適合と相性はまた別のはなし
俺が雅史から託された奴を魔物に引き渡したあと、帰宅して暫く経って訪問者があった
和也「お、何か用か?」
来たのはエリカだ
エリカ『貴方たちに頼まれてたことがあったのよ』
と三人をエリカは見る
和也「???」
エリカ『とりあえず、これを渡して置くから見るといいわ』
エリカはそれだけ言うと俺に封筒を渡して帰っていった
和也「なんだったんだ?」
楓『私達は、検査を受けました』
和也「検査?」
雫『何故あれだけ注がれても子を宿さないのか』
和也「なるほど」
瑠璃『もしくは宿せないのかもって…』
和也「そうか…」
早速渡された封筒を開ける
和也「なになに…」
読み進めていくが…
和也「そういうことか」
楓『どういうことですか?』
和也「前提条件として言うなら、そもそも今の魔物も精が体に適合して子供ができるようになるまで個人差が大きいらしい」
雫『でも、精の味はぴったりでしたよ?』
和也「確かに、精の味は相性に大きく影響する。だがだからといってそれで体に適合するのが早いかと言えば別の話だ」
瑠璃『つまり?』
和也「そもそもよほど運が良いか味も適合性もよくないとすぐに子供ができるわけがない、とのことらしい」
楓『なるほど…』
和也「調べて貰ったところによると、適合性は良い方だが古代種だから適合までには時間がかかる。早く見積もって一年と書いてあるぞ」
そのまま彼女たちにも書類を見せる
雫『つまり、今の段階は精が適合の準備と栄養として使われている。ということですね』
和也「らしい」
瑠璃『なんだ…良かった…』
和也「まあ、無理に作ろうとも思わないし慌てる必要も無さそうとは思ってたけど」
楓『とりあえず、不安の種は取り除けました♪』
和也「俺としても、原理がわかって安心だ」
雫『はい♪』
和也「そういや、渡すように頼んだあの小瓶と木の実の効果は一体?」
瑠璃『小瓶は想いをオーラって言えば良いのかな。それに変えて相手に流せるようにしたもので、木の実は流した想いをフェロモンみたいなものに変えられる効果って調べた人たちは言ってたよ』
和也「なるほど」
楓『で、彼はどうでした?』
和也「予想通り最後の加害者にお礼参りやってた。と言うか報酬の受け取りの帰りにそれに出くわした」
雫『自業自得とはいえ…』
和也「先に引き金を引いたのは向こうだ、蜂の巣にされても文句を言える立場ではないさ」
瑠璃『止めなかったの?』
和也「さすがにこれ以上放置していたら死ぬなと判断したところで止めた」
楓『なるほど…』
和也「一応、約束していたからな。命だけは奪わないでほしいと嘆願されてたし。俺としては断りたかったが」
雫『どうして?』
和也「ああいう状態だと負の念を吐き出させた方が良いんだよ、また何かあったときにより強い負の念として蘇るから」
瑠璃『なるほど…』
和也「で、「仮に貴殿方の言う通りにしたとして、また何かあったときに責任が持てるのか?」と聞いた」
楓『今の魔物には耳の痛い言葉でしょうね…』
和也「そしたら黙りこんだ」
雫『まあ、ですよね…』
和也「暫く黙りこんだあとに『そうはさせないから』と聞いたが具体案も何もないのにはいわかりましたと言えはしない」
瑠璃『ちゃんと筋自体は通ってるからね、和也の方が…』
和也「そしたら『多少荒いかもしれないけどより早く侵食する』と言ったから何か起きても俺は止めないし場合によっては加勢しても良いなら「今は」止めようと言って今に至るわけだ」
楓『力を持つと、人は変わってしまうものですね…』
和也「まあ、雅史は奴らに人生を歪められた怒りや私怨もあったんだろ、最早じゃがいもみたいな顔になってたぞ。」
雫『なるほど…』
瑠璃『じゃがいも?』
楓『殴られてボコボコ?』
和也「ああ、原型留めてなかった」
雫『どれだけ溜まってたんですか…これは社会にも問題があると思います…』
和也「これでも俺は甘いと思うがね」
瑠璃『考え方は変わらないね…』
和也「何かあってからでは遅い」
楓『まあ、その徹底的といえる考え方だからこそここには教国の兵が来ないのかもしれないですね』
和也「ああ、かつて来たあいつらも理解がなくて攻撃が最初だったら多分…」
雫『本当に、良かったです』
和也「まあ、撃っていいのは撃たれる覚悟のあるやつだけ。これを理解している人間ばかりならこんなことにはならないと思うけどな」
瑠璃『うん…』
和也「さて、そろそろ昼にしよう。」
楓『はい』
昼食、とはいっても…
雫『…♥️』
瑠璃『…❤️』
楓『…💕』
和也「明日は休みな上だしな…」
彼女たちは妖しい光を目に宿して俺を見た。俺はそれを美しいと感じたのだった。
適合と相性はまた別のはなし おわり
和也「お、何か用か?」
来たのはエリカだ
エリカ『貴方たちに頼まれてたことがあったのよ』
と三人をエリカは見る
和也「???」
エリカ『とりあえず、これを渡して置くから見るといいわ』
エリカはそれだけ言うと俺に封筒を渡して帰っていった
和也「なんだったんだ?」
楓『私達は、検査を受けました』
和也「検査?」
雫『何故あれだけ注がれても子を宿さないのか』
和也「なるほど」
瑠璃『もしくは宿せないのかもって…』
和也「そうか…」
早速渡された封筒を開ける
和也「なになに…」
読み進めていくが…
和也「そういうことか」
楓『どういうことですか?』
和也「前提条件として言うなら、そもそも今の魔物も精が体に適合して子供ができるようになるまで個人差が大きいらしい」
雫『でも、精の味はぴったりでしたよ?』
和也「確かに、精の味は相性に大きく影響する。だがだからといってそれで体に適合するのが早いかと言えば別の話だ」
瑠璃『つまり?』
和也「そもそもよほど運が良いか味も適合性もよくないとすぐに子供ができるわけがない、とのことらしい」
楓『なるほど…』
和也「調べて貰ったところによると、適合性は良い方だが古代種だから適合までには時間がかかる。早く見積もって一年と書いてあるぞ」
そのまま彼女たちにも書類を見せる
雫『つまり、今の段階は精が適合の準備と栄養として使われている。ということですね』
和也「らしい」
瑠璃『なんだ…良かった…』
和也「まあ、無理に作ろうとも思わないし慌てる必要も無さそうとは思ってたけど」
楓『とりあえず、不安の種は取り除けました♪』
和也「俺としても、原理がわかって安心だ」
雫『はい♪』
和也「そういや、渡すように頼んだあの小瓶と木の実の効果は一体?」
瑠璃『小瓶は想いをオーラって言えば良いのかな。それに変えて相手に流せるようにしたもので、木の実は流した想いをフェロモンみたいなものに変えられる効果って調べた人たちは言ってたよ』
和也「なるほど」
楓『で、彼はどうでした?』
和也「予想通り最後の加害者にお礼参りやってた。と言うか報酬の受け取りの帰りにそれに出くわした」
雫『自業自得とはいえ…』
和也「先に引き金を引いたのは向こうだ、蜂の巣にされても文句を言える立場ではないさ」
瑠璃『止めなかったの?』
和也「さすがにこれ以上放置していたら死ぬなと判断したところで止めた」
楓『なるほど…』
和也「一応、約束していたからな。命だけは奪わないでほしいと嘆願されてたし。俺としては断りたかったが」
雫『どうして?』
和也「ああいう状態だと負の念を吐き出させた方が良いんだよ、また何かあったときにより強い負の念として蘇るから」
瑠璃『なるほど…』
和也「で、「仮に貴殿方の言う通りにしたとして、また何かあったときに責任が持てるのか?」と聞いた」
楓『今の魔物には耳の痛い言葉でしょうね…』
和也「そしたら黙りこんだ」
雫『まあ、ですよね…』
和也「暫く黙りこんだあとに『そうはさせないから』と聞いたが具体案も何もないのにはいわかりましたと言えはしない」
瑠璃『ちゃんと筋自体は通ってるからね、和也の方が…』
和也「そしたら『多少荒いかもしれないけどより早く侵食する』と言ったから何か起きても俺は止めないし場合によっては加勢しても良いなら「今は」止めようと言って今に至るわけだ」
楓『力を持つと、人は変わってしまうものですね…』
和也「まあ、雅史は奴らに人生を歪められた怒りや私怨もあったんだろ、最早じゃがいもみたいな顔になってたぞ。」
雫『なるほど…』
瑠璃『じゃがいも?』
楓『殴られてボコボコ?』
和也「ああ、原型留めてなかった」
雫『どれだけ溜まってたんですか…これは社会にも問題があると思います…』
和也「これでも俺は甘いと思うがね」
瑠璃『考え方は変わらないね…』
和也「何かあってからでは遅い」
楓『まあ、その徹底的といえる考え方だからこそここには教国の兵が来ないのかもしれないですね』
和也「ああ、かつて来たあいつらも理解がなくて攻撃が最初だったら多分…」
雫『本当に、良かったです』
和也「まあ、撃っていいのは撃たれる覚悟のあるやつだけ。これを理解している人間ばかりならこんなことにはならないと思うけどな」
瑠璃『うん…』
和也「さて、そろそろ昼にしよう。」
楓『はい』
昼食、とはいっても…
雫『…♥️』
瑠璃『…❤️』
楓『…💕』
和也「明日は休みな上だしな…」
彼女たちは妖しい光を目に宿して俺を見た。俺はそれを美しいと感じたのだった。
適合と相性はまた別のはなし おわり
20/01/28 23:31更新 / サボテン
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