連載小説
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暴走の四竜と突撃の少女兵士
※魔王城・訓練場※
※レーサ視点※



「私の許可なく竜化して喧嘩とはどういう事かしらね?」

結論から言えばバイコーンがドラゴン属四人を鞭で調教していた。

「そもそも旦那様を巡って喧嘩するよりも、協力して旦那様を気持ち良くさせるのが筋じゃないかしら?」

「あのパールさん、ちょっと」
「あら、レーサちゃんも調教されたいの?」

パールさんの鞭が巻き付いた。

「あああ、股間が疼くぅ」
「私の魔力は媚薬入りよ」

パールさんは私を解放すると調教を再開した。

「はぁはぁ……何でここで調教?自分の部屋でしなさいよ!」

「ドラゴン属四人にはパール様の部屋は狭いんだ」
「竜化すれば部屋が崩壊するのじゃ」
「場所移動、負担を軽減」
「イーヒヒヒッ、ここなら無問題でゲス」

デュラハン
バフォメット
リッチ
刑部狸
の順で答える。

運悪くデュイン隊長は休暇中。
隊長代理の私に竜四人を止める力はなく、強引に訓練場を占領された。

「あんた達誰?」

私は見物客に問う。

「誰だとは失礼なレッサーだな、オレの事を知らないのか?」

短髪の中性的な顔立ちのデュラハンが私を睨む。

「隠居して長い年月が経つからのう、知らないのも無理ないじゃろう」

白シャツに半ズボン、少年のような姿のバフォメットが老人口調で喋る。

「纏め、交わる者は日々に疎し」

研究者の白衣を纏った眼鏡のリッチが呟く。

「親しかった魔物でも夫と交わりばかりして会わなくなると、次第に忘れられる意味でゲスね」

細目の刑部狸が独特の訛りで解説する。

「オレ達はハーレムの国の花嫁だ。名はハラーン」
「儂はフォーバ」
「自己紹介、リッチのリーチ」
「刑部狸のポコ子と申すでゲス」

「ハーレムの国……あんた達って百人以上いるという柴の妻なの?」
「知っているのか?」
「知ってるっていうか……」

「その娘は以前あたしの誘いを断ってるのよ」

私の背後からチェシャ猫が姿を現した。

「メシャス!?びっくりした突然姿を現わさないでよ!」
「ごめんね…ちょっと報告があって」
「報告?」
「別に大したことじゃないけどね。教団兵百名が魔王城に攻めてきただけよ」
「何だ、教団が攻めてきた……って何ですって!」

「いつもの魔王討伐か」
「教団も懲りぬのう」
「過去の実績、進歩無し」
「こちらの戦力が増えるだけでゲス」

「いやいや、教団兵が百人よ!私と仲間六人で魔王城を攻めたときとは桁違いよ!他の部隊の応援は?」
「他の部隊は皆性行為に夢中で動かないわよ」
「これだから既婚の連中は!」
「大丈夫、私達が防衛するわ」
「あんた達五人だけで防衛出来るの?」
「レーサちゃんを含めて六人よ」

メシャスが紐を出し、私に絡ませた。

「パール様、私達はレーサちゃんと一緒に前線の防衛に入りまーす」

「判ったわ、私達も後で行くから」

「数百年ぶりの戦場だ」
「魔宝石弾が唸るのう」
「再研究、女性の魔物化」
「薬売りの出番でゲス!」
「イクわよレーサちゃん」
「ちょ待て引っ張るな!」

私は強引に裏口へ連れていかれた。


※魔王城裏口※


「くそっ、たった四人だけで押されるとは」
「きゃあっ、あれ痛くない?……あっ身体が熱い」

結論から言えば、先陣を切ったハラーンとフォーバによって教団の兵士は次々と倒されていった。
リーチとポコ子は魔法で中衛支援している。

私とメシャスは後衛から彼女達の戦いを見ていた。

「凄い、あのデュラハン、次々と着実に兵士を切り倒してる」
「ハラーン様の剣は魔界銀製だから、相手を傷つけず戦う力を奪うことが出来るの」
「バフォメットの方は筒みたいな武器から石を発射してる」
「あれは魔宝石、フォーバ様は魔宝石を飛び道具として使ってるの」

「ああん、アソコが疼く」
「背中から翼が生えてぇ」
「オトコチンポホシイ〜」

「二人の攻撃で倒れた女兵士が魔物化した」
「剣と魔宝石に魔力をこめてるからね。魔物化するのは当然よ」
「魔物化した女兵士が男兵士を犯してる……羨ましいっじゅるり」

『レーサちゃん、今は戦いの最中よ。私達は城内に突入した兵士を対処する役目があるの…』

「わ、判ってるわよ、耳元で囁かないで」
「まぁ作戦があるから、レーサちゃんの出番はほぼ無いけどね」
「作戦って……?」

大きな影二つが、私の真上を素通りした。

反射的に上を見上げると、今度は別の大きな影二つが私を横切った。


「うわぁぁぁ、ドラゴンが出てきたぁぁぁ」


天空を貫くような叫びが地上に響く。

四匹の竜が兵士達を蹂躙じていた。

「怯むな、体勢を立て直せ!」

女勇者が兵士に喝を入れるが、効果はない。

竜四匹に姿は皆違う。まさか……。

「パールさんが調教していたドラゴン達?」
「そう、旧時代の姿に変わったの」

「いたわ、男よ」
「私あの人に決めた」
「未婚からおさらばよ!」

「城から未婚の魔物が出てきて兵士を襲ってる。みんな嬉しそう」
「これがあんた達の作戦?力でねじ伏せて、戦意喪失した隙に魔物に襲わせるという……」
「んーそれもあるけど、本命はこれからよ」
「本命?」

馬の影が私を横切り、ドラゴンに一撃を与えた。

「おい、誰かが竜の一匹を捕らえたぞ!」
「黒馬に乗った女だ」
「いや違うあれはバイコーンだ、バイコーンが竜を蹂躙してる」

影の正体はパールさんだった。

「始まったわね、パール様の調教レーサちゃん、あたしは兵士達を調教しにイクから」
「え、ちょっと」

メシャスが姿を消した。

調教って、一体何をするつもりなの?


※教団視点※


「あのバイコーン、ドラゴンを圧倒してる。俺の剣では歯が立たなかったのに」

『悔しい?』

「悔しいさ、無力な自分が」

『力が欲しいんだね、竜を倒せる力が…』

「ああ、力が欲しい……」



「あの飛竜、あれだけの攻撃を受けているのにまだ倒れない」

『あの竜に興味があるのね?』

「うん、あっ飛竜が、空を飛んだ」

『貴女もあんな風に空を飛びたい?』

「はい、私もあんな風に空を飛びたい……」



「何て卑猥なの、竜が暴れている中で交わりなんて」

『貴女って交わり見るの好きなのね』

「違うわよ、私はあんな卑猥なの嫌いよ」

『正直になりなさい、貴女は淫らな女狐なのよ』

「私は淫らな女狐……」



「はぁはぁ……畜生、戦場の中で堂々とヤリやがって」

『魔物のセックスをオカズにしてるの?いやらしいわねぇ』

「な、何でばれた?」

『貴男も魔物と交わりたいのでしょ?我慢しなくていいのよ?』

「もう我慢できねぇ……」



「四匹の竜を相手にたった一人で……わたしも戦います!」

長い髪を束ねた少女兵士が龍に向かって突撃する。

『止めなさい…無茶よ!』

囁きの静止を擦り抜け少女兵士は剣を抜く。

「竜よ、覚悟しなさい!」

しかし、少女兵士は龍の下へたどり着けなかった。

倒れゆくワームの尾が彼女の真上に振り下ろされ、

間一髪でバイコーンに突き飛ばされたからだ。

少女兵士は数秒後に状況を察した。

バイコーンに庇われたこと。

バイコーンが下敷きになったこと。

「バイコーン……さん?」

竜を止めてくれる希望を自分の所為で失ったこと。

『大丈夫、彼女は無事よ』

先程の声が耳元で囁いた。

「えっ?」

バイコーンが片手でワームの尻尾を持ち上げ、横にずらす。

地を鳴らす響きと共に、バイコーンが少女兵士の下へやって来る。

「大丈夫?ケガは無い?」
「はい……」
「良かった……もう遊びは終わりね」

バイコーンがそう言うと、剣を分解し鞭のように変えた。

鞭が龍を捕らえ、桃色の魔力を流し込む。

「アアアアンン」

龍が艶やかな声を上げ、変化を始める。

『あれが彼女の本当の姿よ…』

その姿は龍ではなく、東国の美女だった。

「龍が人間の女になった……」

バイコーンが鞭を用いて倒れた竜を次々と美女へと変える……正しくは在るべき姿へと戻る。

「ああんっ、パール様」
「身体が火照って……」
「柴様は?柴様はどこ」
「柴のチンポ入れたい」

「四人とも仲良くデキるわね?」

「「「「はい」」」」

「あなたー来て♪」

バイコーンが口笛を吹く。

「ヤリてぇぇぇぇぇ!!!!」

城から全裸の男が飛び出してきた。

「「「「きゃああ柴様」」」」

美女四人が涎を撒き散らしながら、男を襲った。

性的な意味で。

男の一物がドラゴンの膣に挿入、

男の両手が龍の巨乳を揉みしだき、

男の口付けがワイバーンの桃色の唇を奪い、

ワームが男の背中に貼りつき舌で首筋を舐め回す。

「魔物が人間を喰ってる」

『性的な意味でね』

「いや、人間が魔物を襲ってる」

『性的な意味でね』

「魔物は人間の命を奪うはずなのに彼らには殺意が全く無い」

『今の魔物は人間を愛する、決して命を奪うことはない…』

「命を奪わない……つまり魔物は人間と争わないのですか?」

少女兵士は囁きに問い掛けるように言う。

『そうよ、私達魔物は人間と争わない世界を目指してる…』

囁きが少女兵士の前に姿を現す。

「だから剣を納めて頂戴…」

囁きではないその声に、少女兵士は剣を納めた。

それに続くようにある者は武器を下ろし、

ある者は淫らな交わりに惚ける。

中には目の前の現実を受け入れられず逃げ出す者もいたが、

兵士達は皆降参し、戦闘は終結した。


※レーサ視点※


「魔物の魅力を教えてあげる」
「ああ、君達に害は無いと判ったからね」

「今すぐヤっていい?ねぇねぇ?」
「もう自棄だ、魔物とセックスしてやる!」

「ドラゴンだけじゃなく、兵士達まで調教したというの?……」

結論から言えば今度は兵士と魔物による戦闘(性的な意味で)が始まった。

他の兵士達は捕虜として投降、またはリッチと刑部狸によって魔物にされていた。

「投与、強化薬と飛竜薬」

リーチが兵士二人に薬を渡した。

二人共何の躊躇もなく、薬を飲み干した。

「うおおお、力が沸いてくる!」
「ああん、私の腕が竜翼にぃっ♪」

「注意事項、服用後は勃起及び精の枯渇」
「股間が熱い!」
「精液を頂戴!」

二人共何の躊躇もなく、交わり始めた。

「最初から注意事項言えよ」



「この薬を飲むでゲス」

ポコ子が女に薬を渡す。

女が薬を飲むと、身体から獣耳と尻尾が六本生えてきた。

「いきなり尻尾六本とは相当淫乱でゲスね」

「これが私?」

「そうでゲス、淫乱な妖狐の証でゲス」

妖狐と化した女が隣にいた男のズボンを脱ぐ、

「くんくん、君のチンポから精液の匂いがする。自分で抜いたんだいやらしい……だったら私の中で抜いてあ・げ・る」

彼女もパンツを脱ぎ、男の性器に直接挿入した。

「まるで女狐だわ」



「ちよっ離してよ」
「そう暴れるなよ」

柴が女勇者を捕らえていた。
竜達四人は事後で惚けている。

「どうだ?魔物になって俺のハーレムに入らないか?」
「魔物に……」

女勇者は一瞬躊躇ったが、

「……私をハーレムに入れてください」
「よーし、早速契りを結ぶぞ!」

「躊躇なく挿入したか」
「変化が始まったのう」
「魔物化、下級淫魔」
「レッサーの補充完了でゲス」

「これからサキュバスになるまで毎日一回ぶっかけてやる」
「柴様のぶっかけ、素敵」

女勇者は自分の扱いに何の疑問も持っていない。

「あの時メシャスの誘いを断っといて良かった……」

私はつくづくそう思った。

※少女兵士視点※


「パール様、無茶しすぎです…」
「ごめんね、メシャス」

パールが少女兵士を庇った時に打撲した箇所に、メシャスが包帯を巻く。

「あの、大丈夫ですか?」

少女兵士がパールに声をかける。

「平気、貴女が無事で良かったわ、お名前は?」
「リーゼです」
「リーゼちゃんは凄いわ、一人で竜に立ち向かうなんて」
「いえ、私は見てるだけではいけないと思って」
「……ねぇリーゼちゃん、良かったら私のハーレムに入らない?大丈夫、強制はしないから、貴女の意志で決めて」
「えっと……少し考えさせて下さい」
「いいわよ、何時でも返事を待ってるわ」


突撃の少女兵士リーゼ。

後に彼女は魔物化しハーレムの国のスタッフになるが、それはまた別の話。
13/12/29 15:56更新 / ドリルモール
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■作者メッセージ
こんにちは。
ドリルモールです。
今年も残り少なくなりました。

バイコーンのハーレム話。
今回は、前回竜化して暴れたドラゴン達をパール様が調教している最中に、教団兵が魔王城に攻めてきました。
しかし、たまたま見学していたデュラハン達がスタッフの中でベテランであったこと、パール様がドラゴンの調教を利用して、教団兵士をパニック状態にさせて、その隙にメシャスが兵士達に魔物化及びインキュバス化への誘導をしました。

今回の語り手、レッサーサキュバスのレーサは、以前メシャスからハーレムに誘われましたが、訳あって断っています。

詳しくは『ハーレムの案内猫と純愛の勇者一行』にて。

次回は、少女兵士リーゼがパールのハーレムの誘いに悩んでいる所を、メシャスが彼女をハーレムの国に案内します。



また次回。


追記:ドラゴン属四名の調教台詞のヒントをくれたあのよろし様、誠にありがとうございます。







キャラクター紹介
【名前】リーゼ
【性別】女
【年齢】17
【種族】人間
【容姿】ロングポニーテールの戦士
【性格】真面目
【能力・特技】剣術を少々
【概要】
 教団の少女兵士。

 女勇者率いる百名の部隊に配属され、魔王討伐のために魔王城にたどり着いたが、デュラハン達四名の魔物によって苦戦し、さらに竜四匹の暴走により窮地に立たされたが、パールによって竜は沈静化、その際、メシャスから魔物の真実を聞かされる。

 争いを好まない真面目な性格で、抵抗することなく捕虜として魔王軍に投降した。

【補足事項】
 自分を助けてくれたバイコーンのパールからハーレムの誘いを受けて……。

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