連載小説
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二時限目: メタ発言ってなんだろう?
キーンコーンカーンコーン
ざわざわざわ
ガラガラ!

白澤先生「はい、皆さん授業を始めますよー。静かにー」

ざわざわざわ
ざわざわ
ざわ……
ざわ……
……


白澤先生「はい、皆さんが静かになるまで30秒かかりました。委員長、挨拶を」

ヴァルキリー「起立! 礼! 着席!」


【メタ発言ってなんだろう?】


白澤先生「今日はメタ発言について勉強します」

ラミア「メタ発言?なにそれ?」

ヴァンパイア「『メタ』、とは『高次の〜』とか『超〜』とかの意味の言葉だな。私はメタヴァンパイアだ!」

インプ「でも発言ってなにさ? 超発言?」

ゴブリン「すごい勢いで発言するってことっスかね?」

ヴァンパイア「メメタァ!」

ラミア「あ! なんかそれすごい近い気がする!」

リャナンシー「それはメタじゃなくてパロディです! あと、貴女がそれを言っちゃいけません!」

白澤先生「あら、リャナンシーさん。メタ発言をご存知で?」

リャナンシー「えぇまぁ、一応創作の妖精ですし……。メタ発言とは、例えば物語の登場人物が読者や作者に対して語りかけるなど、キャラクター自身が自分を創作物の一部であると自覚した上で行う発言のことです。本来そのキャラクターが認識できる次元のよりも高度な次元からの発言なので、『〈メタ〉発言』なわけです」

白澤先生「おお、素晴らしい。正解です」

リャナンシー「ですが先生」

白澤先生「はい?」

リャナンシー「こういうメタ全開の話って、やるにしても5話とか6話とか、もっとこう世界観が落ち着いてからするもんじゃないんですか? 流石に2話目は早すぎでは……」

白澤先生「なんと、使用例まで見せてくれるとは……。リャナンシーさんが優秀な生徒で、先生本当に嬉しいです」

ラミア(ねぇ、さっきから先生なんの話してるの?)

ヴァンパイア(さあ? 本の読みすぎで頭がおかしくなったんじゃないか?)

白澤先生「ふむ、話についてこれていない人がいるようですね。……まあ、こればかりはしょうがないでしょう。百聞は一見に如かず。先生の魔法で、皆さんにもメタ世界を体感させてあげましょう。
 ……賢明な読者諸兄はお気付きと思いますが、今回はメタ全開、多少のパロディを含むお話です。苦手な方はご注意ください」

ゴースト「先生、誰に向かって話してるんですか……?」

白澤先生「それは、今から分かりますよ。 それでは……メタキヅーク!」


【瞬間、世界が光に包まれる】


ヴァンパイア「うおっ、まぶし……ってなんじゃこりゃあー!?」

ラミア「わ、私たち教室にいたはずなのに……世界が文字だらけになってる!?」

オーガ「いや、ちげぇ! 世界そのものが文字になってるんだ!」

インプ「頭痛くなる〜」

白澤先生「驚きましたか? これがこの世界の成り立ちの秘密。この世界は、ネット上のSS投稿サイトの中にある、SSの一つなのです」

ゴブリン「す、凄いっス……。あ、あっちに見えるのは別の作品っスかね?」

白澤先生「他の作者様の作品ですから、あまりジロジロ見ないように」

ラミア「へー、いっぱいあるねー。あれは……女の人? あ、男の人が駆け寄ってきて……って、えー!? と、突然R18な展開に!?」

オーガ「あっちの作品もおっぱじめやがったぞ! よく見りゃ、そこら中で魔物と人間が盛ってるじゃねーか!?」

白澤先生「そりゃそうですよ。ここエロSS投稿サイトですから」

一同「「「え〜〜〜!!??」」」

ゴースト「どどど、どういうことですか!?」

ヴァンパイア「私達は、慰み者にされるために生まれたというのか!?」

インプ「今にも竿役が現れて、好き勝手されちゃうってこと!? 嫌だしそんなの!」

白澤先生「大丈夫です。このSSはあくまでギャグ。ネタで微エロ程度はあっても、そんな本格的なのはないですよ」

オーガ「な、なんだ、焦らせやがって……」

白澤先生「ま、行き遅れ確定なんですけどね」

ヴァンパイア「チクショー!!」

ゴブリン「でも、こんなに周りでイチャイチャされてちゃ、授業に集中できないっスよ」

白澤先生「確かに、他の作者様の作品があるところであまり騒ぐのもあれですしね……。一旦移動しますか。ログイーン!」


【一同はログイン画面に移動した】


白澤先生「ここなら身内だけですし、多少騒いでも大丈夫でしょう。幸い、隣接するSSはまだエロ展開に突入してないですし」

リャナンシー「先生。折角こちらに来たんですから、皆さんにこの世界の評価を見せてあげたらどうでしょうか?」

白澤先生「それはいい考えですね。では……コメミエール!」

ヴァンパイア「どうでもいいけど、先生の呪文が今期のプ◯キュアっぽいな……」

オーガ「おお! なんか数字とか文字とかが現れたぞ!」

白澤先生「この数字はvote。いわば評価点です。このSSを見て、面白いと感じた人が投票してくれるものですね。こっちの文章は感想、作者へのメッセージです。人によってはコメントとも言いますね」

リャナンシー「私達リャナンシーは、コメとvoteを主食にしています。そしてリャナンシーがエネルギーを蓄えることで、作者のやる気が刺激されるのです」

インプ「この作品のvoteは6……いや、7になった! 意外と悪くないんじゃない?」

ラミア「ねぇ見て! なんかこの作品の二つ前くらいに凄いvoteが付いてるSSがある!」

インプ「最近のSS連投はあれのせいってわけね……ゲンキンなやつ」

ゴースト「他には……はるか遠くの方に、ファミリアとラージマウスが喧嘩したままピクリとも動かない世界があるけど……?」

リャナンシー「あれは連載しはじめたはいいものの、途中で先の展開が本当に面白いのか不安になってしまい投稿が止まってしまったパターンですね。作者はまだ続き書くつもりでいるようですが、まぁ、絶望的でしょう」

ヴァンパイア「おい、それより感想欄が凄いぞ! 8つ中5つがゴッドフィールドについて触れている!」

オーガ「はぁ!?」

ヴァンパイア「お手柄だな、ゴッドフィールド!」

ラミア「凄いよ、ゴッドフィールドちゃん!」

ゴブリン「gf姉貴!」

オーガ「やかましい!!」

オーガ「くそっ、この感想とかいうの、なんとかして消せないのか? 迷惑極まりないぜ……。このっこのっ!」ゲシゲシ

リャナンシー「あっ……」

白澤先生「……オーガさん、何をしているんです?」

オーガ「え?いやこの感想を消せないかなって……」

白澤先生「……感想は、どんな内容であっても蔑ろにしてはいけません。お叱りの言葉は糧として、お褒めの言葉は支えとして、どちらもありがたく頂戴するものです」

オーガ「で、でもよ!」

白澤先生「ゴッドフィールドのコメントを見て、貴女は悲しかったかもしれまんが、先生はとても楽しいですよ。兎に角、貴女には罰を与えないといけません……。ボッシュート!」

オーガ「うわああぁぁ〜〜〜……」

ゴブリン「あ、姉御ー! あぁ、姉御がどこぞへと落ちていく……」

白澤先生「退散の呪文、ボッシュートです。まあギャグSSですし、次回には戻ってきてるでしょう。次回があるかは知りませんが」

ヴァンパイア「ゴッドフィールド……不憫なやつ」

白澤先生「さて、皆さんメタ世界は堪能できましたか?」

一同「「「はーい!」」」

ラミア「でも……確かにリャナンシーちゃんの言う通り、この世界に来るのはちよっと早かった気がするな」

白澤先生「どういうことです?」

ラミア「だって、こんなにやりたい放題で、もう世界観もへったくれもないじゃないですか」

白澤先生「ああ、それなら大丈夫ですよ。このSS、世界設定とか時代設定とか、全くないんで」

ラミア「えっ! そうなんですか?」

ヴァンパイア「設定厨の作者にしては珍しいな……」

白澤先生「だってこのSS、没ネタの詰め合わせですから」

一同「「「え、え〜〜〜!!??」」」

ラミア「どどど、どういうこと!?」

ゴブリン「うちら、全員没キャラっスか!?」

白澤先生「まあ、没ネタは言い過ぎかもしれませんが……。例えば前回の『聖水が天使のお小水』というのは、『ある商人が教団の依頼で天使の巣に小水を買い取りに行く』という没SSの設定を一部使い回したものです。消化しきれなかったアイデアを再利用するには、余計な世界設定は足枷でしかありません」

リャナンシー「そもそも、このSS自体、一種の代打のようなものだったんです。別に書いていたギャグ系SSが形にならず、取り敢えず短めの一作を書いてみて、雰囲気を掴もうと……。まさかこんなにコメントやvoteを頂けるとは思っておらず、本当にありがたい限りです」

ヴァンパイア「そうだったのか……」

インプ「……なるほど、代打で、没ネタの再利用場所ね。あたしたちは、別に期待もされてないと」

ゴースト「ちょっとインプさん、そんな言い方……」

インプ「だって、そういうことじゃん! あー、マジ最悪! こんなことなら、別のSSに産まれりゃよかった!」

ゴースト「……」

ヴァンパイア「……」

ゴブリン「……」

ラミア「……変えていけば、良いんじゃない?」

インプ「え?」

ラミア「私たちが変えていけば良いんだよ。ちょっとずつでも、この世界を良くしていって、『このSSに生まれて良かった』って思えるように……。実際、ちゃんと2話もでたじゃない!」

ヴァンパイア「……そうだな、私達が変えていけば良いんだ」

ゴブリン「そうっス! なんたってこのSSは漫談形式! 世界はうちらの発言に掛かってるんスよ!」

インプ「な、なによアンタら……。ふん、そんなに言うなら、まぁ、手伝ってあげてもいいわよ。……チョットだけ、チョットだけね!」

ラミア「やったぁ!」

ゴースト「でも世界を良くするって、具体的にどうすれば……」

リャナンシー「この世界の評価を高めるということでしたら、必要なのはコメ……感想とvoteです。これらが絶対の指標な訳ではないですが、一つの基準には違いありません」

ヴァンパイア「成る程、感想はタイトル右の『感想』から投稿すればいいんだな。voteは?」

リャナンシー「このまま画面を下げていけば、作者メッセージの下、最下部に『この小説に票を入れる』という四角いボタンがあります。ここを押せば投票画面に移動しますので、画面中央にある『投票』と書かれたボタンを押してください。これで投票が完了です。トップ画面を見れば、投票したタイトルのvoteが1増えてるはずですよ」

ヴァンパイア「成る程、二回押さなくちゃいけないのが少しわかりづらいな」

リャナンシー「感想もvoteも最初はすこし緊張するかもしれませんが、一度やって見れば簡単なことです。票を入れたから何かあるという訳でもないですし、臆せずどんどん評価しましょう! 評価されて喜ばない作者なんていませんからね。
 まだやったことのない方は、このSSで練習してみてはどうでしょうか?」

ラミア「よーし、そうと決まれば、みんなで盛り上げていこう!」

一同「「「おー!!」」」

白澤先生「皆さん、いつの間にかこんなに立派にコメ稼ぎできるようになって……。先生、ちょっと感動してます。
 さて、そろそろ授業も終わりですね。この世界から脱出しましょう。そうそう、メタ世界から脱出したら、この世界の記憶は全て消えてしまいますので、注意して下さい」

ラミア「え! そうなんですか!?」

ヴァンパイア「今日の授業の意味とは一体……」

白澤先生「メタ知識とは、本来あってはならない世界の歪みですからね。余程力のある者や、リャナンシーなどの特殊な魔物でない限り、修正力が働いてしまうんです。ですが、皆さんの心に芽生えた世界を少しでも良いものに変えようという思い。それは残り続けると思いますよ」

ラミア「う〜ん、それなら、ま、いっか!」

白澤先生「ふふふ、では帰りましょう。モトニモドール!」


【翌日】


ラミア「あ、おはよーヴァンパイアちゃん」

ヴァンパイア「おはようラミア。ん? どうしたんだ難しい顔して」

ラミア「うん……。なんか昨日の記憶が曖昧で」

ヴァンパイア「ほう、なんとラミアもか。実は私もなんだ。この現象はいったい……?」

ラミア「ヴァンパイアちゃんの場合はただの居眠りじゃないの? だいたいどの授業も寝てるじゃん……」

ヴァンパイア「しょうがないだろ、ただでさえ昼夜逆転生活なんだから。はっはっは!」

ゴブリン「あ、おはようっス。二人とも」

ラミア「おはようゴブリンちゃん。あれ? オーガちゃんは?」

ゴブリン「それが、まだ来てないんスよ」

ヴァンパイア「珍しいな。アイツ、不良ぶってるわりに朝だけは早いのに」

ラミア「そうえば昨日もいつの間にかいなくなってたよね。体調でも崩したのかな?」

ヴァンパイア「今頃聖水が効いてきたのかもな! はっはっは!」

 キャータイヘン! ハヤクセンセイヲ!

ヴァンパイア「ん? 何の騒ぎだ?」

インプ「大変だよ! リャナンシーが倒れた!」

ラミア「ええ!?」


【職員室】


ゴースト「先生、大変です!」

白澤先生「おや、どうしたんですか皆さん。血相変えて」

ラミア「リャ、リャナンシーちゃんが!」

リャナンシー「う〜ん、助けて〜。だれかコメを……」

インプ「こ、米!? おにぎりならあるけど……?」

リャナンシー「う〜ん、そのコメじゃなくて……あとvoteも〜。このままじゃエネルギー不足で消えちゃうよ〜」

ゴースト「よく分からないうわごとを繰り返してて……。どうすればいいでしょうか!?」

白澤先生「なんと、この期に及んで執拗なコメ稼ぎとは。その執念、お見それしました。……これは主席候補として推薦する必要がありそうですね」

ゴースト「先生、何とかしてください〜!!」

リャナンシー「う〜ん、コメ、vote〜。だれでもいいから、いっぱいちょうだ〜い」




16/02/22 10:01更新 / 万事休ス
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■作者メッセージ
お読みいただきありがとうございます。万事休スです。
リャナンシー……なんて優秀な魔物なんだ……!


予想していなかった応援コメントが多数あり、驚きつつも感謝の気持ちでいっぱいです。いつもご感想等等、大変ありがとうございます。おかげさまで二話目を書くこともできました。

ですが、悲しいかな作者の知識不足故、なかなか良いネタが降りてきません。
リャナンシーではないですが、もしよろしければ「こんなの扱ってほしい」「こんなネタどう?」など、感想欄で提案、ネタ提供して頂けるととてもありがたいです。
既に「お手柔らかに」のネタご提案頂いた方、大変ありがとうございます。そのうち拾わせて頂きます。

最後に、再三言っておりますが白澤先生の知識は全て作者の妄想であり、現実世界の事実、図鑑世界の公式設定とは一切関係ございません。また、図鑑世界の設定に異を唱えるものでもございません。あくまでギャグとして、今後とも応援の程よろしくお願いいたします。

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