連載小説
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少女兵士と女王様のハーレム参り(決意)
※魔王城・ハーレム部屋※
※リーゼ視点※


わたしは落下していました。

理由は簡単

バイコーンのパールさんからハーレム参りに誘われ、空中からハーレムを眺めている最中、

突如砂の中から現れた異形の魔物に驚き、

手綱から手を放してしまったのです。

(こんな時だからこそ、冷静に)

私は着地に備え受け身の体勢を取ります。

身体に衝撃が走ります。

わたしの周りに札が飛び散りました。

ワイト達がカルタをしている場所に着地したようです。

わたしは冷静に彼女達に謝罪します。

「ワイトの皆さん、カルタの邪魔をしてすみませんでした」

わたしはカルタ会場を脱兎の如く離れ、怪物の所へ向かいます。

例え武器を持たずとも、

わたしが何とかする。

「怪物さん、暴れるのは止めてください!」

緑の衣と赤の顔をした怪物に向かって叫びました。

怪物の動きが止まりました。

「皆さん、わたしがこの怪物を食い止めてるうちに避難を!」

メシャスさんがわたしの前に着地しました。

「リーゼちゃん…いいかな」
「メシャスさん、早く皆さんを避難させてください」
「だからね…」
「早く避難指示を」

メシャスさんがわたしの耳元に近づき、



『落ち着いて…』



優しく囁きました。

急に心が落ち着き、周囲を見渡すと、

「誰も逃げてない?」

皆、何故かポカンとしています。

メシャスさんが、怪物に向かって大声で呼びます。

「獅子舞取ってくれる?」

怪物が化けの皮を剥がし、巨大な虫の姿となりました。

メシャスさんがさらに声を掛け、

「悪いけど出てきてくれない?」

すると虫の口が大きく開き、

中から女性が出てきました。

「あれ?虫の口から女の人が……?」
「彼女はサンドウォーム、魔物娘よ…」
「……へ?」
「サンドウォームが被っているのは、獅子舞と言って、正月の被り物なの…」
「まさか……わたし」
「リーゼちゃんは正月の出し物を魔物の暴走と勘違いしてたのよ」

本当の意味で冷静になったわたしは次にするべきことに考え、

「お騒がせしてすみませんでした」

ハーレムの花嫁達に謝罪しました。

※獅子舞通り※

「壁や床は衝撃を吸収する素材で出来ているとはいえ、一瞬ヒヤッとしたわ」
「すみませんでした、パールさん」
「空中での案内は控えて、歩きながらハーレム参りをしましょう」
「宜しくお願いします」

わたしとパールさんは獅子舞の踊りを見物しています。

サンドウォームの大獅子舞と、小獅子舞が四匹(人より少し大きいサイズ)がゆっくりと体を揺らしながら歩いています。

「柴さん五人が獅子舞に向かってる?」
「ウフフ、これからが見所よ」

パールさんは妖艶な笑みを浮かばせます。

柴さんが大獅子舞の前に立ち、口から出てきたサンドウォームの本体に掴まれそのまま口のなかへーー

「柴さん食べられましたよ?」
「性的にね」

それに続いて、各獅子舞が柴さんを襲います。


蠍の針で毒を注入し

蜘蛛の糸で全身を拘束

尻尾の先端が口のように開き

無数の触手があちこちから飛び出し

一瞬のうちに四人の柴さんが犯されました。

「ギルタブリル,ウシオニ,マンティコア,ローパーの獅子舞プレイよ」

周囲の妻達が涎を垂らし、性器を弄っています。

「魔物娘の襲い方って、こんなに個性的なんだ」

魔物娘の奥深さを少し知りました。

「そういえば、メシャスさんとレーサさんは?」
「あの二人なら、ワイトのカルタ大会に参加するって言ってたから、一旦会場に戻ってみましょう」

※カルタ会場※

「イ、イクーーーーー!」

「シコシコシコシコシコ」

「ピュッピピュッピュッ」

「かけていっぱいかけて」

「すごぃ、こんなにぃ…」

「まものってきもちいい」

「エッチしたいよエッチ」

「チンポがはいってるぅ」

「ないおちんちんがない」

「ロリコンになっちゃえ」



「パールさん」
「はい、リーゼちゃん」
「もう一度聞きます、あのリッチが読んでいるのは本当にカルタなんですよね?」
「そうよ、R-15指定のカルタよ」
「なら、納得です」

「納得するなよ!」
「レーサちゃんがツッコミを入れてる間にどんどん進行スルわよ」

「おにいちゃんだいすき」
「はい」

メシャスさんが札を取ります。

「お」の文字と、魔女とお兄ちゃんがラブラブに寄り添う絵が描かれています。

「因みにR-18版では、魔女がお兄ちゃんと騎乗位セックスしてる絵になるわ」
「私に見せ付けながら言うな」

レーサさんが苛々してる間にも、

メシャスさん及び七人のワイトが一斉に札を取っていきます。

「続きましては……」

リッチが一間置いて

「サキュバスになったよ」
「ばんっ、やったーゲット」

ワイトの少女が「さ」の文字,角,羽根,尻尾が生えた女性の絵が描かれた札をとりました。

「また、ガキに先越された」

隣にいるレーサさんが悔しそうにしています。

子供と思って余裕をかましていたのでしょうか?

子供とは言え、他のワイトにも負けず劣らずの魔力を放っているというのに。

「頑張ってレーサちゃん、札を一枚でも取れば、お見合いパーティーに出席出来るようリーチが手配するわよ」

「婚活、お見合いパーティー」

「黙ってよメシャス、集中出来ないから!リーチさんも早く読んで」

レーサさんが腹を立てています。

「パールさん、まだ札を取って無いのはレーサさんだけですね」
「ワイト達はかれこれ百年以上、カルタで遊んでいるからね〜♪」
「百年も!?」

わたしの年齢の約六倍以上の年月に驚きを隠せません。

「続きましては……」

残り札は「て」,「と」,「よ」の三枚。

「ようこそふしぎのくに」

凛々しい顔立ちのワイトが前屈みになり札を取ります。
その拍子で着物がはだけますが、その姿すら美しく感じます。

「てんしもだらくするよ」

レーサさんが手を出しますが、タッチの差で隣の少女ワイトに取られました。

「続きましては……」

最後の一枚。

「と」の文字と、剣を構えた強気な女性。

一見人間に見える彼女が魔物を象徴する特徴、それは……



「とかげせんしはつよい」



レーサさんは鬼のような形相で、蜥蜴の特徴を持った戦士を叩きつけようとして……。

複数の手がレーサさんの手に重なりました。

「ぎゃーっ!精が吸い取られるーっ!」

レーサさんが急に悲鳴を上げました。

因みに勝負はワイトの勝ち。

「何、この脱力感……?」
「言い忘れてたけど、ワイトは手を使って直に相手の精を吸い取る力を持ってるわ」
「それを、早く、言えよ」

レーサさん撃沈。

こうして、ワイトだらけのエロカルタ大会は幕を閉じました。

「今年のカルタも楽しかったー」
「ぼくなんか着物はだけちゃったよ」
「最後は熱い試合だったぜ!俺達が一斉にあのレッサーの手に重なってさ」
「美味しうごさいました……レッサーサキュバスの精」
「くっ、私の右手がまた罪なき娘を……」
「ふふふ、あの娘の精……また味わいたいわぁ」
「今年はわたくしが一番なので、柴様の初エッチはいただきますわ」

ワイト七人のトークを聞きながら、わたしは伸びたレーサさんを抱え会場を後にしました。

※羽根つき会場※

「アマゾネスとダークエンジェルが、一対一で羽根みたいな物を打ち返してますね」
「リーゼちゃん、あれは羽根つきという遊びよ」
「あ、堕天使さんが打ち返せなかった」
「ミスしたら相手から墨を塗られるの」
「ただ、墨を塗るだけなら平和ね、私と違って」

レーサさんは精力剤入りかまぼこを食べながら羨ましそうに言います。

「ウフフ、そうとも言えないわよ」

「ああ……スッゴく気持ちよい」

堕天使がさらに堕落しきった顔をしています。

「あの墨は塗れば快楽のルーンと同じ効果を発揮するの」
「もはや筆の摩擦だけでも感じやすくなってるわね」

堕天使の股から潮が吹いてます。

堕天使だけではなく、周囲の妻達も墨を塗られて快楽を感じています。

中には羽根つきすらせず、互いに墨を塗りまくっている者も。

仲睦まじく胸元に墨を塗る、双子のアルプ

互いを罵りながら、股を舐め合うエルフとドワーフ

面白半分にマミーの肌に墨を塗るスフィンクスと、涙目で包帯を濡らすマミー

「どこが羽根つきよ」

レーサさんがツッコミますが、夫が不在の時はこうして互いを愛し合うのだとわたしは思いました。

※第二給湯所※

「ここら辺では柴さんの分身と妻達がイチャイチャしてたり、酒を飲み合ってますね」

柴さんが妻とエッチをしていたり、互いに酒を飲み合ったりして、宴会を楽しんでいました。

小さなコップで乾杯するアカオニとアオオニ

高く直立したペニスをペロペロ舐めるピクシー

「ん、あれは?」

わたしはあぐらをかく柴さんとエンジェル、そして壁ぎわにいるレッサーサキュバスに気付きました。

「あっあっ手コキ気持ちいい」
「どうぞ柴様、元勇者にご加護を」
「出る出る、うっ!」

彼のペニスから信じられない量の精液が放出され、レッサーサキュバスに掛かります。

「あはぁ、美味しい。もっとぉ」

わたしはそのレッサーサキュバスのだらけた表情に目を疑いました。

「どうしたの?」

レーサさんもわたしと同じように見て

「前に教団が責めてきたとき、指揮を取っていた元勇者じゃない」

「そんな、真面目な勇者様がすっかり魔物に染まって……やっぱり魔物になると自分を見失うんだ」

わたしは腰を落としました。

「……リーゼちゃん、不安なのね。魔物になることで自分を見失うのが」
「パールさん……はい、捕虜になって数日、仲間達が次々と堕落する姿を見てきました」

勇者を目指していた先輩が、サキュバス化したら卑猥な言葉ばかり連発し

頑固者で有名だった男性兵士もたった一度の性交で、セックス中毒になり

わたしは恐怖を感じました。

「わたしは魔物になって、自分を失うのが怖いよ、戦士じゃなくなるのが怖い」



「そんな事無いと思うよ」



「レーサさん?」
「結論から言えば、魔物は皆セックスばかりしてる奴じゃないわよ」
「え?」
「私の仲間達は魔物になってからは夫とエッチするけどさ、普段はちゃんと魔王城の業務をこなしてるし、人間だった頃と変わらずに接してくれるわ」
「……」
「私も同じ、最初は魔物になるのは嫌だって思ったけど、なってみたら意外と悪くは無かったしね、性格もそんなに変わってないし」
「……出来るのでしょうか?わたしにも……」

「リーゼちゃんならきっと出来るわよ」

今度はメシャスさん。

「だってリーゼちゃん、最初からずっとエッチな事から目を逸らさなかったじゃない。きっとリーゼちゃんは元から魔物らしい淫乱な性質があるのよ」
「あ、あれはパールさんから誘ってくれたので、ちゃんと見なければ失礼だと思って」
「他にも、勘違いとはいえ獅子舞から皆を逃がそうと身体を張ろうとしたのはあたしもびっくりしたわ。それくらいの度胸があれば魔物になっても、自分を見失うことは無いわよ」

メシャスさんは囁くように、

『だから、自分を信じて』

背中をポンと押してくれた気がしました。

「……ありがとうございます。メシャスさん、レーサさん」



わたしは決意しました。



「お願いしますパールさん」

頭を深く下げ、



「わたしをハーレムに入れてください」



魔物になる決意を。



「魔物になっても性欲に負けないように頑張ります」

パールさんはわたしに手を差し出し、

「リーゼちゃん、宜しくね」
「はい」

握手をしました。



「さて、ハーレム参りは一旦中断して、準備にとりかからなくちゃ」
「了解しました、パール様。これから皆様を、パール様と柴様の部屋へ案内します」

「あれ?ここで魔物化させないの?私はてっきり魔物もしくは夫とセックスして魔物にするのかと」

レーサさんはきょとんとしています。

「それもあるけど、もっと効率よく魔物化させる方法があるの。私達のハーレム専用の方法が」
「それってどんな方法ですか?」

わたしはパールさんに尋ねます。

「それはね……」





「箱の中で一晩過ごすの」



※続く※
14/01/04 23:52更新 / ドリルモール
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■作者メッセージ
次回はリーゼが魔物になります。
彼女がなる種族とは?
今回の話の中にヒントが……?

他にも

凧上げ
門松

パール夫妻の姫始めもあるよ。


また次回。

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