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四つん這いアヌビスちゃん!

とある親魔物領の近くの森、かつてはとんでもない四つん這いな凌辱劇が起こった所ではあるが、今は穏やかな木漏れ日がさす、落ち着いた場所になっている
そこを一人の魔物娘が歩いていた
褐色の肌の美少女に黒の犬の耳と四肢、尻尾 古のジャッカルの特徴を持った魔物娘 アヌビスであった


私の名前は、“ヌイ” 誇り高きアヌビス一族の一人だ
今までは、敬愛するファラオ様の下で王国復興の為に尽力していたが、ある時 同盟を組んでいたとある親魔物領の領主のリリムが突然 雌豚奴隷になるといってある街に移住してしまい 街は業務を行う者がいなくなり軽くパニックを起こしてしまった

そこで、管理能力の優れるアヌビスをこちらに派遣して欲しいと要請があり、特別優秀である私がレンタルでこの街で力を貸すことになった


まったく魔界の王女といってもだらしない奴だな やっぱり淫魔なんてみんな欲望に弱いものなのか? やはりウチのファラオ様の方が王としての資質に優れているな

しかし、私はここに来てよかった事もある

「す〜っっっはぁぁあ〜〜」

私は胸を膨らませ思いっきり深呼吸をする 森の新鮮な空気が肺を満たしていく

「あぁやはりこの森、木と言うものはいいものだな」

私の故郷のピラミッドはファラオ様が目覚めたばかりで 砂漠がまだ多くある
幼い時から聞いていた“森”と言う緑の植物達にずっと憧れていた

私は一足早くこの森に触れ合えて、とてつもなく感動している
あぁ早く私の故郷も一面こんな緑の木で埋め尽くしたいものだ
その為にはやはり、はやくファラオ様に良人をもってもらう事が大事だな
あとやっぱり…やっぱり…私にも番いが欲しいな…


そんな事を思いながら森の散歩道を進んで行くと

ガサッ

茂みの向こうから何か音がした 私は足を止めて その方向をみる

ガサッガサガサ

「? 獣か?」

私は妙にその音が気になりいつもの散歩道コースを外れ 茂みをかき分けていく

通常なら予定と違うことなどしない私だが この時はどうかしていたんだと思う そうこの時が運命の分かれ道だとしらず


少し歩くと その物音の正体がわかった
茂みを抜けたその先にはー



男が四つん這いになっていた



「???」
一体…どうしたと言うんだろうか? とりあえず私はその男に話しかけて見ることにした

「おっおい!そこの男!一体こんなとこで何をしてるんだ? 落し物でもしたか?」

私が話しかけると 男はこちらを向いた

男はみすぼらしい服を着ていたが、金髪碧眼 私達魔物娘にとって男性の美醜は気にならないものではあるが、人間で言うならばかなりの“イケメン”というものだろうか なかなかの面構えをしているな

「おいどうした? 落し物なら私も手伝おうか?」

そして、男は少し首をかしげ こう言った

「わふぅ?」

「は…?」
私は一瞬 思考が停止してしまった

「は…? おっおまえっ! なっ、なにを言ってるんだ? わふぅってお前 お前おおおおおお前は なっなんなんだ??!」

「わぉぉおん♪」

取り乱していると男は私に飛びかかって来た

「キャン! あわあわわわわわわ」

パニックになった私は押し倒され

「ハフハフ ペロペロペロペロペロペロ♪」

顔を舐めまわされた

「ほぎゃぁーーー! やっやめっ… わっぷ ちょ… かおを 」


「あーーーーーーーーー!」










ーー
ーーー

「ブラッディハウンド計画!?」

私は あの後散々舐めまわされたが、なんとか抜け出し 街で一番物知りなバフォ様の研究所に男を引きずりながら連れて 調べてもらった

「そうじゃ、かつて非道な実験を繰り返す 教団の研究所を襲撃した時 その資料が残っていたのじゃ」
「人間の精神を破壊し、獣の心を宿らせ わしら魔物娘の魅力を受け付けず 容赦なく狩る血に飢えた猟犬“ブラッディハウンド”を産み出す狂気の計画じゃ! 」

「ブラッディハウンド…」
私はその恐ろしい計画を知りゴクリと唾を飲み込んだ しかし、

「へっへっへっへっへ」

「あのぅ ゴールデンレトリバーぐらい 優しい顔をしてるんですけど…」
目を細め 舌を出しながら呼吸している男をみると どうにもそんな恐ろしい実験の被害者に思えなかった

「う〜〜〜む まぁ実験は失敗だったと言うこともあるしのぅ 」

「バフォ様、この男の精神は治りますか?」

「むぅ まぁ調べてみんとそこはわからんな しかし、こやつの身元がわかるものはこれだけか…」

男の首にかけられたネームタグを見る そこには“ジョン”と彫られていた

「バフォ様! ジョンを、ジョンを治してやって下さい! このまま人の心を失ったままなんて、不憫すぎます!」

「無論 最善は尽くすが人間の心は複雑じゃ、一度破壊された心を復元するには困難を極めるだろうな」

「そんな…」

私は可哀想になりジョンを見つめる…がジョンは私のそんな気も知らず へっへと舌を出し息をしていた

「ともあれ、治療法を探しておく その間 ジョンを頼むぞ ヌイよ」

「はいっ!?」

「はいっ!?って治療法が見つかるまで ジョンの世話を頼むぞっと言っておるのじゃ」

「えぇーー!?いや、私には仕事が! ジョンを世話しながらなんて無理!無理です!全然言うこと聞かないし、ペロペロ舐めまわしてばっかりくるんですよ!仕事になりません!」

私はバフォ様に抗議するが

「だまらっしゃい! お主が拾ったのじゃろう! 無責任な!お主はそれでもアヌビスかっ!それにジョンもお主に懐いておる」

「くぅん くぅん」
ジョンが私にすり寄ってくる

「〜〜〜〜!」

「 ウチだって今 厄介な居候が…」

ズドーン

「ホワワワワ!? またやりよったな!あやつらー!!!」

突然の爆発音と振動、バフォ様は慌てて走り去り、そして私達は取り残された…

「わふぅ?」

「………いいか?徹底的に管理してやるぞ… 」



こうして 私とジョンの共同生活は始まった


1日目
「スゥスゥ スヤスヤ」
「わぉん ハフハフペロペロ」

「んのふぁ!!? なに!?なに!? ジョン? 」
「わぉん!わぉん!」

「ふにゅ 散歩って まだ朝の4時じゃないか!? いいか?散歩は朝の6時から!スケジュールはきっちり守ってもらうぞ」
「う〜 わんわんわんわんわんわんわんわんっ!」

「だぁ〜うるさいっ!わかった行くから!行くから!」


二日目
「さっ行くぞ! お散歩コースはこっち……」
「わんわんっ!わおおぉん♪」

「違う! ジョン私の決めたお散歩コースはそっちじゃない! こっちだって! うわぁ 力つよっ!」

三日目
「ふんふんふんふんっ パクリ」

「おおおいっ!ジョン!拾い食いするんじゃない! お腹壊すぞ!」

四日目
「トイレの躾しないとな、さぁジョン ここがトイレだ ここでオシッコする…ベッドの上うぉぉい!」

五日目
「う〜〜 わんっ!わんわんっ!わんっ!わんわんっ!」

「キュゥン キュゥン」

「こらジョン! 他所のワンちゃんに吠えないの! すいません!すいません!」

『なんだったのかしらあのカップル…』

六日目
「さぁジョン今日は買い物だ いつまでもそんなボロを着せてたら私の管理体制が疑われる そうだなこのベストなんかどうだ!うぅむ似合うじゃないか!そうだ、あとオモチャも!」

ヒソヒソ ヒソヒソ

「むっ?なんか見られてる?」

『奥様 見て下さいあのカップル』
『えぇ 上級者よ 旦那が本当に犬になりきってるわ まだ若そうなのに』
『ほらあの娘よ ピラミッドからきた あの』
『管理するのが好きな種族って聞いたけど 犬になりきらせるなんて真面目そうなのにすごいプレイ』
『くやしいぃ 帰ったら奴隷をわんわんにさせなくちゃ』

「はわわ ちっちがう あわあわはずかしいぃいぃ」
「おんっ!おんっ!」

七日目
「さぁジョン 覚悟はできたか?」
「キュウゥ キュウゥ」

「今日こそお前にお風呂に入ってもらう! 覚悟!」

「キャン キャンキャン!」

「まてぇ〜! 外に逃げるなぁ〜 」



「バフォ様、見て下さいあの二人」

「うむ 仲良くやってるようでよかったのじゃ!」




そして、私のジョンに振り回される生活は続いていった
そんなある日

「ふわぁ〜疲れたぁ」
今日は、仕事が忙しくなり すっかり家に帰るのが遅くなっている
ジョンが来てから全然 予定通りに行かないことばっかりだ このエリートアヌビスのこの私が予定通りに業務をこなせないなんて……!

…でもなぜか充実した毎日を過ごせている なんでだろぅ 予定通りに過ごしていた日々よりずっと今が楽しい

「あぁ ジョンお腹空かせてるだろうな 早く帰らないと」
私は早足で家に帰った そして玄関のドアを開けた



「ただいま ジョン! ごめんね遅くなって いまご飯にするからって… えええええ!!?」

玄関を開けた私は驚愕した
いつもはキチンと整理整頓されている私の部屋がまるで泥棒に入られたくらいに荒らされまくっていた
家具は倒され 床には本棚の本や 仕事の資料 飾っていた絵などがばら撒かれ ベッドもグチャグチャ 枕の羽毛が部屋中を舞っていた

そして混沌と化した私の部屋の中心で ご満悦の顔をした ジョン

「ジョ〜〜ン〜〜〜〜!」

「今日と言う今日は絶対許さぁん!!」
私は錫杖をかざし、ジョンにマミーの呪いを放った
紫色の怪光線がジョンに直撃するが

「わふぃ?」
普通なら全身が敏感になり動けなくなるはずが ジョンは平然とした顔をしていた

「えっ!?なんで?なんで?」
「わおおぉん♪」
慌ててる私にジョンは飛びかかってきた 私はそれをよけきれず

「あっ わぁぁっ!」

その時

バキィ

飛びかかられた拍子に 錫杖が折れてしまった

「あっ!あぁあっ!!ファラオ様から頂いた錫杖が…」

折れた錫杖を持ち某然とする私にジョンは無邪気に遊ぼうと飛び回った

「わんっ わぉんっ!わんわん♫」

「っく ぐすん 」

「ヒック グスン ふぇえ」

「うわぁーん ファラオさまからもらった錫杖だったのにぃ ふえぇぇえん!」

「わふっ!? くぅん くぅん ?」

「あーん ジョンのバカっ!ジョンなんて嫌いだぁ! ジョンなんてどっか行っちゃえ! わぁん わあぁぁん」

「くぅん キュゥンキュゥンキュゥン 」

ガチャ 「クゥン 」 バタン






ジョンは寂しそうに一鳴きして外に出て行った

そして、一時間後


「ひっく ひっく ふぅ 」

ひとしきり泣いて 落ち着いた私は一度冷静になって考えた

「ジョンだって悪気があったわけじゃないよね… アレは甘えようとしての事故だし、イタズラだって私が帰ってくるのが遅くてさみしかったから…かも」

ぐぐぅ

「あっ!私もジョンもご飯がまだだった! しょうがない 部屋はグチャグチャだけど とりあえずご飯にしよう」

「ジョンー! ご飯にするわよー!」

「??」

おかしい いつもならご飯と呼べば 一秒でやってくるのに

「ジョンー?ジョン!? ご飯だよー?」

いくら呼んでもやってこない…

「ジョン!?ジョン!?」

家中を探したがジョンの姿はなかった

「あっ!?」
もしかして どっか行けって本気にして…

「うそ…うそだよね? 私、そんな本気で言ったわけじゃ… 」

「ジョン!」

私は家を出て夜の街を駆け出した

「ハァハァ ジョンー!?ジョン!?どこー?! もう怒ってないから帰ってきてー!!」


「おいっ! ヌイよ どうしたのじゃ!?こんな夜中に?」

「バフォ様!!ジョンを!ジョンを見なかった!?」

私は錯乱して声をかけてきたバフォ様の肩をもって勢い良く揺さぶってしまった


「おわわわわ! やめんか! ジョンか?見なかったが? どうしたのじゃ?」

「くっ」

「おいっ!待つのじゃ ヌイっ! 今 魔王軍からの連絡があって 最近この辺りで魔物狩りがウロついると言う情報があったのじゃ!一人で外に行くのは危険じゃー! 」



私はまた 走り出した バフォ様が何か言ってたが 気にする余裕はなかった

ジョンを見つける為色んな場所を探し回った




「うーん… ボクはずっと森で狩りをしてたけど、そんな男の人は見なかったよ あっ!あぁごめん ボクちょっと今日も獲物0だったらまた 旦那にどやされるんだ! その男の人見つけたら 探してたこと伝えとくから ごめんね」


「“四つん這い”の殿方ねぇ そんな人がいれば “この街”じゃとても目立つと思うのだけど… その殿方が好きなのね? 惜しいわぁ ハーレムに誘いたかったのに」


「あぁん!? 四つん這いの男だぁ?見てねぇよ そんな怪しい奴 もしこの村に来てたらオレがとっ捕まえて「こら…カイト」ぎゃぁーー!」




ーー
ーーー

「はぁ… どこに行っちゃったの? ジョン…」

あれからこの辺りをさんざん探したがジョンの姿は見えなかった

「うぅ ぐす」
私があんなヒドイ事言っちゃったから… うぅ ジョン…

「ジョーーーン!!! お願い! 帰ってきてよぉ! ジョーーーーン!!!」

ガサっ

「ジョン!?」

物音がした方向を振り向く
しかし、そこにいたのはジョンではなく 旅人風の男がそこにいた

「誰!? 私に何か用?」
私は 突然現れた男に警戒心をあらわし 身構えた

「あっ いや誰かを探してるんじゃないかと思いまして…」

「だから何!? あなたにはなにも関係ないでしょ!!」

「いえっ それらしき人物を見かけたので…」

「うそっ!? ジョンなの? どこ!?どこにいたの!?」

私は男の胸ぐらを掴み 勢いよく言いよる

「はいっ! あちらに少ししたら泉があってそこで水を飲んでるところ… うわっ!」

私は男を突き放し 男が指差した方へ走る

「ジョン! ジョン!」

ジョンに会いたい ジョン会って謝りたい このままお別れなんて嫌だ! ジョン!

少し走ると男の言った泉があった
しかしジョンの姿はない

「ジョン? ジョン?」

少しでも痕跡を探るため 臭いを嗅いだ

クンクン クンクン

おかしいジョンの臭いが一切しない ジョンはここに来ていない!?

私はそう考えていると

カチリ

ブゥン

「キャインっ! えっ!?なに!?何これ!?」

突然魔法陣が現れ そこから出た黒の縄に体を拘束されてしまった

「あっ くぅあぁ 」

どんなにもがいても 縄は解けることはなく、逆に体を締め付けていった

「くっくっく」

「あっあっああなたは!? こっここここれは一体どう言うこと!? はやくっ はやく離しなさい」

先程の男が下卑た笑みを浮かべ私に近づきてきた

「うるさいから黙れ、下等生物が」

「むぐうぅ!」

男に鼻と口を布で覆われると 私は意識を失ってしまった







ーー
ーーー

「うっうん はっ! ここは!? うぐぅ」

私は ひどい頭痛と共に目が覚めた
あたりを見ると小さな部屋の中 少し揺れている事から 馬車か何かで移動しているようだった

「くっ」
動こうとしたが、まだ黒い縄が体を拘束して動けなかった

「げひひひひ お目覚めか?下等生物!?」

下品な笑い声と共に男が現れた
屈強な男達を引き連れていた

「あっあなた達は 一体なんなの!? どうしてこんなヒドイ事を…」

「くっくっく俺達は神聖なる主神教の教団兵さ! 邪悪なる魔物を絶滅させる為、お前はこれから魔物の弱点を調べる為の実験動物になるんだぜぇ ひゃははは!」

「なっ!?」

主神教団…聞いたことがある 私達が住んでた地域にはいなかったけど 魔物を人類の敵だと思い込んでいる怖い人達… 私はそんな奴らに捕まってしまったの?

「くっくっく ラッキーだったぜぇ テキトーにオークかゴブリンかのガキ攫って行こうかと思えば 超珍しい 砂漠地方の魔物がゲットできるなんてなぁ!」

「魔物共は番いの事になると隙だらけひなるもんなぁ! こんなレアな魔物ならお金もがっぽがぽだぜ!はぁーはっはっは! さぁ誰からも愛されない実験動物としての余生をせいぜい苦しめひゃははは!」

なんてこと…もう…もう会えないの…? ファラオ様やピラミッドのみんな ……そして ジョンにも…
そう思うと私の体は恐怖で震え尻尾は股の間に入ってしまう

「うっうう うわぁぁあぁぁあん 誰かぁたすけてぇ こわいよぉ お父様ぁ お母様ぁ」


「へへっ 泣きやがった! くくっいいねぇその絶望した顔! あっそうだぁ俺一回やってみたかったんだよね 泣き叫ぶ女犯すの 人間じゃできねぇからな!ひひひひっ、おいっ!お前ら黙ってろよ」

男がジリジリといやらしい顔で近いてくる 男の手が私の体に伸びる

「いやぁ! 触らないで! いやぁ!ジョン! ジョン!」

「ジョンーーーーーーー!!!!」





「ワオーーーーーーーーーン!」

何処かで犬の遠吠えが聞こると共に馬車が止まった

「おいっ!どうなってるんだ!?」

「すいません!急に変な男が飛び出してきて 足止めをしてくるんです!」

「あぁん!? 邪魔するんならひき殺せ!!」

「そっそれが 馬が怯えて動きません」

「ちっしょうがねぇ おいお前らっ!」

男達は武器を取り外に出ていった

「なんだ!?てめえは?!」

「う〜 ワンワン! ワンワン! 」

「はぁ? こいつイカれてるのか?」

聞き覚えのある鳴き声がする
ジョンだ!

私は這いずりながら馬車の窓から外を見る そこには見覚えのある愛しい男

「あぁ ジョン!」
だけど… 相手はさっきの男を含めて強そうな男が8人もいた
あんなあんなに優しい顔をしたジョンが戦えるわけがない

「ジョン!逃げて!」

「おんっ おんっ」
ジョンは私の顔を見ると心配をよそに 嬉しそうに吠えた

「ははっ なんだこいつ とりあえずやれっ!」

男が命令すると スキンヘッドの屈強な男が大きな斧を振りかぶり そのままジョンに振り下ろした

「ワオーーーーーーーーーン!」

「ジョンーー!えっ!?えっ!?わっぷ」

「ペロペロペロペロ へっへっへ」

何がなんだかわからなかった 今まで馬車の中にいたのに 気付けば外にいた 横にはジョンが嬉しそうに顔を舐めまわしていた

そして、

ドサリ

スキンヘッドが白目を剥き倒れる

「ばっ馬鹿なっ!? 一体何がおきやがった!?」

「グルルルルルル!」

慌てふためく男達を無視し ジョンは私の前に四つん這いで立ち威嚇する

「うっうわああぁ」

槍を持った細身の男が恐怖で錯乱してジョンに突っ込んで行ったが

その時、

ジョンの体が一瞬 霞んだと思ったら

「あろん」

またしても細身の男が白目を向いて倒れた
これはまさか…ジョンがやったの?

「超スピード…」
いつか文献で読んだ事がある 修行を積んだ人虎やワーウルフ等の獣人種は 人の目にも止まらぬどころか目に見えない疾さで動くことができるらしいがそれを人の身で… ちなみアヌビスはどちらかといえば魔術系なのでそこまで速くないが

「ジョンが こんなに強かったなんて…」


「ジョン… ジョンだと!? こいつまさか“シルバーファング”ジョンか!?」
男達がどよめきだした

「かつて、勇者のくせに魔物をこっそりを逃がした罪で捕らえられ、ある実験の被験者となった裏切り者! 事故が起きて逃走したと聞いていたが…まさかこんな所で出くわすとはな!」

「ちょうどいい!こいつの首には多大な賞金がかけられてるんだ!こいつさえ殺せばこんな危ない仕事なんかせず、一生楽して生きられるぜ」

男達から怯えがなくなり武器を構えだす
「言っとくが やられたそいつらは雑魚だぜ 俺達は一味違うぞ」

残った男達の武器からそれぞれの属性の魔力を感じる
野盗くずれの風ではあるが レベルの高い強者であろう

「ジョン! 気をつけて!」

「ワオーーーーーーーーーン」


「なめやがって!行くぞ!」

男達がジョンを取り囲み

「死ねぇ!!!」

一斉に攻撃をしかけるがー

ドサッ ドサッ

何が起こったかもわからず、男達は揃って倒れ伏す

残りは私を騙したあの男だけとなった

「嘘だっ! 嘘だ! シルバーファングがこんなに強いなんてっ! しょせんは 甘ちゃんのポンコツ勇者じゃねえのかよぉ!」
「ちくしょおぉ!俺だって勇者の加護を得られてるんだ 負けるはずねぇ!うおおおおぉっ!」

こんな男にも勇者の加護とは世も末だな

男は剣を振りかざし 突撃していった瞬間

パキンッ

剣が折れた

「ひぃっ聖剣がぁ? はわわぁ」
怯えきった表情で尻餅をつく男にもジョンはゆっくりと近づく

「ウ〜 グルルルルルル」

ジョンは男に向かって飛びかかり 縦に高速回転しながら 男に突撃した

「うおおおぉ〜ん!」

ズドォ! と巨大な音と共に 男まで残り1mmの距離までに 長さ5m程の深い亀裂が走っていた

「はっはひぃ〜」
しょわぁ〜
男は失禁しながら失神した

ジョンはそんな男をみてフンッと鼻を鳴らす そしてこちらに振り返り満面よ笑顔でこちらに走ってきた

「わんわんっ♫」

「あぁ ジョン 怖かったよぉ うわぁ〜ん」
私はジョンを抱きしめる あぁジョンの臭いだ! ジョンの温もり ジョンの鼓動 あぁ落ち着く

「ごめんね ジョン 酷い事を言って ごめんね ごめんね 」

「きゅう〜 ハフハフ ペロペロペロペロ♪」
「もう ジョンったら!」

その後 私はジョンが助けてくれた安心感からか腰が抜け ジョンの背中に乗って帰った

「えへへ ジョンの背中あったかい♪」

「おんおんっ♪」


こうして街に着いたら バフォ様に思いっきり叱られた
サバトや街のみんなで捜索隊を作り 私達を探してくれていたようだ
ごめんなさい 心配かけて

そして、ようやく我が家に帰ってくる事ができた

ポフンッと ベッドの上に腰掛ける

「ジョン 今日はすごく怖かったの だから一緒に寝よ♪」

「ワンワン♪」

「ペロッペロペロ ペロッペロペロ♪」

「きゃっ ジョン」

「ペロッペロペロ! ペロッペロペロ!」

「えへへ ジョン大好き♥」

「ペロッペロペロ ペロッペロペロ」

「もうっ ジョンったら やめてぇ♥」

「ペロッペロペロ ペロッペロペロ」

「あっ はぁん いやぁん♥ジョン? ジョン?」

「ペロッペロペロ! ペロッペロペロ」

「ダメだよぉ♥ ジョン そんなっ… 舐めちゃぁ ああん♥」

ガバッ

「きゃぁ 」

「う〜 わぅ〜わぅ〜」

「どうしたの!? ジョン こ、怖いよ」

いつも優しい眼差しをしていたジョンの目は血走り 息も荒くとても興奮した様子だった


「わうぅ! 」
ブチリとジョンは私の衣服を 軽々しく噛みちぎった 私のまだ小ぶりな胸、未熟ながらスレンダーの褐色の肌が空気にさらされた

「きゃぁあ! ジョンどうしたの!? もしかして? 発情してるの?」

「う〜 わおわぉわぉーーーーん!!」

「あぁ でも嬉しい… 私…ジョンだったら… いいよ♥」

その言葉と同時に

「ワオーーーーーーーーーン!!」
「ハフハフ ペロペロペロペロ」
ジョンが私の胸を舐める 夢中になって乳首を舐めてる 体に痺れるような快感が広がってくる
敏感は胸の先端もこれでもかと言うくらい主張しはじめた

あぁん そんなに舐めちゃ 発情しちゃうよぉ♥

「くっううぅうぅうぅぅぅん♥ ぁはぁ ジョン すごいよぉ ひゃああん♥」

「クンクン クンクンクンクンクンクン」
「あっダメだよぉ そんな臭いかいじゃ 恥ずかしぃっ よぉ〜♥」

ジョンが私のあそこのニオイを嗅いでくる ジョンの荒い息が私のあそこにあたって とってもムズムズしちゃう

やだぁそんなところニオイ嗅いじ バレちゃうよぉ 発情してるのバレちゃうよぉ

そして、ジョンはひとしきり嗅ぎ終わったあと顔をあげて、

笑った

フレーメン反応!? 犬にあったっけ?
でも ばれちゃったよぉ 発情ばれちゃったよぉ ♥
でもぉ発情した私をもっと見てぇ♥

私は 四つん這いになり お尻を高く上げ 尻尾をピンッと立ちあげ、己の発情を愛しい雄に見せつけた

「くぅん くぅん♥ジョン きてぇ…」
お尻を振って トロトロの雌をジョンに見せつける

「う〜〜 おお〜んっ!」

ジョンはすぐさま私に飛びかかり 私の腰をがっしりと掴み

ジョンの雄を私の雌に突き入れた

ミチッ

微かな痛み その後にじわじわと湧き上がる快感と 圧倒的な幸福感

「あっはぁぁあああん♥」

ぁぁあ すごい嬉しい 嬉しいよ私のジョンの雌に、番いになれたんだぁ

「はっふぅ ワフゥわうぅわうううぅ〜」

ジョンはそのまま激しく私のお尻に腰をガッツンガッツン 荒々しく野生的に振ってくる

「あんっ やぁ あぁ あおぉ わおおぉ わおおぉおぉぉおん♥」

やぁぁん すごいよぉ ジョンのが私の奥をつく度に 体の芯まで貫かれてるような快感がぁ
やぁ 自然と 私もケダモノみたいな声がでちゃうよぉ

「わうわう はぁはぁはぁ ワオーーーーーーーーーン」

「わうぅ あおぉお わおぉん あうぅつぅ あーぅ ううぅうぅうん くぅん くぁぁぁあぁぁん♥」

どぴゅー どくどくどく

ひゃあぁ わたしのなかに じょんの せーし せーしがぁぁ うれしぃ もっともっとせーし こども じょんの こどもほしぃ じょんのめすに めすけだものに たねつけしてぇぇ


「「わおぉぉぉーーーーーーーーん」」






次の日

「ふうやれやれ やっとジョンの治療法ができたのじゃ」

「まったく ヌイめ羨ましい奴じゃ 雄からあんなに番いだとアピールされるなんて魔物娘冥利に 尽きるのじゃ 全く羨ましいのじゃ」

「おーい ヌイよ! おるかのぅ」

ドンドン

「おらぬのかのぅ しかし鍵が開いてるのじゃ … 嫌な予感がするのじゃ… ヌイよ 入るぞー」

ガチャリ

パンパンパンパンパンパンパン

「あぉ あお あぉん わおぉん♥ わぁおおおおおおん♥ あおぉんあぉおおおおおお♥」


バタン


「また こんなオチか!!!」



「ファラオになんて説明したらいいのじゃ…」



四つん這いアヌビス〜四つん這い夫婦〜

14/08/10 14:52更新 /

■作者メッセージ
皆さんは魔物娘を犬の様にペロペロと舐めまわしたい そう思った事はありませんか?
私はございます。えぇ


登場人物紹介

ヌイ
アヌビス 14〜15くらい おっぱい小さい あるピラミッドでファラオに仕えている まだまだ若いアヌビス しかし成績は他のアヌビスより優秀で ファラオが色々学んで欲しいと親魔物領へ送ったが 雌犬になりました(野生化)
「わぉんわぉん」

ジョン
勇者 27〜28くらい かつては信念を貫き弱きを助ける 強さと優しさを兼ね揃えた真の勇者であったが 魔物を逃がした罪により 改造され人格を失う しかしケダモノに落ちてもその優しさは失われることはなかった
高い身体能力と魔術耐性をもつ
人間の時から早朝から修業をしていた 今では二人で朝の早くから四つん這いで散歩をしているようだ
必殺技は抜刀牙的ななにか

魔物狩り達
このあと美味しく頂かれました


地名

四つん這いの街
かつては教団圏内の城塞都市だった 星の力(龍脈)が溢れた土地でその力で結界を張り 旧時代から何百年もの間 魔物の侵攻を防いできた、が自分から攻めていったら速攻で堕ちた
ちゃんと街の名前はあるが あまり知られてなく四つん這いの街と言うと「あ〜」っとなる
今ではドSのご主人様とドMの魔物達が仲良くくらす親魔物領となった 基本的にオープンで誰でもいれちゃう 実際 反魔物領の工作員が何人も潜入したが 戻った者は誰一人いない
魔物達が四つん這いですぐに攻め落とせそうな気がするが 元軍属が多く 見た目と違って恐ろしいまでの戦闘力を持っている ご主人様に刃を向けるものに四つん這いは容赦はしない
あと、みんなやりたい放題してるので、じきに魔界する
特産品はタケリダケ

関連作品
タケリダケパニック
四つん這いオーガ
四つん這いリリム
四つん這い河童 など


100倍濃縮タケリダケ(商品名タケリX)
教団の最終兵器…だった 飲むと通常のタケリダケの効果に 魔物娘を見つける、捕らえる、犯すと言った身体能力が高まる お互い相性がいい魔物娘を狙う習性を持つようになる
さらには魔物娘達の特殊能力 魅了 暗示 淫毒 魔界銀製の武器での攻撃等を受けると効果が倍増し、 驚いて抵抗した魔物娘をさらに激しく犯してしまう
もちろん元はタケリダケなので、夫持ちや 想い人がいる魔物娘には効かないし、魔物娘が“本気”で怖がったり、泣いたりするとすぐやめる ピタッとやめる
なので、タケリダケパニックの時 全員ノリノリだった

とある親魔物領
かつてリリムのシャルロッテが治めていた 普通の魔物娘達が集まる普通の明緑魔界
タケリダケパニックにより、軍の100%が雌豚奴隷化、また領主のシャルロッテまで雌豚になったので 街は少々ばたついている
もちろん四つん這いの街とは姉妹都市で色々交流が行われている

関連作品
ある召使いの反逆
リッチ博士の秘密の箱
闇の中で


また街の設定とかもちょくちょく書いていこうかと思います

次回、ドリルモール様の設定をお借りして不思議の国を書きます!

ここまで読んでくださいましてありがとうございます!

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