連載小説
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1日目 遭遇 後編
・・・それはよくある話
俺はいつも通り氷砂糖を持って森を散歩していた
・・・え?想像できない?
じゃあ、あれだ、木の実ひろいにきたおっさんみたいなのを想像してもらえればいいや
とにかく、散歩しているうちに1人の猫を見た。
その子も図鑑で見た「チェシャ猫」だと言うのは容易に想像できた
その子は素早い動きで走り回った後、姿を消した
いや、消したっていっても多分見失っただけだよ?
そのときはなにも思わなかった。
せいぜい[あー、かわいいなー]程度で、
その後にこんなことになるとは微塵も考えていなかった
そして、ふと道に落ちていた[何か]を拾おうとした。はず
それで突然意識を失って、でもなんか引きずられる感じはあったな。
で、このザマだ。

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思い出してきたとともにのぼせてきたのでそろそろ風呂をでようかと思った
が、
「あっ」
問題があった
そう、風呂に飛び込んだは良いものの、体を拭くものと着替えがないのだ
「まずいな・・・」
このまま服を着たらまちがいなく風邪だろうし、だからと言って裸一貫のまま出たら
セラに襲われそうだし、
と思いながらもドアをあける
「・・・」
驚いた
だって・・・
鍵が掛け金(だっけ?)だったからだ!
わからない人にイメージ画像

しかも留め具が木製、
こんなの直ぐに破れるのでは?
と思いながら少しドアを開けて辺りを伺う
・・・
「おっ!」
バスタオル(柔らか目のピンク色)があった。
その近くには服もあった
「よし」
これ幸いとばかりに体を拭いて服を着る。
「・・・ん?」
なぜかいいにおいがする、魔法だろうか?
でも悪い気はしないのでそのまま着る。
そして廊下を見渡す。
光が漏れ出ている部屋がある。
「大丈夫か・・・?」
中でセラが[自重]でもしていたらそれこそピンチだ
襲われかねん
といっても空いている部屋がその一つ位しかみつからないので部屋に近づく
そしてドアを開ける
「んっ」
セラがいた
普通に料理をしていたが
「湯加減はどうだったかい?」
「ちょうど良かったよ」
砕けた感じに答える
「そろそろ出来るから向こうの部屋でまっていてくれ」
セラが隣の部屋を指して言う
「どうも」
返事を返して部屋へ向かい、ドアを開ける
「・・・え?」
そこは食堂、例にもれず豪華で、誰かがいた
誰かがいた
「・・・!」
むこうが気付く前にセラのところへ向かう
「どうした?」
「誰だあの人!?」
言葉遣いが一気に崩れる
「言っていなかったか?私の友達のヤコ、チェシャ猫だ」
「聞いてねぇ!」
気付かれないように戻っても大声を上げたら意味がない。
「この人が例の?」
後ろにいた。
背中に柔らかいものが当たるが、それよりもまず一つ
「例の」ってなんだ?
「そう、この人が例の人だよ」
「ちょっとストップ」
我慢できずに質問をする
「例の人ってなに?」
すると二人はポカンとした顔をして、
「自覚してないのかい?」
と、驚いたように言った
「え?」
これには疑問を返すしかなかった
「しょーがないにゃー」
チェシャ猫、もといヤコが
「ご飯を食べながら説明してあげるよ」
と、にやつきながら言った

                               


料理も豪華だった
なんかどっかの王族の食事なんじゃねぇのかっておもったわ
色は全体的にピンクだったのは置いといて、
「それじゃあ説明してあげよう」
ヤコが話を切り出した
「まず何から聞きたいのかな?」
と聞かれ、
「何故俺がここに呼ばれた?」
と、疑問におもっていたことを聞く
「直球だねぇ」
ヤコはにやつきながら言った
「君は、私が呼んだんだよ、とはいっても気絶させたのは私じゃないけどねぇ♪」
心底楽しそうに、ご飯を食べながら話す
(ちゃんと口の中を空にしてから話していた)
「君が見たのは私だよ、走り回って、落とし物をしたのも私、」
「でも君が聞きたいのはどうやってここに来たかではない」
混乱させるかのように話を続ける
「普通に言おうか、面倒くさいし、」
そして一気にシリアスな雰囲気を壊す。
説明をかって出た奴が面倒くさいって・・・
「私はある人に頼まれてきみをここによんだのだよ」
「ある人って誰だよ」
「それは私だが」
セラが間髪入れず言う
「マジ・・・?」
「マジだ、私がヤコに頼んで君をよんでもらった」
「何故」
「それはヤコg・・・」
「Zzz…」
セラがヤコの方を見てフリーズした、珍しい気がする
「しょうがない私が説明しよう」
結局セラが説明することになった
「まず、私が君を呼んだ理由だが、それは君に興味を覚えたからだ、この国から君のことは見ていた。」
「覗きなら訴えるぞぉ・・・」
おれのプライバシーはいずこへ…
「覗きではない、観察だ、とにかく君のどこに興味を覚えたかだ、君は何か心当たりがあるかな?」
心当たり・・・ないな、普通に生活してるつもりだったからな
「ないな」
正直に言う。
「そうか、じゃあ教えてあげよう、私は君の理性に興味を持ったのだ、理性で分からないのなら、精神力のようなものだ」
「ふぅん・・・」
相槌を入れる
「私は君の理性に興味を覚えた、故に君をここに呼んだ。」
「それはなぜだ」
「私が君を落としたくなったからだ、いや、堕としたくなった、でも良いかな」
「その違いは活字じゃないと分かりにくいと思うぞ」
てかそんな私情で呼ばれたのか俺は・・・
「これから君にはここで私と暮らしてもらう、いいね?」
「そうしなければいけないのならしょうがない」
こんな世界に一人で追い出されるよりはましだろうからな
「話が分かる人で良かったよ、それじゃあ・・・」
おもむろにセラはヤコを持ち上げた、お姫さまだっこで、
なんか様になるなこの絵・・・
燕尾服きた人がお姫さまだっこするとか、されるのは勘弁だが、
「ちょっとそこの鍋を開けてくれないか?」
言われてみると確かに鍋があった
何をする気だと思いつつ鍋の蓋を開けると、セラがヤコを鍋に放り込んだ
「・・・!?」
驚いて鍋の中を見たが、なにも入っていない。
「そこの鍋はヤコの家に通じている、魔法で繋げたんだ」
セラが説明する
「そろそろ眠る時間だ、さあ、眠ろう」
てっきりセラに添い寝を要求されるかと思ったが、セラは廊下に出ていった。
そしてあるドアの前でとまり、
「ここが君の部屋だ、ゆっくりするといい」
普通に通された。
部屋に入ると、
「ねぇ、タチ」
名前を突然呼ばれ、振り向くと
「ちゅっ」
キスされた、
「じゃあ、お休み」
ドアが閉められ、足音が遠くなった
「・・・」
唖然とするくらいしか出来なかったが、ふと気がつくと、布団に体を寝かせていた
そしていつの間にか意識がなくなっていた
最後に見たのは時計だった

はず


続く
15/10/10 21:50更新 / 甘党
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■作者メッセージ
どうも、甘党です。
1日目がようやっと終わりました。
次からものんびりかいていこうかと思ってます
雑な小説ですが気に入って頂けたら嬉しいです。
では!

氷砂糖がなかなか無くならない・・・

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