連載小説
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〜三日目〜
「ふふ・・ラーシュ、起きろ?」「うむぅ・・?」
ああ、椿よりも遅く起きてしまったな。
まぁ抱かれているのだから、良いか。

「おおい!間に合わないぞー!」
「そんなに急がなくても、まだ時間があるって!」

外は騒がしいものだ。
闘技大会、それも大規模となれば当然か。
「騒がしいな・・全く・・」
「ああ・・だが、滾ってくるのを感じるな・・」
そう言う椿の顔はもう、私に見せる顔から戦士のそれへと変わっていく。
かくいう私も体中の血が躍動しているのを感じていた。
私もワイバーンの端くれということか。

「さて・・出るか、ラーシュ。空が、皆が俺達を呼んでいるぞ。」
「現地集合との事だったな・・行こう。あ、その前に・・」
私は彼に唇を重ねた。彼もそれに合わせてくれる。

「・・よし、元気ももらったことだ。今度こそ行こうか。」
窓を開ける。
そこからは強い風が、制してみろ、とでも言うかのように吹いていた。
良いだろう、飛竜たる所以を見せてやろう。
竜の姿に変わり、魔法の錠前を予約する。
椿が乗ったのを確認してそのまま翼を広げ風に乗った。

下を見てみれば、ザイード達も闘技場へと向かっている。
その顔は、というより雰囲気はとても楽しそうだ。
闘技場はもう人がたくさんきているようだ。
レグザ達が掻きわけ進んでいるのが見えた。

side/タリア
「もう、おそいわよ?貴方達・・」
「すまん、ところでワイバーンの夫婦と、ラミアの夫婦追加だ!」
こちらへの気遣いは、すまんの一言、全く戦闘となるとこの子たちは・・
「分かったわ。あと十分ぐらいで第一試合よ。」

その通りにアナウンスが流れる。
その途中も、彼らは並べられた武器を取っていく。
全て魔界銀製なので安全性は十分だ。
「・・うん、この重さなら悪くないな・・」
「両手でこれか、結構軽いんだな・・」
あら、竜騎士の・・剣は分かるけど、刀?
ジパング出身にしても不思議な取り合わせね。

っと走ってっちゃった。
後のことは実況席で見せてもらおうかしらね。

side/レグザ
「・・はぁ・・っ!」
良いぞ・・この気分だ・・高まってくる!
後三分ほどでこの扉が開き、俺達のステージが見えるのだ。
「すぅーっ・・はぁ・・」
ザイードも顔が興奮一色になっている。
もはや言葉をかけることも失礼にあたる程だ。

=それでは、エキシビジョン第一試合。
「教団兵士」対「サラマンダーの夫婦」です。
こちらの夫の方は騎士団の特別コーチもなさっているとのこと!
どのような試合になるか、それでは入場です!=

よし来た!
「行くぞっ!ザイード!」「ああ!レグザ!」
戦闘の開始だ。
この大会・・存分に盛り上げてやろうじゃないか!
13/05/30 21:58更新 / GARU
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■作者メッセージ
今回は前置きなので短くしました。
次回はその分長めになると思います。
バトルの描写は初めてですが、がんばります。

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