連載小説
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2話:カップに入るものがコーヒーとは限らない
前略、今俺は非常にピンチだ。


あ?いきなり何の話だってか?
まあ聞けよ、俺は前も言ってたとおり傭兵みたいな仕事をしている。
仕事を終えた後マスターのところにでも冷やかしに行こうと思って、来たんだ。

その時はいつもどおり他に客が居なかった。
俺はお気に入りの席に座った。

「マスター、酒を出せよ」
いつも通りの台詞でからかってやる、ここまでは俺の日常だった。

で、次の瞬間だ。

「お酒なんかより私の甘い蜜を食べない?」

俺の隣の席からダークプリーストのステンシルが透明な液体が入ったカップを差し出してきやがった。

魔法で透明化でもしてたのか・・・?
しかも何だよこの微妙にあったかい液体、アレか!アレなのか!
愛が一文字目について液が二文字目につくアレか!
どんなプレイだよそれ!

「あなたの物を飲ませてくれてもいいのよ?」

・・・とまあこんな状態だ。

マスターは食器を磨き、紳士的な笑顔でこちらを見ている。助けろ。


「何時までも無視なんてつれないわ・・・、ハッ!もしかして放置プレイなの!?」

こいつの頭の中はピンクなのか?
一回、そう一回こいつと夜の営みを強制的にさせられたけど、
前と後で性格が違う気がする。

「ほら〜、私のこと気にしないなら肩に頭をのせてぐりぐりして恋人っぽくしちゃう〜」

良い匂いが漂ってくるが、ここで折れてしまうと今度こそ俺は堕落コースだ、無視する。

「・・・なあマスター、何か言うことは無いか?」

たすけろよ?という思いをこめて呼びかける。
するとマスターは優しい笑顔で

「ご注文は?」

と聞いてきた。酷いやつめ。

「・・・・今日のお勧めで」

仕方なく注文する、
すでに準備をしていたようですぐに商品が出てくる。

「どうぞ、今日のブレンド『甘い恋人たちへ』です」

うおおーい!マスター!空気読みすぎ!逆に!逆にな!
ちゃんと二杯出してくる辺り絶対狙ってるよコレ!

「あら、甘い恋人たちへですって、きっと私達に甘いコーヒーなんでしょうね♪」

そう言いながらコーヒーを飲むステンシル。
・・・、お前のその言動を聞いてると本当にプリーストなのかと心配になるわ・・・。

「・・・っ!」

数口飲んだところで驚いた表情をするステンシル。

「あら驚いた、ブレンド名とは違って苦味の強いコーヒーなのね」
「ええ、恋は甘いだけじゃない。 そうでしょう?」

この格好つけてるマスターは置いておくとして、
目の前に置かれているコーヒーに気が引かれる。

「・・・・。」

まあ注文したものだし、飲んでみるか・・・。
と思いカップを手に持つ。

いただきま「ん〜♪」

!!?!!

口に流れ込んでくるコーヒー、
目の前にステンシルの顔。

「んんん!?」

わけがわからない、と思いながら流れ込んでくるコーヒーを飲む。
コーヒーは苦いが、混ざって流れてくる何かはとても甘い。

「・・・・ぷはっ♪」

口が開放される。
半場放心状態の俺はようやく理解する。

ああ、口移しか。 と。


頭がぽわぽわする  魔術か 何か か ・・・?

「私 の恋はとっ  甘いみたいよ?」
「 れは適い  んね」


途 切れ途切れ に
 会 話が聞こ え
  てく る。


あ あ
 俺   気絶  して
 ばっか  り   だな






「幸せそうな顔ですね」
「私は幸せよ?」

会話を交わす二人組。





こうして、とあるカフェの一日が終わる。
本日は晴天。特に異常なし。
お客は二人。 売り上げは1000ワーズ(一杯500)


奇抜な日常でも起きないか、そんな事を考えながら店を閉めるマスターであった。
11/12/11 14:31更新 / ミササギ
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■作者メッセージ
三話。

そろそろ気絶オチどうにかしないといけないのは自覚してます。


カラム(主人公の人ね)が美女の誘いに乗らないのが悪い。
どうしてこんな性格なんだ・・・。


小倉トーストはだせなかった、次!次頑張る!

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