連載小説
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序章 閑話 塞国地理
――地理概要:塞国――

 地図を広げると、山脈――近隣では竜の背、等と呼ばれている山脈の、丁度峠の部分にこの国があるのが判る。そして、この峠を塞ぐように城塞が作られている。

 少なくともここを通る以外の道は存在が知られていない。あったとしても通る者はいない。空を飛べる、高所に強い、と言った能力を持たなければ、だが。

 つまり、必然的にこの道を通らざるを得ない。故にこの国は通称の起点として栄えていた。それも今は昔の事。

 魔王の代替わりに伴い、人類、いや教団と魔王との以前にも増してし烈な争いが起こる様になってからは、専ら前線基地としての役割を求められている。現状教団側がここを抑えている。

 勿論魔王側も飛行戦力を随時投入し、攻略を図っているが、対空攻撃を得意とする魔術師を主体とした軍団を優先的に配置する事によって拮抗状態を保っている。

――塞国基本情報――

 城塞の中には大凡8千人程の住人が住んでいる。反魔物領であるため、勿論魔物はいない。

 この内3割は手工業、特に織物に関する産業に従事していると言われている。逆に言えば、それ以外の目ぼしい産業が少ない、という事である。

 また、この織物を支えるのが近辺で採取できる良質な綿と、放牧で得る羊毛である。この手工業を支える割合は、大凡4割程。

 農業に従事する者は少なく、若者の幾許かは無頼であり、竜殺し(本人曰く、追い出しただけ)の異名をほしいままにするオズワルドもかつては無頼であった。

――竜の背の近隣住民――

 竜の背、と言う通り、今も昔も複数のドラゴンが近辺に住んでおり、その中でも代替わり以前から住むとされるエルダー、アズライトドラゴンが双方に対し中立を保っている。彼女以外にもその他数頭の若いドラゴンが住んでいるが、その大半は人間の領域からは追い出されている。

 塞国周辺で最も勢力の強い魔物は、やはりドラゴンを崇め、ワイバーンを駆る蛮族、ドラゴンティース族(アマゾネス亜種)であろう。彼女等は時折ボーイハントや、織物の輸送隊を襲撃しに、塞国近隣にその姿を現す。彼女等はここではアマゾネスとしているが、習性は兎も角、その由来ははっきりしていないために、便宜上の分類である事を記しておく。

 ドラゴンティースの友であるワイバーンも多く、下手に道を逸れると命の保証は全くと言って良い程ないだろう。アズライトドラゴンは人間に対して珍しく友好的ではあるが、警告を無視した愚か者を救う程退屈を持て余してはいないのだから。

 ハーピー族の魔物は塞国の古い友人であり、難敵でもある。彼女等は集団で現れて人を襲うのだ、アズライトドラゴンと雖も、狡猾な彼女等には手を焼いている(意図的に無視している節もあるが)。最近は教団が設置したバリスタを恐れて姿を見せないが、それでも天気の良い日には遠巻きに黒い点々が空に見えるだろう。それは彼女らが塞国の隙を伺っているのである。

 当然の事だが、近づくなどもってのほかである。

 
15/10/09 21:16更新 / Ta2
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■作者メッセージ
 この物語の補足です。
 かなり厳しい自然の中にある、と言うイメージを持っていただければ幸いです。

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