連載小説
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本能のままに
「もう一度、出してみませんか?」

 そう言うと彼女は、おもむろに自分の股間を見せつけてきた。その割れ目からはねっとりと愛液が垂れていて、ベッドを濡らしている。その割れ目を、彼女自ら広げて、僕を誘ってくる。

「……どうでしょうか?」
「あ、その、ええと」

 言葉が何も出てこなくて、困惑してしまう。僕はいつも変なところを気にしてしまう。こういう時どんな風にして答えればいいのか、さっぱり分からない。

 でも、彼女の言葉を思い出した。『正直になってください』と彼女は言った。もう、気にすることはない。気取る必要はないんだ。ありのままを言ってしまおう。


「……出したいです。今度は、あなたの中で」
「えへへ……直球に言われると照れますね」

 豊満な体つき、淫らに濡れた割れ目。そして、無邪気な笑顔。出会った当初から感じていた。
 それは、完璧から少しずれた完成だった。彼女は、均一性が崩れることによって、芸術品に近い美しさを獲得していた。

「じゃあ、……入れますね」

 ルーナは僕の屹立した肉棒を、自らの秘所にあてがった。熱く、ぬめった感触が、亀頭を包む。

「うあっ……」
「ふふっ、まだ声を出すのは早いですよ」

 そう言って、ペニスを彼女の割れ目で擦る。ぬちゅぬちゅと音がする。早く入れてほしいとでも言うように、僕のそれは最大限に膨張していた。今だけは、僕の思考は本能と一致していた。きっと、実に分かりやすい表情をしていたのだろう。ルーナは僕に笑いかけて、言った。

「ふふっ、焦らないでいいですよ。すぐ、入れます、から……!」

 声に合わせて、ついに僕のモノが、ずぶずぶとルーナの中に入ってしまった。

「あぁぁぁ……」

 咥えられたときよりも凄まじい脱力感。それは初めて味わう、正に極上の快楽だった。まるで、熟れた桃の中のように柔らかい肉。このままペニスが蕩けてしまうのではないかと心配するくらいに、その中は熱く、深かった。
 中で、細かなひだ状のものを感じる。それらは、僕のペニスをくすぐり始めた。それは、今の僕を絶頂させるには充分な刺激だった。

「ああっ、僕、もう……!」
「3回目だというのに、早いんですね。えへへ、それじゃあ締めてあげます」

 その瞬間、キュッと中が狭まった。ペニスが圧迫されて、ひだがペニスに密着しながらくすぐってきて、瞬間的に、理性が吹き飛びそうなくらいの快楽の波が一気に押し寄せてきた。

「あっ、あぁぁー!!」

 もう何度目かの喘ぎ声と共に、ルーナの中に精液がびゅるびゅるとぶちまけられる。先の二回よりも遥かに長い射精を味わった。


「あふっ……すごい。精子、びゅびゅって、中で泳いでる」

 ルーナは、下腹部をさすりながら呟いた。そんな子供みたいな感想は、よりいっそう興奮を助長してくれる。

「それにしても、早すぎますよ」
「ご、ごめんなさい」
「えへへ、いいですよ。射精の回数は、多ければ多いほどいいんですから」

 どうやら、たった一度や二度の射精では、この淫らな時間は終わらないらしい。

「でも、次は私も気持ちよくなりたいです」
「は、はい」
「だから……そろそろ動かしますね」
「え――ひあぁぁぁ!?」

 彼女が動き出すと同時に、僕の思考は停止した。彼女自身もすぐに顔が緩んで、とろんとした淫らな顔つきになった。

「あっは、あふ、気持ち、いいれすっ、奥までちゃんとっ、とどい、てぇっ♪」
「あぐっ、ああぁぁぁ!! ダメ、こんなのっ、気持ちよすぎて……!」

 体がはねると、声もはねる。その不安定で不規則な声が、たまらなく淫靡だった。
 ひだがくまなくペニス全体を擦る。亀頭からカリ、裏筋、竿の根本まで全て。そのうえ、彼女の甘い喘ぎ声と、動くたびに響くぐっちゅぐっちゅという水音が、絶えず聞こえるのだ。

「もっと、もっと、もっとぉ! んっんっ……」
「んむっ!? ん、んうぅぅ!」

 ルーナもすっかり興奮しきっているようで、喘ぎながら僕にねっとりとキスをしてきた。舌を入れられ、口の中を掻き回される。喘ぎ声が僕の口内で響く。その振動が唇に響き、こそばゆいような心地よさをもたらした。

 さらに、ルーナの腰遣いはより激しさを増していった。締め付けもさっきより数段強い。もはやこの少女も本能のままに、貪欲に快楽を求めていた。

「ぷはぁっ、いいよぉ♪ 気持ち、いいぃ、あっ、あっ、あっはぁぁ♪」
「は、激しすぎぃ、こ、こんな、すぐ出ちゃうっ! あぁっ、ふあぁ!」
「えへへっ、いいですよぉ、だ、出してくださいっ。もっと、激しくしてあげますからっ、気持よくなってください!」
「は、激しすぎって言ってるのにぃぃぃ!」

 さらに速度が増す。パンっパンっ、と、柔らかいはずの尻肉が、痛いくらいにぶつかってくる。叩いていると表現した方が、いっそ的確かもしれないくらいに。

 どれだけ強く締め付けられても、ぬめりのおかげでペニスは痛くなかった。だけどその分、壊れてしまうのではないかというくらいに凄まじい責めを味わっていた。

 たまらなくなって、無我夢中でルーナを抱き締めた。腰振りは一瞬も止まらない。ただ、腰の動きが小刻みになったため、尻肉がぶつかる音が小さくなり、代わりに再びぐちゅぐちゅという淫らな音が大きく響いた。

「嬉しいですっ、もっと強く抱いてください♪ いっぱい気持ちよくしてあげますから――んむっ!?」

 僕は、ほとんど何も考えずにルーナにキスをした。今度は僕が彼女の口の中に舌を入れる。彼女の口を掻き回す。彼女は少し驚いたようだが、すぐにとても嬉しそうな顔をした。

「んふ、んふふふっ♪」

 れろれろ、ちゅるちゅるとキスの音が口内に響く。そして、甘美な瞬間がやってきた。我慢するという考えは既に頭の中から飛んでいた。頭も耳も心もすべて、腰を振る淫らな音に支配されていた。この音が僕を興奮させてくれる、この音をもっと聞きたい、ずっと聞いていたい。

 ぬちゃぬちゃ、ぐじゅぐじゅ、じゅぷじゅぷじゅぷっ!

「んくっ、もうダメっ、限界っ! んむっ、んんんん!」
「あぅぅっ、きてる! せーえき、いっぱいぃ!」

 腰を突き上げて、奥の奥まで深くペニスを入れる。その奥深くに、思い切り精液を吹き上げた。この射精が四度目だということが信じられないくらいに大量の精が放出され、ルーナの秘所から、とろりと白濁液が垂れてきた。


「えへへぇ……ノエルさんの精液の味、大好きです」
「は、はは、そうですか」

 精液の味をほめられても、複雑な気分にしかならない。もうだいぶ疲れているのもあり、なんとか苦笑いを返すだけだった。

「この調子なら、まだまだ出そうですねっ」
「いやいやいや! ちょっと待っーーひぐっ!?」

 ルーナは再び腰を振りだした。止めようとするも、快楽でまともに呂律が回らない上、当の本人は早々に快楽の海に溺れてしまっている。
 しかし、このまま腰を振り続けるのは勘弁してほしい。僕だって初めてなのだ、少しは休まないと冗談ではなく失神してしまう。

 どうにかして止めないと……そう思った僕の目に、彼女の首が映った。

「はっ、あっ♪ あれ、どうしたんですかノエルさん――ふやああぁぁぁ!?」
「なっ、し、締まるぅ、うああぁぁ!」

 腰を振るのに夢中になっている彼女の首を外すのは、そう難しいことではなかった……が、よほど驚いたのか、首を外した瞬間、彼女の膣内が思い切り締まった。たまらず、結局精を吐き出してしまった。

「あ、精液が……って違いますよ! 何でまた外すんですかぁ!」
「お願いです、とりあえず休ませてください。ね、少しだけでいいですから」
「えっ。……あ、そ、そうですよね。精液に余裕はあっても、さすがに疲れましたよね。ごめんなさい」

 精液もとっくに限界を超えているよと言いたくなったが、とにかく少しは休ませてくれるようだ。そう思って一安心すると、また腕の中が響く。何やら、ルーナがもごもごと呟いていた。

「でも、ですね」
「……え?」
「私たち、デュラハン族は首を取られるとですね、途端に蓄えた精が抜け出てしまうんですよ」
「そ、そうなんですか?」

 何か嫌な予感のする言い回しだ。

「他にもうひとつ。首が取れると、私たちは思考が短絡的になっちゃうんです。まあ、要するに、本能に任せて行動しちゃうんです」
「あ、あははは。そうなんですかー」
「だから、ごめんなさいっ。我慢できません!!」
「んぎいぃぃ!?」

 腰振りが再開される。彼女の首を取って興奮を覚ますという作戦は失敗だった。だって、そんなの聞いてないんだからどうしようもないじゃないか。

「ノエルさんっ、ノエルさんっ! 好きです、すき、大好きぃっ♪」

 恥ずかしげもなく僕への好意を喘ぎ声にのせて、腰を動かす。どうやら思考が短絡的になるというのはこういう意味でもあるらしい。
 ……頭が分離した状態でもしっかり感じるのか。快楽漬けの中、僕の腕に収まって喘ぐ彼女を見て唐突に思った。


「もっと、気持ちいいコトしてあげますねっ」

 そう言うとルーナは自分の頭を、依然として腰を振る胴体の後ろに置いた。

「んーっ。れろ、れろれろっ♪」
「んひぃ!? く、くすぐったい……!」

 彼女の顔は胴体に隠れて見えなくなったけれど、どうやら僕の玉袋を舐めているらしい。こそばゆいのと気持ちがいいのが半々くらいの感触で、思わず身をよじってしまう。まさか、他人に玉袋を弄られるのがこんなにも気持ちいいなんて知らなかった。

「気持ちいいでしょう? んふふっ、ちろちろ、れろれろっ」
「うあぁ、や、やめて、そこ、汚いですっ……」

 玉袋を一通り唾液で濡らすと、彼女の舌はその下辺りを這った。もうすぐ、お尻の穴に届いてしまう。いや、この動きは、もう既にそこを目指しているような――

「っ!! ひっ、んくうぅぅ!?」

 彼女の舌らしきものが、強引に穴の中に侵入してきた。そのまま、ピストン運動のように舌を出し入れされる。じゅるじゅると穴の中を吸われる。
 恥ずかしくて、もはや涙目だった。もう立派な大人だというのに、少女にお尻の穴に舐めしゃぶられて涙目になっていた。

「んふふ、あなたも首を外しちゃってください。理性の鎖を、完全に断ち切りましょう。ここはあなたと私だけの世界なんですから、ねっ?」

 声が聞こえてくる。尻肉のぶつかる、淫靡な音と共に。自然と、僕はお尻の方から伝わってくる快楽を享受していた。涙は乾いた。
 舌が尻の奥深くに入ってくる。まるで何かを探すように、にゅぐにゅぐと舐め回される。

 喘ぎ声を聞く限りだと、彼女の方ももう余裕がなくなっているようだった。

「あふっ、れろ、えろ……ふふふっ、ここ? ここですか?」

 そして、ある箇所を圧迫された瞬間、まるで起爆スイッチを押したかのように快楽が爆発した。

「あひっ、イクッ、イッちゃうぅぅ!!」
「くだひゃい、あなたの精液ぃ♪あはっ、んくっ、ぜんぶ、ぜんぶぜんぶっ! 残らずくださいぃ! あっ、いいよぉっ、ああぁぁぁ!」

 滅茶苦茶に腰を振り乱しながら、ルーナははしたなく嬌声を上げた。今までの彼女からは考えられないくらいに淫乱な声を。そして次の瞬間、びくんっ、びくんっ、とペニスが大きくはねた。その動きと共に、またしても大量の精液がびゅくびゅくと飛び出す。


 気づいたら、ルーナの胴体を抱き締めていた。無意識の内に抱いていたようだ。同じく彼女もイッたようで、股間のすぐ傍では、ルーナが荒々しく息をついている。彼女の中から僕のモノを引き抜くと、またにちゃりという水音がした。

 そうだ、彼女の話だと、早く首と胴体をつなげなければ、また精が抜け出てしまうということだ。もう一度搾り取られるのはさすがに御免こうむる。

 僕は、脱力しきった腕を何とか動かして、彼女の首を元の位置――彼女の胴体の上に戻した。
13/08/02 00:20更新 / 明鏡
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