読切小説
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ヴァルキリーさんの特別訓練
「はあ、はあっ……」
「駄目だ!なんだその剣さばきは!」

 今日もぼくはヴァルキリーと呼ばれる天界の戦士と訓練をしている。

 ある日、村の小さな教会でいつものように祈りを捧げていると、ヴァルキリーさんが現れ、ぼくに勇者の資質があると告げた。そんなこととても信じられなかったけど、お父さんもお母さんも村の皆も大喜び。そうしてぼくは皆に進められるままにヴァルキリーさんと修行の旅に出た。
 ヴァルキリーさんに選ばれることは光栄な事だし、村の皆も喜んでくれて嬉しかったけど、元々体力のあるほうではないぼくは、毎日の訓練でへとへとだった。でも、ぼくは頑張れる。なぜなら――。

「よし!今日はここまで!」

 ヴァルキリーさんが訓練してくれるからだ。彼女は凛々しく、気高く、美しい。罰当たりなことだとは思うけど、一目でぼくはヴァルキリーさんの虜になってしまった。ヴァルキリーさんが稽古をつけてくれるから厳しい訓練でもぼくは頑張れた。

「あ、ありがとうございました!」
「うむ……」
「ど、どうかしましたか?」
「いや、しばらく君を訓練して思ったんだが……君はどうにも自信がないようだな」
「え?」
「訓練を初めてもう何ヵ月にもなる。体力もついてきたし、技術も少しずつだが身に付いている。だが、どこか自信がないように思える」
「す、すみません……」
「ふーむ。自信か……」

 ヴァルキリーさんはあごに手をあて少し考えると、ぼくに向き直った。じっと見つめられ、ぼくの中の邪な思いが読み取られている気がして目をそらしてしまった。

「……そう、だな。特別な訓練をしよう」
「と、特別な?」
「ああ、いつも野宿だったが今夜は宿をとろう」
「は、はいっ!」
「それでは街へ行こうか」

 ぼくが返事をするとヴァルキリーさんはふっと笑い、真っ直ぐに背を伸ばしたまま街へ向かって歩いて行った。



 ぼくとヴァルキリーさんは宿の部屋にいた。憧れの人と同じ部屋に居るという事実に緊張で体が強張る。ヴァルキリーさんはカチカチになっているぼくを見下ろしている。その表情はいつもの凛とした顔だったけど、いつもの鎧姿とは違う、薄手の部屋着姿に心臓の鼓動が早まる。

「さて、これから特別な訓練をしたいと思う」
「は、はいっ!」
「男に自信をつけさせるには……女を抱くのが一番だ」
「はいっ!……はい!?」
「神の声がそう言っている。だから、私を抱いて自信をつけろ」
「え……ええ!?」
「なんだ、私では不満か?」
「そんなわけないじゃないですか!……ってそういうことじゃなくて!」

 ぼくは顔を真っ赤にして言った。
 ヴァルキリーさんを抱く。そんなことがあっていいはずがない。

「そ、そんなこと……」
「安心しろ、魔物のように下品に搾りとるような事はしない」
「そういう事じゃなくてですね……ッ!!」
「神のお声に逆らうのか?」
「い、いえそういうわけでは!で、でもですね……!」
「まったく……いいからそこに寝ろ。命令だ」

 ぐいと服を引っ張られ、そのままベッドに放り投げられてしまう。ばふんと布団の上に倒れると、ヴァルキリーさんの香りがぼくを包んだ。

「だめですっ!こんなの……こん、なの……!」
「大丈夫だ…任せておけ……」

 ヴァルキリーさんはぼくのズボンに手をかけ、下着ごとおろしてしまった。その途端、張りつめたぼくのあそこが晒されてしまった。

「なんだ、お前も準備ができてるじゃないか」
「これは、その……」
「欲望を感じながら、理性に従おうとする……いい心がけだ」

 好きな人に自分を抱け、なんて言われたらこうなってしまうのは当然だ。ヴァルキリーさんはいつもの凛々しい顔を崩さないまま、自分も衣服を脱いだ。それからぼくのあそこを掴み、覆いかぶさってきた。
 信じられないほど近くにヴァルキリーさんの顔が寄せられる。大好きな人の顔がすぐ目の前にあって、もうぼくは荒く息を吐くことしか出来なくなっていた。そんなぼくを見てヴァルキリーさんは小さく笑い、ぼくの耳元に口を寄せて囁いた。

「だが今は良いんだ。自分の要望をさらけ出し、自信をつけろ」
「はっ、はあっ……!」
「入れるぞ……」

 ヴァルキリーさんは上体を上げ、ぼくの上に騎乗するような姿勢になった。それから彼女の秘部にぼくの先端が押し当てられる。

「あっ、うあ……っ!」
「よく、見ておくんだぞ……♥」

 つぷ、と先端が入り、そのままにゅるりと根元まで挿入されてしまった。味わったことのない、ぬるぬるとした快感に、ぼくは叫びにも似たあえぎを口から出した。

「あっ、ああうっ!」
「どうだ?これでお前も男だ……♥」

 ヴァルキリーさんは妖しく笑い、腰を動かし始めた。ぎゅっと締まるぬるぬるの肉壁がぼくのあそこを抜き立てる。にゅるにゅると先端近くまで腰が浮かされ、そしてまた根元まで音立てて腰が下ろされる。亀頭には肉壁がねっとりと絡みつき、カリ首にも膣肉はにゅるりと食い込んでくる。その状態で何度も上下に動かされ、ぼくの口から勝手に高い声が出た。

「ふぁあ、ヴァルキリーさんっ、だめですっ、まって、まってえっ!」
「どうした、まだ始まったばかりじゃないか?」
「でもっ、こんなの……こん、なのっ……!」

 ぼくの哀願は受け入れられず、ヴァルキリーさんは前後に腰を揺さぶった。ちゅくちゅくと音を立てながらぼくのあそこは膣肉にしゃぶられる。先ほどまでとはちがう、じっくりと責め立ててくる快感がぼくを襲う。ヴァルキリーさんが腰を前に突き出せば裏筋を膣肉がぬるりと撫で上げ、腰を引けばカリ首がにゅぐにゅぐと擦りあげられる。

「ふあっ、ひぅ……んああっ……!」
「頑張るんだ、その快楽に耐えてこそ勇者だ」
「ひぁ……、ああぅっ!」
「それにしても、お前のあえぎは可愛いな……♥」

 ヴァルキリーさんはそう言うと腰を更に激しく上下に動かし始めた。ぱんぱんと腰が打ち付けられる音が聴覚を犯し、ぎゅうぎゅうと締め付けてくるぬめった肉壁があそこを責め立てる。

「あっ、もう……でますっ、でまっ、ああ……」
「いいぞ、たくさん出せ……♥」
「でる、でちゃっ……あっ、うああっ!」

 ぼくはヴァルキリーさんの中に射精してしまった。びゅくびゅくと放たれる精が、ヴァルキリーさんの中を汚していく。ヴァルキリーさんは腰の動きを止め、僅かに眉を寄せて笑った。

「んっ……出たな♥」
「はい……っ、はい……!」

 ヴァルキリーさんが腰を上げると、ぼくのあそこがヴァルキリーさんの中からずるりと出た。精液にまみれたぼく自身をみて、憧れの人と繋がり、しかも中に出してしまったという事実を実感した。そのせいで勃起はおさまりそうもなかった。

「これでよかったのか?きちんとできていたか?」
「え、はい……すごく気持ちよかったです」
「そうか。だが……まだ固いな」

 ヴァルキリーさんはぼくのあそこをそっと掴んだ。彼女の指の感触に、ぼくのあそこはぴくりと跳ねた。

「これは、その……」
「やはり、うまくできなかったのか?」
「え?そんなことは……」
「やはり前戯をすべきだったか?」
「ぜ、ぜんぎ……っ!」
「気恥ずかしくてな。できなかった。すまない、もしかして痛かったか?」
「いえ!とてもっ、その、気持ちが良かったです……ヴァルキリーさんこそ、いきなり入れて、痛くはなかったんですか……?」
「私は大丈夫だ。ふふ、君は優しいな」
「い、いえそんな……」
「……ふむ、私が上になった状態で射精してしまっては自信がつかない、か」

 ヴァルキリーさんはぼくの上から降りると、ぼくに向かい合うように腰を下ろした。ぼくは体を上げ、ヴァルキリーさんの姿を見る。

「ほら、今度は君が動け」
「―――ッ!」

 広げたヴァルキリーさんの脚の間、ヴァルキリーさんの秘部から、とろりとぼくの精液が流れ出すのが目に入った。それを見てぼくは体の底から欲が吹き上がるのを感じた。すぐにまた、さっきの快感を味わいたい。そんな思いが湧き出た。でも、ぼくはぐっとこらえた。

「ヴァルキリー、さん……」
「どうし……んっ!?」

 ぼくはヴァルキリーさんの口に自分の唇を当てた。ただそれだけだった。そういう知識はなかったけど本来はキスとか、そこから始めるのではないか。そう考えたからだ。
 唇を当てたまま少し口を開き、舌を入れた。ヴァルキリーさんの舌も伸びてきて、先端だけがふれあった。ほんの少しだけ舌を動かし、口付けを続けたが、恥ずかしくなって口を離した。

「ん……キス、か……」
「ごっ、ごめんさい!勝手に……!」
「気にするな、悪くはなかった」
「あの、ヴァルキリーさん」
「なんだ?」
「うっ。ううう上着……すこしずらしてもらっていいですか?」
「胸を、見たいのか……?」

 そう言うとヴァルキリーさんは上着をはだけさせ、ぼくの前に胸をさらけ出した。大きな乳房は彼女の性格と同じようにその色は透き通るように白く、凛と張りがあった。薄い桜色の乳首も汚れは全くなかった。
 大好きな人の胸が目の前にさらけ出され、ぼくは思考が止まりそうになったが、こらえてゆっくりと手を当てる。じっくりとぼくなりにやさしく乳房に触れる。欲望をぶつけたい衝動を押さえ込み、ゆっくりと愛撫していく。

「どうした?入れないのか?」
「はい、でも、その前にしないと……」

 ぷっくりと膨らんだ乳首にやさしく吸い付いた。力任せに吸い付いたりせずに、柔らかくじっくりとせいいっぱいの理性を働かせ、ヴァルキリーさんの乳首を愛撫した。口に含み、舌を這わせてヴァルキリーさんに奉仕する。ぼく自身も口内に伝わる柔らかい感触に勝手に息が上がってしまう。

「はあっ……はむ……ん……」
「んっ……なにか、変な感じだな……」

 普段は凛々しく勇ましいヴァルキリーさんの顔が、わずかに崩れ、赤みが指している。そんな顔を見せられ、ぼくの中の欲はますます高まった。もっと色んなヴァルキリーさんの顔が見たい、もっと気持ちよくなってもらいたい。
 しばらく胸へ愛撫を続け、今度はヴァルキリーさんの秘部をもう一度見る。さっきまではぼくの精液しか出ていなかったが、いまは透明な愛液が漏れ出していた。上手くできたのだろうか。

「ヴァルキリーさん……入れますね」
「ああ……やっと、か……」

 僅かに息を上げ、ヴァルキリーさんはぼくを受け入れる体制になった。挿入しようとして手こずっているぼくのあそこをつかみ、「ここだ」と導いてくれた。ぼくのあそこを掴んだその手は、心なしかさっきよりも熱かった。

 ぐっと腰を押し当てるようにして、ヴァルキリーさんの中にもう一度挿入する。にゅるにゅるとした肉壁は先ほどと同じだが、内部は先ほどよりも熱く、ぬめりも増していた。

「はあっ……あっ…はい、り……ました」
「んっ……♥そ、そうだな……動いていいぞ?」

 ぼくは腰を思い切り打ち付けたい衝動を抑え、ゆっくりと一定の速さで腰を前後させた。すぐに出してしまってはヴァルキリーさんは気持ちよくなれない。その思いで、性欲を押さえ込んだ。

「はあっ、あっ……ヴァルキリー、さんっ……♥」
「す、少し待ってくれ。なにか……変だ……」
「ヴァルキリーさんっ♥ヴァルキリー、さん……♥」
「待て、動かないでくれ……っ!なにか、ち、違っ……あっ♥」

 いつものハスキーな声とは違う、高く震えるような声。感じてくれている。それだけでぼくの奥底から熱が沸き上がってきた。押さえ込んでいた性欲があふれ出し、ぼくは押さえがきかなくなった。ヴァルキリーさんにしがみつく様にして腰を打ち付けはじめると、ヴァルキリーさんもぼくの体を抱き寄せてくれた。
 ヴァルキリーさんしっとりと湿った胸の谷間に顔を埋めながら腰を何度も打ち付ける。顔を挟み込む柔らかな胸が揺れる度にヴァルキリーさんの匂いが振り撒かれ、ぼくの性感を高めていく。

「ヴァルキリーさんっ!ヴァルキリーさんっ……!」
「んっ♥あっ……んあ…うぅ……♥」

 必死でヴァルキリーさんの膣内にぼくのあそこをこすりつける。ヴァルキリーさんが高い声を出すたびに、にゅるにゅると膣肉が動き、ぼくを射精へと誘っていく。ぼくは汗だくになりながら何度も何度も腰を打ち付けた。
 胸の谷間からヴァルキリーさんの顔を見上げた。いつものように凛々しい顔だったが、僅かに眉を寄せ、頬には赤みが差し、息が上がっている。それでもぼくを見つめ返し、微笑みかけてくれた。

「どうだ?もう……んっ♥……出そうか?」
「あっ♥ヴァルキリーさんっ!出る……出ちゃいますっ……♥」
「そうか…っ♥いいぞ……沢山だせ……っ♥」

 ヴァルキリーさんはぼくを更にぎゅっと抱きしめてくれた。ぼくのものは更に深いところまで到達し、一気に射精感が吹き上がってきた。

「あっ、ヴァルキリーさ……♥」
「出していいぞ♥君の……たくさん……♥」
「ひあ…あっ♥んんっ、うあああぅっ!!」

 ぼくはヴァルキリーさんの腕の中でもう一度射精した。射精の瞬間、ヴァルキリーさんの体もぴくぴくと震え始め、ぼくの射精に合わせてヴァルキリーさんの中はきゅうっと締まり、ぼくの精を搾り出すように動く。
 射精の快感で震えるぼくの体を、ヴァルキリーさんが包み込んでくれている。射精の快楽とは別物の、じんわりと体に広がっていくような、安心感にも似た気持ちをぼくは覚えた。

「んっ、うあ……ああっ……♥」
「はあ……あぁ……これは、なんと言えばいいのか……」

 ヴァルキリーさんはぼくごとゆっくりと体を起こした。それから腰を引いた。にゅる、とぼくのあそこが引き抜かれ、また精液がベッドを汚す。ヴァルキリーさんはいつもの顔に戻っていたが、汗にぬれた髪や体が、途方もなく妖艶だった。

「交わりとは、こういうものだったのだな……」
「ごめんなさい…ぼ、ぼく勝手にいろんなことしちゃって……」
「いいんだ……神のお声もそれでいいと言っている……」

 ヴァルキリーさんはぼくの頭をなで、もう一度ぼくを抱きしめてくれた。ぼくも震える手をヴァルキリーさんの腰に回して抱きしめた。

「訓練のつもりが、こんなことになるとは」
「は、はい……」

 ヴァルキリーさんはそっと体を離し、ぼくに顔を近づけた。そして触れるだけのキスをして、ふわりと笑みを作った。

「これからも、よろしく……」



「よし!いいぞ!」

 ぼくは剣を鞘にしまうと、ヴァルキリーさんに駆け寄った。ヴァルキリーさんはこくんと頷き、微笑んだ。
 ヴァルキリーさんの言った通り、あの特別な訓練をしてからなんだか自分に自信が持てた気がする。そのせいかヴァルキリーさんの訓練にもついていけている気がする。

「だいぶ扱いが上手くなったじゃないか」
「はい!ヴァルキリーさんのお陰です」
「だが、まだまだ完成形にはほど遠いな」
「そ、そうですか……」
「う、うむ。だから——――」

 しゅんとしたぼくをみて、ヴァルキリーさんはこほんと咳払いをした。そして辺りをうかがうと、そっとぼくの耳元に顔を寄せた。ヴァルキリーさんの息が耳にあたり、びくんと肩が跳ねる。
 ぼくは、次にヴァルキリーさんの口から囁かれる言葉を期待してしまっている。ぼくがごくりとつばを飲み込むと、ヴァルキリーさんは妖しく笑ってから囁いた。

「――今日も特別訓練をやるぞ……♥」
19/03/17 16:17更新 / TakoTako

■作者メッセージ
2月中に間に合った!
この後訓練そっちのけでらぶらぶえっちしまくればいいと思うよ!!

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