連載小説
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子供が生まれたら犬を飼うといい 転生編
あれから一週間、遼河の親御さんに報告を済ませた帰りに俺はある若者を見た

和也「??」

???「…」

彼は、横たわっている犬、おそらくゴールデンレトリバーかその仲間の犬を抱き起こそうとしている

和也「どうかしたか?」

???「ローラが…」

和也「失礼…」

その犬の首筋に指先を置くが、鼓動は感じない…

和也「死んでしまったか…顔は安らかだが」

???「そうか…やっぱり最後の力を振り絞って…」

彼は涙を流している

和也「…」

俺は彼に名刺を渡す、オスカーのところへ旅行に行ってから魔界ではゆうめいになっていたので名刺を作っておいたからだ

???「貴方が…」

和也「おや、こっちの世界でも名が売れてきてるのか」

???「はい、確か人間を魔物に変えて人々を救う存在って前雑誌で見ました」

和也「なら話は早い、彼女の魂がまだ君と居ることを望むなら魔物として甦る可能性はある」

???「可能性があるなら…」

そのまま彼はローラと呼ばれた犬を担いで俺についていく

和也「ここだ。」

???「これは…」

和也「この花が、魔物に変化させる花だ」

???「…」

彼は花の真ん中に彼女を横たえさせる

和也「後は彼女次第だ」

???「…」

彼は頷く

和也「で、名前は?」

???「俺は、沢木啓太郎だ」

和也「沢木啓太郎ね、了解」

そのままネームプレートに名前を書き込み確認してもらう

啓太郎「どれくらい、かかるものですか?」

和也「わからん、短くて1日、長くて5日が最長記録だ」

啓太郎「わかりました」

和也「なら、これを」

彼女の首輪を再度渡す

啓太郎「??」

和也「そこに思いを込めて彼女に首輪をつけ直してくれ」

啓太郎「…」

彼は目を閉じている…

和也「…」

楓たちも来て彼を見ている

啓太郎「…よし」

そのまま彼は首輪を再度取り付けている

和也「さて、どう転がるか」

啓太郎「よろしくお願いします」

和也「そうだ、せっかくだし話を聞かせてほしい」

啓太郎「わかりました」

そのまま食堂で話を聞いたが、どこかで聞いた子供が生まれたら犬を飼うといい。それの典型例だった

和也「まあ、家族との別れは辛いわな…」

啓太郎「…」

楓『彼女の魂に反応が出ました、話をして来ます』

和也「ああ」

それからしばらくして、楓は戻ってきた

楓『彼女は魔物としての新しい人生を歩むことになりました♪』

啓太郎「!良かった…」

和也「なら、泊まっていくといい」

啓太郎「感謝します…」

そして、翌日。彼女が花に入った時刻から一時間弱ほどたち彼女の入った花は開いた

啓太郎「ローラ…」

彼女は、大柄な獣人の魔物に転生したようだ

ローラ『マスター…』

和也「話は部屋でするといい」

ローラ『ありがとうございます』

和也「そのまま生命の倫理として消えるか、倫理を無視してでも魔物として転生して新しい人生を歩むか、選択したのは君だ。後悔のないようにな」

ローラ『はい♪』

彼らが部屋に行った後、俺は楓に聞いた

和也「そもそも彼女は乗り気だったのか?それとも乗り気ではなかったのか?」

楓『迷っていました、本当にいいのか?と』

和也「どう心を傾けた、或いは説得を?」

楓『簡単です♪魔物として転生したら今度は番いとして一緒に居られる、そう言ったらあっさりと転生を選んでくれました♪』

和也「なるほど、まあ何よりだな」

彼らが向かった部屋の方向に視線を向けて俺は言うのだった



子供が生まれたら犬を飼うといい 転生編 おわり
20/01/22 09:05更新 / サボテン
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■作者メッセージ
どうも、サボテンです

今回の話はいかがだったでしょうか?

ご意見、ご感想、リクエストありましたらお待ちしております

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