連載小説
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苦労人なワンちゃん
「お嬢様、ピアノのお稽古の時間でございます」

大きなお屋敷の一部屋の扉の前で一人のアヌビスが立っていました。

このアヌビスはとってもしっかり者なのですが一番新入りの為、通称『ワンちゃん』と呼ばれることもしばしば。

「おい、ナレーション!余計なことは言わないで良い」

……ナレーションに突っ込みを入れるという空気の読めないこともよくあります。あと、聞こえてても天の声ってことにしてもらえるとうれしいなぁ。

「……わかった、天の声どうでもいいから余計なことは言うな」

天の声に命令しちゃうの?じゃあ彼氏いない暦=年齢もばらしておくか。

「わかった、わかりましたから!天の声様、余計なことを言わないでくださいにしてください!」

……言葉がおかしいよ?

「誰のせいだよ……」

まぁいいや、何してたの?

「私はだな、この屋敷のお嬢様の従者としての役割をきっちり果たそうとしているだけだ」

……ふーん、まぁ天の声は余計なことは言わないでおくよ。とりあえずお嬢様出てこないね。

「寝ていられるんだろう、お嬢様はお寝坊さんだからな!」

ギィィっとアヌビスはドアをあけた、中は可愛らしいヌイグルミが沢山ありとても女の子らしい部屋だ。

「お嬢様、起きてください」

そう言って彼女はベッドの中にいるアリスお嬢様を起こそうとした……が。

「……いない、どういうことだ?」

天の声は余計なことは言わないよ?

「お前知ってるんだろ?教えろ!!」

また命令した、夜は相手が居なくて寂しいから杖で自分を慰めてるんだよね?

「わかった、わかった、わかりましたから。知ってることを教えてください」

んー知りたい?

「知りたいです、とても」

どうしても?

「えぇどうしても知りたいです」

どうしよっかなー?

「いい加減にしろよ?」

……いいの?天の声にそんなこといって?ありもしない設定つけくわえちゃうよ?

「いい加減に教えてください、お願いですから」

あっ泣いちゃった、まぁそろそろ教えても大丈夫かな?実はお嬢様はスフィンクスと一緒に町に出かけたよ!

「えっ……なにそれ、本当?」

うん、本当。お嬢様とスフィンクスの二人に口止めされてたからなー。

「あの馬鹿猫……」

それでも君よりは彼女が先輩だからね?従者としては。

「で町に何をしに出かけたのだ?」

買い物だって言ってたけど、天の声は二人の本当の目的知ってるよ!!

「教えてください」

お断りだ!!

「教えろ!」

えー彼氏居ない暦=年齢なワンちゃんに教えると妬んじゃうから嫌だ。

「ワンちゃん言うなー!!」
11/03/14 14:58更新 / アンノウン
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■作者メッセージ
うん、お嬢様がまだ出てないね。
次から出る予定だよ、だから安心してね。本当だよ?

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