連載小説
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#02.5 もう猫じゃらしも怖くない
「………………」ぐいぐい

「…………」もふもふ

「………………」てしってしっ

「……コホン……あ、にゃ、にゃー……ケホッ、にゃーうー……」


地面に溜まった水溜りと睨み合う事数分。
傍から見ればさぞかし危ない人の行動に写ることだろう、でも私は怪しくない…と思いたい…。
痛くなるほど目を擦り、手(…だよね?)がふやけるほど水をバシャバシャしたにも関わらず、一向に水溜りに写りこむ光景は変わらない。

遥か古代の時代に作られた精密な石造りの通路の背後の壁に
全体重を圧しかけるようにして両手―――壁と同じ砂色の毛むくじゃら―――をつく。
できるだけ両手(と言うより自分の身体)を見ないように視線を天井へ泳がせながら
ずぶずぶと崩れるによう座り込んだ。
「………はぁ……」

正面に視線を戻すと、まるで本物の猫の様に毛むくじゃらになった両腕が膝を抱え込んでいた。
何時の間にか穿いていた金色と青色の縞模様のストッキングの様な物の下にも、腕と同じように砂色の毛並みが……。


「……どうして………どうしてこうにゃった……うぅ…。」グスッ




※ヤシの実のせいです。





壁際


(ああぁぁぁああぁぁぁぁっ♪涙目ノウンさま可愛いぃぃぃぃいいい耳ハミハミしたいぃぃぃぃいいい♪♪)
(お、落ちつ……いやあああああ尻尾ぱしぱししてるぅぅぅぅぅ耳ヘナれてるよぉぉぉぉぉ♪♪)

(部屋から逃げた後見つかってないと思ってるノウン様かわいい。)

(あれー?スフィンクス様はー?)

(自分で仕掛けた猫じゃらしトラップに引っかかってたよ……ふぅ)ツヤツヤ

(なるほどー、だから半分くらいしか居ないんだー……)

(さすがスフィンクス様だね。)(ねー。)

(…ちょっと見に行ってくるー。
泣き顔ノウン様も惜しいけどやっぱりスフィンクス様も捨てがたいのでー♪)

(いてらー♪)(らー♪食料庫の左辺りだよぅ。)


<アリガトー。ウンメイノー♪・・・・♪


(あかん幸子、それ爆死用BGMや)(Hyper Cast Off!!)



バクダン草「出番か」

<うわああああああああああああああぁぁぁぁぁぁあああああああああ!!



<誰か爆発したよー!!
<無茶しやがって・・・・・・・・。




(あぁもうガマンできない!!直接ペロペロしに行くよっ!!)
(ダ、だめ・・・そんな・・・直接なんてぇぇえ・・・・ってぁ!ノウン様が立った!!逃げられちゃう!)

(何!?・・・・その先には確かスフィンクス様捕獲用の猫じゃらしトラップが!!)

(ん・・・・?スフィンクス様捕獲用の・・・・・猫じゃらし・・・・)


((((ハッ!!))))


その時マミー達に電撃走るっ・・・・・!!!

(むふふふ・・・・♪)(ふふふ・・・・・・♪)(んふんふんふ♪)
(想像だけでご飯3杯はいけるね!!)(私は14杯くらいいけそう!!)

(でもノウン様ってスフィンクス様と違って知的そうだし・・・・引っかからないんじゃ?)
((何気にさらっと酷い事言うこのコ怖い))
(まぁもし引っかからなかったらスフィンクス様の天然が実証されるだk・・・・・)

(にゃーん♪)
(へ)



<そっこーまほー発動!!バーサーカーソウル!!
<アァァアー///

(出た!スフィンクス様のマジックコンボだ!!)
(まぁ包帯めくって尻尾でぺしぺしするだけだけど。)
(あ、あんなに・・・・・され・・・て・・・ぅらやましい・・・かも・・・・・・///)




(私のターン!手札からインゼクター・ダンゼルを・・・・・)

(ウェヒヒ、連鎖除外)ピラッ

(えー・・・・・・・・)







ふよんふよん

「・・・・・・」

ふよっ・・・・・ふよよん

「・・・・・・」


猫じゃらし「」ふいーん。ふよよよよ



猫じゃらしが天井から吊られてるのを罠と本気で勘違いした・・・・・・・。私って、ホント馬鹿。
って何で猫じゃらしが通路のど真ん中に存在してるの?
こんなの絶対おかしいよ。馬鹿なの?死ぬの?

「・・・・・・・いや、もしかしたら引っ張ったら落とし穴とか・・・・・」

いやでも何で猫じゃらしって話になるよね。
もしかすると、あの(無駄に)テンションが高いスフィンクスを捕獲するための装置だろうか?

スフィンクス・・・・はっ、そうだった、今は私もあの子と同じスフィンクスになっちゃってるんだ・・・・・。
と言うことはもしかしたら今の私は猫じゃらしを・・・・・い、いや。そそんなハズはない!!
だって身体は魔物になっても、頭の中は何にも変わってないし!!


か、変わってる訳・・・・・・(チラッ



猫じゃらし「」ふよよん・・・・ふよっ・・・・



「ぁ・・・・にゃぁっ♪・・・・・ってダメ!違う!!にゃに・・・なに今の声!?」


完全に無意識の内に猫じゃらしに触れようとしてた・・・・・何今の怖い。
って耳が!!猫の耳が勝手にぴこぴこ動いてる!!何で止めれないの!?

ダメだ、これは・・・・危険だ!!良く分からないけど何か危険・・・な・・・・そう、だ・・・・よく、分かんにゃいから、ちゃんと、触って・・・確かめにゃいと・・・・・♪


って―――――!!
・・・・だめっ・・・・これ、はっ・・・・わな・・・。早く、めを・・・・そらさ・・・にゃきゃ・・・・。にゃぁ・・・・・・・♪


「ふーっ・・・・ふーっ・・・・・・ぁ・・・・・あ・・・・・だめ・・ふーっ・・・さわっ・・・・・・ちゃ・・・・・ぁ♪」


そーだ・・・・め・・・・そらす・・・・あの、ふりふりした・・・やららかそうな、ほそながい・・・・跳ねそうな、
さわるときもちよさそう・・・・にゃ♪

・・・・・・・しゃわったらぁ・・・・どんにゃににゃるかにゃ・・・・?そうぞう・・・・・すうとぉ・・・・・・・ぁ♪・・・


「にゃんっ♪」テシッ


にゃ・・・・・こんにゃにふあふあぁぁ♪・・・・・・にゃ・・・・・♪・・・・にゃぁ♪
・・・・・にゃあ♪にゃぁっ♪にゃぁぁぁぁあああああああああ♪


「にゃぁぁあああ♪にゃぅっ♪ふーっ!!にゃぁぁにゃああにゃああにゃぁぁぁぁああ♪♪♪」ペシペシペシ♪


だめ、たのしい、たのしい!!たのしいよぉぉぉおお!!!てしてしするのたのしいいぃぃいい♪♪



「にゃぁぁぁっ!!にゃぁっ♪みぃぃ♪みゃぁぁぁあ♪」


テシテシテシテシ・・・・・



・・・・・その後、猫の本能に屈服した私は、疲れて眠るまで猫じゃらしの虜になっていたと言う・・・・・泣いても・・良いよね?








壁際


<にゃぁぁぁぁあああ♪にゃぁっ♪ぁあああああ!!


・・・・・・・・。

・・・・・・んっ。

あっ・・・・・・あっ・・・・・・・・・♪

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふぅ♪(ツヤツヤツヤツヤツヤツヤツヤ



さぞかし今のあたしの肌はツヤツヤ極まりないに違いないよ・・・・・・なにあの可愛過ぎる生き物ペロペロハミハミしちゃいたい。
必死に手を動かしてテシテシしてるだけでも破壊力抜群なのに、お座りの姿勢をしながら猫じゃらしに顔を擦り付けたり、鼻くんくんしたり。
包帯が無ければ即死だった・・・・・・ふぅ。

そうか・・・・これこそがギャップ萌えの極限境地、最終進化形態!!だと思う。たぶん、うん。


「はっ・・・!!そうだ!それより早くこの天使をスフィンクス様達にお届けしなきゃ♪」


結局あの後、スフィンクス様は尻尾ぱしぱしを続けながら
「ノウンちゃん捕縛は任せるにゃ〜♪」と言い渡した。
あのぱしぱしされてるマミーの気持ち良さそうな顔・・・あぁ・・・・あたしもぱしぱしされたいよぉ・・・・♪


「さてま〜そんなことだから〜・・・・・・い・く・よ?」
「ハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァ・・・え〜・・・まだぁ・・・もったいなぃ・・・
っ・・・・っ〜〜〜♪・・・・・・・はぁぁあ・・・・♪」ツヤツヤツヤ

むー、幸せそうな気持ち良さそうなカオしやがってぇー。

「やだ〜・・・・まだみてる〜・・・・っ♪」ズルズルズル
「あ〜も〜ほらー。これ持っててー。」
「にゅ?ナニコレー。」
「スフィンクス様用捕獲装置第二段(発案byあたし)!!」
「・・・・・・あぁなるほど〜♪」






数十分後


「ほーらほーら、こっちですよ〜」フリフリフリ
「ふーっ、んにゃぁ・・・・にゃっ、にゃぅっ♪」ゴロゴロテシテシ

もう噴出す鼻血も、愛液もないんだよ。こうして立っているのは間違いなく奇跡。奇跡も魔法も(ry
でもちゃんとこうやって、猫じゃらしでちゃんと仕事(誘導)をしているあたしは偉い!


え?もう一人はどうしたって?・・・・イってしまったよ、円環の理に導かれて・・・・・・。

『ノ、ノウン様が私の足に顔をすりすりつけけけけksdjsふぉsjdv:SLs'k・’;。・¥lb』ブシャァァァァ

でも、もしこれ以上のさらなる刺激が与えられたら私も確実に・・・・・。


「んみゅぅ・・・・みぃ」ペロッ


!!!???!?・・・・・ノウン様が・・・・・あああああたしnの手・・・・・・を・・・・なめt・・・!!???
おおおおおおちつkrあたし、そっそそそそそうだ素数を数えるんだだっだだだだだDAだだだ
そすーが一つそすーが2つそすーがみっつそすーが・・・・・


・・・・・・・・ここで突然だけど、想像してみて欲しい。

ノウン様が、スフィンクスが、四つんばいで、耳と尻尾をピコピコ動かして、上目遣いで・・・・
小首を傾げて・・・・あたしを見ながら・・・・・


満面の笑顔で



「にゃぁ♪」













(リミットオーバーアクセルシンクロォォォォォォオオオオオォォォオオ!!!!!!!)ブフォォォォォォッ


大きなダメージを受けたあたしの身体は通路の地面に投げ出され、大きく砂埃が舞った。
消え行く意識の中で、私ははっきりと知覚した・・・ノウン様があたしの顔を・・・・舐めて・・・る・・・。

「にぅ・・・なーぅ♪」ペロッペロッ

アタシって、ホント・・・・・・・・・変態――――――――――(ブフォッ


12/03/10 22:49更新 / 着込む人
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■作者メッセージ
『私はノウン様の人格とか心とかが好きだと言いつつ』

『結局ノウン様が穿いてるストッキングが好きなだけじゃないのかって』

『だからちょっと試してみたくなって』

『私はノウン様のしま模様ストッキングを剥ぎました』

『結果 私のノウン様への思いは少しも変わらなかった』

『剥いだ縞ストッキングも残ったノウン様も同じに見えた』

『私の恋は本物だったんだ!』




「ほぅ」


<『しっぽで締め付けないでぇ・・・・くだしゃぃぃ・・・・んやぁ・・・♪』
<(もうやだこの遺跡)

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