会話の流れから、初恋の思い出話をすることになったのですが……調子に乗って、あれこれと話し過ぎてしまったんです。ふと気付いた時には、嫉妬に燃えてすっかり無表情になった妻が目の前に。その後の出来事は、恐ろしくて書けません」


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≪ 質問 : 3  奥さんとの生活の中で、危うく死にかけたことはありますか? ≫

・ワーキャットを妻に持つ男性
「一緒に寝ていた際、彼女が寝返りを打って僕の顔に掌の肉球をドン。結果、見事に息が出来なくなって、雄叫びとともに目覚めました。あれ、プニュプニュしてる分だけ顔の形にジャストフィットするから、危ないんですよ」

・サラマンダーを妻に持つ男性
「うちの嫁さんは、寝相が悪いんです。布団の中で百八十度回転なんて当たり前。で、目覚めたら自分の顔が嫁さんの『炎の尻尾』にくっついてて仰天。いや、別に火傷とかはしないんですけど、自分の顔がいきなり炎の中にあったら驚きますよぉ〜?」

・ホブゴブリンを妻に持つ男性
「眠る嫁にガッチリと抱きしめられる、のは別に構わないんです。ただ、その時にこちらの顔が胸に埋まった状態だと、軽く酸欠になるんです。柔らかくていい匂いなのは最高ですけど、さすがに呼吸ができないと死んじゃいますからね」

・スキュラを妻に持つ男性
「カミさんが寝ている間に、お股を覗こうとしたんです。いや、営みの最中は、いつも全身をがっちりホールドされてるもんだから、足の付け根と大切な所の状態を確認したくて。結果は、まぁ……途中で気づかれて、怒られて、そのまま絞られましたけどね。当然、エロス的な意味で」

・ノームを妻に持つ男性
「【あっちむいてホイ】というジパングの遊びは、危険極まりないゲームですね。ほら、ノームって手が大きいでしょう? 対決の速度と興奮が高まってくると、彼女がその手を僕の眼前でブンブン振り回すもんだから、恐ろしいったらありゃしない。あれは、ちょっと失敗でした」

・ギルタブリルを妻に持つ男性
「うつぶせになって眠る妻は、生き倒れた旅人のようです。仰向けになって眠る妻は、力尽きた蠍のようです。正直、どちらもちょっとユーモラスなのですが……うっかり笑うと、怒りの一撃が飛んできます。一度それで、大変なことになりました。気をつけましょう」

・アカオニを妻に持つ男性
「うちのカミさんは、酒が大好き。市販のモノでは飽き足らず、ここ数年はオリジナルカクテル作りに余念がありません。ただ、それが強烈な代物なんですよ。【男殺し】・【記憶飛ばし】・【匙投げ】・【旦那まわし】といった名前だけでも、僕がどんな目に遭っているかご理解頂けるかと」

・メドゥーサを妻に持つ男性
「営みの最中、気持ちが最高潮に達した妻は、私の首筋を噛むんです。ただそれだけならば我慢できるのですが、頭の蛇さん達も一斉に噛み付いてくるんです。その様子を客観的に眺めたら、それはそれは恐ろしい光景になっていると思います」

・ワーラビットを妻に持つ男性
「嫁さんとケンカした次の日。職場で弁当の蓋を開けたら、とてつもなくリアルな男性器の形に彫刻されたニンジンが入っていました。しかもそれを同僚に見られて、『お前んとこの奥さん、ハンパねぇな』と恐れ慄かれてしまいました。驚きと恥ずかしさで、死ぬかと思いましたよ」

・サキュバスを妻に持つ男性
「出会って間もない頃、一晩中激しく愛し合った末に朝を迎えたら……彼女が、こう言ったんです。『それじゃあ、準備運動はおしまいね。そろそろ本番いってみましょうか!』。薄れ行く意識の中で、サキュバスさんと結婚するとは、つまりこういうことなのかと理解しましたね……」


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≪ 質問 : 4
  奥さんとの生活の中で、思わず「マジで!?」と叫んでしまった瞬間を教えて下さい ≫

・ミノタウロスを妻に持つ男性
「魔物さんと結婚した男性に恐れられている恐怖の品物:【YES−YES枕】。それがついに、我が家にもやって来てしまいました。寝室に置かれているそれを見た瞬間、大きな声で『マジでっ!?』と叫んでしまいましたね。奥さんは、満足そうにニヤ〜っと笑ってましたけど」

・サキュバスを妻に持つ男性
「最近、【YES−YES枕】の改良版が発売されたことをご存じですか? うちのようなサキュバス種の魔物さんたちのために開発された、その名も《YES!−もっとYES!枕》。ただでさえ拒否権消滅アイテムなのに、さらにパワーアップしやがりましたよ。考えついたの誰だっ!」

・アークインプを妻に持つ男性
「嫁がインプからアークインプへと変異した瞬間、どこからともなくファンファーレと『おでとう! インプは、アークインプへ進化した!』というアナウンスが聞こえて来まして。驚いてキョロキョロしちゃったんですけど、結局あれは何だったんでしょう?」

・ミミックを妻に持つ男性
「出会った日のこと。職場から帰宅すると、テーブルの上に見慣れぬ宝箱がド〜ンと鎮座していました。おい、マジでか……と思いながら蓋を開けると、『じゃ〜ん! ミミックちゃんでしたぁ!』と彼女登場。薄々気付いてたよぉぉぉと叫びながら、そのまま襲われましたねぇ」

・ハニービーを妻に持つ男性
「去年の春、嫁さんがアルラウネ花粉症にかかりました。何と言うか、アイデンティティの危機ですよね。本人も困っていましたが、発症してしまったものは仕方がないので、二人で延々と営み倒してみました。グチャグチャのヌチョヌチョでしたけど、気持よかったです」

・河童を妻に持つ男性
「愛し合っている最中、ふとイタズラ心を起こして、妻の大切な所にキュウリを挿入してみました。結果、『キュウリで遊ぶ奴は、七代祟られるぞ!』と死ぬほど怒られました。普段からキュウリをペロペロしていますが、『それはそれ! これはこれ!』だそうです。不条理だ」

・魔女を妻に持つ男性
「魔女といえば、箒に跨って飛ぶ姿が有名ですよね。そこで、【箒以外の物でも飛べるのか?】という実験を行なってみたところ、スープをすくう“お玉”での飛行に成功しました。妻も目を丸くして、『と、飛べちゃったよ!?』と驚いてましたね」

・スケルトンを妻に持つ男性
「妻が、ポソっと呟いたんです。『私の骨の継ぎ目から、パイナップルみたいな匂いがする』と。だから、そんな訳は無いでしょ〜なんて笑いつつ、匂いを嗅いでみたら……う〜ん、パイナポー! これって、うちの妻だけなんでしょうか? 他のお宅では、どんな感じになってますか?」

・ワーウルフを妻に持つ男性
「遠吠えって、出来る? もちろん出来るさ。 そんなやり取りの後、カミさんが本気で遠吠えをしたら、近所の犬が一匹残らず呼応するわ、コウモリが集まってくるわ、町内会長さんに怒られるわの大騒ぎ。すごいぜ、ワーウルフ!」

・龍を妻に持つ男性
「朝起きると、奥さんがご機嫌ナナメ。理由を訊いたら、『寝ぼけた旦那様が私の角をガッと両手で掴んで、「発進!」と叫んだんですよ。覚えていらっしゃらないのですか?』との返答が。うん、あの……ごめん。前々から掴みやすそうだなぁとは思ってたけど、ごめん」


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≪ 質問 : 5
  奥さんの言動に引いてしまった、もしくは奥さんを引かせてしまった、
  そんな思い出を教えて下さい ≫

・ユニコーンを妻に持つ男性
「私の妻は、非の打ち所が無い良妻賢母なのですが……唯一、寝相が悪いんです。『えっ、君の体はそんなに曲がるの!?』と訊きたくなるくらいの姿で、股もパカーンと開いちゃってて。普段とのギャップが凄すぎて、時々真剣に悩みます」

・リャナンシーを妻に持つ男性
「文章作成に関しては、それなりに自信があります。しかし、絵は全く描けません。以前、彼女の求めに応じて猫を描いてみたことがあるのですが、そりゃもうドン引きされました。新種のクリーチャーですか、とか言われちゃって……うぅ」

・クノイチを妻に持つ男性
「ふとした物事の弾みから、ギルタブリルさんと【だるまさんが転んだ対決】をする事になりまして。僕が木の前に立って『だるまさんが〜転んだ〜』を言う役になったのですが、忍と暗殺者が同時に近寄って来るのは、洒落にならないほど恐ろしかったです。もう二度とやらないぞ」

・ジョロウグモを妻に持つ男性
「良き妻の表情で朝食の準備を整えながら、夜に使うエロスグッズの整備をしている姿を見た時、ですね。もともと二面性がある魔物さんですし、そこがまた魅力でもあるのですが、何もこっちが見ている前で同時進行しなくても……いや、僕もまぁエロスは嫌いじゃないですけどね」

・カリュブディスを妻に持つ男性
「愛の巣で僕達夫婦が営んでいると、顔なじみのスキュラさん達が覗きに来ることがしばしばありまして。ちょっとヤだなぁと思っていたら、ある日突然、妻がキレました。『きさぁんら、大概にしとけやっ! くらぁすぞコラぁぁっ!!』と。あの時はもう、色々と縮み上がりましたね」

・デュラハンを妻に持つ男性
「愛用の鎧や兜を脱ぐ → その匂いをそ〜っと嗅ぐ → 『臭っ!』と叫んでのけぞる → その拍子に首が外れる → 装備を外しているから身軽 → すごい勢いで全裸になって飛びかかって来る……というコンボを、ほぼ毎週食らっています。何とかならんもんでしょうか」

・ホーネットを妻に持つ男性
「僕らの出会いは、最悪でした。その時僕は、森の中でフィールド・ウンチョス(略して野○)の最中だったんです。で、そこに偶然、彼女が通りかかって。いつも強気なホーネットである彼女が、『あ……ごめん』と普通に謝りましたからね。何で結婚まで到達できたのか、未だに不思議です」

・オークを妻に持つ男性
「そんなに食べたら、明日以降大変だよと言ったのに、香辛料たっぷりの激辛料理をバクバク食べた嫁。案の定、翌日トイレから『ダーリィィン! お、お尻から花が咲きそうですぅぅぅ!』という悲痛な叫び声が。な? 旦那の忠告は素直に聞いとくもんだろ?」

・ゾンビを妻に持つ男性
「嫁がくしゃみをするのと同時に、右腕がボロっと取れました。あまりの出来事に硬直していると、『あぁ〜、大丈夫大丈夫。えっちな事してくれたら、またくっつく』と言って、そのまま三回戦。すると、本当に元通りに治りました。ゾンビの肉体には、謎と神秘が詰まっています」

・バフォメットを妻に持つ男性
「うちの奥様の《アヘ顔ダブルピース》は、どう見ても【暗殺大成功、イエ〜イ】という表情です。というか、魔女さん達に最近の流行りだと教えられたからといって、実際に営みの最中に試さなくても。ビックリして、若干萎えましたよ」


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≪ 質問 : 6  奥さんに「惚れ直したぜっ!」と思った瞬間を教えて下さい ≫

・ドワーフを妻に持つ男性
「街で泣いていた迷子の女の子に明るく話しかけ、上手になだめながら親御さんの所まで連れて行ってあげる、というその一連の行動に、胸がキュンとなりました。ついでに言うと、その迷子の女の子と彼女の背丈が殆ど変わらない所にも、キュンとしてしまいました」

・刑部狸を妻に持つ男性
「同じ品物を嫌味な金持には超高額で巧みに売りつけ、慎ましい生活をしている人にはダダ同然で譲ってあげる。そんな姿を見た時ですね。その後の、『商売ってのは、こういうもんさ』というセリフも最高でした」

・ガーゴイルを妻に持つ男性
「『一度でいい。太陽の下で、お前と手をつないで歩いてみたい』。ある満月の夜、いつも強気な彼女がポツリと漏らした言葉。私は、何だか胸がいっぱいになってしまって、ただただ彼女を強く抱きしめることしか出来ませんでした」

・ドッペルゲンガーを妻に持つ男性
「わたわたと慣れない様子で台所に立ち、僕のためにご飯を作ってくれている姿は、正直たまりません。地味な黒い服に、明るい色のエプロンをしているところが、また……。本当、彼女の真の姿に恋をして良かったと思いますよ」

・ハーピーを妻に持つ男性
「発情期になって、俺を婿さんにするんなら、いきなり襲わずにうちの玄関から入って来いよ……そんな冗談を律儀に守った彼女にクラクラっと来て、自分は結婚を決めたんです。頬を桜色に染めて『来ちゃった』と呟いたあの表情は、生涯忘れません」

・アヌビスを妻に持つ男性
「僕らが暮らす遺跡では月に一度、外敵の侵入・自然災害・急病人の発生など、様々な事態を想定した訓練を実施しています。で、その陣頭指揮を執っているのが妻なのですが、これがまた凛としてて素敵なんです。毎回毎回、惚れ直してますね!」

・アマゾネスを妻に持つ男性
「街で流れ者の厄介な連中に絡まれているユニコーンさんを、妻が格好良く助けたんです。一対五の状況だったのですが、凄みながら武器を抜いた相手を瞬く間にブチのめし、自警団に引き渡したんですよ。いやぁもう、最高に惚れ直しましたね!!」

・オーガを妻に持つ男性
「うちの嫁は、奇跡のオーガです。何故ならば、酒を呑んで酔っ払うと奥ゆかしく、しおらしくなる【乙女上戸】だから。いつもの豪快無比な言動はすっかり消え失せ、ポっと頬を染めながら寄り添ってくるんですよ。もうね、本当、辛抱タマランですよ」

・稲荷を妻に持つ男性
「ジパングの巫女装束に身を包んで、華麗な舞を披露してくれた時でしょうか。もう本当、とてつもない神々しさでした! ……ちなみに、その日の夜はその衣装で【巫女さんプレイ】でしたけどね。もちろん」

・ウシオニを妻に持つ男性
「父が亡くなったという知らせを受けた日、妻は何も言わず私を背中に乗せ、景色の良い山頂へ連れて行ってくれました。そして、ポロポロと涙を流す私を、静かに抱きしめ続けてくれたのです。ウシオニは、ただ凶暴なだけの魔物ではないと、この場を借りてお伝えしたいですね」


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≪ 質問 : 7  では逆に、奥さんに「惚れ直したわっ!」と言われた瞬間を教えて下さい ≫

・オークを妻に持つ男性
「自宅で仕事関連の資料に目を通していた時のこと。少し難しい内容だったので、眉間に皺を寄せて集中していたら、妻がそんな僕の顔をじっと見つめて一言。『ご主人様の集中顔……もう、濡れ濡れです』。えぇ。そのまま押し倒されて、朝までコースですよ」

・ミミックを妻に持つ男性
「いやぁ、俺には嫁さんがいるからさ。悲しませたり、心配させたりするようなことは、絶対にしないって決めてるんだよ……と、悪友からの夜遊びの誘いを断った時のこと。彼女は、どこかの箱からその様子を見ていたらしく、帰宅するなり『大好きっ!』と抱きつかれてしまいました」

・リザードマンを妻に持つ男性
「僕は『偏食』という言葉とは無縁の人間です。ですから、奥さんが作ってくれる手料理も、三食全てをモリモリと美味しくいただいています。で、奥さん曰く『あなたの食べっぷりは、いつ見ても最高だ。妻として、こんなに嬉しいことはない』、と。いやぁ〜、褒められちゃいました」

・デュラハンを妻に持つ男性
「街で急に体調を崩し、動けなくなっているお年寄りを救護した時のこと。これでも医師の端くれとして、当然のことをしたまでなのですが、妻は穏やかに微笑んで『君を誇りに思うよ』と言ってくれました。いや、嬉しいやら恥ずかしいやら、です」

・ピクシーを妻に持つ男性
「魔力によって、初めて妻と同じ大きさに変えられた夜。驚きもせず、騒ぎもぜず、平然としている私に、妻は『平気なの?』と問いました。だから私は、『もちろん。これで君と平等に愛し合えるんだから、最高さ』と答えました。その夜は、とても素敵な一夜になりました」

・ラミアを妻に持つ男性
「自分で言うのも何ですが、俺はヤキモチ焼きの情けない男なんですよ。でも、嫁さんはそんな俺の性格や性分が『好き!』らしいんですよね。こういうのも、似たもの夫婦が惹かれ合う理由ってやつなんですかね」

・ケサランパサランを妻に持つ男性
「冬が近づいて来たので、彼女のために服を作ってプレゼントしてあげました。すると、いつも以上に屈託なくニコ〜っと笑ってくれまして。そのまま愛の確認作業へとなだれ込み、とても幸せな気分になることが出来ました」

・ブラックハーピーを妻に持つ男性
「急な用事が入ってしまった妻に代わって、抱卵をした時のこと。勝手も要領もわからなかったので、とにかく卵=娘を抱き込み、スッポリと毛布をかぶって丸一日ジ〜っとしてました。後日、妻から、『あの時のアンタ、超いじらしくて可愛かったよ!』とお褒めの言葉を頂きました」

・ケンタウロスを妻に持つ男性
「妻の髪型を決めるのは、僕の仕事です。四人の妹達の髪を整えていた子供時代の経験が、思わぬ形で役に立っています。ちなみに、妻のお気に入りはシニヨンスタイル(シニヨンなら、僕は九パターンくらい作れます)。毎朝『ありがとう』の言葉と共に微笑む妻は、本当に美しいんですよ」

・アラクネを妻に持つ男性
「かつての私は、自他共に認める愛煙家でした。しかし、火が苦手なアラクネである彼女と出会って以来、煙草とは綺麗サッパリ縁を切りました。『やるじゃない……ありがと』という彼女の言葉が、私にとっての勲章です」


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≪ 質問 : 8  どんな時に夫婦のテンションが上がりますか? ≫

・グリズリーを妻に持つ男性
「僕の実家から新鮮な鮭が送られて来ると、夫婦のテンションが最高潮に達します。えぇ。夫婦揃って大好物なんですよ、鮭。ただ、奥さんが生でバリバリ頭から食おうとするのは、ちょっとやめて欲しいんですけどねぇ」

・ワーウルフを妻に持つ男性
「やっぱり満月の夜になると、僕も嫁さんもギラギラした状態になりますね。お互いにパパ〜ンと全裸になって、さぁ始めようぜって感じです。そして朝まで濃厚に愛し合った後、健闘を讃え合って深い眠りにつくんです。いやぁ〜、幸せ幸せ」

・ローパーを妻に持つ男性
「カミさんの触手にそれぞれ楽器を持たせてみたところ、それはそれは見事なアンサンブルとなりまして。私にはダンスの心得があるので、音に合わせて踊ってみたところ、カミさんもノリノリに。音楽って、素敵ですね」

・インプを妻に持つ男性
「男性としては珍しいかも知れませんが、僕は編み物が趣味なんです。なので、冬場に着る物は殆ど自作しています。もちろん、彼女が着る物も、全て僕の手作りです。僕が毛糸を触りだすと、『お! 今度は何を作るの?』とワクワクしながら訊いて来る彼女は、本当に可愛いんですよ」

・バイコーンを妻に持つ男性
「彼女が漆黒のストッキングとガーターベルトを装着したら、【今宵は二人きりでガンガン参りましょう】のサイン。それはドロドロの交わりであると共に、愛情に溢れた一対一の勝負でもあり。なるほど、今日は長い夜になりそうだ……と、気持ちが昂ぶります」

・ゴーストを妻に持つ男性
「彼女の妄想をシナリオに書き起こし、小道具も用意した上でそれを演じる……というイベントが、我が家における週に一度の重要行事です。彼女は鼻息が荒くなってくるし、僕も準備している間にノリノリになってきちゃうしで、もう大変。楽しすぎて、やめられません」

・ワーバットを妻に持つ男性
「明かりをつけたら、妻がオドオド。その可愛い姿に、僕が興奮。明かりを消したら、妻がギラギラ。本領発揮に、僕も興奮。要するに、僕たち夫婦は常にどちらかが出力全開状態なんです。楽しい毎日ですけど、あまり燃費は良くないですね」

・ゴーレムを妻に持つ男性
「すごくエッチになっちゃうルーン文字、というものを偶然に発見いたしまして。営みの際に時々それを書き込んで楽しんでいた所……嫁もその文字を気に入り、自力で入力して襲い掛かって来るようになってしまいました。いやはや、ゴーレムとは奥が深い魔物さんですね」

・アルラウネを妻に持つ男性
「冬が近づいてくると、二人共そわそわ、ドキドキしてしまいます。だって、花弁の中で愛する人と共に、一冬まるごと愛し合って過ごせるんですよ!! 冬というと、暗くて寒いイメージがあるかも知れませんが、僕達夫婦にとっては紛れも無い愛の季節なんです」

・アルプを妻に持つ男性
「一緒にストリップを見に行って、好みの踊り子さんが出て来ると、夫婦揃ってテンションが上がります。結婚前というか、彼女がまだ【彼】だった頃も、よくそんな風に遊びに行ってたんですよ。
ちなみに、僕らの好みは《巨乳・お姉さん風・ちょっと性格キツそう》系です」

・おおなめくじを妻に持つ男性
「最近だと、やっぱり娘関連ですかね。初めて『ま、マぁ〜マ? パ……パぁ〜パ?』と喋った時には、夫婦で大騒ぎでした。いつもの〜んびりしている妻が、『ふぉ、おおぉぉ!?』って大きな声を出したくらいですから」


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≪ 質問 : 9  一番最近の夫婦喧嘩、もしくはトラブルの理由と仲直り方法を教えて下さい ≫

・ネコマタを妻に持つ男性
理由:彼女がわざわざ猫に化けて、焼いていた魚を咥えて逃走したから
「彼女曰く、『いや、この状況なら、ネコマタとして行っとかなきゃダメでしょ!』。とりあえず裸足で追いかけて捕まえた後、こんこんと説教してやりましたよ。えぇ」

・ドラゴンを妻に持つ男性
理由:東方の龍さんには【逆鱗】があるらしいけど、君はどうなの……と訊いたから
「『そんなもの、ある訳ないだろう!』と怒られましたが、妙に臀部の下あたりを隠そうとするんですよね。とりあえずその場は謝って済ましましたが、近々調査してみようと思います」

・バイコーンを妻に持つ男性
理由:君の角って、チョコレートをかけた苺の切り身みたいだね……と言ったから
「すると彼女は怪しく微笑んで、『それではどうぞお召し上がり下さい』と。物腰はいつも通り淫靡で穏やかだったんですけど、目が笑ってなかったんですよねぇ……」

・狐火を妻に持つ男性
理由:彼女の火に、フライパンをかざしたから。
「いや、だって、目玉焼きくらいだったら焼けるかなぁって思ったんですもん。そしたら、予想以上に怒られてびっくりしたんですもん。チェッ、何さ何さ」

・狐憑きを妻に持つ男性
理由:夕食にたぬき蕎麦を作って出したから。
「『旦那様、これは一体どういうおつもりでございますか?』と、深く静かに怒られました。一応、こちらも反論してみたのですが、夫婦喧嘩というより、一方的なお説教という感じでしたね」

・コカトリスを妻に持つ男性
理由:緊縛プレイに挑戦しようとしたから
「一度完全に動けなくしてから愛し合ったら、お互いに新たな地平が開けるかと思ったんですけどねぇ。本気で嫌がられて泣かれちゃったから、平謝りする結果に終わりましたよ。残念」

・レッサーサキュバスを妻に持つ男性
理由:普通の【YES−NO枕】買って来て、寝室に置いたから
「たまには、NOの日も…… 対 YES以外は裏切りです、の戦い。結果はもちろん、妻の勝ち。いや、最後には泣かれちゃって、とてつもない罪悪感に苛まれたもので」

・サイクロプスを妻に持つ男性
理由:妻に目薬をさしてあげる際、『的がデカイなぁ』と呟いてしまったから
「私が普段使っている目薬に、妻が興味を持ったのです。なので、一度体験させてあげようとした際に、ポロリと。物静かな妻は怒りを背中で表現するので、結構恐ろしいのです」

・ダークエルフを妻に持つ男性
理由:娘の鞭使いを褒めたから
「あら、そんな生半可な鞭で喜ぶようになったの? ちょっと躾が緩んじゃったのかしら? ……と、妙に低い声で凄まれました。でも、正直アレはただの可愛いヤキモチだったんだと思います」

・インプを妻に持つ男性
理由:君とゴブリンだったら、どっちの胸が大きいのかな……と言ってしまったから
「額に青筋を浮かべながら『なぁ〜ん〜だぁ〜とぉ〜?』と振り返った彼女は、【悪魔型】の分類に違わぬ大迫力でした。その後はもう、本当にコッテリと絞られました。無論、性的な意味で」


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≪ 質問 : 10  日常の中で「幸せだなぁ」と感じる瞬間を教えて下さい ≫

・ケンタウロスを妻に持つ男性
「娘と一緒に泥んこになるまで遊んで帰宅すると、妻がクスクスと楽しそうに笑いながら出迎えてくれます。その笑顔を見ていると、自分自身の子供時代と両親の表情が思い出されて……。繰り返される幸せに、胸が熱くなってしまうのです」

・クイーンスライムを妻に持つ男性
「僕の弾くギターに合わせて、王国の皆が声をあわせて歌う。何だか音楽の先生になったような、楽団の指揮者になったような、とても不思議な気持ちです。でも、これがまた幸せで楽しいんですよねぇ」

・レッドスライムを妻に持つ男性
「美しい夕日に照らされて、キラキラと輝くカミさんと娘の後ろ姿を見た時、『この先、何があっても、自分はこの子達を守り抜いて行くんだ』と決意しました。優柔不断な私でも、愛する人のためなら頑張れるんです」

・ラージマウスを妻に持つ男性
「僕がつまらないダジャレを言うと、嫁や娘たちが集まって審議に入るんです。そして合格だと拍手が起こり、不合格だと顔面騎乗されて口をふさがれるんです。つくづく馬鹿みたいな事をやってるんですけど、これが我が家の恒例行事みたいなものなんですよねぇ〜」

・ワーシープを妻に持つ男性
「何の予定も入っていない休日の昼下がりに、素っ裸で抱き合って眠っていると、何と言うか……たまらないほどの幸福感に包まれるんです。あぁ、きっと自分たちは、こうするために生まれて来たんだろうなぁ、と」

・メロウを妻に持つ男性
「俺は情けない男だよ。君に話してあげられるような恋の経験なんて、ゼロなんだから。出会いの日、そう語った僕へ、彼女はにっこり笑ってこう言いました。『じゃあ、今日からい〜っぱい、思い出作ろっか!』。あの日から、僕はずっと切れ目なく、終わりなく、幸せです」

・ドワーフを妻に持つ男性
「お風呂上りにあれこれ色々なことを話しながら、彼女の長い髪を梳かしている時ですね。しみじみと、幸せだなぁ、特別なことなんて何もいらないよなぁ、と思います。その後、彼女を膝の上に乗せて一緒に晩酌するのも、大きな楽しみの一つです」

・ゴブリンを妻に持つ男性
「『♪巨乳好きはぁ〜チ○コもげろぉ〜 爆乳好きはぁ〜明日禿げろぉ〜♪』という、彼女作詞作曲の謎の歌を聞くたび、クスクスと笑ってしまいます。もうただそれだけの事なのですが、そういう何気ない事が、私にとっては愛しいのです」

・エルフを妻に持つ男性
「いつもは気高く凛としている妻ですが、二人きりの時は素の表情や言葉遣いが出るんです。例えば、プ〜っと可愛くむくれてみたり、『〜〜だもん!』と言ってみたり。そんな風にあるがままの彼女と触れ合えることが、最高の幸せなんですよ」

・エキドナを妻に持つ男性
「大きく膨らんだお腹を撫でながら、『何が出るかな♪ 何が出るかな♪』と無邪気に歌っている彼女を見ると、心底かわいいなぁと思ってしまいます。実際、どんな子が産まれて来てくれるのかわからない所も含めて、幸せです」
12/06/08 00:13更新 / 蓮華
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