連載小説
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ラミアラミアロード
★ラミアラミアロード★
★ダイヤ視点★

「ここが交流の街、ラミアラミアロードか」
「ラミア達と夫婦になった商人達が集まる一本道、その中心に街路樹が植えられてます」

「ああ、縛られてるぅ」
「離さないわよぉ」
「君の声が脳に響くぅ」
「このまま入れてあげるぅ」
街路樹の下でラミアが夫を拘束しながら、夫の陰茎を自分の割れ目に挿入する。

「白昼堂々とセックスしてるわね」
「ラミアはああやって夫を自分の物であることをアピールするのです」
「っていうか、街中でセックスしたら通行人の邪魔にならない?」
「街路樹での性行為は通行人の邪魔にならないのでオッケーだそうです。ちなみに街路樹はドリアードが住んでるので、樹液目的で交わる夫婦が多いようです」
「流石交流の街、交わりにも拘ってるわね……」



「あんたまた浮気したの?」
「違うって」

私と煌羅が歩いていると、メドゥーサの夫婦と商人が揉めてるのを目にした。

「約束したよね、私以外の相手とは手を繋ぐなって!」
「これは取引成立の握手で……第一こいつは男だぞ」
「性別なんて関係ないわ!石化魔法!」

夫が固まったように動かなくなった。

「……このままあんたと一週間エッチをするんだから」

商人の男が腰を抜かし、体が震えている。

「あんたも二度と夫に手を出すな、石化魔法!」

商人の震えも止まった。

「ふん、しばらく固まってるといいわ……」

メドゥーサがマネキンのように固まった夫を抱えその場を去った。

腰を抜かしたままの商人を残して。

「あの商人は別に死んでるわけではないので、あのまま放置しても大丈夫でしょう」
「そうね……未婚のラミアにお持ち帰りされるのがオチよね」

私と煌羅は徒歩を再開した。



「煌羅、この野菜おいしそうね」
「どれも新鮮ですね。すみませんここにある野菜をーー」

煌羅の台詞が途切れた。

私もびっくりしている。

「ああ、熱いよ、炎が熱いよ」
「うふふ、旦那様は私のモノですわよ」

白蛇が店主兼夫に、自分の炎を浴びせていたからだ。

「ああ、熱いよ、冷やしてよ」
「どうぞ、まずは胸から」

白蛇が着物を大きくはだけて、豊満な胸を店主に押しつける。

店主の手が白蛇の胸を乱暴に揉み、指先で桃色の突起を丁寧に弄る。

「ああっ、いいですわよ、その調子、私の身体でくすぶる炎を冷やしてくださいませ」

白蛇は店主の唇を奪う。

白蛇と店主の顎から涎が湧き水のように流れ、テーブルに滴り落ちる。

「まずいわよ煌羅、あれじゃいずれ野菜に涎が掛かるわよ」
「どうせドレッシングを掛けるなら、お嬢様の涎にしてください。金は倍出しますので」
「煌羅のボケは無視して、すみません、ここにある野菜を買いたいのですが」

「はぁはぁっ、我慢できん、挿入するぞ」

店主がズボンを脱ぎ、大根級のペニスを白蛇に向ける。

「いいですわよ、旦那様の燃え盛る巨根の熱を、私の愛液たっぷりの膣で冷やして差し上げます」

一方白蛇が着物をたくしあげ、綺麗な膣を見せる。

「だからセックスしないでよ、目の前に客がいるのよ!」

私のツッコミが一切耳に入ってない。

二人が熱い口付けを再開し、店主の大根が白蛇の膣穴に埋まろうとしたーー

「ピーッ!こらー待ちなさーい」

ーーそれを止めたのは、笛と怒鳴り声だった。

黒い帽子とローブを纏ったモデル体型の魔女が箒に乗って駆け付けてきた。

「クロだ」
「クロよ」

周囲の客が黒の魔女の名を呼ぶ。

「え、えっと……」

白蛇がたくし上げた着物を戻し、クロを前に動揺している。

「商売を放棄して、客前で何をしているのですか?」
「クロさん、これはですね。夫の中の炎がくすぶっていて、私の膣で冷やしてあげようとですね……」
「それでもエッチは時と場合を考えて!」
「ごめんなさい、ちゃんと商売はしますのでお仕置きは勘弁して」
「わかりました、今回は見逃してあげましょう」
「ホッ……旦那様、まぐわいは後回しです。代わりに巻き付きます」
「ああ、君の白い蛇の身体が優しく巻き付いて」
「いらっしゃいませ、ご注文は?」
「これ全部」

煌羅は選んだ野菜を白蛇に渡した。

「ドレッシングも如何ですか?」
「そうですね、もし良ければお嬢様の唾液をドレッシングにしテッ」
「何言いだすのよ!」
「流石お嬢様、ただ人化のせいで角が無いから、これではただの頭突きですよ」
「やかましい!ドレッシングはいらないので纏めて袋に入れてください」

「はい……」

白蛇は一汗を垂らしながら、野菜を袋にいれ秤で重さを量る。

「銀貨三十枚です」

煌羅が白蛇に銀貨を渡している中、クロが私を見ていることに気付いた。

「あの、私に何か?」
「ふーん、包帯を巻くことで角と下半身を人化しているのね」
「どうして判ったの?」
「判るわよ、あたしも君と同……むっ、あっちの方で商売放棄の感じがする。ゴメンね、バイバイ」
「飛んで行っちゃった……」

「どうしました?お嬢様」
「ちょっとね……行きましょう」



「それにしても、あの魔女さん凄いね。白蛇の夫婦を仲裁するなんて」
「……おそらく彼女は魔女ではありませんよ」
「違うの?」
「ええ、魔女は幼い姿をしているので、彼女は魔女の格好をした魔物だと考えていいでしょう」
「ふーん」


「お嬢ちゃん、まかいも団子いかが?」


「まかいも団子!?二つくださ……」

私は声を掛けてくれた女性の姿を見て驚いた。

ラミア属ではなく、マンティコアだったからだ。

「どうしたの?お嬢ちゃん。やだね、アタシの美貌に一目惚れかい?生憎アタシには愛する旦那がいるから、買うのは団子だけで、レズの相手は他の店で買ってね」
「はっはっは」

マンティコアがお茶目にウインクした。
隣に立ってる店主兼夫が腕を組んで笑っている。

「いえ、マンティコアが店をやってるのに驚いただけです。ここはラミア属が築いた街道って聞いてたし」
「いい質問だねお嬢ちゃん。アタシの母はこの街の長であるエキドナさ」
「成る程、貴女はエキドナの二番目以降の子供ということですね」
「察しの良いキキーモラだね。ちなみにアタシは末娘さ」
「団子二つ。銀貨二枚ね」

煌羅がマンティコアに銀貨二枚を渡し、私は店主からまかいも団子二つ受け取る。

私はまかいも団子を少し頬張る。

唐辛子の味が広がる。

でも、不思議と辛い感じがしない。

辛いのが嫌いな人でも耐えられる。

「唐辛子味のまかいもですね。ですが不思議と辛味を感じません」
「おおっ、キキーモラの嬢ちゃんは判ってるね」
「そりゃそうさ、そのまかいもはアタシと旦那様の手作りさ」
「スターシャンで食べたまかいもとは全然違う」
「ほぉーお嬢ちゃん、スターシャン出身かい?」
「まぁ一応……私達はトンスケに乗って、スターシャンに向かってるところです」
「トンスケって、遠くから見えるあの巨大な魔界豚のことかい?」

店主は遠くから見える魔界豚を指差した。

「はい、大きいでしょ」
「俺もあんな巨大な豚見たことないね。お嬢ちゃんが育てたのかい?」
「いえ、元は兄貴が育てていたのを、今は私と煌羅が借りているだけです」
「はっはっは、足代わりって奴か」
「ふーん、楽しそうだね」

マンティコアが割り込んできた。

「お嬢ちゃん、そこまでにしてくれない?でないとアタシが嫉妬しちゃうからさ」
「はっはっは」
「まさか……浮気した罰で、尻尾で旦那の精を絞りだすの?」
「ほぅお嬢ちゃん、アタシらマンティコアの特性を知ってるんだねぇ」
「兄貴から聞いたので」
「大丈夫……尻尾の吸引なら……朝からずっとやってるからね!」

そう言いながら、マンティコアがテーブルを退ける。

「はっはっは」

店主は笑いながら、下半身丸出しでマンティコアの尻尾吸引をされていた。

「朝からってことは団子を渡したり、私とトークしながら、尻尾で吸引されてたの?」
「そうさ、その間に十回も精液を吐き出してくれたよ」
「マジで!?」
「浮気をしないための公衆プレイさ」
「いやいや、客に団子渡しながら、自分達は精と魔力の受け渡しをするってあり得ないゎよ!」
「クロ姉からはちゃんと許可を頂いてるよ」
「魔女さんから許可を貰ってるって……クロ姉?」
「クロ姉はアタシの姉だよ。アタシ達は五人姉妹だからね」
「……五人か、皆一緒にここで暮らしてるの?」
「ううん、ヨーム姉は移動販売で遠くの町を転々してるし、一番上の姉さんは嫁いでるよ」
「いいな、旦那様が出来て」
「ただ嫁ぎ先に問題があってね、姉さんを含めて、ラミア,メドゥーサ,白蛇も嫁いだんだよ。バイコーンのハーレムの下へ」



バイコーン



「あの……そのバイコーンと夫の名前、知ってますか?」
「知ってるよ。この街のど真ん中に立ってる銅像に名前が刻んであるよ。ハーレムの国の夫婦」



「ヴァリエ夫妻の銅像が」



★銅像前★



「まさか、両親の銅像がこの街にもあったなんて……」

私と煌羅は、バイコーンに跨る侍の銅像を眺めた。

勿論、その姿は私の両親。
パール=ヴァリエ
柴=ヴァリエ

「また一つ、パール様の足跡を知りましたね」
「ラミア属をハーレムに誘った街がここだったなんて……」

「この銅像に興味があるの?」

後ろを振り向くと、柔らかい表情をしたエキドナが立っていた。

「可愛い旅人さん、ラミアラミアロードへようこそ。私はこの街の長よ」

「お、長ですか、ということは、お母様がハッ」

煌羅が私の口を押さえた。

「お嬢様、ここは私が彼女と話をします」

煌羅の囁きに私は頷く。

「すみません、貴女の娘さんであるマンティコアから聞きました。昔とあるバイコーンがここに来て、ラミア属数名をハーレムに誘ったと」

エキドナが一瞬驚いた表情をしたが、直ぐに柔らかい表情に戻る。

「そうよ、ずっと昔……バイコーン一家とハーレム達がこの街に来たの」


※回想※


エキドナは語り始めた。

バイコーン夫妻がラミア達を一人一人ハーレムに誘ったことを。

当然、最初は断った。

浮気を嫌うラミア属にはハーレムの誘いなどもっての他。

しかし、それ以外は店の商品を買ってくれる客だったので、追い返すことは出来なかった。

しばらくは誘いと買い物を繰り返す日々。

そんな情熱に根負けしたのか。
一人また一人、ハーレム加入を望む者が出てきて、

自分の娘も彼らに嫁ぐことを決意した。


※終了※


「昔の話よ……」
「貴女は止めなかったのですか?」
「最初は反対したわ。でもあの娘は本気だった」
「娘が離れて寂しくなかったのですか?」
「最初は寂しかったわ……でも、その数年後にはハーレムと一緒に遊びに来てくれたのよ」
「ハーレム旅行ですか?」
「そうよ、みんな幸せそうに向こうの生活を話してたわ。それからも定期的に来てくれたの。最近はバイコーンの娘が出来たと聞いて嬉しかったわ、私も五人の娘がいるから」

魔物の母、エキドナが微笑む。

「貴女達が会ったマンティコアから、エキドナ,サンドウォーム,ドリアード,そして……バイコーン」

「え、バイコーン?」

私は口を開いた。


「あれ?母さん、どうしたの銅像の前で?」


クロが降りてきた。

「クロ、バイコーンのお嬢さんに昔の事を話しただけよ」
「……ばれてたの!」
「長年バイコーンを育てて来たから判るわよ」
「流石母さんね」

クロ魔女が帽子を脱ぎ、人化を解く。

二本の角

黒毛の馬の下半身

私と同じバイコーン

「久々に人化を解いたわ」
「クロ、改めて紹介するわ、ヴァリエ夫妻の血を受け継ぐ娘さんよ」

「ええ!私は両親の事を一言も言ってないゎよ?」
「貴女に二人の面影を感じたの。会えて嬉しいわ」


「孫が出来たみたいで」


「そ、そうなんだ……」
「お嬢様、顔が赤いですよ」
「うっさいゎね!」
「お嬢様のツンデレぶり、まさにメドゥーサ」

「うふふ、今夜はウチで泊まってなよ」
「いいの?クロ魔女さん」
「ええ、旅の話を聞かせてくれる?」
「勿論、いいよね煌羅」
「宜しくお願いします」

今日の夜はクロ魔女宅で寝泊まりした。

クロ魔女姉たちも遊びに来てくれて盛り上がった。

煌羅はマンティコアの尻尾吸引とドリアードの蜜プレイに興奮していたが私はスルーした。



★続く★
13/12/31 23:58更新 / ドリルモール
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■作者メッセージ
ドリルモールです。

今年もあとちょっとで終了です。


クロ魔女さんは次の話も活躍する予定です。

また次回。

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