連載小説
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邪魔をするプライド。それでも好きなのを伝えたい。
少年に手を引いてもらいながら奥の部屋まで行くとベッドに腰掛ける。まだ力がうまく入らないためベッドに座って休んでいると少年が満足げにクレアを見ている。


「これで大丈夫ですか?大丈夫なら...僕はあの人たちが近くに居ないか見てきますねー」


そう言って、背を向けては歩き出そうとする少年にクレアは慌てた様子で手を伸ばせば少年が着ていた服を掴む。少年の服は簡素な布服に同じ素材のズボン。いくつかの首飾りや、ブレスレットを着けていた。


(し、しまった...思わず引き留めて...)


クレアは服を掴んだ後にハッとしては頭をフル回転させる。引き留めた理由は傍に居てほしいというものであるためドラゴンのプライドがそれを伝えるのを邪魔していた。そして、少し慌てながらも引き留められて振り返った少年を見つめる。


(改めて見ても...顔もとってもかわいい...じゃない!!)


「まだあまり動けないからな...こんな状態であの勇者達...それ以外から襲われたら大変だから...その...なんだ...」


「あ、たしかにそれもそうですねー。なら、お姉さんが元気になるまであんまり離れないようにしないとですねー」


(きたぁぁぁ!!)


クレアは心の中で歓喜の叫びをあげながら表情は崩さずにうなずく。尻尾はさきほどよりもさらに揺れており、鼓動は激しくなっている。


「う、うむ。そうだな。よし、それじゃあ...そんなところで立っていないで、こっちに座れ」


そう言うと手招きしながらクレアは自分が座っている場所の隣をポンポンと手で叩く。そうすると少年は示された場所に座れば広いベッドに少し興味がある様子であり、少し後ろをキョロキョロとしている。その姿にクレアの心の中は大荒れである。


(反応も可愛い♡ああ、漂ってくる香りも...♡)


少年に完全に惚れこんでいるクレアは少年の視線が自分が入っていないときだけ表情を緩ませるが少年の顔が前を向けばキリッとした表情をしている。


「そう言えば...君の名前は...?私はクレアだ」


「名前...すみません...教えれる名前がなくて...襲ってきた人達が言ってましたが死神なんて呼ばれますね...」


「そ、そうなのか...」


少年の悲し気な表情にクレアは少し申し訳なさそうにしている。
少し黙って、考えたクレアは意を決したように少年に顔を向ける。


「迷惑でなければ......私が名前をつけてやろうか?」


「あ...えっと......」


少年は名前を付けてくれると言うクレアの言葉に戸惑いながらクレアを見つめてはゆっくりと頷いて、期待するような表情をしている。
少年の頷きにクレアは任せろと言わんばかりにうなずけば思いついた名前を伝える。


「アル...というのはどうだろう?」


「アル...わかりました。僕の名前はアルです!」


満面の笑みでアルと名乗った少年はとてもうれしそうである。そして、クレアを上目遣いで見つめる姿にクレアは感じたことのない幸福感に酔いしれていて緩みそうな表情を必死に抑えている。


「クレアお姉さん...ありがとうございます‼」

アルがクレアお姉さんと呼ぶ。自分の名前を呼んでくれたクレアは遂に我慢できないようにアルを抱きしめる。絶世の美女と喩ても問題ない美貌の持ち主であるクレアに抱きしめられては身長差もあり、アルの顔にはたわわでやわらかい胸が押し付けられる。


(す、すごい柔らかさ...こ、こんなの初めて...)


(それに...いい香り...んん...)


その感触にアルは慌てて離れようとするがクレアの抱きしめる強さと顔に伝わってくる柔らかさ、さらに漂ってくる甘い香りに力がうまく入らない。最初は少し強張って、緊張していた体も今では完全に脱力している。そんな反応をクレアは喜んでいて、胸に埋まって恍惚な表情で脱力しているアルに心が躍る。


(いますぐにでも襲いたいが......勇者どもめ......面倒な毒を......)


(今のうちにもっと親睦を深めるのもいいか......)


魔物娘としての本能と、アルの可愛さに完全に理性は外れていたが筋弛緩剤の影響であまりうごけないのが功を奏し、理性がすこし戻ってくる。ゆっくりと抱きしめる力を緩ませては谷間からアルの顔を離す。アルはおっぱいの魅力で表情を蕩けてしまいながらもクレアを見つめていて、そんな表情を向けられてクレアが我慢できるわけもなく衝動に任せてアルの唇に自分の唇を重ねてはキスをする。


(柔らかい唇...ああ...♡体がどんどん熱くなってくる...♡)


(クレアお姉さんにキスされちゃってる...)


んちゅ......くちゅ......はぁぁあ......♡


重ねるだけのキスで終わるはずもなくクレアはアルの口に舌を入れては唾液を啜っていき、アルの舌に絡ませていく。淫靡な水音が洞窟内に響きながらアルはされるがままにキスをされていく。数分、十数分は経過しただろうか。そのぐらいになってようやく唇を離せば二人の舌で唾液の糸がつながっており、ゆっくりと下に落ちていくのであった。


「く、クレアおねえひゃん?..//」


「かわいい♡アルはとてもかわいい♡」


完全に興奮している状態で言うクレアに対して、脱力してしまい、放心状態のアル。そんな姿にもクレアは興奮しながらもさすがに休ませてあげようと頭を優しくなでてあげる。アルは優しい手つきに安心するとそのままクレアに体を預けるように凭れてはまた胸に顔が埋もれてしまう。


「ふふ......助けてくれてありがとう......ゆっくりやすんでくれ♡」


「んんぅ...//」


クレアの温もりに包まれながらアルはゆっくりと目を閉じては寝息を立て始める。クレアは起こさないように抱きしめたままゆっくりとベッドに横になってあげてはあどけない寝顔を眺める。


「ふふ...かわいい寝顔だ♡」


やっとキングサイズのベッドが役に立っていると喜びながらしばらくアルの寝顔を眺めていたクレアも眠りにつくのであった。嬉しそうに眠るクレア、目が覚めた後に自分からキスしたことを思い出しては赤面しながらも笑みを隠せずしばらく悶えていたのは、まだ眠っているアルの知るところではなかった。
18/11/01 17:51更新 / かなでゆうき
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■作者メッセージ
お読みしていただき、ありがとうございます!!
とりあえず、プライドに邪魔されるけど結局、可愛さに負けたクレアでした。次回はアルの過去、それにさらなる二人の関係の進捗について書いていく予定です。
楽しみにしていただき、よければ読んでみてください‼

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