連載小説
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中編
 この小さな少年は、父とは違う。
 この小さな少年は、父より弱い。
 この小さな少年は、父の匂いとは違う。

 守りたい。子を成したい。愛したい、愛されたい!

 マリスにそんな感情が芽生える。
 いや、既に芽生えていた。遠方より少年の匂いを感じた時より。
 それが密着し匂いを直に嗅いだ瞬間に自覚するに至ったに過ぎない。

 「匂いを嗅いだりキスしたり顔を舐めたりして、その相手の精を受けたいとか、子供を産みたいと強く願わなければ結婚しては駄目」
 「逆にそう思ったら、躊躇しては駄目よ、その男は<運命の男>なんだから。人間は弱い。だから守る。いいわね?」
 マリスが旅立つ時、母から送られた言葉が再生される。

 マリスにとって、人間は弱い存在である、弱いから人間達ではどうしようもない現象やコトガラに怯えている。だから強い私達が守ってあげなければならない。という思想を持っていた。
 この思想は母直伝の言葉であり、ヘルハウンドにとっても至って普通の考えであり、他の姿の魔物達も概ね似たような考えを持っていると思っている。

 その事を踏まえ、マリスは母より送られた言葉を脳内にて再生している。

 ヘルハウンドであるマリスの部族には習わしがある。番(つがい)となる男を攫うという習わしである。
 火山の近くに住むという事で、命知らずの冒険者も中々来ないという理由で始まったこの風習であるが、近年は子供が父を夫とする事もめずらしくなくなってきた。
 しかし、マリスは族長の子。族長である母の自分の子たちに対して、父(母にとっては夫)を夫とする事をよしとしなかった。
 マリスは母の言葉に従い、住み慣れた火山を離れて、遥々この地へたどり着いた。

 「ぷはぁ…お前、いい味…いい匂い!」
そして、今、番(つがい)になりたいと強く願う男が現れた。
 「や、やめてぇ……もう、舐めないでぇっ…!」
 少年は涙を流してえっぐえっぐと嗚咽しながら懇願する。その姿はマリスが思い描く(理想的な)男性像そのものである。

 守りたい。
 その顔を見て、そう強く願う。そう願う程、体が、子宮が熱く切なくなる。
 「お前!我の夫!なる!!」
 だから、守る。そのために夫にする。この少年は弱い。だから夫にして一緒になって子供を作る。
 「い、いやだ…ぼ、僕は好きな人がもう…」
 しかし、少年は既に意中の存在がいた。一瞬戸惑ったが、まだ幼い年頃で妻がいるとは到底思えなかったので行為を続ける事にする。
 もし行為を一通りやり終えた後でも意中の存在のことを想っていれば、二人の仲を裂く事はない。共に愛されれば問題はない。

 「今は駄目!お前、我の夫!なれる!!」
 強い口調で言ってしまう。マリス自信も驚いてしまうがどうも<恋>をするとつい相手に厳しく当たってしまう。と通りすがりのサキュバスの夫婦が言っていたのを思い出す。
 そうか、これが<恋>なのか。母も、夫をもつ魔物達は皆<恋>にかかるというが、まさに今自分がかかっているのか。とマリスは感じていた。 

 「いやだ…そんな…っ!」
 少年は泣きながら懇願のような拒否を続ける。その言葉と涙に、マリスの理性が今にも弾けそうだった。

 「我!名前!ヘルハウンドの!マリス!お前、名前!名乗れ!!」
 マリスの今にも弾けそうな理性を絞り出して、名前を尋ねる。名前も知らない男を夫にはできないからだ。

 「き、キオ……」
 少年は涙ながらに名を名乗る。これで夫にできると嬉々としてマリスは笑う。
 
 「キオ!お前!夫、なる!」
 もはや相手の名前を知った以上、我慢をする必要性はどこにもない。マリスはキオのズボンを引き剥がす。
 「ひゃぁあ!やめてえ!」
 懇願空しく下半身の肉棒を無慈悲に晒すキオ。しかしその肉棒は歳に似合わず中々太かった。皮こそ剥けてはいないが、それでも(里の仲間達の夫の平均より)大きい方に入っていた。
 「おお!立派!いただく!!」
 思わず感激の言葉が漏れる。そのまま肉棒を口へと運ぶ。

 幼き肉棒の味は、今まで食べたどんな食べ物より美味であり甘美であった。
 
 親魔物派の国や魔界からの商人によって、意外にも文明的な生活をできる部族にとって、甘いものは比較的容易に手に入る。

 虜の果実に至っては数年前より集落近隣の森で自生しているのを発見し、ますます甘い物は<めずらしいもの>でなくなっては来ている。

 しかし、この肉棒の美味と来たら!比べる事がおこがましい程の美味、そしてなにより名状しがたい程の幸福感!

 母は言う。この世で一番美味しい物は自分の夫の精であると。だからお前達にも私の夫ではなく、お前たちの夫の精で味わってもらいたい。と。

 なるほど、母が頑なに自分の夫を独占していたのはそういう意味があったのか。ケチんぼうと愚痴を言っていたが、この幸福感は自分の子にも味わってもらいたいと願うのも、今では理解できる。

 「ひぃぃっ!」
 キオは恐怖とも快楽とも似つかない声を上げる。

 その声はとても情けない声で、弱々しいものであった。それがまたマリスの心をくすぐる。

 そして、それと呼応して肉棒から滴りだす先走り汁も美味であった。

 未成熟でありながら不思議なオスの匂い…舐めているだけでイってしまいそうになる切なさがこみあげてくる。

 気が付けば、体位はマリスがキオの肉棒を銜え込み、キオの顔にマリスの蜜壺がくる態勢…いわばシックスナインの態勢であった。

 「お前、美味い」
 無我夢中にキオの肉棒を堪能する中、言葉をこぼす。

 「そ、そんなところ汚いよ!」
 キオはかろうじて人間としての常識を口にできた。しかしその言葉は快楽に震え、マリスの口技も自然と熱が入る。

 「汚くない!これ、まぐあいの儀式!」
 ぷはぁと息継ぎの為に肉棒を離すとそう言った。
 そして言い終わると再びその口が再び肉棒を覆う。自らの下半身も、キオの顔へと密着させる。

 性の知識に乏しいキオも、その野性的な刺激臭と信念すら感じさせる口技により、劣情を感じて肉棒を硬くさせる。

 「そんなのしらな…んぐっ!」
 秘部が密着し言葉を遮られるキオ、しかし密着により愛液を望まぬとも舌が勝手に動き、その愛液を舐めとってしまう。
 魔力が凝縮した愛液により、ついにキオは射精へと達してしまう。

 「ん、んんんんんんん!!!」
 自慰行為時とは比較にできない程の放出量。文字通り噴水の如く発射させれる射精。
 「んぐぐううう」
 一滴も垂らすまいとするマリス。堪えても口の隙間や鼻からどぷり。と垂れてしまう。
 そしてマリス自身もその射精の衝撃と快感で達してしまい、キオの顔面に向けて潮を浴びせてしまう。
 「ん、んー…ん……」
 その想像を超える快感により、キオは意識を失ってしまうがそれでも射精は止まらなかった。

 「ぷはぁ…お前、すごい。気にいった」
 数分後、射精が止まる頃にはすっかりマリスはキオの事が大好きであった。
 もはやキオ以外に夫とする事はできない。このまま結ばれるしかなかった。
 しかし、マリスは気づいていた。どうやらキオを探す人間達がやってきたようだった。
 まだまだ遠いが、今ここで<夫婦の誓い>をするのは得策ではないとマリスは判断した。
 その判断は狩人としての才あるヘルハウンド。いやマリスだからこその判断であった。

 「お前、大好き。守る。こっちくる」
 マリスはキオを優しくお姫様だっこをするとにこやかな笑みを浮かべて、暗くなりつつある森の中を一陣の風と化してその場を去った。


 その後、村の人間でキオの姿を見た者はいない…。
15/06/07 22:51更新 / テト式
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■作者メッセージ
キオのお兄さんは今後とも出る予定はないです(無慈悲

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