連載小説
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番外編 加奈子の日常
やあやあ。今回はウチの話なんや。えっ?お前誰かって?ほんまに言うてんの?ウチは鬼山組組員兼商売人の刑部狸の加奈子や。ほれこの尻尾触る?モフモフやで〜。一回千円やけどな。とまあおふざけはここまでにしときましょ。今日はウチが主役や。ウチ視点のお話。楽しんでくれや〜。

「へいらっしゃいらっしゃい。加奈子の雑貨屋やで〜!ワンコインで好きなもん買ってくれや〜!」加奈子

「狸さんこれ頂戴。アップルマンストラップ。」モブ女性

「おっ少々お待ちを。100円になりまーす。」加奈子

「姉ちゃんこれ。息子にプレゼントしたいから、包装してくれや。」モブ男性

「へいへい。プレゼントなら特別に安したるわ。5000円やけど、500円でええで〜。」加奈子

「ええんか!?じゃあお言葉に甘えさせてもらうわ。」モブ男性

「加奈子さん今日も来ました。」?

「おっ。白蛇さんとこの旦那やんか〜。どうやあの媚薬。奥さんよがってるやろ」加奈子

「ハイ。おかげさまでとても楽しいです。」?

「ほな毎度〜。」加奈子


とまあこれがウチの休日や。組に行かない休みの日、といってもいつも休みみたいやけどな。商売繁盛!これが楽しいんや。おや?面倒な客来たで。まあウチの撃退方法みせたるわ。

「おい。あんた鬼山のトコの奴だろ。」チンピラ1

「ショバ代払えや!」チンピラ2

「ん〜?なんや。麗奈はんに言えへんからウチに言うんけ。なっさけない男やの〜」加奈子

どうやら近隣住民と仲良くしてる鬼山組が気に入らん奴もようけおるみたいで。たまにこんな男達が来るんや。麗奈はんに言えばいいのに・・・はあめんどくさ・・・

「売り上げの三割で良い。よこせ。」チンピラ1

「とっととしやがれ!」チンピラ2

「えい♪」加奈子

ポチッ


ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ!!!!!!!!!!

「うおっ!?」チンピラ2

「てめえなにした!?」チンピラ1

「じきにわかるわ。」加奈子



ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!!!




「きゃー!男よー!ダンディーなおじ様と若いぼうや!」サキュバス

「パンチパーマが可愛いー!若い方のコ頂くわー!」サキュバス

「うわあ!?離せ離せ!」チンピラ1

「兄貴ー!離しやがれ!」チンピラ2

「お幸せにー。」加奈子

と、まあこんな風にボタン一つ押すと魔物娘が飛んできて、オシオキしてくれるんや。これ目当てで来とる奴も何人かおるけど。数日もすればキスマークだらけの男がお礼を言いにくるんやで。

「さて、もう夕方やから店しまうか。」加奈子

今日はもう店じまい。夜中に来てしまうお客さんもおるけどその場合は悪いけど、警報鳴らさせてもらうんや。え?外道だって?まあ待ちいな。魔物娘に拐われてオシオキやで?別に逮捕なわけやない。ほれアンタも警報押したろか?・・・・なんや嫁さんおるんか。じゃあアカンな。



〜夜〜

「ただいま〜。ゆうても皆寝とるか。」加奈子

店で寝ないのかって?たまに組で寝たくなるんやこれが。第二の家って感じやな。といってもこっちがほんまの家になりそうやけど。

「お帰りなさい。加奈子。」菊

「ありゃ菊。そっか朝の仕込みか。」加奈子

「ええ。皆朝からよく食べるからね。」菊

「大変やな。ウチも手伝おか?」加奈子

「いや、いいわよ。もうそろそろ終わっちゃうし。」菊

「そっか。麗奈はんにあいさつして寝るわ。」加奈子

「あ。組長ならもう寝てるわよ?若はインキュバス熱だったから用心して別の部屋に寝てるけど。」菊

「ふーん。まあ大丈夫や。寝顔だけでもええし。」加奈子

麗奈はんはもう寝とるのか。大方お酒でも飲んで寝てしもうたんやろ。若がいじめてくるとか言ってたし、やけ酒かも?まあ、あんだけ精液まみれにされたらトラウマにもなるわな。

「ガー・・・ガー・・・」麗奈

「麗奈はん。イビキうっさいで・・・」加奈子

「んー・・・ガー・・・」麗奈

「ふふっ。アンタはいっつもそうやな。ウチと初めて会った時から、なんも変わらんわ・・・」加奈子

そうやな・・・あれはどれくらい前かな・・・麗奈はんに拾われた日は・・・


〜・・・・〜

「おらあ!ここで店出すんやったら金だせや!」チンピラ1

「今開いたばっかなんや!ふざけんといてや!」加奈子

「うるせえ!金払われんのやったら店壊したるわ!」チンピラ2

「やめてや!お店だけは・・・!」加奈子

あんときはまだ駆け出しのアホやったなあ・・・チンピラに店壊されそうなって、恐ろしかったなあ。警報も無かったし。

「うるせえこの狸!」チンピラ1

「ひっ・・・!」加奈子

バキッ!

「ぎゃあ!」チンピラ1

「そこまでにしとけよ。チンピラ。」麗奈

「ここらは姐さんの縄張りだ。近づくんじゃねえよ。」ティコ

「早く消えな。うっとうしい。」ハウ

「なんだテメエら!俺らは山本組だぞ!手出してただですむと思うな!」チンピラ2

「痛えなクソが!」チンピラ1

「はあ・・・山本のおっさんもこんな馬鹿共を育てなきゃいけないのか・・・」麗奈

「組の名前ぶらさげて自分が強くなったと勘違いするんじゃねえよ。情けねえ。」ティコ

「山本さんに連絡しますか?組長。」ハウ

「ああ。頼む。」麗奈

「親父を呼べば終わりだよテメエら!」チンピラ1

「兄貴の顔を殴りやがって!」チンピラ2

「はあ・・・わかったわかった。じゃあ来い。もんでやるよ。」麗奈

「姐さん。あたしらが。手を汚すまでもありません。」ティコ

「そうですよ。チンピラですよ?」ハウ

「あー。大丈夫大丈夫。一回分からせなきゃな。さっ来い。怖いのか?」麗奈

「ちくしょう!ナメやがって!」チンピラ1

「死ねええええええ!」チンピラ2

「危ない!逃げて!」加奈子

「ふんっ。」麗奈


バキッ!バキッ!

「ぎゃあ!」チンピラ1

「ぐわあ!」チンピラ2

「終わり。気絶させといた。」麗奈

「さすがです。」ティコ

「情けな・・・」ハウ

「あ、あんたら大丈夫なんけ!?ヤクザに手を出して・・・」加奈子

「あ。大丈夫大丈夫。知り合いだし。ほれ、来た。」麗奈

「へっ。」加奈子

「すいません麗奈さん!」山本

「はあ・・・おっさん大変だなあ。カタギに手を出してたぜ?悪いけど、気絶させちゃったわ。」麗奈

「とんでもない!コイツらが悪いんです!私にも責任があります!」山本

「あー。そこまですんな。とりあえずもう一回教育しとけ。王魔会にほりこむ?」麗奈

「はい。王魔会でもう一回私共々教育し直してきます。」山本

「まあとりあえず気をつけて。鬼の住み処には近づくなって言っといてな。」麗奈

「はい!お騒がせしました!刑部狸さんもどうかお許しを・・・」山本

「あっ・・・いやいや!別に被害は受けてへんし・・・」加奈子

「すみません。もう二度と近づかないように教育しておきますので・・・」山本

「まあ許してやってくれ。アタシの顔もあるしな。」麗奈

これが出会いやった。アホみたいやろ?見ず知らずの狸を助けたんやで?型破りな人や。

「あの・・・あんさん達は・・・」加奈子

「ん?ああ。ただの通りすがり。アタシは麗奈。」麗奈

「アンタは?こんな物騒なとこで店開くなんて危なっかしいな。おっとあたしはティコだ。」ティコ

「私はハウ。見たところ雑貨屋か?」ハウ

「あっウチは加奈子と言います。店は元々親の物で・・・ここは第二号店です。」加奈子

「かー。すげえな。」麗奈

「一人でよくできるもんだ。」ティコ

「うーん訛りが入ってるけどどっか別の地方か?」ハウ

「はいな。西のほうから来ました。やけど新米なもんで・・・今日みたいにまたヤクザ来るかもしれへんし・・・麗奈はん達の家は?お礼にケーキとか渡したいんやけど・・・」加奈子

「おっ。マジ?じゃあデカイのくれ。結構いるんだ。お金は家で払う。」麗奈

「ショートケーキで頼む。」ティコ

「やった!ケーキ♪」ハウ

お礼にケーキ。これを渡すつもりでついていったんや。お金は別にいらんかったんやけどなあ。








「あの・・・ここは・・・」加奈子

「家。」麗奈

「デカイだろ?初めて見た時ビビったもん。」ティコ

「やっぱりそんな反応だよね・・・」ハウ

「いや・・・そうじゃなくて・・・」加奈子

「帰ったぞー。」麗奈



ギイイイイイイイイイ



「「「「「「「「お疲れ様です!!!!!」」」」」」」」


「(ひいいいいいいいい!?やっぱヤクザやあああああ!!!)」加奈子

ここでようやっと気づいたんや。麗奈はんがヤクザ。しかも組長ちゅうことに。

「あら。そこの刑部狸さんは?」葵

「バカに襲われてたから助けた。」麗奈

「ははは!またか組長!」薫

「まったく。怪我でもしたらどうするんですか・・・」桜花

「まあまあ。組長を止められるのは未麗さん位でしょ。」菊

「この臭い・・・ケーキ!?」リン

「あっ!姉さん!」リナ

「わあ!なんやなんや!」加奈子

「ケーキ!ケーキ!」リン

「おいリン!加奈子が困ってるから離れろ!」麗奈

「加奈子ー?加奈子!加奈子!ケーキありがとう!」リン

「姉さん。」リナ

「おっ。ケーキ?てことはワインかねえ・・・?」アカ

「酒しか頭にないんかいあんたは!」アオ

「はえー。また組長は面倒事を抱えてきたなあ。」ミウ

「まあそこがかっこいいんだけどね。」ミーナ

「違いねえや。」ミーナ

こんな風に初対面のウチにも優しく歓迎してくれたんや。このときから組は騒がしいんやで・・・楽しいのはええけどな。

そしてケーキを皆で食べた後や。




「さて。加奈子。話がある。」麗奈

「な、なんや?」加奈子

「ああ。別に守ってやるから金よこせって言うわけじゃない。お前この組に入らない?」麗奈

「へっ!?」加奈子

「いやなに。またさっきみたいにチンピラが店に来るかもしれない。けどそこらのチンピラなら鬼山の名前チラつかせたら一発で逃げる。お前は商人を続ければいい。」麗奈

「そうなんか・・・」加奈子

な?めちゃくちゃやろ?いきなり初対面の人間。いや魔物に組に入れって言うんやで?びっくりするやろ。まあウチは入ったわ。商人続けられるなら何でもいいと思ったからやな。

「じゃあ入ろかな・・・?」加奈子

「わーい!加奈子!加奈子!」リン

「わあ!?」加奈子

「姉さん落ち着いて!」リナ

「また増えたなあ。」薫

「最初は全然いなかった組なのにねえ・・・」葵

「ふふっ。お料理の量がまた増えちゃうわ。」菊

「めでたいわね。」桜花

「よし。じゃあ決まりだ。んんっ。えー、加奈子。お前は鬼の代紋を背負う覚悟はあるか?」麗奈

「へっ!?」加奈子

「大丈夫だよ。一応の儀式だし。」ティコ

「私達もしたなあ・・・」ハウ

「あるか?」麗奈

「はっ、ハイ!」加奈子

「よしっ。これでお前は王魔会直系鬼山組、組員だ。」麗奈

「えーと。ウチは何をすればええんや?」加奈子

「んっ?別に。」麗奈

「へ?」加奈子

「日頃楽しく元気よく。それが鬼山組だ。地域のがきんちょの登校するときに見回りしたり、地域一斉清掃活動とかに参加したり。」麗奈

「せ・・・生活費は・・・?」加奈子

「へ?そういや今いくらだっけ・・・?」麗奈

「or・・・」加奈子

こうしてウチは金の回りを担当するっちゅうわけやな。ウチおらんかったらどうするつもりやったんやろか?これから若と麗奈はんが結婚したり、未麗はんが帰ってきたり。いろんな事がおきるんや。楽しいわほんま・・・




〜・・・・〜




「こらあ!加奈子!この媚薬全然効かねえぞ!」麗奈

「ひいいいい!間違いなんやああああ!」加奈子


「はあ。また加奈子と追いかけっこよ。」菊

「けど組長楽しそうじゃない?」葵

「加奈子も可哀想に。」ティコ

「チンピラに絡まれるよりはマシ・・・かな?」ハウ

「ははっ。なんか昨日加奈子が初めて組に来た夢見たぜ。」薫

「あら。私もよ。」桜花

「ワタシもー!」リン

「私も・・・」リナ

「不思議だなあ。あたしもだぜ?」アカ

「あんたも!?私もよ?」アオ

「次はどんな夢かねえ?」ミウ

「若が初めて来たときとか。」ミーナ

まあなんやかんやで今日も日常は過ぎていく。なんも変わらんけどそれが一番幸せやな。というわけでウチの話はおしまい。今日も商売繁盛!頑張るで!

「待てええええええ!」麗奈

「ごめんなさああああああい!」加奈子



続く
16/01/15 21:51更新 / 海藻
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■作者メッセージ
海藻参上!
どうも海藻です。今回はちょっと別の視点でのお話でした。商売人加奈子のお話。いかがでしたか?ほかの組員のお話も描きたいのでまたよろしくお願いします。
それではノシ

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