読切小説
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ラミア妻との生活
 日が没し、残照が辺りをわずかに明るくしていた。西の空は、わずかに赤く染まった部分が紫紺色に飲み込まれて行こうとしている。県道を走る車は、いずれも大分前からヘッドライトをつけて走っている。
 市営バスの後ろのほうの座席では、人間の男と蛇の魔物であるラミアが身を寄せ合っている.季節は夏であるにも関わらず、彼らは暑くは感じないらしい。しっかりとお互いの体を付け合っている。
 二人は勤め帰りであり、男はボタンダウンシャツにスラックス、ラミアはビジネス向けのシャツにスカートという格好だ。ラミアは、豊かな黒髪と黒い蛇体の下半身を持ち、上半身の人間の部分は大理石のような白い肌をしている。吊りあがった紫色の目が妖艶な雰囲気を出しており、整った細面と合っている。
 ラミアは、他の乗客に見えないように男の太股を撫でる。男もラミアの腰に手を回す。二人は顔を見合わせ、かすかに微笑みあう。
 二人は夫婦だ。

 二人は自宅近くの停留所で降り、近くのスーパによる。夕食の材料を買うのだ。
 スーパーの中は、勤めを終えた人々の姿がある。その中には魔物の姿もあった。蜘蛛の下半身を持ったアラクネが、豚肉のパックを見比べている。馬の下半身を持ったケンタウロスが、人参をかごに入れている。人間離れした緑色の巨体と角を持つオーガが、バーボンの瓶を手に取っている。
 男とラミアは、冷やし中華ときゅうり、トマト、卵焼き、蟹カマボコ、中華くらげなどをかごに入れていく。暑い中煮炊きはしたくないので、冷やし中華は流水麺だ。後はシュウマイとビールをかごに入れる。明日の朝食用に、食パンと卵とハム、ヨーグルトをかごに入れた。
 二人ほど待ってから、レジの会計が始まる。レジ係はワーウルフの少女だ。頭にイヌ科独特の耳が付いており、制服のスカートからは柔らかそうな尻尾が出ている。会計が終わると、ワーウルフは耳と尻尾を揺らしながら「ありがとうございました!」と元気よく言った。
 魔物娘が人間社会に住み着いて、十年になる。驚くほどの早さで、彼女達は人間社会に入り込んで来た。日本では、地方都市でもこの様に魔物娘の姿が見られるようになっている。
 男とラミアのように、夫婦になる者も出て来ていた。

 二人は一軒のレンガ色の角ばった住宅に入って行く。この家が彼らの家だ。二人が勤める不動産会社が売り出していた、中古住宅をリフォームした物だ。結婚した時に、会社を通して買った物だ。この家は地方都市の郊外にあるため、土地も大都市に比べると安い。
 家に入ると、スーパーで買った食品を冷蔵庫の中にすぐに入れる。夏に食品を冷蔵庫から出しっぱなしにしておけば、すぐに痛む。二人は、その事で以前散々な目にあった。
 家の中は締め切っており、昼間の熱気がこもっているためサウナのような有様だ。二人は台所やリビング、寝室の窓を急いで開ける。このままでは熱射病になってしまう。
 その後、すぐに二人は浴室に向かう。二人は、帰宅途中に十分汗をかいた。特に男のほうのシャツとスラックスは、汗で広い範囲が濡れている。すぐにでも汗を流したかった。
 もっとも、すぐにはシャワーを浴びない。いつもの「儀式」があるからだ。脱衣室周辺の窓と、他の部屋へ通じるドアを開ける。そして扇風機をつけた。
 ラミアは、シャツを脱ぎスカートを下ろす。ラミアは、黒い下着姿となる。紐の部分とシースルーの部分が合わさった、扇情的なデザインのブラジャーとショーツだ。乳首は辛うじて隠れ、ヴァギナの一部は透けて見える。
 ラミアは男に擦り寄る。ラミアからは、汗と香水が混ざった甘い香りがする。男の好きな香りだ。ラミアは、ひざまずくと上目遣いに微笑む。男のスラックスのファスナーを、紫のルージュを塗っている唇ではさみ引き下ろして行く。トランクスの端を口で軽くくわえると、ファスナー同様に引き下ろしていく。濃密な熱気と臭いと共に、男のペニスがラミアの鼻先に突き出された。
「アスパシア、やっぱり体を洗ってからやらないか?」
 男が、困った顔でラミアに言う。
「あら、あなたったら。即尺なんてやってくれる人は、そういないのよ。それに洗わないからいいんじゃない。あなたの体を感じられるでしょ」
 アスパシアと呼ばれたラミアは、笑いながら言う。そのまま鼻を赤い亀頭に付け、わざとらしく音を立てて臭いを嗅ぐ。
「それにこうして臭いで、あなたが浮気しているかいないか分かるでしょ」
 アスパシアは、釣り上がった切れ長の目で見上げる。獲物を狙う蛇のような目だ。
「四六時中一緒にいるのに、浮気なんかできるわけないだろ?」
 須佐という名の男は、呆れたように言う。
「トイレまで一緒に行くわけにもいかないからね。それに今日は、倉庫に業務マニュアルを取りに行ったでしょ。私がトイレに行っている間に」
 アスパシアは唇の端を吊り上げて笑うと、亀頭にキスをする。亀頭に繰り返しキスをすると、くびれ、裏筋、さお、袋とキスを浴びせる。ペニスが屹立すると、二股の舌を亀頭に這わせてねぶる様に舐め回す。くびれに舌を入れて丁寧に掃除をすると、裏筋に上下に舌を這わせる。袋を口に含んで玉を舌で転がせる。ペニスに満遍なく唾液を塗りこむと、ラミアはペニスから口を離した。
「臭いも味も異常なし。浮気をせずに我慢していたのね。いい子ね」
 穏やかな表情で微笑むと、アスパシアはいとおしげに赤黒いペニスに頬ずりをする。白く柔らかい頬は、唾液と先走り汁で濡れていく。妖艶な顔に、男の臭いが染み付いていった。
 アスパシアは、亀頭を口の中に含んだ。そのまま舌で亀頭を舐め回す。ペニスをさらに口の中に呑み込んで行き、唇でさおを愛撫し舌で裏筋を嬲る。ピンク色の舌を口から出すと、さおの根元に巻きつけていく。人間離れした長い舌は、そのまま袋に巻き付き、蟻の門渡りを這って黒ずんだアナルを突っつく。須佐は思わずうめく。窓が開いているため、声を出さないように必死で抑える。そんな須佐を、アスパシアは嗜虐的な表情で攻め立てた。
 須佐は、鼻息を荒くしながらアスパシアを見下ろした。今日は、会社のトイレで用を足した。アナルをウォッシュレットで洗浄したが、きちんと汚れが落ちていないかもしれない。その須佐のアナルを、アスパシアは執拗に舌で舐め回しているのだ。
 舌はアナルの奥へと潜り込み、中をやさしく強く舐め回す。舌は、ついに前立腺付近までたどり付いた。前立腺を、後ろ側からいたずらっぽく突っつく。須佐は限界に達した。出すぞとうめくと、アスパシアは微笑を浮かべてうなずく。須佐は、精液をアスパシアの口の中にぶちまけた。
 人間離れした激しい射精だ。濃厚な生殖液がアスパシアの舌を、歯を、口の内側の皮膚を犯していく。魔物娘とのセックスの結果インキュバスとなった者特有の、人間ではありえない精の濃さと放出の勢いだ。アスパシアは、必死に精液を飲み下していく。須佐の精液が、アスパシアの喉の粘膜を、胃の内壁を陵辱する。
 長い射精が収まると、アスパシアはゆっくりと息をついた。精液特有の突き刺すような臭いが、須佐の鼻まで届く。アスパシアは目元を緩ませて笑うと、痙攣を続ける須佐のペニスを音を立てて吸い始める。陰嚢から前立腺、尿道管と精液が吸い上げられていくようだ。須佐は、悦楽のあまり口の端から涎を垂らしそうになる。
 アスパシアはゆっくりと須佐のアナルから舌を抜き、舌を口の中へと戻していく。蟻の門渡りをくすぐり、玉袋を這い、さおを愛撫しながら舌を戻していく。舌を口の中に収めると、アスパシアはペニスから口を離す。ペニスの先端と口の間には、白く濁った粘液が橋をつくった。
 アスパシアは、ゆっくりと大きく息をついている。アスパシアが息をつくたびに、濃厚な精の臭いが辺りに撒き散らされる。濃い大量の精液が、アスパシアを犯したのだ。アスパシアの舌の皺を、歯の隙間や裏側を、喉の管の壁を、鼻の粘膜まで犯したのだ。しょっぱさの混ざった苦い味が味覚を陵辱し、鼻を突き刺しながらもねっとりと絡みつくような臭いが嗅覚を蹂躙している。自分の汚精で体の内側から汚れたアスパシアに、須佐は体の奥底から興奮を覚えた。
「精液の臭いも味も濃さも異常なし。私以外に誰にも出していないわね。本当にいい子ね」
 アスパシアは、からかうような表情を浮かべて笑う。
「お尻の穴の味も異常はなかったわ。男の人に掘られたりしなかったみたいね」
 アスパシアはニヤニヤと笑う。
「掘られるわけないだろ!」
 須佐は、思わず叫んでしまった。

 二人は浴室に入った。換気扇を回してあるため、熱気はある程度抜けている。須佐は、シャワーから水を出して浴室内にかけていく。その後、二人はシャワーの水を浴びる。汗で汚れ、熱気で犯された二人の肌が浄化されていく。二人とも喘ぎ声を抑えられなかった。
 体を冷ますと、須佐は紫色の角ばった椅子に座らせられた。台座部分が空洞になり、座面が縦に割れている。いわゆる潜り椅子だ。
 アスパシアは須佐の後ろに回り、シャンプーを手に取って濡れた須佐の髪に塗り広げる。須佐の短髪をゆっくりとかき回し、泡立てていく。ラベンダーの香りのするシャンプーだ。こめかみから耳の上方にかけて、円を描くように洗う。髪の生え際の真ん中から少し上の部分の左右にある曲差を強めに押す。その後、こめかみの少し上方で生え際の少し下の頷厭を、親指の腹でマッサージする。指を耳の後ろに移し、くぼみとなっている完骨をゆっくりと揉む。少し後ろへ指を動かして行き、風地を緩急をつけて押す。さらに指を動かし、首の後ろの髪の生え際付近にある天柱を強く押す。須佐は耐えられずにうめき声を上げる。須佐は肩こりに悩まされているため、天柱へのマッサージはよく効く。
 アスパシアは、徐々に頭の上方へと指を動かしていく。頭皮を揉み解すように所々に力を入れて洗う。頭頂から少し後頭部に降りた所にある百会を、指に力を入れて揉む。アスパシアは、爪を立てずに指の腹で頭皮をマッサージしていった。須佐は、一日の疲れが徐々に取れていく気がした。
 頭を洗い終わると、アスパシアは須佐の正面に回る。ボディーソープを手のひらに乗せて須佐の首をゆっくりと洗い始める。ボディーソープもラベンダーの香りがする。
 アスパシアは胸に手を下ろして、ボディーソープを広い胸に塗り広げていく。右乳首と左乳首の間の真ん中にある膻中に、指を当てて押し洗いをする。胸を洗い終えると、胸の下の胃の部分を洗う。須佐の体は、ここからいきなり盛り上がっている。中脘、期門を胃を圧迫しないようにやさしく押す。へその周囲まで手を下ろし、へその横にある盲愈を軽く刺激する。この辺りが須佐の体で一番出っ張った所だ。さらに手を下ろしていき、へその下の左右にある大巨を擦る。この頃になると須佐のペニスは再び屹立し、アスパシアの手を突いていた。
 アスパシアは、腰の前面左右にある居髎をやや強く揉み解す。その刺激で須佐のペニスが軽く震える。アスパシアは、手を股間に向かって滑らせていく。股間では、ペニスが力強くいきり立っている。アスパシアはいたずらっぽく笑うと、股間をはずして太股内側に手を這わせる。足の付け根に近い太股内側にある陰廉を、嬲るように押し洗いをする。
 内太股を特に念入りに洗った後、アスパシアは須佐の右ひざを洗い出す。ひざの裏側にある陰谷を、マッサージしながら洗う。倉庫で段ボール箱いっぱいに詰まったマニュアルの出し入れをして足が疲れていた須佐は、陰谷のマッサージがよく効いた。陰谷のすぐ下にある膝関や足三里のマッサージも、同様に効いた。
 アスパシアはふくらはぎを洗い、ふくらはぎ下部にある築賓を揉み解す。足首へと手を下ろし、三陰交を扱く様に洗う。須佐の足を持ち上げると、内くるぶしの後ろにある太谿強めに揉み洗いをする。そのまま足裏の前部のくぼみの真ん中にある湧泉を、同様に強く揉み洗いをする。革靴と靴下に圧迫された上に汗で蒸らされた足は、頭頂まで届くような快楽を味わった。右足を洗い終えると、左足も同様に揉み洗いをした。
 体の前面のほとんどを洗い終えると、アスパシアはやっと残された股間を洗い始めた。陰毛をくすぐるようにかき回し、左右の足の付け根と陰嚢の間を丁寧にこする。陰茎を根元から先端へと擦りながら洗い、くびれを指でなぞりながら泡をまぶしていく。亀頭を手のひらで包み込み、揉み込む様に洗った。股間に溜まっていた疲れと汚れが落ちていくような感触に、須佐は断続的にあえぎ声を上げる。
 潜り椅子は座部の真ん中が割れるように開いており、空洞になっている台座から手を入れて陰嚢や蟻の門渡り、アヌスを洗うことが出来る。アスパシアは右腕を奥まで入れて、指先、手のひら、腕の内側を使って愛撫しながら洗う。くすぐったさを伴う快感が、股間からアヌスにかけて湧き上がる。もう何度もやってもらっているにも関わらず、須佐は未だにこのくすぐったさ交じりの快楽には耐えられない。身をよじりながら快感に喘いだ。
 アスパシアは、シャワーのぬるま湯をかけて須佐の体を洗い流す。須佐の体を軽くタオルで拭くと、アスパシアは仰向けになって潜り椅子に頭から入る。この潜り椅子は魔物娘用に作られた物であり、ラミアの蛇体でも潜る事が出来た。二股の舌を伸ばすと、陰嚢をくすぐるように舐める。陰嚢から舌を這わせて、陰嚢とアヌスの間にある会陰を舌で突っつく。さらに舌を這わせてアナルをねっとりと舐める。下から突き上げる快感に震えながら足元を見ると、アスパシアの赤いヴァギナがひくひくとうごめいているのが見えた。
 下から執拗に刺激して須佐を翻弄した後、やっとアスパシアは後ろ側に抜けた。アスパシアは再びボディーソープを手に取り、須佐の首の後ろから、肩、背中と塗り広げていく。そして前面同様にツボをマッサージしながら背面も洗っていった。
 首の下、肩の斜め下にある蕨陰愈を強めに押す。肩こりに悩まされている須佐には、良く効く部位だ。同時に、すぐ下にある心愈も強く押していく。手を下ろしていき、腋の斜め下にある肝愈を洗いながら押す。背中と腰の間を洗いながら、三焦愈を揉み洗いする。腰を円を描くように洗いながら、腎愈、志室、大腸愈を強弱をつけて揉む。背中から腰にあるツボは、前面のつぼ以上に強く丁寧に揉み解していった。
 こうして須佐を洗い終えると、今度はアスパシアが潜り椅子に座って洗われる番だ。須佐は、アスパシアの後ろに回って豊かな黒髪を洗う。短髪の須佐と違って、より丁寧に洗わなくてはならない。繰り返しシャンプーで泡立てながら、髪の間に手を滑らせ頭皮を揉み込んでいく。
 須佐のペニスはアスパシアに洗われている内に勃起してしまい、アスパシアのすべらかな背を突っつく。アスパシアは、からかうように背でペニスを愛撫した。ペニスの先端から漏れる先走り汁が、アスパシアの背を汚していった。
 髪を洗い終えると、アスパシアがしてくれたように体のツボを押しながら全身を洗っていく。アスパシアは肩がこっている上に、下半身の蛇体のため腰に負担がかかっている。そのため蕨陰愈、心愈、肝愈、腎愈、志室、大腸愈を繰り返し強く揉みながら洗っていく。アスパシアは、唇を半ば開けながら喘いでいた。アスパシアの下腹部を見ると、既にヴァギナは濡れてぬめり光っていた。
 アスパシアを洗う際、分量的に多いのは下半身の蛇体のほうだ。こちらは、手洗いだと手間がかかりすぎるのでブラシで洗う。鱗と鱗の隙間に注意しながら洗っていく。蛇体の部分でも、股間と尻は手で洗う。ヴァギナを愛撫しながら洗い、アヌスをくすぐりながら洗うと、アスパシアは喘ぎ声を高くする。アスパシアの喘ぐ姿に、須佐は鼻息が荒くなっていった。 

 須佐は、銀色のマットを浴室に敷いていた。この家の浴室は、魔物娘が入れるように大型に造られている。須佐の会社がリフォームした際に改装したのだ。その為、マットを敷くだけの余裕がある。
 アスパシアは、洗面器にローションを湯で溶いていた。これからのプレイでたっぷりと使う事になる。
 須佐がマットにうつ伏せになると、アスパシアはローションを須佐の体に塗りつけ始める。背中、腰、尻、足と塗っていく。塗る際には、手を滑らせるように愛撫しながら塗る。特に、尻の割れ目には刺激を与えるように塗る。須佐は、気持ちの良さに思わず顔が緩んだ。
 須佐の体にローションを塗り終わると、アスパシアは自分の体にも塗り始めた。上半身の人間の体にも、下半身の蛇体にも塗りつけていく。特に、胸に丹念に塗りつけていく。アスパシアの白い体は、ローションでぬめり光って浴室の明かりを反射した。普段からアスパシアの体は官能的な魅力がある。ローションで光を放つと、いっそう淫猥な肢体となった。
 ヘアバンドで髪をまとめると、アスパシアは須佐の体に覆いかぶさりマットプレイを始めた。まず尻から腰へと体で愛撫し、背中へと上がっていく。背中を愛撫すると、腰へ、尻へと下がっていく。尻を胸で揉み込むと、再び腰へ、背中へと上がっていく。胸を左右に振りながら体をマッサージして、胸の柔らかさと乳首の硬さを須佐に味合わせる。
 即尺も、潜り椅子も、マットプレイもソープランドなどで行われているプレイだ。須佐も、独身時代に二度ほどソープに行ったことがある。アスパシアのプレイは、プロのソープ嬢をはるかに上回っている。アスパシアとのプレイを味わったら、須佐は風俗に遊びに行く気はなくなった。
 アスパシアは蛇体を須佐の体の下に潜り込ませ、須佐を四つん這いの格好にさせた。ヴァギナを須佐のペニスにこすり付けて刺激をする。須佐の勃起したペニスは先走り汁を出し、アスパシアのヴァギナも愛液を湧き上らせている。先走り汁と愛液、ローションが混ざり合い、濡れた摩擦音が響き渡った。
 アスパシアは須佐の体を持ち上げて、須佐のアナルが見える様にした。須佐のローションで濡れたアナルを、二股の舌でくすぐり愛撫する。からかうように突っついたり、しわに沿って舐めていく。舐めながら手でペニスと陰嚢を愛撫する。
「あなたは、本当にお尻が弱いのね。お尻の穴が震えながら喜んでいるわ」
 アスパシアは笑いながら言うと、舌をアナルの中に潜り込ませてきた。舌をドリルのように回転させながら、須佐のアナルをほぐして潜り込んでくる。蛇特有の長い舌は、先ほどのアナル舐め同様に前立腺付近までたどり着いた。須佐は、涎を垂らしながらあえいでいる。
 アスパシアは舌を抜いて須佐の右側面に移り、胸を使いながら体を前後に移動して洗い始めた。左手でアヌスや蟻の門渡り、陰嚢、さおを愛撫する。腋に豊かな胸を擦り付けると、右の耳に息を吹きかける。須佐は、痙攣するように体を震わせた。アスパシアは笑いながら須佐の左側面に移動し、同じように須佐の体を磨き上げる。今度は、須佐の左耳に息を吹きかけた。
 アスパシアは反対向きになり、蛇体を須佐の上半身の下に滑り込ませる。今度は胸で須佐の足をマッサージし、ヴァギナで尻を愛撫した。アスパシアの上半身は須佐の下半身を前後し、胸でひざの裏、ふくらはぎ、足首をこすり洗いをする。愛液が絶え間なく湧き出ているヴァギナが、腰と尻、太股に液を塗りつけていく。アスパシアは須佐の右足を手に取ると、指を一本一本舐めしゃぶっていく。足の指の股まで、丁寧に舌を這わせた。この時のために須佐は足の爪を切り、丁寧にやすりを掛けていた。アスパシアは、左足も同様に指を舐めしゃぶった。
 アスパシアは、体の向きを反対に変えた。須佐の体を仰向けにすると、アスパシアは須佐の上半身右側面を前後しながら磨き上げ始めた。舌を須佐の右腋に這わせ、尻尾の先端を屹立したペニスに巻きつけて愛撫する。須佐はくすぐったそうに身をよじるが、アスパシアは容赦なく須佐を攻め立てる。さらに須佐の左側面も、同じように攻め立てた。
 アスパシアは須佐の上に逆向きに乗り、須佐の上半身を自身の下半身の蛇体で巻きつけた。須佐の上半身を蛇体でマッサージしながら、豊かな胸でペニスをしごいていく。須佐の顔の前には、蛇と人間の尻が合わさったようなアスパシアの尻がある。アスパシアのアヌスが、須佐の目の前で息づく様にうごめいていた。
 アスパシアは上半身を須佐の下半身まで滑らせて行くと、怒張し戦慄くペニスに震えるようにうごめくヴァギナをこすりつけた。ヴァギナは、ペニスを強くしごき上げる。思わず須佐は果てそうになるが、唇を強くかみ締めて耐える。二人の股間の間でローションと汗、愛液と先走り汁が混ざり合って、濁った音を浴室内に響かせた。
 アスパシアは、人間の上半身を須佐の上半身まで戻して来た。アスパシアの顔の前には、須佐のペニスが揺れている。アスパシアは、様々な液で濡れそぼっている須佐のペニスを口に含み、強くしゃぶり上げた。舌がさおに巻き付き、しごき上げる。須佐はまたもや破裂しそうになったが、腰に力を入れて耐えた。
 アスパシアは須佐の右足を抱きしめて、足先まで移動した。そのまま体を前後して、上半身で右足を揉み解す。股間で太股を洗いながら、尻でペニスを愛撫する。須佐のペニスからは先走り汁が留まる事を知らずに漏れ出し、アスパシアの鱗の生えた尻を濡らす。アスパシアと体を交えた当初の頃の須佐だったら、とっくに精液を噴出させているだろう。アスパシアは左足も同様にして揉み解し、尻でペニスを刺激し続けた。
 アスパシアは体を反転させて、須佐の体に馬乗りになった。ペニスを尻の下に敷き、尻をくねらせるようにしてペニスを愛撫する。ペニスをそうして嬲った後、ヴァギナにペニスを当てて飲み込んでいった。
 アスパシアは、始めから手加減せずに腰を激しく動かした。ひねる様に、くねらせるように腰を動かす。アスパシアの中は渦を巻いて、須佐のものを締め付ける。須佐の目の前では、ローションと汗で光るアスパシアの体がある。大きな胸が、光を反射して躍っていた。
 既に何度も絶頂を耐えていた須佐は、こらえる事が出来ずにはじけた。一度目を上回る量の精液が、砲撃のようにアスパシアの子宮を打ち抜く。アスパシアは叫ぶ様な喘ぎ声を上げて、須佐同様に絶頂を迎える。二人は声を合わせ、共に痙攣をしながら悦楽の中で共鳴していた。
 喘ぎ声が途絶えると、アスパシアは糸が切れたように須佐の体に倒れた。二人とも荒い息を上げ、汗を噴出させている。須佐は、自分とアスパシアの汗の交じり合った臭いを嗅いでいる。
 アスパシアは、須佐の口に吸い付いた。須佐の口の中に、アスパシアの長い舌の潜り込んでくる。須佐の口の中を激しく蹂躙する。先ほど激しくアスパシアの口の中に精液をぶちまけたが、臭いも味も残っていない。アスパシアが舐め回して、一滴残らず嚥下したようだ。やっと口を離すと、二人の間には透明な橋が出来る。アスパシアは舌なめずりをして橋を舐め取り、魔物にふさわしい微笑を浮かべた。
「まだまだよ。満足には程遠いわ。何度でも起たせてあげるからね。外で付いた臭いを落としてあげる。あなたは、私の匂いだけ付けていればいいのよ」
 アスパシアは、息を荒げながら笑った。

 浴室から出た須佐は、リビングでビールを飲んでいた。リビングとつながっているキッチンでは、アスパシアが料理を作っている。本来なら須佐も手伝うべきだが、仕事の後に六回も射精したらインキュバスでも動くのはきつい。以前、料理を手伝うからセックスの回数を減らしてくれと頼んだら、即座に拒否された。
 リビングとキッチンを冷やす冷房に当たりながら、須佐はアスパシアの後姿を眺めている。アスパシアと出会ってから、俺の生活はずいぶん変わったなと感慨にふけっていた。

 アスパシアと出会う前の須佐は、何もなかった。学歴、職歴、能力、家柄、人望、当然金もなかった。馬鹿にされ、いじめられながら貧しい生活をしていた。
 須佐は、生まれた時から負け犬だった。ろくな職につけない両親の元に生まれ、貧しい生活を送ってきた。両親は、須佐を邪魔者扱いした。
 要領の悪い須佐は、学校で嘲り笑われていじめられた。耐えかねた須佐が暴力を振るうと、教師は須佐をリンチに掛けた挙句、生徒の前でつるし上げにした。親は、須佐をかばうどころか叩きのめした。
 友達はおらず、当然恋人もいなかった。全ての人間が敵だった。
 そんな中で中学、高校と上がるにつれて須佐は問題行動を起こすようになった。家の中では親を殴り、学校では自分を馬鹿にする者を後ろから殴った。教師を殴る事もあった。
 須佐は、停学を食らいながらもなんとか商業高校を出たが、非正規労働者として働く事となった。まともな職に就けず、貧乏暮らしを強要された。職場でも馬鹿にされ、いじめられた。職場で怒鳴り合いは日常茶飯事であり、殴り合いも何度かあった。何度も職場を変える羽目となった。
 そんな須佐の生活が変わったのは、アスパシアの勤める魔物娘の企業に就職したからだ。須佐は、貧困対策として設けられた求職者支援制度で職業訓練を受けていた事がある。その時に、職業訓練を委託された専門学校の教師に、魔物娘の企業を勧められたのだ。その職業訓練は不動産ビジネスコースであり、専門学校は魔物娘がやっている不動産会社とつながっていた。訓練終了の少し前にその企業の面接を受けると、採用が決まった。訓練終了後すぐに働いてもらうとの事だった。
 須佐が配属されたのは、バリアフリーなど福祉対応の住宅の販売部門だった。宅地建物取引主任者の資格を職業訓練で取得したため、その部署で働く事となった。配属先で仕事を教えてくれたのが、アスパシアだった。
 アスパシアの教え方は丁寧だった。基本的な事から噛んで含める様に教え、どこまで分かったか確認をしながら説明した。愛想がよく、質問には丁寧に答えた。須佐の事をきちんと観察し、ティーチングとコーチングを適切に行った。仕事の合間に、適時に雑談をしてきた。
 始めは、須佐はアスパシアに対して冷ややかに応対した。須佐は、職場でろくな人間関係を経験していないからだ。特に、須佐に仕事を教える人間はろくな者がいなかった。彼らは中途半端な説明しかせず、須佐に仕事をやらせた。質問をすると、無視するか「そんな事も分からないのか!」と喚き散らした。仕方なく質問せずに仕事を進めると、「人に物を聞く事も出来ないのか!」と怒鳴り散らした。その挙句、わざと仕事をミスするような説明をして、須佐を失敗させた。須佐が失敗すると、使えない奴だと会社中に言いふらした。まともに仕事を教えてくれと頼むと、「会社は学ぶ所ではない、学校とは違うんだ」とわざとらしくふんぞり返りながら言い放った。結局、仕事を教える人間と須佐は衝突を繰り返した。殴り合いをした事もある。
 そんな経験を重ねた事から、自分に仕事を教える人間に対しては須佐は敵意を持っていた。相手が女でも敵視していた。須佐は、女からは一環して馬鹿にされてきた。女に仕事をまともに教えてもらった事はなかった。
 須佐はアスパシアに従ったが、必要な事しか話さず、仕事以外での接触は一切拒否した。聞こえないふりをして、アスパシアを繰り返し無視した。
 人間の女が相手ならば、これで関係は壊れるだろう。だが、アスパシアは魔物娘、しかも執念深い事で知られるラミアだ。しつこく須佐とコミュニケーションを取ろうと試みた。一年にわたって毎日手を変え品を変えて攻められる内に、須佐は陥落した。須佐は、アスパシアに友好的と言える態度を取り始めた。
 アスパシアが魔物娘であることも、須佐を軟化させた。須佐は人間には強い不信感を持っているが、魔物娘に対してはそれほど不信感は持っていない。かつ、須佐の勤める企業の魔物娘は、皆が須佐に対して友好的だ。その事も、須佐をアスパシアに対して友好的にさせた。
 須佐とアスパシアは、仕事の上で良いパートナーとなり、私的にも友人関係を結んだ。出会って二年を過ぎるころには、二人は恋人同士となった。仕事でも私生活でも行動を共にするようになり、二人は毎日濃密な時間を共に過ごすようになった。出会って二年半目に、二人は籍を入れた。
 結婚生活を送る上での基盤は、勤め先が整えてくれた。須佐は契約社員として入社したが、試用期間の三ヶ月目を過ぎる時に正社員にしてもらった。アスパシアは、元々正社員だ。彼らの勤める企業は、非正規社員の待遇改善と正社員化に努めており、また従業員に対して労働基準法をきちんと上回る待遇をするよう努力を重ねていた。そのため、須佐の様な者でも安心して勤める事ができた。
 こうして須佐は、これまでの人生で得た事の無い人間関係と仕事を手に入れた。

 須佐は、アスパシアとの生活から大きな喜びを得ていた。ただ、困ったこともある。その一つが、孤独な時間をほとんど持てない事だ。
 須佐は、長年孤独に過ごして来た。一人でいる事が当たり前だった。そんな須佐にとって、一人でいる時間を持てないという事は不自然であり、場合によっては苦痛だ。アスパシアは、須佐を片時も自分そばから離そうとしない。仕事でも私生活の上でも、常に須佐と共に過ごそうとした。
 須佐はアスパシアを何とか説得して、一人で散歩をする時間を作ってもらった。だが後に、アスパシアは自分の散歩をストーキングしている事が分かった。その上、自分が一人でいる時に何をしているのか事細かにメモを取っている事も分かった。
 結婚をすれば自分の時間を失う事になるのだとは、須佐にも分かっていた。だが、アスパシアの拘束は度が過ぎた。
 また、アスパシアのポルノへの敵意も激しいものだ。須佐は、アスパシアと同居する際にポルノをかなり処分した。女は、パートナーがポルノを所持することを普通は嫌う。まして相手は、嫉妬深い事で知られるラミアだ。須佐は同居前に本、DVD、エロゲーなどを処分した。
 ただ、隠し持っている物もあった。USBにエロ画像を記録して隠し持っていた。また、ダウンロード販売をしているネット上のショップで、電子書籍やエロゲー、エロ画像を購入していた。ここで買った物は、パソコン内で削除してもまたダウンロードできる。これらの事も隠していた。
 いずれもアスパシアによって摘発された。同居して半年目のある日、アスパシアは須佐にUSBを突きつけた。エロ画像の入った須佐のUSBだ。慎重に隠していたのに摘発された。さらにアスパシアは、須佐のパソコンを付けた。教えていない須佐のパソコンのパスワードを知っているだけでなく、ネットショップの須佐のパスワードまで知っていた。そのショップで購入したポルノの履歴を、アスパシアは須佐に見せ付けた。
 その時は金曜日の夜だった。土曜と日曜は会社は休みだ。金曜の夜から月曜の朝まで、須佐は繰り返し精を絞られた。精を絞られては気絶し、叩き起こされては精を絞られる。そして気絶をする。その繰り返しだった。月曜の朝で終わるかと思うと、アスパシアは会社に二人の二日間の有給を申請した。呆れた事に、会社は直前の有給申請を認めた。こうして、水曜の朝まで須佐はアスパシアに精を絞られ続けた。水曜の朝には、須佐は複数の黄色い太陽を見ながらアスパシアに会社に引きずっていかれた。USBは、須佐の気絶している間に処分された。パソコンやスマホはアスパシアに取り上げられ、アスパシアの監視下でしか使えなくなった。
 もっともポルノを使って抜くことは、ポルノがあったとしても不可能だ。須佐は、毎日アスパシアに繰り返しセックスを求められていた。
 朝起きると、必ずフェラで抜かれる。昼は会社で仕事があるため、アスパシアも我慢している。だが家に帰ってくると、即座に五,六回精を絞られる。休日の前日の場合は、夜通しセックスをする事になる。休日は、用がなければ一日中セックスだ。体の調子が悪い日を除き、毎日セックスをしていた。須佐はアスパシアと交わることでインキュバスとなったが、それでもきつい性生活だ。この状態でポルノで抜いたり、風俗に行く元気があったら、インキュバスとしても特異な部類に入るだろう。
 こうしたアスパシアの拘束を、始めの内は須佐はうんざりしていた。だが、次第にそれほど気にならなくなった。拘束されてはいても、アスパシアとの生活は快適だ。アスパシアからは、肉体だけではなく精神にも快楽を与えてもらっている。快楽生活に、須佐は浸るようになっている。それに拘束される事に慣れる様になった。慣れると、拘束もそれほど気にはならなくなった。アスパシアと四六時中いる事が、須佐にとっては当たり前となっている。
 客観的に見て、須佐がアスパシアに拘束されて良い事もある。須佐は、何本ものナイフを持っていた。敵ばかりの生活のせいで、須佐はナイフに惹かれるようになった。ジャックナイフ、ダガーナイフ、スペツナズナイフなどを、手入れをしながら所持していた。これらの物は、悪趣味という事でアスパシアに処分されていた。
 また、護身用の道具もアスパシアによって処分されていた。須佐はいじめられ、何度か殴り合いをしたことから、護身用の道具を複数持っていた。唐辛子スプレー、スタンガン、特殊警棒などを懐やかばんに入れていた。アスパシアは、「自分が守るから必要ない」と言って、これらの道具も処分した。
 須佐が、他人に深刻な被害を与える心配は少なくなった。

 アスパシアが夕食を作り終わり、食事が始まった。冷やし中華とシュウマイを食べながらビールを飲む。ビールはドイツビールだ。須佐もアスパシアも、アメリカ式の薄いビールよりはドイツ式の濃いビールのほうが好きだ。ただ、高上がりな事が難点だ。
 テレビをつけると、ニュースをやっていた。外交や景気の話が終わると、デモについて簡単に伝え始める。具体的な事はぼやかしているが、魔物娘に対するヘイトスピーチをするデモである事は分かった。
 魔物娘に対するヘイトスピーチは、日本では数年前から問題になっている。外国人が住み着いただけでも軋轢が出来る。しかも住み着いたのが人間ならぬ魔物娘となると、敵視する者も出てくる。
 しかも政府は、意図的に対立を煽っていた。政府は「雇用改革」を進めている。魔物を、労働力としてどんどん雇うと言うのだ。そのくせ魔物が日本で働く際の制度の整備は、ほとんどやっていない。
 財界とその犬である与党は、人間と魔物に生存競争をさせようとしているのだ。魔物を有能で安上がりな労働者として大量に雇う事で、労働力を供給過剰にするつもりだ。そうすれば労働者の待遇を悪くして、企業は儲ける事が出来る。不満があっても、企業には向かわずに人間と魔物がやり合う事になる。魔物達が人間と争う気はなくとも、人間は魔物を敵視する。
 企業経営者やその犬である政治家と評論家は、マスコミを使ってわざとらしく魔物の能力の高さを褒め称えた。そして人間の能力の無さをこき下ろした。精神論を混ぜ合わせて人間労働者を非難した挙句、「甘えている」と得意げに言い放っていた。
 下層労働者や失業者となった人間達は、企業を敵視せずに魔物娘に牙をむいた。ヘイトスピーチはその表れだ。
 始めはネットで行われていたが、次第に街中でのデモとなった。旭日旗を振り回しながら「魔物を皆殺しにしろ!」と喚き散らしていた。
 当然の事ながら、政府はヘイトスピーチを規制するつもりは無い。ヘイトスピーチの規制についてジャーナリストに質問された時、総理は澄ました顔で「言論の自由の問題が有るから、こういう事は規制すべきではない」と言った。各自治体の首長も、「言論の自由」を得意げに振りかざしながらデモを許可した。事実上、ヘイトスピーチは政府から認められているようなものだ。
 須佐は、両親の事を思い出した。須佐がアスパシアと結婚をする事を知ると、差別用語を喚き散らしながら猛反対した。須佐が結婚を断行すると、勘当すると喚いた。結婚式には、須佐側の親族は一人も参加しなかった。
 須佐は、テレビを見ながらアスパシアを盗み見た。アスパシアは平然とした顔をしているが、テーブルの上に載っている手は握り締められて白くなっている。須佐がチャンネルを変えようとすると、ニュースは別の話題に移った。
 須佐は、人間と魔物が対立したら魔物につくつもりだ。須佐には、人間で味方と言える者は一人もいない。須佐に幸福な生活を与えてくれたのは、アスパシアを始めとする魔物娘達だ。第一、須佐は既にインキュバスであり魔物だ。須佐は、魔物になってよかったと思っている。人間を辞めた事には、欠片ほども後悔は無い。
 須佐はアスパシアを見た。自分に幸福を与えてくれた魔物だ。俺は、この魔物のためなら人間を殺してもかまわない。アスパシアは人間を殺すことを嫌がるが、俺にはその覚悟が出来ている。須佐は、アスパシアの人間とは違った美貌を見ながらそう思った。

 食事を終えて少し休んだ後に、須佐はアスパシアに寝室へと引きずられて行った。今日は金曜であり、明日明後日は会社は休みだ。それで夜通しセックスをやろうと言うのだ。
 須佐はベットに押し倒され、着ていた服を引き剥がされた。アスパシアは、黒皮のブラジャーとミニスカートをはいている。手には黒皮の手袋をはめており、首を始め体の所々に黒皮のベルトを巻きつけている。裸よりも扇情的な格好だ。冷房を付けているが、体に皮を巻き付けているせいで薄っすらと汗をかいている。
 アスパシアは、須佐の股間に顔を生めてペニスをしゃぶり始めた。巧みな舌使いに、すぐにペニスは勃起する。鼻が陰毛に埋まるほどペニスを深くくわえ、喉奥で亀頭を刺激する。
 ペニスから口を離すと、アスパシアは須佐の体に蛇の下半身を巻きつけた。須佐の体を固定すると、スカートを捲り上げる。スカートの下には何もつけていない。アスパシアは、ヴァギナをペニスに押し付けて飲み込んでいく。中は既に濡れていて、ペニスを難なく奥へと引き込んだ。アスパシアは須佐の右耳に息を吹きかけ、舌をいたずらっぽく這わせる。二股の舌で、耳の穴の中をくすぐる様に舐めた。
 須佐は頭を少し下にずらし、アスパシアの右腋に舌を這わせる。くぼみの所をなぞる様に舐めまわした。
「いいわよ、好きなだけ舐め回してペニスを大きくさせるのよ。私の中に出したら、腋で挟んで大きくさせてあげるからね」
 アスパシアは、須佐の頭を撫で回しながらささやく。須佐はささやき声に興奮して、アスパシアの子宮めがけてペニスを突き出した。
「たっぷり中に出しなさい。私の子宮がパンパンになるくらい出すのよ」
 アスパシアは、笑いながら耳元でささやく。
「子供が出来るくらい出すのよ。そろそろ孕ませてね」
 須佐のペニスに、腰に、下半身に強い刺激が走った。アスパシアを孕ませる、その事が須佐の頭に熱と刺激を与えた。須佐は、猛然と腰を動かし始める。
「孕ませてやるよ。アスパシアの腹を膨れ上がらせてやる。俺の子供を孕ませてやる!」
 須佐は獣じみた声でいい、肉食獣の激しさで腰を動かす。
 アスパシアは、うれしそうに笑いながら須佐に合わせて強く腰を動かした。
 俺は、アスパシアとの子供がほしい。アスパシアとの子を作り、育てたい。この先、魔物に対する差別はあるだろう。敵に回る人間は多いだろう。だが、かまわない。俺は、アスパシアとの子供がほしい。俺にとっては、人間よりもアスパシアとその子供が大切だ。俺は人間全てを敵に回しても、アスパシアとその子供と生活をする。
 須佐は、未来の妻と子供の姿を思い浮かべながら、子をなす行為にのめりこんでいった。

14/07/11 00:17更新 / 鬼畜軍曹

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