連載小説
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二人の出会った雨の夜
ずる、ずるっ、、ずりずり、、
「はあっ、はっ...ああっ」
傷だらけの体で、足を引きずって、
俺は暗い路地を彷徨う、
冷たい雨が降っていた、

俺は子供のころから両親に虐待を受けて育ってきた、
根性焼きとか、血が出るまで腹を蹴られたり、
いつからか、笑わなくなった、いつもしかめっ面をしていた、
今回はそれが災いした、

会社帰りに、チンピラに絡まれたのだ、
メリケンサックで殴られ、ナイフで顔を切られもした、
ああ、またか、と思った、
いつもこうだった、俺は.....

「はっ、ああっ、、ああーー..」
どさん、と道の隅の電柱の横に腰を下ろした
家まではまだ遠い、辺りに人影は見えない、
「....ふう」
ふと、空を仰いでみる、雨が顔に当たる、冷たい、、
目尻から、熱い筋が頬を伝った、
ああ、涙よ、
お前は雨にすっと溶けることができていいなあ、
俺はできない、人の群れに入り込むことは、
きっとまた追い出されるだろう、

「..そろそろ行くか」
地面に手をついて、立ち上がろうとしたとき、
「...?」
電柱の陰から、女の人が出てきた、
浴衣を着ていて、、綺麗な人、
...ただ、気になる点がひとつ、傘をさしていない
まあ自分の身は自分で守ってもらおう、ーー..
その人がこっちに近付いてくる、ゆっくりと、
そして、俺の隣にぺたん、としゃがんで
「あのう、、お寒いでしょう?、お風邪を引いてしまいますよ?」
「あー..大丈夫です、」
あんたこそ大丈夫かよっと、言葉にはしなかった、
「こんな青い顔をして..大丈夫ですか?」
あんたのほうがよっぽど青白ーって、
「うわっ?な、なにすっ..!いっ、、た」
彼女は手を伸ばし、俺の頬に触れた、驚く俺、
しかも口の横の傷口が、開いてしまった、赤いものが流れる、
「!大丈夫じゃないでしょう!さ、肩をお貸ししますので、」
俺の肩と背中に手を回して持ち上げようとする彼女、
足が自然と動いて、立ち上がる俺、ゆっくりと歩き始める、
俺を支える彼女の手は、ひんやりとしているけど、
どこか暖かくて、 気持ちいい...

しっかりと目的を持って動く足、
視界は、ぐらぐらと揺れている、
背中と肩には、
あの冷たいけど、暖かく優しい感覚があった、

がちゃ きいい、、ばたん

ぺた ぺた ぺたっ、

すーっ すすす、、


「...んー、んん....う」
「あっ、お目覚めになられました?よかった..」
顔にかかる息、さかさまに映るさっき見た顔、
俺は、、どうやら寝かされているみたいだ、
ちょっと横を向くと、畳が敷かれていることに気付いた、
和室..かな?というかここは何処だ?
そう彼女に問うと、
「私の家ですよ」と微笑んだ、綺麗な顔...
俺の着ていたスーツは脱がされ、紺色の浴衣を羽織っていた、
遠くで雨の音がきこえるなあ..っふあ、、はっ、、
「はっくしゅん!!」
「ひゃあ!お寒いのですか?あら、鼻水を垂らして..」
ぶるりと身震いをかますと、彼女は手を出してきて、
「!?っふが..?」
俺の鼻の穴にぴとっとくっつける、、
「はい、拭き取りましたよ♪」
不思議なことに、鼻水は消えてしまった、
「それから、お寒いのでしたらいってくださいね?」
少し心配そうな顔をする彼女、 次の瞬間
「さすれば、もっと早くこうしますのに...」

ぐじゅる、どろおっ..


「うっ!?うわあああーーー!!ああーー!?」
絶叫する俺、なぜならば彼女の下半身が、
どろどろと溶けてしまったからだ
「大丈夫、大丈夫..恐ろしいことは何一つございません..」
「ううっ、お前、、何者だ?」
そのまま溶けた体で俺を包み込む彼女、
「私は..ぬれおなごという妖怪にございます」
よ、妖怪..懐かしい言葉を聞いた.....
「まあ、特に問題などないでしょう?」
...言われてみればそうだ、彼女は俺を助けてくれた、

「あ..ああっ....あうっ!」
突然体をのけぞらせる俺、
彼女の体が、俺の秘部を浴衣の上から刺激してしまったからだ、
「あっ..もうこんな..///」
痛いくらい勃起する俺の陰茎、それに気付く彼女、
「あっ..あうう..///」赤くなる俺の顔、
「ふふ、可愛らしい..// 鎮めて差し上げますね..////」

...........

「はあ、はあ..ああ、、」
「ふわあ..///とっても美味しかったです..」
上気した顔で寝っころがる俺と、その上に乗っかる彼女、
なんと4回も果ててしまった、視界が眩む、
「あ、申し遅れました、私、道子と申します」
魔物に名前なんてあるのか、まあ呼ぶとき困らないからいいか、
「俺は幸助、宜しくな..」


俺は道子にすべてを話した、
なぜあんな怪我をしていたのか、
子供のころの語るのも辛い過去を、全て話した、
彼女は真剣な眼差しで聞いてくれていた、
「そうだったのですか..」
道子は、いきなり俺を抱きしめると、耳元で言った、
「もっと早く..お会いできれば..」
「え?」
そして少しだけ顔を話して、
「..可愛そうに、人と触れ合うことが怖かったのでしょう?」
「............」
「人を信じることが、恐ろしかったのでしょう?」
「...はあっ、ひっく..うっ、あっ..」
俺は泣いた、道子の腕の中で、
子共みたいに、子供の時できなかったことを今やるように、
「心の傷は治らなくとも、私たちの愛で忘れていきましょう..」
よしよし、と俺を撫でてくれた彼女、ああ、あったかい..
「っああ..ぐず...道子、」
「..はい」
「一緒に暮らそう、」
「 はい!」
俺達は、もう一度ひし、と抱き合い、キスを交わした、




雨はもうやんでいた、
遠くで、路上の弾き語りの歌が聞こえる、、、

..巡り合い 惹かれあい..

 幸せに なろうね って..

囁いて..この街の...

物語に なってゆく...

不器用な 恋の 記憶....


続く


13/01/01 17:56更新 / 酢飯
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■作者メッセージ
はい、こんにちは酢飯でございます、
前回投稿したものに、大きなミスがございまして..
再投稿いたしました、申し訳ございません、

挿絵を入れました、
下手な絵ですが、どうぞ見てやってください

挿入歌、
山下達郎 「街物語」

では、どうぞお体にお気をつけて

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