読切小説
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バースデープレゼント ふたつめ?
「ふぅー……今日もくたくただなー……」
 家路に就きながら、ため息をつく青年。携帯電話を開くと、そこには青白い肌と緑色の蛇体を持つ美女が映っていた。
「そういえば、あの人が押しかけてきたのが四年前の今日だっけ……?」
 彼女のことを思い出すと、自然と胸が躍る。軽い足取りで自宅マンションに早々に着き、階段を上がり、そして――
「ただいま!」
 明るい声を飛ばし、自宅のドアを開ける緑の。しかし、彼が何よりも待ち望んでいた最愛の妻・エリンの姿は見えない。代わりに彼の視界に飛び込んできたのは、とてつもなく大きなプレゼントボックス。
(デ、デジャヴ……!?)
 エリンが一枚噛んでいる。四年前の経験から、そう見た緑のは、すぐさま彼女の姿を探し始めるのだった。プレゼントボックスの横に回り込むと、緑色の蛇体が隠しきれずに覗いていたのだった。
「おかえりなさい、緑の」
 腹の大きく膨れたエリンが、プレゼントボックスの後ろから現れる。
「エ、エリンさん!? どういうことですこれ!?」
「んふ。驚いた?」
「驚かないはずないじゃないですか! 四年前にもこんなことありましたけど! それで、何が入ってるんですか、この箱に!?」
「ああ、これ? 私と彼女からのプレゼント」
 以前にも繰り広げられた、噛み合わない問答。さんざ叫んで息を整えている緑のは、またか、と言わんばかりに頭を抱える。
「ま、とにかく開けてみなさいな」
「ひょっとして、変なものじゃないですよね? エリンさん?」
「それは保障するわ」
 断言するエリンに促されるまま、緑のはプレゼントボックスのリボンに手をかける。冬なのに汗ばむ手、中に入っていたのは、下半身こそエリンと同じ蛇のものではあるが、彼女の肌はエリンのそれと違う、人間のそれに近い色であった。
「ん。おはよー、緑の」
 寝起きだからか、間延びした挨拶をする女性。
「あれ? 今、私の名前……じゃなくて、なんで――」
「あ。久しぶりだねー、エリン姉」
「妹のサリサよ。よろしくね」
「サリサです。改めましてよろしくねー」
「よろしくお願いします……じゃなくて!」
 サリサが自然に「緑の」と呼んだ時、緑のは問いただそうとした。しかし、彼はサリサにスルーされた挙句に四年前とほぼ変わらないやり取りをする破目になり、再度頭を抱える。
(何やってくれてんですかあなたはー!?)
 緑のは声にならない絶叫を上げていた。しかし、彼はすぐに一度首を降って雑念を追い出し、再度二人を見つめた。
「エリンさんとサリサさん、姉妹なのに違う種族ですね?」
「もう、わかってるくせに」
 緑のがすっとぼけているとみて、二人して頬を膨らませるエリンとサリサ。しかし、緑のはというと、頭の中に叩き込んだ魔物娘図鑑のページをまくっていた。
「エリンさんがエキドナだから、サリサさんは……?」
「恥ずかしながら、僕はただのラミアなんだ……」
 二人の種族が違い、サリサが何かしらのラミア種であることまでは悟ったものの、正確に言い当てることはできなかった。明るさを感じさせなくはない口調ながらも、ただの、という部分を少し強調して、サリサは肩を落とす。
「全然、恥ずかしいことじゃないですよ」
「え? 僕、エリン姉のすぐ下の妹なのに? もっと下の妹は、すごいのに……?」
「ええ。十分魅力的です」
 自身を称賛する言葉を投げかけられ、顔から火を噴きそうになるサリサ。腰布を外すと、彼女の秘所はすでに濡れそぼっていた。
「もう、緑ののせいでこんなになっちゃったから……。責任……取ってくれる?」
 サリサが緑のの耳元でささやく。すると、彼のモノはすぐに力を蓄え、サリサを貫く準備が整った。
 緑のは下穿きを手早く脱ぎ捨て、ゆっくりと腰を動かし、サリサの秘所の位置を確認する。入口に亀頭を押し当てると、彼はゆっくりとサリサの秘所にモノを沈める。そして、亀頭が処女膜にキスをすると……緑のは動きを止めてしまった。
「いいですか?」
「ええ。やっちゃって!」
 サリサの承諾を得て、緑のは一気に腰を突き出した。サリサの秘所からは純潔の証がしたたり落ちるも、鈍痛に堪えつつも彼女は緑のの身体を蛇体で絡め取った。
 そして、主導権はサリサに移る。鈍痛が消えると、彼女は蛇体で二人を絡めたまま、激しく腰を打ち付ける。一つになった二人は、腰を律動させ、密着させた瞬間――緑のは、快楽をサリサの中で爆発させた。
「うおっ……出てるぅ……これが、えっち……」
 自身の胎内が暖められる感触に、サリサは胸を躍らせる。二人の激しい交わりを見たエリンも、秘所から愛蜜を滴らせ始めていた。
「私も、混ぜて!」
 堪らず、エリンはサリサ達にとびかかる。
「エリン姉は、孕んでるんでしょ! 僕もエリン姉みたいになりたい!」
 しかし、エリンの目論見は、サリサによって阻止された。エリンは、拘束を緩めたサリサの尻尾の先に秘所を正確に捉えられてしまったのだ。
「あんっ……まさか、こんなに……」
「んふっ……エリン姉、気持ちいい?」
 サリサの尻尾を甘噛みしながら、奥へとくわえ込もうとするエリン。サリサの尻尾が生み出す快楽に、溺れていく。一方、サリサと緑のは、しばらく休んだ後、第二ラウンドへと突入していた。
 緑のとサリサは互いに腰を打ち付け、サリサはエリンの秘所を尻尾で責めて快楽を与え続ける。しばらくストロークを続けると、緑の、エリン、サリサの三者が一斉に絶頂を迎えた。
 サリサの胎内にて緑のが精を爆発させれば、サリサはエリンに尻尾を深くくわえ込まれながらも、もっと欲しいとねだるかのごとく緑ののモノを甘噛みする。エリンはサリサの尻尾により快楽を与えられ、インキュバスの射精と思えるほど、勢いよくかつ盛大に蜜を放っていた。
 互いにつながったまま、三者三様に余韻に浸っている。緑のはサリサのナカでモノを膨らませたりしぼませたりしつつ、サリサの唇に自身のそれを重ねる。サリサは緑のをホールドしたまま、自身の胎内に満たされた精を味わいつつ、頬を緩ませていた。エリンに至っては、両腕を床に投げ出し、サリサの尻尾をくわえたまま全身を痙攣させていた。
 しかし、ここで異変が起こる。エリンが一瞬大きく瞳孔を開いた後、苦悶の表情を浮かべ始めたのだ。
「サリサ! 尻尾抜いて!」
 エリンが突然、陣痛を迎えたらしい。
「エリンさん!」
 サリサは拘束を解き、緑のと共にエリンに駆け寄る。両側からエリンの手を握り、母子の無事を祈る。しばらくして、白く硬い殻に包まれた卵が産み落とされた。エリンの腹は膨れたままだったが、先程卵が通ったことにより、産道はまだ開いたまま。彼女が一度いきむと、子宮口を潜り抜け、産道からもう一つの滑り落ちる。
「すごいじゃないか、緑の。エリン姉に双子を妊娠させちゃうなんて」
「これでも、四年かかったんですけどね……」
「それじゃ、今度は僕に赤ちゃんちょうだい?」
 初めての産卵を無事に終え、息も絶え絶えのエリンをよそに、サリサは緑のに囁きかけた。
 回復したモノとは裏腹に、図らずして三倍のバースデープレゼントを手に入れた緑のはただ、苦笑するしかなかった。
17/12/06 06:40更新 / 緑の

■作者メッセージ
寝落ちといろいろ詰め込みすぎた結果がこれだよ!!(爆死)

どうも、一昨日をもちまして2●歳になりました緑のです。
騒動を起こしてしまい、3年余りもの間ROM専に戻り、書きたい! と思うネタはできても形にできない苦しい日々。自分の過去作もさかのぼってみて、軽く書けそうなネタを探していたら……あっという間に誕生日を迎えてしまいました。
4年越しで形にしたSS……粗いとは思いますが、いかがでしょうか?
そして、サリサさん含め、エリンさんの妹達のお話は、いずれはSSとして投稿することを目標に、頑張ります。
最後に、このSSを読んでくださった方に御礼申し上げます。

P.S.エキドナ様が初子で双子を産んだ場合、種族はどうなるんだろう……? 個人的にはエキドナちゃんが二人生まれたらうれしいな、と思っていたり。
あと、プレゼントボックスがうちに届かないかなー(二度目)

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