読切小説
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『混沌』の『暴走』
アミ「レディース&ジェントルメン!!」

ステラ「ようこそ、皆様お集まりくださりました!!」

アミ「司会は私、リリムのアミことアミチエと……」

ステラ「ダークエンジェルのステラの2人でお送りします」

アミ「それでは、これより……」

ステラ「『混沌ラジオ』の第一回目の放送を始めます!!どうぞ、皆様ゆっくりとご堪能ください」

アミ「さて、ステラ?今回のゲストは?」

ステラ「それですが、今回のゲストは合計7人です」

アミ「へえ?結構多いわね?誰が来るのかしら?」

ステラ「それはですね〜……この7人です!!」

アミ「ん?」

ステラ「まずは一組目!!『鬼は泣けない』のヒロインと主人公、ダークプリーストの九条 茉莉(くじょう まり)さんとその夫、九条 明(あきら)さんです!!」

茉莉「ステラ?アミさん?え?どういうことですか?これは?」

明「なんか……また、嫌な予感がしてきた……」

アミ「あ〜、わかったわ……このパターン……」

ステラ「リスナーの皆さんもアミさんもお気づきになられていると思いますが……続けて、『『太陽』を欲した『獣』』の主人公、ウシオニの瀬川 陽子(せがわ ようこ)さん!!」

陽子「晴太あああああああああああ!?どこなの!?晴太ああああああああああああ!?」

アミ「ねえ、ステラ?なんか、明さんと茉莉もだけど、かなり陽子さんも困惑というより、混乱してかなり慌ただしいんだけど?」

ステラ「あ〜……陽子さんだけ、夫である弟さんの晴太君が出演できていませんですし、陽子さんもヤンデレが多少、抜けたとは言え基本的にブラコンと過保護ぷりは治っていませんからね……」

アミ「それじゃあ、いきなりこの空間に連れてこられたら……ああなるのも仕方ないわね……」

ステラ「そうですね……それでは続いて『『星』に手を伸ばす『蛇』』のヒロイン兼主人公、白蛇の瀬川 静香(しずか)さんとその恋人、仙田 仁(せんだ ひとし)さん!!」

仁「……なんだこれ?」

静香「さあ……?と言うか、陽姉!?なんで暴れてるの!?」

陽子「静香ぁ……晴太がどこにいるか知らない!?」

静香「え!?どういうこと!?」

陽子「晴太のことを背中に乗せて一緒に昼寝をしていたら、いきなりここにいて、背中にいた晴太がいないのよ!!……もし……晴太に何かあったら……私……うわあああああああああん!!」

静香「ちょ!?陽姉、落ち着いて!!」

仁「静香のお姉さんて……こんな性格だったのか……」

アミ「なんか、既に状況が『混沌』になってるわね……」

ステラ「陽子さん、晴太君のことになると本当に泣き虫になりますからね……」

アミ「しかも、ウシオニがあんな風に泣きじゃくるから、そのギャップも合い合って……かなり、シュールな状態になってるわね……」

ステラ「それに、陽子さんがあまりにも目立ってしまってるせいで本編でも影の薄い仙田さんがさらに影が薄くなってますね……」

アミ「作者すら、『もう少し、仙田君のキャラを掘り下げるべきだった……』と反省しているらしいし……」

ステラ「色々と一癖もしくは難がある作者の作品の魔物娘のカップルの中で唯一と言ってもいいぐらい、普通な人間である意味、一番男らしい人ですのにね……」

アミ「色々ともったいないわね……」

ステラ「そうですね……それでは、気を取り直して、最後に『『死』を望む『屍』』のヒロイン、ヴァンパイアのベルンことベルンシュタイン・グランツシュタットさんとその夫、本作の主人公でもある優(すぐる)・グランツシュタットさんです!!……あれ?」

アミ「どうしたの、ステラ?」

ステラ「それがですね……まだ、グランツシュタット夫妻が到着して―――」

ベルン「きゃあああああああああああああああああああああ」

アミ&ステラ「え?」

優「ベルン!!」

―ガシ―

ベルン「優……」

優「大丈夫?」

ベルン「うん、優が受けとめてくれたおかげで大丈夫よ……」

優「よかった……」

ステラ「……すごく……甘いです……」

ベルン「そうね……優さんたら、突然、一緒に空中から落ちてきたベルンのことを地上にいたとは言え……まさか、ベルンのことをお姫様だっこで受けとめるなんて……」

ステラ「それも……両人とも夜会服ですから……ある意味、女の子達の永遠の憧れを見事に実現しているいますね……すごく……甘いです……」

アミ「大事なことだから、二回言ったのね……」

ベルン「て、アミ!?なんで貴女がいるのよ!?と言うか、ここはどこ!?せっかく、優と湖の上で月に一度の楽しみのダンスをしていたのに!!」

ステラ「……なるほど、だから、2人ともここへの転送が遅れたんですね……」

アミ「ごめん、ごめん、ベルン……事情は説明するよりは理解してもらった方がいいと思うわよ……」

ベルン「え?それどう言うことよ?」

アミ「それはね……」

優「うっ……あがああああああああああああああああああああああああああああ!?」

ベルン「あ、頭がわれるううううううううううううううううううううううううううう!?」

陽子「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!?」

静香「いたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたた!?」

仁「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」

茉莉「気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪いいいいいいいいいいいいいいい!?」

明「ああ、窓に窓にいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?」

アミ「こういうことなのよね……」

ステラ「私達も初めてここに来た時は辛かったですよね……」

アミ「うん……」

―しばらく、お待ちください―

アミ「みんな、大丈夫?」

明&茉莉&陽子&静香&仁&優&ベルン「大丈夫なわけあるか!?」

ステラ「で、ですよねー」

明「あ、頭が破裂するかと思った……」

茉莉「わ、私もです……」

陽子「せ、晴太がいなくてよかった……」

静香「そうね……」

仁「確かに晴太君は精神年齢と肉体年齢的にもきついかも……」

ベルン「う〜ん……」

優「ベルン!?大丈夫なのかい!!?」

アミ「リスナー(読者)と作者の視点と彼らの世界の知識をいきなり頭に無理矢理入れられたら普通はそうなるわよね……」

ステラ「と言うより、皆さん以外にも冷静ですね?皆さんが創作物の世界の住人だと言うのにそれについて文句は言わないんですね?この作者が書いた脚本が私達に色々とひどい目に遭わせましたのに」

明「まあ、それについては……色々と文句があるんだけど……」

茉莉「それがですね……」

仁「誰だって、『自分は最低だ、こんな酷な脚本を用意して登場人物に経験させて、満足するなんて……』と言う言葉を聞いたら……そりゃあ……」

静香「責めきれないわよね……」

優「まあ、僕にはベルンと―――がいるし……ん?」

ベルン「優?どうしたの?」

優「いや、それがね―――の名前を出した瞬間に声が出なくなったんだよ」

ベルン「え?どういうこと?」

ステラ「あ、それなんですけどね……」

アミ「作者がもしかすると、これからの物語で重要になる可能性がある作中未登場の人物名と単語は発音ができないようにしたらしいわ」

陽子「て、徹底してるわね……」

静香「さっきまで自分のことを卑下していた卑屈な人間とは思えないわ……」

仁「いわゆる……仕事と私情は別と考える人間なのか?」

ステラ「本人曰く『どこぞの『水銀○ート』ぐらいの脚本家になって、至高の物語を書くのが人生の目標』らしいですよ?」

明「それ、一応僕も小説家だから気持ちはわかるけど、それに巻き込まれる人にとってはすごい迷惑だよね?」

茉莉「ですよね……実際、当事者の私からすれば……その……」

優「う〜ん……?」

ベルン「どうしたの?」

優「いや、作者はどうして今回、自分でも『我ながら、白痴になったとしか思えないものを書いてしまった』と嘆いているのにこんな作品を公開したんだろう?」

明「あ、確かに……」

陽子「本当だわ、なんでかしら?」

ステラ「あ〜……それなんですけど……」

茉莉「どうしたんですか?ステラ」

アミ「それはね……」

ベルン「アミ?」

ステラ「作者が余りにも鬱展開ばかり書いた挙句、さらには他にも鬱作品のストックが5つぐらい浮かんでいて、非常に疲れているらしくて……」

アミ「年末だから新年を迎えるにあたってちょっと、愚痴りたくなったのと同時に色々と馬鹿騒ぎをしたいからて……」

ステラ「勢いで作っちゃったらしいです」

明&茉莉&陽子&静香&仁&優&ベルン「………………」

アミ「黙るわよね……普通は……」

ステラ「まあ、気持ちはわかりますよ……皆さん……」

明「とりあえず、これだけは言いたい……」

アミ「えぇ……言ってもいいと思うわ」

茉莉「では、皆さんご一緒に……せ〜の!!」

明&茉莉&陽子&静香&仁&優&ベルン「作者めんどくせえええええええええええええええええええええええええええええええええ!!」

ステラ「で、ですよねー」

アミ「ある意味で目標としている人間(?)と『うざさ』においては同じくらいのレベルの域に達しているわよね……」

明「なんで、書くんだよ!!」

陽子「そんなに辛いなら書かなくてもいいじゃない!!」

静香「なんで、わざわざ暗い作風にするの!?」

仁「と言うか、これまでの作品と同じようなものをまだ書き続けるつもりなのか!?」

ベルン「優、大丈夫!?」

優「うん……大丈夫だよ……ベルンとあの子に出会えたと思えるなら……士郎……」

ベルン「優!?」

アミ「優さんは下手をすると、今までの作品の中でも一番悲惨な目に遭っているから、辛いでしょうね……」

ステラ「なにせ、作者も『一番書いていて、すまなかった……と思っている』と言ってましたし……」

明「まあ、優おじさんは……うん……」

茉莉「同じNTRれ系主人公である明さんよりも辛いですよね……」

明「僕もひどい目に遭ったけど、優おじさんと比べると……まだね……」

アミ「最近では、友人からも『いい加減に作風変えないとワンパターンになるぞ』と忠告されているらしいわ」

ステラ「ちなみにその時に作者は『よし!!救いのない悲劇を書こう!!』とノリノリでした」

明&茉莉&陽子&静香&仁&優&ベルン「やめんかい!!」

ステラ「あ、ちなみに今のは冗談らしいですよ?」

静香「びっくりさせないでよ!!」

明「この作品の作者がそんなもの書いたら……」

優「本当にリスナー(読者)と登場人物、そして、作者本人のSAN値が0になるよ!!」

茉莉「と言うより、どうして辛いのにそんなに作者は暗い作風を書くんですか!?」

ステラ「もはや、皆さん普通に『作者』と言う言葉を躊躇いもなく使ってますね……」

アミ「あ〜……なんでも、作者曰く『暗い作風の作品の『結末』を書くのが楽しいから』らしいわ」

ステラ「あと、『文章書いてる時間が一番、自分にとって至福の時間』とのことらしいですよ?」

静香「な、何よそれ!?」

陽子「それ、一種の病気な気が……」

ステラ「本人も、『自分が異常なことぐらいは自覚している』と言ってました」

仁「ま、まさに……『狂気』に憑りつかれてるとしか言いようがない……」

アミ「まあ、作者は『今まで、作品を書いてきて沢山の人に読んできてもらったことは後悔していない。むしろ、1人の『投稿者』としては最高の喜び』と思っているらしいわ」

陽子「もう……なんと言えばいいかわからないわ……」

静香「マトモなのか、そうじゃないのか……わからないわ……」

ベルン「そうね……」

ステラ「では、色々と納得がいかないと思いますが、本題である『トーク』の方に移りたいと思います」

茉莉「『本題』……ですか?」

アミ「この作品の本題は『今までの作品の主役とヒロイン達のことをさらに深く知ってもらう』と言うことなのよ」

明「僕としては今までの作者の壮大な『愚痴』の方が『本題』だと思ってたんだけど……」

ステラ「あはは……明さん、少し黙りましょうか?」

明「……はい」

アミ「じゃあ、みんな。『トーク』の方に移るわ」

明&茉莉&陽子&静香&仁&優&ベルン「お〜……」

ステラ「皆さん、仕方がないとは言え……テンションが低いですね……」

アミ「まあ、それは仕方ないわね……じゃあ、まず最初の質問は―――」

茉莉「あの〜……」

ステラ「なんですか、茉莉?」

茉莉「いえ、その……どうして、お二人は司会をやっているんですか?」

アミ&ステラ「………………」

茉莉「あの2人とも?」

アミ「……だからよ……」

茉莉「え?」

アミ「独身だからよ!!」

茉莉「え!?」

ステラ「作者……私達をそのことでイジるためだけに『司会』にしたんですよ!?」

明&茉莉&陽子&静香&仁&優&ベルン「えええええええええええええええええええええええええええええええええ!?」

アミ「ひどくない!?女性をそのことでからかうなんて!!」

ステラ「作者……もし、この場にいたら叩きのめしているところですよ……」

アミ「しかも、作者……『もし、健康クロス氏の許可が下りたら『主神』のことをダメだしで弄り倒した挙句、『主神』のシステムの不備や『主神』自身の器の小ささを味あわせて、涙目にしたい』て言ってるわ……」

明「うわ……」

優「ある意味……アミさんとステラさん以上に性質が悪い……」

茉莉&ベルン(作者GJ!!)

アミ「そこの2人!!何、嬉しそうな表情をしているの!?」

ベルン「別に〜、なんでもないわよ?ね〜、茉莉?」

茉莉「ですよね、ベルンさん?」

明(うわ、マリちゃんとベルンさん……いつも、イジられているから2人がイジられているのを見て楽しんでるよ……)

優(ベルン……気持ちはわかるけど……)

ステラ「むう……なにか釈然としませんが最初の質問はこれです!!」

『相手のどこが好き?』

アミ「……作者……そんなに私達が『独身』であることをからかって楽しい?」

ステラ「確実にこれ……私達が答えられない質問じゃないですか……」

アミ「じゃあ、みんな答えは―――」

明&茉莉&陽子&静香&仁&優&ベルン「全部」

ステラ「そ、即答ですね……」

明「そもそも、魔物娘の夫婦にそんな質問したら十組中十組がそう答えるよ」

茉莉「ですよね」

陽子「愚問だわ、作者」

静香「本当ね」

仁「健康クロスさんの創った世界観と設定をちゃんと理解しているのか?」

優「ベルン……」

ベルン「優……」

アミ「そこの2人!!何、どさくさに紛れて自分達の世界に入っているの!?」

ベルン「あら、ごめんなさい……ふふふ……」

アミ「ぐむむ……!!」

茉莉「ステラ……これ、早めに次の質問に行った方が……」

ステラ「そ、そうですね……では、次の質問です」

『最近、困っていることは?』

明「へえ……今度は全員が違う答えが出せそうだね」

優「明君、それは早計だと思うよ?」

明「あ……そうですね」

アミ「え?どう言うこと?」

優「あはは……あなたがそう言いますか?」

ステラ「え?」

明「貴女もですよ?ステラさん」

アミ&ステラ「……?」

明「じゃあ、優おじさん。一緒に言いましょう」

優「そうだね、明君……せ〜の!!」

明「マリちゃんを―――」

優「ベルンを―――」

明&優「からかうのはやめてください!!」

アミ&ステラ「え〜……」

明「え〜……、じゃありませんよ!!」

優「本当ですよ!!いつも、いつも……どうして2人をからかうんですか!?」

アミ&ステラ「楽しいから♪」

明&優「ふざけんなああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

ステラ「別にいいじゃないですか?ねえ、アミさん」

アミさん「そうよね」

明「よくない!!」

優「ほら、2人も何か言って!!」

茉莉「え……あ、その……」

明「え?どうしたの、マリちゃん?」

ベルン「ごめんなさい……確かにアミとステラには私達も困っているんだけど……」

優「ベルン……?」

ステラ「おやおや、どうやらお二人は明さんと優さんとは違う困ったことがあるようですね?」

明「え……?」

アミ「それじゃあ、まずは茉莉から」

茉莉「え〜と……その……実は……」

明(なんだろう……一体、マリちゃんは何に困っているんだろう……もしかすると、僕にも言えないことなのか!?いやいや、僕らは誓ったじゃないか!!どんな時でも共に幸福も、困難もともに背負って歩んでいくと!!)

茉莉「明さんのことなんですけど……」

明(え!?僕!?僕なんかしたっけ!?)

茉莉「最近、明さんが―――」

明(そんな……僕はいつの間にか……ごめん、マリちゃん……!!君がそんなに悩んでいる僕は自分の間違いにも気づかないなんて!!)

茉莉「東(あずま)さんの家の娘さん2人に狙われていることです!!」

明「ごめん!!マリ―――……え?」

アミ&ステラ&陽子&静香&仁&優&ベルン「は?」

ステラ「あの……茉莉?東(あずま)さんの家の娘さんて恵美(めぐみ)さんの娘さん方ですよね?」

茉莉「そうです!!」

アミ「いや、茉莉?確か、東さんの家の娘さんて私の記憶が正しければ9歳と7歳だった気が?」

ステラ「ちなみに恵美さんとは明さんの6歳年上の女性で、明さんのお姉さん分でもある明さんが頭の上がらない近所のお姉さんでもあり、夫である東 総一郎(そういちろう)さんと娘さんである桜(さくら)ちゃんと楓(かえで)ちゃんを愛する正しく、良妻賢母を絵に描いたような方です」

明「いや……マリちゃん?さすがにそれはないと思うよ?」

茉莉「いいえ!!あの子達の目はどう見ても、『恋する女の子』の目です!!」

明「いやいや!?それはさすがにないでしょ!?」

アミ「なんか、すごいことになってきたわね……このままだと明さんが『ロリコン』扱いになりそうだわ……」

明「僕はそんな性癖持っていない!!」

アミ「はいはい……で、実際どうなのステラ?」

ステラ「えっと……その……明さんが『ロリコン』かはわかりませんが……茉莉の言う『恋する女の子の目』については……少し、心当たりが……」

アミ「え?」

ステラ「まず、明さんがたまに散歩していると、恵美さんが桜ちゃんと楓ちゃんを連れて散歩しているとたまに遭遇するんですけど……明さんのことを見ると嬉しそうな表情をして2人とも『明お兄さん!!』と明さんの名前を明るい声で呼んで、明さんがいる場所へと向かって全速力で走り出して、明さんにしがみつくとさらに嬉しそうな表情になるんですよ」

アミ「ねえ、ステラ……それは普通の近所のお兄さんとそれに懐く可愛らしい子ども達の微笑ましい情景じゃないの?」

ステラ「いえ、この話には続きがあるんですよ……」

明「え?」

ステラ「実はですね、明さんと恵美さんが会話していると、たまに明さんが茉莉の名前を口にする度にあの子達……すごく、不機嫌な顔になるんですよ」

明「え!?」

茉莉「それにあの子達、たまに私が明さんの散歩に付き合っていると、散歩中に遭遇すると私の目の前で明さんに『頭撫でて〜♪』とお願いしてきて、撫でてもらうと私に対して、勝ち誇った顔をするんですよ!?」

明「ええええええええええええええええええええええええええええええええええ!?」

茉莉「しかも、その後に明さんに将来の夢を聞かれると『明お兄さんのお嫁さんになること』て言うんですよ!?私の前で!!」

明「いや、マリちゃん……それはただの子どもの無邪気な言葉じゃ……?」

茉莉「何言ってんですか!?あの後にあなたが『ごめんね、お兄さんにはもう、お嫁さんがいるから無理だよ』と少し困りながら言うと、あの子達は少し落ち込んだ後にお互いに顔を見合わせて、あなたのことを見てニヤケてましたよ!?」

静香「茉莉さん……それはいくらなんでも疑りすぎじゃ……」

仁(静香……それ、白蛇の性質かわからないけど、この前同窓会に参加した時に俺が女子の同級生と話していただけで睨んできて、疑ってくるお前が言うべきじゃない……)

陽子(私の場合……嫉妬のせいで晴太や家族を傷つけちゃったから、何も言えないわ……)

アミ「これは収集がつきそう気がしないわ……仕方ないわ、次行くわよ!!ステラ!!」

ステラ「はい!!では、ベルンさん、どうぞ!!」

ベルン「え……ええ……そうね……私が困っているのは……」

優(なんだろう……明君のことを見ると嫌な予感しかしない……)

ベルン「私が困っているのは優のことよ……」

優(嘘!?僕なんかしたっけ!?と言うよりは、なんだこの既視感!?)

ベルン「それは―――」

アミ「なんでかしら……また、収集がつかない事態になりそうな気が……」

ステラ「私もそんな気が……」

優(作者!?ここまで、ワンパターンになってるよ!?同じネタが何度も通用すると思っているのか!?)

ベルン「優の親バカぷりよ!!!」

アミ&ステラ&陽子&静香&仁&優「え?」

ベルン「優たら、来年娘が高校生になるからあの子が『そろそろ、自立したいから1人暮らしする』て言ったら、それを了承するまではいいんだけど……娘の為だけに高校の最寄駅のマンションを丸々一つ全部購入しようとしたのよ!?」

アミ&ステラ&陽子&静香&仁「えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!?」

ベルン「しかも、そのマンションにわざわざ防犯カメラの量を増やしたり、私の統治下にある研究所に『セントリーガン』の開発を急がせて、それをマンションに配備したり、娘のことを守るためだけに特殊部隊まで作ろうとしているのよ!?」

アミ「……恐ろしいことに……これ、全部ベルンと優さんの財力なら余裕でできるのよね……」

優「だって、仕方ないじゃないか!?僕はあの子のことが心配でたまらないんだよ!!若い女の子……それも、君に似て美人なあの子が1人暮らしなんだよ!?暴漢にでも襲われでもしたらどうするの!?」

ベルン「心配のしすぎよ!!と言うより、あの子は暴漢に襲われても普通に返り討ちにできるぐらい強いでしょ!?と言うよりは、あなたは少しぐらい娘離れをしなさい!!そんなんじゃ、あのこがお嫁に行った時、どうするの!?」

優「……!!?……」

ベルン「……優?」

優「そうか……あの子もいつか、お嫁に行っちゃうんだよね……あはは……」

アミ「なんか、優さんの背中姿にものすごく哀愁が漂っているわ……」

ステラ「優さんは一度、子どもを失っていますからね……親バカになるのは……いえ、正確には親バカが悪化するのもある意味当然の結果のような気が……」

仁「俺もいつか、ああなるのか?」

静香「さあ?」

陽子(晴太との子どもか……)

優「―――が嫁に行く……―――が嫁に行く、うーん……」

ベルン「はあ……仕方ないわね、まあ、私もあの子が独り立ちするのは嬉しい反面、寂しい気がするからわかるけど……ごめんなさい、アミ……ちょっと、しばらく優を慰めてくるわ。いいかしら?」

アミ「ええ……仕方ないわ」

ベルン「ありがとう、じゃあ、優、行きましょ?」

優「―――……士郎……」

アミ「行っちゃたわね……」

ステラ「行っちゃいましたね……」

アミ「ベルン、2人きりになったら、これを口実に……」

ステラ「ヤりますね……確実に……」

アミ「さて、次は仙田さん」

仁「え!?俺!?」

ステラ「はい、そうです」

仁「え……その……」

仁(どうすればいいんだ……こんなところでしかも、静香の目の前で静香の嫉妬深さに参っているなんて言うのは……)

仁「と、特にないです……」

アミ「本当かしら?」

ステラ「何かあるでしょう?」

仁「本当にないから!!」

静香「ふ〜ん……仁……」

仁「ん?どうしたんだ、静香?」

静香「何か隠しているよね?」

仁「え!?」

仁(ま、マズイ!?ただでさえ、言いにくいことなのにそれを本人の前で言うのはさらに言いにくいことだぞ!?だけど、ここで嘘を言っても、相手は白蛇の静香だから嘘は絶対に見破られる!!つまりは話さないといけなくなる!!)

静香「仁……あなた……」

仁「いや……俺はその……」

静香「浮気しているの!?」

仁「……え?は!?」

静香「私に言えないことてことは浮気なのね!?」

仁(ええええええええええええええええええええ!?なんでそうなるんだ!?とりあえず、誤解を解かないと!!)

仁「いや、静香……それは違―――」

静香「ふふふ……」

仁「て、青い炎を出すな!!話を聞いてくれ!!」

静香「問答無用!!」

アミ「あ〜あ……まったく、話を聞こうとしないわね……」

ステラ「これは仙田さん、ご愁傷様です……」

仁「ちょ!?助けてくれよ!?九条さん、茉莉さん助け―――」

茉莉「まったく、あなたはですね……」

明「いや、だから僕は浮気なんて絶対にしないって!?」

茉莉「あなたにそんな気はなくても、あなたを狙う人は結構いるんですよ!?」

アミ「あの2人……まだ続けてたのね……」

ステラ「明さん、顔も頭もいいですし、お金持ちですし、仕事も祖父の遺産の不動産業を継いでいることと小説家なので安定しているし高収入ですし、実家も名家ですし、性格も多少暗い所がありますけど誠実で紳士的ですからね……普通に高スペックな男性ですからね……」

アミ「それじゃ、余裕で女性にもてるわね……」

仁「九条さん、あなたもか!?」

静香「仁いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」

仁「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!?」

陽子「少し、落ち着きなさい!!静香!!」

静香「きゃうん!?……グフ……」

陽子「まったく……」

アミ「おぉ……見事に陽子さんの一撃が静香さんに入ったわ……」


ステラ「おかげで静香さんは気絶しましたけどね……」

仁「た、助かりました……お義姉さん……」

陽子「いえ……その……」

陽子(どうしよう……今の静香を見て、本編での自分と重ねちゃって自己嫌悪に駆られて止めたなんて……口が裂けても言えない……)

アミ「どうやら、惨劇は避けられたようね」

ステラ「では、最後に陽子さん。どうぞ!」

陽子「え?静香は?」

ステラ「流石にこの状態では無理でしょうと思いますので」

陽子「あぁ……そうね……私の場合はその……」

アミ「ん?」

陽子「身から出た錆だけど、晴太の無邪気な笑顔を私に向けるたびに私が辛く感じることよ……」

アミ&ステラ&仁「………………」

陽子「あの子は私のせいで怖くてひどい目に遭ったのに……それでも、私のことを姉として、妻として接してくれる……今、リハビリ中に私がたまに辛そうな顔をすると、『お姉ちゃん、泣かないで?』と優しい笑顔で言ってくれるの……それを聞くたびに私……」

ステラ「も、もういいです……すいませんでした……」

アミ「さ、さすがに私でもこれはからかえないわ……」

仁「なんだろ……本編じゃあ、一番大暴れした上に種族もある意味魔物娘の中でかなり一癖あるウシオニなのに……今回、一番マトモに感じる……」

アミ「これで、全員一応終わったけど……どうする、ステラ?」

ステラ「そうですね……明さんと茉莉は未だに修羅場真っ最中ですし、ベルンさんと優さんは2人でいちゃついていると思いますし、静香さんは陽子さんの一撃で気絶して伸びてますし、陽子さんは自己嫌悪に駆られてテンションが一気に低くなりましたし……無事なのが仙田さんだけと言う状況ですし……」

アミ「予想以上にグダグダね……もう、お開きにする?」

仁「どうせ、この文体や作風はかなり批判されると思うし、どっちかと言うと作者の『暴走』だし、今回だけで終わりにした方がいいんじゃないか?」

アミ「そんな気がしてきたわ……」

ステラ「と、とりあえず……色々と問題がありますが……」

アミ「こんな作者ですが、なるべくならこれからもお願いします」

ステラ「では、作者の言葉を借りるなら『では、皆様方……最後までこの劇にお付き合い願いありがとうございました。また、再び皆様方に出会えることを願いましょう……では、これにて、『『混沌』の『暴走』』の終幕を宣言します』」

アミ「それでは、みなさん。良い年末と新年を」

仁「なんか……強引な終わり方だな……」
13/12/20 18:18更新 / 秩序ある混沌

■作者メッセージ
 さて、皆様方……まずは一つ……申し訳ございません!!
 今回はいわゆる、『公式が病気』と言うネタをやってみたいだけと言う私の完全なる独り善がりです。
 こんな、自分でも見放さずにこれまでと同様にお付き合いして頂ければ、本当に感謝感激です。
 では、再び皆様と出会えることと皆様によい年末と新年が訪れることを心の底から願っております

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