読切小説
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家庭による価値観の違いとその擦り合わせ
とある小学校にて
6年3組

「やっぱりランドセルってお爺ちゃんとお婆ちゃんが買ってくれるパターンが多いのかな?」

ある日の放課後、私はそんな疑問を口にした。少し前にテレビで孫にランドセルを買う祖父母の特集があったのだ。

聞いているのはいつものメンバー。

まずワイトの私こと明季(アキ)

デビルバグの那由他(ナユタ)。

アリスのアイリス。

そしてクラスのマドンナである人間、一文字隼t…ゲフンゲフン
川口さん(またの名を川口女史)である。

「私はお爺ちゃんが買ってくれたんだよね。パパは実家と仲悪いから、ママの方のお爺ちゃんが初孫フィーバーで」

「お父さんって実家と仲悪いんだ!意外。でも会社継いでいるのよね?」

おお、川口さんそこに突っ込むか。

「あ〜正確には良くはないってのが正確かな。両親との間にコミュニケーションがとれてなかったみたい。その分の愛をママに求めてる部分があるかも」

「それじゃあお父さんとお母さんの仲は良いんだ」

「超良いよ。パパったらママに一人での外出を禁止しちゃうくらいなんだから!」

「それ問題だよね?」

「買うものも必ずパパのチェックが必要だし」

「それ経済的DVでは?」

「スマホもチェックされてるし」

「それ夫婦によっては離婚原因になるやつなのでは?」





「那由他ちゃんは?」

「私はパパかな」

「まぁそんなもんか」

「あ、でもお爺ちゃんでもあるかも」

「「「は?」」」」

「私のママ、パパの娘だから」

「ええ……」

川口さんめっちゃ引いてるし!
人間ではありえないよなぁ……
いや……そうか、デビルバグはそういう種族だもんな……

「私も18歳になったらパパと結婚するんだ〜」

「戻し交配かよ」





「アイリスちゃんは?」

こんな可愛い子がいるんだ。親も祖父母も溺愛してるに違いない!

「私は夫に買ってもらったー」

「「「夫!?」」」

早熟すぎやしませんか?これは通報案件なのでは?
いやしかし、ロリ系の魔物なら案外普通なのかもしれない。

「夫はね〜パパの部下さんの息子さんなんだ〜」

「あ、じゃあ案外歳も近かったり?」

「23歳〜」

なんてことだ……なんてことだ……





「川口さんは?」

それでも人間なら!人間なら普通の話に持っていけるはず!
やってくれ、クラスのマドンナ川口さん!
普通の話、頼みます!

「浮気して出て行った生物学上の母」

「「「……川口さん?」」」

「私と父を捨てて間男と結婚。結婚後すぐに間男がDV男と判明。経済的にも肉体的にも追い詰められて逃げるように離婚」

「「「川口さ〜ん?」」」

「父に復縁を迫るが父はすでに再婚。私には新しい母がいた。せめてもの償いに、もうすぐ小学生になる私にランドセルを送るが、受け取り拒否。全部失ったことをようやく理解して首を吊ったよ」

「「「川口さん!?」」」

「それから色々あって、結局ランドセルは使うことに決めたんだ。……許したわけではないけどさ、あまりに救われないじゃないか」

「「「……」」」

お……重い……
どうすんだよこの空気!

ただ何となくの話だったのに!
他愛ない会話のはずだったのに!

どうしてこうなった。




18/07/30 01:24更新 / 幼馴染が負け属性とか言った奴出てこいよ!ブッ○してやる!

■作者メッセージ
一番恐ろしいのは人間という話。
ゾンビとゴーストが一般的になった世界では、多分人の死は高校最後の夏に県大会突破をかけた試合の途中でエースの膝が故障するくらいの重さ。もしくは家を建てるくらいの重さ。

簡単な紹介
場所は人魔共通の小学校。魔物は1学年に2〜3人くらい。大抵は1つのクラスに纏められる。グループやカーストも普通の学校と同じようにある。基本的に一番強いのがイケイケ系女子のグループ。主人公たちのグループはカーストから外れた存在。そもそも芸能人顔負けの美少女で固まっているため、近づく度胸のある人間はそういない。
ワイトは特撮の話しかしない。デビルバグとアリスは生々しい惚気しか話さない。その結果一番モテるのが川口さん。

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