読切小説
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まもむすはざーど!?
「おーい! BI○H△Z△RDごっこやろうぜ!」
突然、男がアホな事を叫びだす。
「何急に変なこと言い出すの?」
「それは、今日2010年9月10日は映画BI○H△Z△RD4 アフターライフの公開日だからだっ!」
リャナンシーの問いに男は答える。
「で、ごっこをするのはいいけど、どんなことをするの?」
「内容としてはっ! BI○H△Z△RDのモンスターを魔物娘が演じて遊ぼうと言う企画だ!ストーリーは『ある森で魔物娘に襲われた特殊部隊の5人組は森の中にひっそりと建っていた謎の洋館に逃げ込んだが、その中もゾンビをはじめとする魔物娘だらけだった。果たして彼らは無事脱出できるのかっ!?』って内容だ! 魔物娘に捕まってしまえば、男は干物になるまで延々と精液を抜かれ続け、女は壮絶な快楽の果てに魔物娘に変えられてしまうのだっ!」
「う〜む・・・恐ろしいような、どうしようもないギャグのような・・・」
頭痛でもするかのようにリャナンシーは眉間を押さえる。
「そういうわけで、配役を考えよう!」


「まず、ゾンビ役は・・・これはゾンビでいいな」
「あ〜う〜」
「ごはん、せいえき〜」
「かゆ〜 うま〜」
ゾンビ娘たちが歓喜する。
「それからゾンビ犬のケルベロス! これはワーウルフたちにやってもらおう。ゾンビっぽく見えるようにメイクをして・・・リャナンシーちゃん、ペインティングお願い!」
「えっ!? なんであたしがやらなきゃいけないのよ・・・」
「絵筆を持っているから!」
「・・・仕方ないなぁ」
ワーウルフを数人連れてリャナンシーは一時撤退する。
「話を進めよう。BI○H△Z△RDと言ったらゾンビばっかりのイメージがあるけど、ほかにもモンスターはいるぞ! たとえばBI○H△Z△RD1で最初のボスとも言える、ヨーン!」
そもそもBI○H△Z△RDに出て来るゾンビたちは、生物兵器を作り出すためのT-ウイルスに事故で感染したことにより作り出された。
だが、BI○H△Z△RDに出てくるモンスターには実験に成功したクリチャーも出てくる。
ヨーンもその一つだ。
ヨーンとはBI○H△Z△RD1に出てくる体長10mにもなる巨大な蛇のモンスターである。
「ボスクラスの蛇モンスターと言ったら、ここはエキドナさんにやってもらうしかないな」
「あ〜ら、ワタクシ? うれしいですわね」
呼ばれて嬉しそうに腰をくねくねさせるエキドナであった。
「それから、ある場所ではハチのモンスター、『ワスプ』が出てくるな・・・これはやっぱりぶすりと刺すホーネットにやってもらおう」
「あたしたち? 仕方ないなぁ」
そう言ってぶんぶん飛び回るホーネット、まんざらでもなさそうだ。
「それからBI○H△Z△RD 1では2回目のボスにはプラント42というのが出てくるのだが・・・」
プラント42とは、研究者が植物にT-ウイルスを感染させたことによって作り出されたモンスターだ。
「これはアルラウネがやるしかないね」
「え〜っ!? なんで私じゃないの?」
男が決めた配役にドリアードが非難の声を上げる。
「プラント42もアルラウネもツルを持つからだ」
「む〜・・・」
ドリアードは何も言わなくなった。
「続けようか? クモ型モンスターのウェブスピナーとブラックタイガー!」
これはクモにT-ウイルスが感染して作り出されたモンスターだ。
ブラックタイガーの方が多少高い能力を持ち、あるところでボスとして立ちふさがる。
「これはアラクネとジョロウグモが適任だね! どっちがボスになる?」
「う〜ん・・・それは後であたしたちが決めると言うことで」
アラクネの言葉にジョロウグモは静かにうなずいた。
「よしよし、いい感じで配役が決まっているぞ・・・次、ステージ中盤から出てくる脅威のモンスター、ハンター!」
ハンターとはBI○H△Z△RD1ではステージ中盤からゾンビに代わって大量に出てくるモンスターだが、知能もそれなりにあって仲間と連携攻撃を仕掛けてきたり、一撃即死攻撃をしてきたりするという脅威のモンスターだ。
「ハンターといえば狩り、狩りと言えば男狩りのアマゾネス! というわけで、アマゾネスさん、よろしく」
「ふっ・・・時代は我々を望むか。 了解した」
男の希望に軽く笑みを浮かべるアマゾネス。
しかし・・・
「え、ちょっと! ハンターの外見って爬虫類っぽいんだから、ハンターの役はワタシのほうがよくない?」
抗議したのはリザードマンだ。
「う〜む、たしかにそうなんだが、さっき言ったとおり狩りのイメージはアマゾネスのほうがあるし、何より今回のコンセプトは『負ければ男は犯され、女は快楽の果てに魔物娘化する』ってものだから・・・リザードマンは女のコを魔物化しないでしょ?」
「くぅ・・・それを言われては仕方がない。アマゾネス達、我々リザードマンに代わって存分に働いてくれ」
「ああ、任せろ」
二人は肩を叩き合っている。
「次行こう。キメラ!」
キメラとは、人間の卵子にハエの遺伝子を組み込んだモンスターで、急速に成長して戦闘能力も高い。
「ハエといえば、これはベルゼブブがやるしかないな!」
「アタイ? アタイ? とりあえず襲って搾ればいいんだな!? やった〜、今からエサの時間が楽しみだ〜」
ホーネットと同じようにぶんぶん飛び回って嬉しそうにしている。
「さて、いよいよ最後だ。タイラント・・・」
タイラントとはBI○H△Z△RDの最終ボスで、人間に驚異的な強化を施した大型人型モンスターだ。
「うーん・・・大型の人型モンスターといったらオーガ系のモンスターがいいんだけど・・・」
「残念だけど、アタイたちはできないねぇ。ボスって柄じゃないし、女を犯して魔物化なんてやらないね」
「・・・・(コクコク)」
アカオニとサイクロプスが難色を示す。
オーガ系ではないが力持ちのミノタウロスも考えてみたが、同様に肩をすくめた。
「う〜む・・・では、ボスと言うことに注目してピラミッドのボスのアヌビスとか・・・」
「あうあうあ!」
「うが〜!」
たちまちゾンビたちから非難のうめき声が上がる。
「え〜っ!? 私たちは嫌だ〜!」
「その声はさっきのワーウルフ・・・ってうお!? すごいメイクをしてきたな!」
ゾンビ化のメイクが終わったのだろう。
ゾンビ犬らしい、なかなか怖い顔をしている。
さすがはリャナンシー。
「本能の赴くままに人を襲う怪物の役なのに、アヌビスがボスだったら襲う時間とか食事の時間も管理されちゃうよ」
「それはアタイも困るなぁ」
ワーウルフが嫌がる理由を説明し、ベルゼブブもそれに賛同する。
ゾンビたちもワーウルフの解説にうんうんと頷いている。
「うぅ・・・みんながそういうなら仕方がないなぁ・・・じゃあ・・・」
「ほほう、これはワシの出番かのっ!?」
バフォメットがニヤニヤ笑いながら現れる。
「・・・却下だ」
「なんじゃと! おぬし、この幼い身体の魅力が分からないと申すか!?」
「あ、いや、そういうわけでは・・・」
上級の魔物娘であるバフォメットを怒らせるのは自殺行為だ。
なるべく刺激しないように男は濁そうとするが・・・
「それに、コンセプトにもバッチリ当てはまろう! 負けた男は延々と精液を搾られて幼女の背徳と魅力を教え込まれ、女は若さと美しさを持つ魔女に変えられる・・・完璧であろうが!」
「お前が出てきちゃうと今までの展開が全部ギャグと化しちゃうんだよ、このロリババァ!」
我慢できなくなって男は怒鳴り声を上げた。
ざわめきがひろがる・・・
「やばい・・・バフォメットを怒らせたわ」
「今までの展開がギャグに? 今まではギャグじゃなかったって言うの?」
「どう考えたってこの企画はアホ企画でしょう」
「と言うか・・・逃げた方がいいわ」
魔物娘たちがソロソロと逃げ始めたとき、怒りに震えていたバフォメットがわめき散らした。
「この・・・朴念仁の大愚か者めがぁ!」
ドンガラガッシャン! ドカーン!
ものすごい崩壊音が聞こえ、それに混じって男の悲鳴が聞こえた・・・


結局、バフォメットの出演はかなわず、タイラント役はダークマターが勤めることになった。
見境なく襲い掛かり、取り込んだりサキュバス化・インキュバス化させたりするところがポイントだったらしい。
「と言うか、あんたよくバフォメットを怒らせて生きていたわね」
あきれたようにリャナンシーが言った。
しかし男はなんと言うことはないとばかりにはしゃいでいる。
「配役も決まったから、みんなやろうぜ! 洋館とかセットとか大道具はジャイアントアントたちに依頼したから!」

いろんな意味で恐怖の舞台が始まろうとしていた・・・
11/03/25 01:26更新 / 沈黙の天使

■作者メッセージ
ぜぇ・・・ぜぇ・・・16日公開だと思っていたのに、10日公開だったので、2時間弱の突貫工事で作成しました。
もっともBI○H△Z△RDは好きですが、映画自体には興味はないのです・・・

この企画、果たして連載でやるかどうかは・・・未定です。
みなさん、どうでしょうか?

ご意見ご希望ご感想、お待ちしております。

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