読切小説
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押しかけ妻はあかなめ
 権蔵は、汚れた体で村に帰って来た。猟のため五日間山の中に入っており、その間に体をろくに洗えなかったのだ。体は汗と垢、血と泥で汚れている。
 権蔵は、家にある風呂の事を思い浮かべていた。村に住み着いた職人に、熊の毛皮と引き換えに作ってもらったのだ。猟から帰った後は、汚れた体を風呂で流してさっぱりしたい。そのあとで飲む酒がうまい。
 これで女がいれば最高なんだがな。権蔵は苦笑する。俺のような偏屈な猟師の嫁になる物好きな女はいないだろう。町に行ったら女を買うとするか。
 権蔵は家に入ると銃や獲物の狐を置き、風呂へと向かう。風呂の調子を調べたら、井戸から水を汲んで風呂に入れて沸かし、早速入ろうというのだ。
 風呂場に入った瞬間に、何かに飛び付かれる。権蔵は喚き声を上げながら、相手を押し倒そうとする。そのとたんに何か濡れて滑る物が権蔵の懐から潜り込み、権蔵の胸や腋を舐め回す。権蔵は、思わず力が抜けてしまう。
「いい味の体をしているねえ。涎が出るだけじゃなく、あそこが濡れて来ちゃうじゃない」
 ねちっこさを感じさせる女の声がした。権蔵は足を滑らせて、風呂の床に倒れる。にやけた顔をした女が、権蔵に覆い被さっている。
 権蔵は、女の舌を見て驚嘆する。三尺、いや四尺の長さは有る。その人間離れした長さの舌が、権蔵の体を舐め回していた。
 女は、権蔵の服を脱がして行く。手付きも、ねちっこくていやらしさが有る。
「お前は魔物だな!何処の誰だ?」
 権蔵の誰何に対して、魔物の女は手と舌による愛撫で答える。権蔵の体を快楽が走り抜ける。女から体を舐められた経験はあるが、それとは段違いの気持ちの良さだ。体から力が抜けて行き、思わず身を任せたくなってくる。
「あたしが魔物だと分かっているのなら、これから何をするかは分かっているだろ?野暮な事は聞きなさんな」
 魔物の女は笑いながら体を舐め回す。顔を顰めると懐から布を出して、権蔵の体に付いている血と泥を拭い始める。
「汗と垢はご馳走だけれど、血と泥は舐める気がしないねえ。拭ってあげるからね」
 権蔵は、抵抗する気を無くしていた。女の舌は、今までに味わった事の無い気持ちの良さだ。それに加えて、権蔵はここしばらく女を抱いていない。よく見ると、魔物の女はかわいらしい顔立ちをしている。この女とやったほうが得かもしれないな。権蔵はそう考え、抵抗するのを止めた。
 魔物の女は権蔵の左腋に顔をつけて、鼻を鳴らして臭いを嗅ぎながら舐め回す。臭いの嗅ぎ方や舐め回し方に、女の粘着するような性質が感じ取れる。
「すごい臭いに味だよ。あんたはどれだけ体を洗ってないんだい?いいねえ、股が濡れっぱなしになっちまうよ」
 女は、執拗に腋の臭いを嗅ぎ続け舐め回す。左腋が濡れそぼるくらい舐め回すと、女は右腋を貪り始める。それが済むと舌を権蔵の腹へ、股へと這わせて行く。女は、権蔵の汚れて臭気を放つ股へ顔を埋めた。
「何さ、この臭いと味は?頭がふらつくよ。鼻と舌を犯すつもりかい?」
 女は陶然とした様子で言いながら、赤黒い男根に鼻を押し付けながら臭いを嗅ぐ。蛇の様にのたくる舌は、男根に絡みつきながら玉を舐め回す。皮の被った男根の先を見て、女は口の端を吊り上げて笑い出した。
「あんたは皮被りなんだねえ。ちゃんと皮を剥いて洗っているのかい?あたしが確かめてあげるよ」
 女は皮の被った先端を舌で舐め回し、唾液を塗りこむ。先端がふやけるほど唾液で濡らすと、笑いながら唇で皮の先を咥える。そのままゆっくりと皮を剥いて行く。権蔵は呻き声を上げるが、女は止めようとしない。
「あらあら、ずいぶん溜まっているねえ。臭いなんてもんじゃないねえ。普通の女だったら逃げ出すよ」
 女はくすぐる様に、剥けた所に舌の先端を這わせる。びっしりとこびり付いている白い垢をこそぎ取っていく。女は、悪戯っぽい表情で男根の汚物を舐め取る。
「味もひどいねえ。舌が狂ってしまうよ。こんな物をこびり付かせておいて、恥ずかしくないのかい?」
 女は、権蔵を嬲る様に言いながら丁寧に舐め回す。
 権蔵は、悦楽の只中にあり答えることが出来ない。腰の奥から熱い塊が競り上がってくる。限界へと向かって押しやられていく。
「お前の口にぶちまけるぞ。構わないよな?」
「たっぷりと精を出しなよ。全部飲んであげるからさ」
 女は、微笑みながら男根を口に頬張る。口の中で激しく男根が翻弄される。
 権蔵は、女の口の中に精をぶちまけた。鉄砲水のような激しい放出だ。健康な男がしばらく抜いてなかったため、堤の決壊の様な放精が行われる。
 口の中に放たれる精の激流を、女はこぼす事無く喉を鳴らして飲み込んで行く。男の精を飲み込む女の顔は、喜悦に染まっている。
 長い放精がようやく止まると、女は男根を音を立てて吸い上げた。口の位置や咥え方を変えながら、執拗に吸い上げる。やっと吸うのを止めて口を離しても、舌は男根を撫で回すように舐め続けている。女の口からは、濃い精の臭気が繰り返し吐き出された。女は権蔵を上目遣いに見上げながら、ニヤニヤ笑った。
「これで終わりじゃないよ。まだまだ、たっぷりと楽しませてもらうからねえ」

 その後、権蔵は何度も精を搾り取られた。その女は、何尺あるか分からない長い舌で権蔵の体を隅々まで舐め回した。呆れた事に、権蔵の汚れた尻の穴までねちっこく舐め回したのだ。権蔵の精を、舌と女陰で繰り返し搾り取った。
 やっと搾り取り終わると、女は自分の事を話し始めた。女の名は隠花といい、あかなめという魔物だ。あかなめとは人の垢を好む魔物で、人里の風呂場などに現れる。
 隠花によると、薬師としての仕事の途中にこの村に寄り、権蔵を見かけたそうだ。権蔵から良い臭いがしたため、権蔵の家に先回りして待ち伏せしたそうだ。隠花達あかなめには、権蔵の様な垢や汗で汚れている男は魅力的なのだそうだ。
 権蔵は、交わっている最中に隠花はあかなめだろうと思っていたが、隠花の言葉で確かなものとなった。よりによってあかなめか、権蔵は頭を抱えたくなった。あかなめと一緒にいると、自分が不潔だと公言している様なものだ。その権蔵に、隠花は眩暈がする言葉を放った。
「これからあんたの家に置かせてもらうからねえ。よろしくねえ、だんな様」

 権蔵は、隠花と暮らす事になった。隠花達魔物娘は、一旦これと決めた男の元は梃子でも動かない。隠花は、権蔵の家と村で妻として振舞っている。
 権蔵は始めは追い出そうとしたが、すぐに諦めた。隠花から与えられる快楽に溺れたのだ。隠花は、暇さえれば権蔵の体を舐め回す。隠花の舌技は、巧みに権蔵の体の隅々に快楽を与えた。その上、普通の女だったらやらない事もしてくれる。汚れた権蔵の腋や男根、尻の穴の臭いを嗅いで舐め回してくれた。このような事は、遊女でも嫌がる。隠花は、嬉々としてねっとりとした舌使いでやってくれるのだ。権蔵は、隠花に強い興奮を覚えた。
 それに少ししてから気が付いたが、隠花に体を舐められるようになってから権蔵の体は調子が良くなっていた。疲れが取れていき、体の汚れが無くなっている様に感じられるのだ。隠花に話では、あかなめは人間の体から疲れを舐め取るそうだ。しかも体の外と中の汚れを舐め取る事も出来るそうだ。
 これには権蔵は危惧を覚えた。疲れや汚れは毒ではないのか?隠花の体を蝕むのではないのか?隠花によると、あかなめには毒にならずに滋養になるそうだ。くわしい仕組みは隠花にも分からないが、あかなめの体はそうなっているらしい。
 こうして権蔵は、隠花をありがたがる様になった。ただ、それでも困った事は有る。風呂に入る事が出来なくなった事だ。権蔵の楽しみの一つは、汚れた自分の体を風呂で洗い流す事だ。その為に、苦労して仕留めた熊の皮と引き換えに風呂を作ってもらったのだ。隠花は、自分が体の汚れを舐め取るからと言って、権蔵に風呂に入る事を許さなかった。隠花は薬師として、怪我をしたり病気にかかった村人には薬湯や温泉での治療を指示する。それでも権蔵には、決して風呂には入らせない。
 加えて、村人達の生暖かい視線も困りものだ。村は魔物と交流があり、魔物と夫婦になっている者もいる。薬師である隠花は、村人から歓迎された。ただ、魔物と友好を結んでいる村だから、あかなめの事も分かっている。あかなめが汚れた男を好み、男の汚れに欲情する事も分かっている。村人達は、権蔵を意味有り気に見るようになった。
 得意げに自分と腕を組む隠花とニヤニヤする村人達に、権蔵は溜息を堪えなくてはならなかった。

 権蔵は、猟を終えて家に入ろうとした。戸を開けた途端に、柔らかいものが飛び付いて来る。権蔵の胸に顔を擦り付ける隠花は、鼻を鳴らしながら臭いを嗅いでいる。そばかすの浮いたかわいらしい顔で、恥ずかしげも無く男の臭いを嗅ぎまわす。機嫌の良さそうな隠花の顔が、不満げなものに変わる。
「あんた、体を洗ったでしょ。あたしが体を舐めてあげるというのに、何で体を洗うのさ?」
「獲物に臭いを嗅ぎつけられない為にだよ。猟をやっていると、臭いはどうしても始末しなくてはならないんだよ」
「だから、あたしも猟に付いて行くと言ってるじゃないの」
「薬師の仕事はどうなるんだ?それにお前では、猟の動きに付いて来れない」
 権蔵の言葉に、隠花は不満げな唸り声を上げる。以前、隠花は権蔵の猟に無理やり付いて来た事がある。薬草を手に入れるために山に入る事があるから、猟にも付いて行けると言い張った。結果は、権蔵の足手まといになっただけだ。薬草摘みと猟とでは、動きが全然違う。隠花は足を挫いてしまい、権蔵の手を借りて山を下りた。
 隠花は文句を言うのを止めて、服を脱がしながら権蔵の体を舐め回す。胸を舐め回しながら、左へと舌を移して腋に舌を這わせる。悪戯っぽい表情でくすぐる様に舐め回す。
「洗っても腋は臭いし、きつい味がするねえ。そうじゃなけりゃ、あたしには詰まらないからねえ」
 隠花は跪いて、権蔵の股間に顔を押し付けた。顔を濃い茂みに埋めながら、顔を肉棒に擦り付ける。
「ここの臭いはもっとすごいねえ。ここはきちんと洗ってないのかい?臭くて獲物が逃げちまうよ」
 隠花は、舌を伸ばして権蔵の玉を嬲る。陰嚢の皺を伸ばす様に玉を弾く様に嬲り続ける。
 隠花の舌技に、権蔵は情けなく喘いだ。

 権蔵は、隠花と共に布団の上に横たわっている。隠花は、権蔵の左腕に顔を乗せて寝息を立てている。
 権蔵は、体の隅々まで舐め回された。権蔵の体で隠花の舌の感触を知らない場所は無い。全身が快楽を味わい、すっきりとした感触になっている。すっきりした感触になるのは、精を放つ上に老廃物を舐め取られる為だ。権蔵はこの感触に病み付きになっており、既に隠花の舌無しではいられない。
 おまけに、隠花に体を舐め回される様になってから、権蔵は異常なほど精力がみなぎる様になってきた。これほどまで精力溢れるようになった事は、生まれてから一度も無い。魔物と交わる者が精力絶倫になるとは、権蔵も聞いた事がある。権蔵は、自分の身にもそれが起こっているのだとわかった。
 権蔵は、寝息を立てる隠花を見つめる。隠花の顔は、権蔵の生渇きの精液で汚れている。顔だけでなく、体中が精で汚れている。性欲溢れる権蔵が、欲望を叩き付け続けた結果だ。隠花からは、顔からも腋からも股からも尻からも精の刺す様な臭いがする。
 眠っているくせにいやらしい表情を浮かべる隠花に、権蔵は思わず微笑む。押しかけられた時はうんざりしたが、なかなかいい嫁さんじゃないか。
 権蔵は、隠花の感触を楽しみながら思った。

 権蔵は、山の中を一日ほど入った所で猟をしていた。隠花には、三日ほどで帰ると話している。背には仕留めた狸がぶら下がっている。
 猟の結果はまあまあだ。この調子ならば予定よりも早く帰れるかもしれない。熊や猪といった大物には出会わなかったが、それで良いだろう。金にはなるが危険も大きい。狐や狸を狩るのが無難だ。権蔵は、背の狸の体を感じながらそう思った。 
 権蔵は、隠花の舌の感触を思い出す。早く帰って、汚れた体を舐め回してもらいたい。権蔵の男根はそそり立ち始める。
 その時、強い気配が右側からした。権蔵は素早く目をやり、猪の姿を確認する。権蔵は舌打ちをしそうになる。まずい、俺は風上だ!奴に気づかれた!権蔵は素早く銃を構える。
 猪は茂みの中に消える。どちらから来るのか?右か?左か?権蔵の顔に汗が流れる。
 茂みの左側から猪が飛び出す。猪が権蔵とぶつかった瞬間に乾いた銃声が響く。権蔵は、跳ね飛ばされて地面を転がる。
 猪は向きを変えて再び権蔵に向かおうとするが、よろけてそのまま倒れる。猪の顔には銃で撃たれた痕が有り、血が滴っている。
 地に倒れ付した権蔵は、呻き声を上げ続ける。左の太股から血が流れている。権蔵は激痛に耐えられずに、そのまま意識を失った。

 権蔵は、苦痛の中で意識を取り戻した。呻き声を上げながら辺りを見回すと、少し離れたところに猪が倒れている。辺りには他の獣はいない。
 権蔵は、自分の体を調べた。左の太股の肉が抉れている。他は擦り傷と打ち身だけで、骨は折れていないようだ。
 権蔵は、荷物の中から酒と薬、布を取り出す。左の傷口は、服が布代わりになっており出血を止めている。苦痛に耐えながら服を剥がし、酒で傷口を洗う。酒が染みて、また気を失いそうになる。洗い終えると、隠花の調合した薬を塗りこむ。最後に布を傷口に巻きつけた。
 日は沈もうとしており、辺りは薄暗くなっている。この時間では動かないほうが良いと、権蔵は判断する。それに、この足の傷では動きようが無い。
 つけが回ってきたな、権蔵は自嘲する。猟は危険であるため、普通は他の猟師と組んでやる。以前は権蔵も、集団での猟に参加していた。だが権蔵は、他人と共に行動する能力が乏しかった。結局、危険を承知で一人でやる事になった。
 俺を探しに来る奴はいないだろう。隠花には探し出す事は無理だ。自分一人で村まで下りる事も無理だ。俺の人生は終ったな。
 権蔵は、乾いた笑いを響かせる。そのまま目をつぶり、再び意識を失った。

 隠花は、山の中を探し回っていた。権蔵は三日で帰ると言ったが、五日経っても戻らない。隠花は、村の魔物娘や以前治療した村人に頼み込んで、権蔵を探してもらっている。隠花も権蔵を探しに山へと入った。
 隠花には、魔物娘として、あかなめとして独特の嗅覚がある。その能力を用いて、権蔵の臭いを嗅ぎつけて探し出そうとしていた。隠花は、嗅ぎ慣れた権蔵の臭いを山の中で嗅ぎ付けて辿っている。次第に権蔵の臭いは強くなる。
 草を掻き分けて開けた所に出ると、猪がうずくまっていた。隠花は思わず悲鳴を上げそうになるが、よく見ると死んでいる。猪の側にゆっくりと近づくと、少し離れた所に権蔵が倒れている姿が見えた。
 隠花は駆け寄り、権蔵の息を確かめる。息をしている事が分かり、隠花は安堵の息を付く。手早く権蔵の状態を探り、傷はひどいが命に別状は無い事が分かる。傷は権蔵がきちんと手当をしたようだと、隠花は判断する。
 隠花が繰り返し権蔵に声をかけると、権蔵は目を開く。
「よお、隠花。夢に出て来るのはこれで何度目だ?」
「夢じゃないよ、本物のあたしだよ!」
 隠花は、権蔵の顔を舐めてやる。
「夢じゃないのか?」
 訝しむ権蔵を、隠花は再び舐めてやる。
「確かに本物の隠花らしいな。気持ち良いからもっと舐めてくれ」
 隠花は、無言で舐め続ける。権蔵は、うっとりした顔で舐められていた。

 隠花は、権蔵の傷口の薬を塗りなおし、布を巻きなおした。その後、捜索をしている村人に権蔵を見つけた事を知らせた。村人の手により、権蔵は村まで運ばれる。
 権蔵の治療は、隠花が行った。隠花は権蔵の傷を縫い、舐め回し、薬を塗る。口を権蔵の血で染めながら、隠花は傷を始めとする権蔵の体を舐め回す。舐め回す事により、老廃物を取るだけでなく体を癒した。
 権蔵の様態は、七日で快方に向かい、半月経つ頃には傷が大分ふさがった。隠花が権蔵を執拗に舐め回した事と、隠花の薬師としての腕の賜物と言える。権蔵は、隠花によって回復する事が出来た。

 権蔵は、体を隠花に見てもらっている。権蔵は既にほとんど回復しており、歩き回るのに差し支えは無い。数日後には猟を再開するつもりだ。
 権蔵は、他の者と組んで猟をする事にした。一人での猟はやはり危険であり、次は命が無いかも知れない。
 ただ、人間と組む事は権蔵には出来ない。だから、魔物と組む事にした。赤鬼と青鬼が一緒に猟をする事になった。両者とも元は猟師だったが、夫が出来た事により夫と共に田畑を耕していた。子供が大きくなり農作業が出来る様になった為に、再び猟を始めようとしていた。そこで、権蔵と手を組むことにしたのだ。二人とも猟師としての能力は今でもあり、夫がいるために権蔵に手を出す恐れも無い。隠花は、安心して任せる事ができる。先ほどまで権蔵は、赤鬼と青鬼と猟の打ち合わせをしていた。
「体はもう大丈夫だね。猟を出来る体になったよ」
「そいつは有がたい。飯代を稼がなけりゃならないからな」 
「しっかりと稼ぐんだよ。ただし、無茶はしないようにね」
 隠花は、権蔵の股間を愛撫し始める。たちまち権蔵の男根は、天を向いて身を震わせた。
「ちゃんと治ったか、体で試してみないとねえ」
 隠花は権蔵の股間をむき出しにして、舌舐めずりを始める。権蔵の股間に顔を埋め、男根に頬ずりをする。
「相変わらず臭いねえ。顔に臭いが染み付いちまうよ」
 隠花は顔を離すと、舌先で男根の先をくすぐる。そのまま男根の皮を舌でむく。むき出しになった部分には、白い垢が付いている。
「なんだい、もう溜まったのかい。あれだけ丁寧に舐め取ってやったのに、呆れた一物だねえ。恥ずかしくないのかい?」
 隠花は、嬲る様な粘っこい言い方をした。権蔵は、男根を突き出す事で答える。隠花はねちっこい舌使いで、男根の垢を舐め取って行く。舌はやがて男根全てを愛撫して、権蔵を蕩けさせる。
 権蔵は、隠花の承諾を得るとすぐさま精をぶちまけた。隠花の舌が白濁液で染まっていく。
 隠花は、強い臭いと味を持つ濁液をおいしそうに口に含む。そのまま口の中で舌を蠢かせて、精液と唾液を混ぜ合わせる。隠花は口を開き、混ぜ合わせた液を権蔵に見せつけた後、喉を鳴らして飲み下した。
 権蔵は隠花の粘つく様ないやらしさに興奮し、早くも男根が回復していく。男根は先端から精を溢れさせ、震えながら隠花に催促する。
 隠花は、舌を這わせながら男根を揉み解す様に動かす。男根は完全に回復し、天を向きながら血管を浮き上がらせる。隠花は舌を男根から離し、布団の上に仰向けに寝そべった。
「さあ、今度はあたしの下の口に出しておくれよ。そろそろあんたの子供がほしいからねえ」
 隠花の言葉に、権蔵は隠花の上に覆いかぶさる。隠花の女陰は既に濡れそぼり、股は愛液で滑っている。小柄な体の割には茂みは濃く、濡れた茂みは外から漏れる日差しで光っている。権蔵は、男根を女陰に当ててゆっくりと埋め込んで行く。熱く濡れた肉の締め付けに、権蔵は背を震わせながら喘ぐ。
「子供は二人ほしいねえ。一人は猟師に、もう一人は薬師にしようよ」
「そいつはいいな、二人孕ませてやるよ。そして育て上げてやろう」
 権蔵の答えに、隠花はうれしそうに膣を締め付けながら抱きつく。隠花は舌を伸ばして、権蔵の背の上を滑らせた。そのまま舌を伸ばし続けて、権蔵の尻の穴まで届かせる。唾液で濡れた舌が、権蔵の尻の穴を舐る。尻の穴に生えている毛を湿らせ、皺をほぐしていく。
 権蔵は、喘ぎ声を激しくする。尻の穴を舐められて、悦楽という言葉では言い表せないほどの気持ちの良さを味わう。男根を包む膣の快楽と合わさり、意識をまともに保てない。
 隠花は、尻の穴から蟻の門渡りへと舌を滑らせていく。そのまま睾丸を舌で愛撫し、泡立つ二人の結合部を繰り返し舐め擦る。隠花は舌の動きに合わせて腰を動かし、膣で男根を締め上げる。
 権蔵は、隠花の中にありったけの欲望をぶちまけた。魔物と交わった男特有の濃い精液が激流の様に隠花の中へと放出される。二人の結合部から、白く濁った液が吹き上げる。
 二人は、体を繰り返し震わせながら抱きしめあっていた。権蔵は隠花の顔を舐めしゃぶりながら、隠花は権蔵に頬を擦り付けながら互いを抱きしめている。二人は次第に震えを納めて行き、ゆっくりと互いを愛撫し合う。
 二人は顔を見合わせて、微笑み合った。

 権蔵は、猟を終えて村の中でいた。三人がかりでやると、安全な上に大物を捕える事が出来る。権蔵達は熊を仕留め、先ほど熊をばらし終えた。しばらくうまい肉が食える上に、町へ毛皮を売りに行く事が出来る。魔物の伝を使えば、毛皮を安く買い叩かれる事も無い。
 権蔵は、足早に家へと向かっていた。早く隠花とその子に合いたい。隠花は身重であり、既に腹はせり出している。毎日のように隠花と交わり続けた結果だ。
 権蔵は、隠花との悦楽の時間を思い出して男根がそそり立ちそうになる。村人の前で立てると笑い者になるから、あわてて腰に力を入れて押さえ込む。少しの間我慢すれば、隠花が舐め回してくれる。身重になった隠花と交わるのは難しいが、相変わらず全身をねっとりと舐め回してくれる。その度に隠花に精をたっぷりと浴びせていた。
 妻に子供か……俺が持てるとは思わなかったな。権蔵は、満たされた気持ちになる。変な妻だが、俺の様な偏屈者には似合いの妻かも知れねえ。権蔵は思わず苦笑する。子供はまともに育ってほしいが、無理だろうな。
 権蔵は、夕焼けに照らされながら妻子の待つ家へと急いだ。
14/09/08 00:48更新 / 鬼畜軍曹

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