ある夜

「郵便でーす」

謎の荷物が届いた

「……恭介、なにそれ」
「……わからん」

最近通販をした覚えもないし、親から仕送りを貰っている訳でもない。第一、差出人の名前は

「『名無しの旅人』………なんだこれ、悪戯か？」

どう考えても本名じゃない。だが、代金引換ではなかったし、詐欺という線はないだろう。荷物の届け先の住所は俺の家。俺の名前まで書いてあるので手違いということでもなさそうだ。

「なんか怖いし、とりあえず開けずに置いとくか……って、スズ？」

今まですぐ隣にいたスズがいない。
その代わり、

「……ん、どうしたの恭介？」

言ったそばからバリバリと段ボールのガムテープを剥がす猫…もといスズがいた。

「…もうちょっと警戒しろよ」

一応止めてみるが、止まる気配は一向にないので、俺も諦めて中身を確認する

「これは…」
「……酒瓶…かな」

中には、透明な酒瓶が沢山入っていた、ざっと見たところ10本位か。
中の液体は鮮やかな黄色で、ラベルなどは貼られていない。
さらに、その瓶とともに一枚の手紙のようなものも。

『これでも飲んで落ち着きなさいね。(ニヤリ)』

やはり悪戯なのだろうか。
しかし、飲む…という事は飲料か薬かだろうか。いや、匂いからして多分酒だろう。

「酒…か？まぁ飲まない事はないが…」

正直好き好んで飲むほど好きでは無いし、俺はあまり酒に強くない。だが貰ったものは仕方ない、ちびちびと飲んでいくか

「スズ、お前は酒飲めるのか？」
「……ふぇ？」

……ん？

「おい、顔赤いぞ」
「…むぅ…しょんにゃことはにゃい……」

おかしい。スズの様子が変だ。
目は少しトロンとしており、顔もほんのり赤く紅潮している。
だが何故だ。

ふと、手紙の裏を見てみると、

「マタタビ酒」と記されている

携帯で調べてみると、マタタビから作るマタタビ酒という物があるそうな。色などは一致しているので多分それだろう。

と、スズから目を離している間に

「…ﾝｸｯ…ﾝｸｯ…ﾝｸｯ」

スズは勝手に蓋を開けてグビグビと飲んでいた。

「おいスズ、なに勝手に飲んでんだ」

瓶の中身はどんどんなくなっていき、それに比例して、スズの顔はどんどん赤くなっていく。

「……ﾝｸｯ…ﾌﾟﾊｯ………」

やがて、スズは瓶から口を離し、さっきよりもトロンとした目でこちらをじーっと見つめている

「…ど、どうした？スズ」
「………ナァ〜オ♡」

とても上気した声で鳴きながら立ち上がるスズ。そのままのしのしと近づいてきて、床に座る俺の膝の上に跨り、

「……ﾝｸｯ……」

酒を一口、口に含んで

「…ぶっちゅ〜♡」

そのままキスをされた。

「ん⁉んー！んー！」
「…んちゅ、ん〜♡」

逃げようとすると、酒瓶を持ってない方の手で後頭部を掴まれ逃げられなくなる。

「んー⁉」

さらに、口に含んでいた酒を口移しで飲ませてきた。

苦い。
久々に飲む酒はえらく苦く感じた。

「プハッ！はぁ…はぁ……す、スズ…何を…」
「んふふ〜♡きょーすけ、このお酒おいしーにゃ……きょーすけも、もっと飲んで〜♡」

息をするのに精一杯な俺の顎をがしっと掴み、もう片方の手に持っていた酒瓶の口を押し付けて無理矢理酒を飲ませてくる。

「んー！んー‼」
「んふふふ〜♡おいしー？」

息が苦しい。スズの背中をタップするが、一向に離してくれない。
結局、残りの酒を全部飲まされた

「プハッ！げほっ…げほっ………！」
「んふふ♡…いい飲みっぷり♡」

激しくむせる俺のことは気に留めず、にぱにぱと笑っているスズ。
まさかこんなに酒癖が悪いとは…

「んふ♡なんだか暑くなってきたにゃ〜」

おもむろに自分の着ていた服やズボンを脱ぎ捨て、こちらに寄り添ってくる

「お…おい、暑いならくっつくな…」
「きょーすけは別肌ー♡」

別肌ってなんだよ
だが、俺も酒が回ってきたのか、スズの下着姿を見たからか、体がどんどん熱くなってくる。それを見越したかのように、スズは俺の服にまで手をかけ

「……えい♡」

服をひっぺがされた。下に着ていた肌着も一気に脱がされて、俺の上半身は裸にされる。

「んふ〜♡ぎゅ〜♡」

それを見て、スズは舌舐めずりをすると、いきなり抱きついてきた。
正面から抱きつかれれば、俺の胸板にはスズの柔らかな双丘が直にくっついてくるわけで…
我慢できずに、俺の愚息がズボンの中でムクムクとテントを張り始める。
もちろん、膝の上に座るスズが気づかない訳がない。

「…んふ♡きょーすけ、やらしー♡」
「お、おい…スズ、何すんだ」

スズは再び舌なめずりをし、抱きついたまま片方の手で俺のズボンのチャックを下しボタンも外してズボンを脱がす。上の時と同じく下着ごと。
今までズボンで押さえつけられていたペニスがブルンと立ち上がる

「こ〜んなヤラシイきょーすけのおちんちんには……」
「おい！待て！せめてベッドで…」

スズは、少し腰を浮かせて

「オ、シ、オ、キ、ニャ♡」

そのままペニスめがけて腰を下す

「うぁっ…」

心の準備が出来ていない俺は、情けない声を上げてしまう。

「んっふふ〜♡きょーすけ、可愛いニャ〜♡」

そんな俺にはお構い無しで腰を激しく振るスズ。

「ス、スズ、待って…止め…くぅ…」

今いる場所はリビングのど真ん中、ドアも開けっぱなしで誰か来たらすぐバレてしまう。
せめてベッドに行きたい、と思い抵抗するが、怪力でねじ伏せられる

「ニャン♡にゃんで暴れるの…？
もしかして…私のこと嫌いになっちゃったの？」
「いや…そんなことはな…「うわぁぁぁん！やだ！そんなのやだー！嫌いにならないでよー！」

いきなり泣き出した。泣き上戸という奴か。

「落ち着け！大丈夫、大丈夫だから、な？」
「ホント？ｸﾞｽｯ」
「あたりまえ…「だよねー！ニャッハハハハハ！恭介、意地悪なんだからぁ！ニャハハハハ！」

次は急に笑い出す。今度は笑い上戸か

「な、なぁ…。せめて…せめてベッドで…」
「むぅ…きょーすけ、うるさい！」
「んー⁉」

スズにキスで口を塞がれる。

「んー！んー！」
「んちゅ…れろ…じゅるる……」

俺の口の中を舌で蹂躙していく。
いつもなら反撃出来るのだが、酒のせいで頭が回らない。
次第に、俺も抵抗しようという気が起きなくなってくる

「んー…ぷはっ…にゃは♡大人しくなった♡」
「…っはぁっ…はぁ…スズ…」
「わかってるニャ〜♡いっぱい気持ちよくなろ〜♡」

抵抗をやめた俺に満足したのか、無理矢理抑えつけるのをやめて腰を振る。先程よりもゆったりと、滑らかに
自分だけでなく俺も気持ちよくさせるためだろうか。

「あぅ…あ……スズ…もう…」
「ん♡いっぱい出すニャ♡」
「うっ…出るっ！」

遂に俺の我慢に限界がきて、スズの中にドクドクと精液を吐き出す。

「ニャ〜♡出てるニャ〜♡い〜っぱい出てるニャ♡」

出している最中は中をキューッと締め付けて絞り出してくる。おかげで最後まで気持ちよく出すことができた

「…はぁ……はぁ…」
「んふ♡まず一回目♡」
「…え？」

余韻に浸っている間にもスズは腰を振り始める

「ま、待て！せめて、せめてベッドで！」
「ん〜…しょうがないにゃあ
ほら、立って」
「いや…まず一旦抜いて…」
「何言ってるニャ、このまま行くニャ！」

スズは俺にしがみついてくる
まさか、このまま立つのか…

「どうしたニャ？動かないならここで…」
「わ、わかった！」

意を決してスズを抱えて立ち上がる。スズの体は軽くてそんなに苦ではない。そんなことより…

「くぅぅ…」
「ニャハ♡奥まで届いてるニャ♡」

この体位だと嫌でも奥に当たってしまう。しかも、このまま歩くと

「うぁっ…中が擦れて……」
「ニャッ…♡駅弁もいいもんニャね……ニャン♡

動くたびに中が擦れ合ってまともに歩けない
結局、ベッドにたどり着くまでにお互い2回ぐらいイッてしまった

「はぁ……やっと…着いた…」
「よーし、じゃあ続きする…ニャ……」

ベッドにスズを寝かせると、
急にスズから力が抜けてしまう

「スズ！どうした！大丈夫か⁉」
「……ｽｩ…ｽｩ…」

どうやら眠ったようだ。

(や…やっと落ち着いたのか)

きっと、ひとしきり騒いで疲れたのだろう。
安心したらこっちも眠くなってきたので俺もスズの隣に横になって布団を被り、スズと一緒に添い寝した

……………………………………………………

翌日

「……うあー…頭痛いー…」
「あんだけ酒飲んだんだ。当たり前だろ…イテテ」

2人は仲良く二日酔い

(…でも、たまにはあーゆうのもいいかもな……)

頭を抱えるスズを横目に、恭介はそんなことを思うのであった。

■作者メッセージ
酔っ払いックスは結構好きなシチュです。ただし、酔っ払うのは女の子に限る
どうも、ウェラロアです。
僕は酒も飲まないし、マタタビ酒もネットで調べただけだから特徴とか間違ってても目を瞑ってください。

えー、今回は「迷い猫」のコメントでマタタビ酒をくれた方がいたので、そこからアイデアを頂きました。許可とかとってないんで、不快に思ったら言ってください。