連載小説
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第25話 恐怖の肝試し!!
 蒸し暑くじめじめとした夜に寝苦しさを感じる今日この頃、子ども達が提灯を片手にあるところへ向かう。その場所は、龍蒼寺・・・・・・・・多くの墓石や、不気味な雑木林などがある。

 今日ここで行われる。肝試し・・・・主催は園長先生と武蔵坊 隼空さん。続々と集まる親子。

 「隼空さん・・・今回の肝試しのお化け役は誰ですか?」不意にたずねる園長

 「ええ、今回のお化け役は、私の式神と緋須深夫婦です。式神は、妖怪たちにさせてますので驚くでしょう」笑いながら言う隼空さんとても、面白そうに言うので私もつられて笑ったが、しゃれにならないよ!!!

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              〜龍蒼寺・境内〜

 「肝試しって初めて!!!」わくわくするヴァンパイアのムーメちゃん

 「肝試しって何?」首を傾げるゴブリンのタルヒちゃん

 「う〜〜〜〜ん・・・・わからないから博士に聞こう!!」博士のことを一番信頼しているラージマウスの初香ちゃん。

 「肝試しは、怖い場所へ行かせて、その人の恐怖に耐える力を試すことである。あるいは、もっぱら夏の夜に行なわれる、霊的な恐怖に耐える、ジパングの伝統的なゲームの一種」説明するアヌビスのリヴェリアちゃん

 「簡単に言えば恐いのを我慢することなの♪♪」すかさず、わかりやすいように言うシースライムのチャルちゃん。

 「そっか〜〜・・・・・・・恐いのいやーーーーーーーー!!!!!」肝試しのことをただのお茶会と思っていたムーメちゃん。

 「でも、ムーメちゃん・・・暗いところでも見れるんでしょ?」不思議そうに言うアカオニの寿美ちゃん。

 「・・・・・・てへ。そうだった」ベロを出すムーメちゃん。その場にいた子はみんな大声で笑っていた。

 「あなた・・・・さすがに恐いわ・・」プルプルと振るえる敏夫さんの妻。マンドラゴラのレンさん。

 「レンは恐がりだな」頭をなでる敏夫さん。

 「くふふ・・・後でおどかしちゃお!!」手を口に当てて笑うシィルちゃん

 「だめよ!!シィル!!そんなことしたらママほんとに気絶しちゃうよ!!!」シィルちゃんの悪戯を止めるテイルちゃん。

 「お化けさんどんなのかな?」どんなお化けが出てくるか楽しみしているリーフェちゃん。

 「やっぱり、可愛いのかな?」首を傾げるスピカちゃん

 「違うよ!!きっと大きくて、目がいっぱいあって、口が大きくて私達を食べちゃうんだよ!!」恐い顔で言うフェアちゃん

 「ひっ!!!!」恐くなって敏夫にしがみつくテリエラちゃん。

 「大丈夫だよ!!みんな!!!お化けが出てきたら家のパパがやっつけてくれるよ!!」セイレーンのレンチャンがパパを指して言った

 「だって!!パパは目が恐いからお化けさんも逃げ出すよ!!」

 「レン・・・さすがに、そう言われるとパパ悲しいよ」三角座りをしていじけるジュンヤさん。

 「あなた、あんまり落ち込まないで」ご主人を慰める妻のセイナさん。

 「いや〜〜肝試しなんて何年ぶりだろ」とても楽しそうなエルムさん。

 「ほんとですね〜。エルムさん」準備体操をしているロランさん

 「パパ・・・お化け恐いよ・・・」エルフのルフちゃん。

 「あたしも・・・恐くておしっこ漏れそう」コカトリスのロナちゃん

 みんなが、思い思いに話しているとスピーカーから園長先生の声が聞こえてきた。

  「みなさん。そろそろ時間ですので雑木林の入り口に集まってください」

 雑木林に集まる人たち。そして、雑木林の入り口の前に立つ一人の男性・・・・

 「皆さん、こんばんわ・・・私はこのお寺の住職武蔵坊 隼空です。今宵このお寺には、多くの妖怪やお化けが出ます。皆さんには、この雑木林を抜けてあちらの場所に戻ってきてください。」そう言うと、出口の方を指す隼空さん。そこにはダークプリーストのフィオナさんがこちらに手を振って笑っていた。

 「それと、もう一つ・・・どうしても恐くなったり、体調が悪くなったらこの花火を空めがけて撃ってください。自警団の方が駆けつけますので・・・・・では、皆さん!!!ご健闘を祈ります!!!」

 そして、皆がくじ引きを引きその順番どうりに、雑木林に入っていく・・・・

              〜数時間後〜
 
 無事にゴールして、お菓子をもらう人や途中気絶して医務室に運ばれる人たちがいた。だが、その時雑木林から、物凄い悲鳴が聞こえた。

 「すごい、悲鳴ですね・・・・」お茶をすすりながら隼空さんに言う園長

 「これでこそ、驚かす側としては面白いですよ」微笑みながら言う隼空さん。

            Pipipipi

 「式神からの連絡ですね・・・・Piご苦労様、首尾はどう?」水晶に映し出される式神だが、その様子は異常なものだった。

 「隼空さま!!!大変です!!!」

 「どうした!?」

 「それが、とんでもない化け物が出てきて・・・・A地点の皿お化けがあまりの驚きに皿をすべて割ってしまい!!B地点の落ち武者はあまりの恐怖に土の中に逃げてしまい!!C地点の幽霊はあまりの恐怖に2度目の死亡!!D地点のトイレの花子さんは、トイレに引きこもり・・・。そして我々のE地点にも奴が・・・ぎゃああああああああああああああああ!!!!!!!!!」式神の悲鳴と共に音信が途絶えた。

 「・・・・・・・・」

 「・・・・・・・・・」

 青ざめる二人・・・・・

 「最後に行った人は誰ですか?園長先生」

 「えっーーーと・・・・・レット親子だと思います・・・・・」

 ちょうど、出口の方で泣きながら出てくるアルフ・レットさんが出てきた。その顔は、涙で化粧が取れ、世にもおぞましい顔になっていたのだ。

 「パパ・・・しっかり」

 「だって〜〜〜すごく恐いんだもん」

 いやいや!!アルフさんの顔が一番恐いですから!!!しかも皆さん、どん引きしてますから!!!

 「園長先生・・・後で、反省会ですね・・・」

 「そうですね。隼空さん」

 その後、お化け役をしていた緋須深夫婦も医務室に運ばれたのは言うまでもない・・・・・・。
10/10/25 21:48更新 / pi-sann
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■作者メッセージ
 〜隼空さんの苦悩〜

「ふ〜〜〜」

「どうしたのあなた?」

「フィオナか・・・いや、今式神たちの心のケアをしてる所なんだ。当分の間、使えないかもな」

 隼空さんの前にいたのは、多くの式神達、皆恐怖に怯えていた・・・・



 今回は、肝試し同じように自警団の日常にもお話を書いてる所です。ここに出ていない子ども達も、そちらに出しますのでお楽しみに〜〜〜では感想お待ちしてます。

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