連載小説
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2月 節分
「いやぁー、今年の豆まきも凄まじかったねぇ」

「そうですね。まさかあんなどんでん返しがあるなんて思いませんでしたから。それよりもすいません旦那様、お荷物を持たせてしまって」

お昼を過ぎた頃に俺達二人は両手に大量の野菜を持ってやっと家路についた。今日は町内で年に数回はある野菜の特売会が行われており彼女と供に買い出しに出掛けたのである。そして、今日が節分でもあったせいであろうか、それを見たさに人口密度が今年は異常に高かった。

さて、たかが節分何故に観客がいるのかと思われるかもしれない。最初は俺もそうだったもん仕方ないよね。だけど見ると面白い位の人気行事なのだ。
何をやるかというと鬼に扮した未婚の男性がこれまた未婚の魔物娘に豆を当てられるといった至って単純な物。そして開始と同時に鬼が逃げる。勿論、全力だ。魔物娘はというと見定めた鬼を追いかけて豆を投げる。当たったらその鬼は面を取り魔物娘の夫として迎えられる訳なのだ。しかし最近は恋路を邪魔する者が居たりする。そうなったら仕方なく重婚で事を抑えたりもする。

「さてと、俺は野菜をしまってくるから。お茶でも飲んでゆっくりしてな・・・・豆?」

気が付くと足元には町内で見た豆が転がっていた。顔を上げると彼女が俺に目掛けて豆を投げているのが目に写る。一瞬混乱で思考が止まってしまったが直ぐ様理解した。

「あぁ、俺は君に豆を当てられてしまったのだな。こうなったら仕方がない」

そう言うと野菜をほったらかしにし、彼女を連れて布団に連れていった。これから裏をやるために。裏とは節分で得られた鬼を懲らしめるために少しばかり説教と称した性行為を行うこ事で、いつ頃始まったのかは知らないが続けられているのだ。



「・・・・結構やっちゃたけど大丈夫?今日の夕食は俺が作るかい?」

「大丈夫です。これしきの事で音をあげているようじゃ旦那様の彼女は務まりませんから」

行為を終えて俺等は再び居間でゆったりとした時間をすぎしている。勿論買ってきた野菜は冷蔵庫にしまっておいたから問題はない。

「・・旦那様、来年は家のなかで二人で節分を致しましょ❤」

そう言って彼女は俺にキスをして微笑んだ。




〜おまけ〜

『以上を持ちまして、近隣ニュースをお伝えいたしました。続きまして最近、流行りだした豆まきプレイというのが行われているようですが、注意事項として1つ。それは自分の年齢の数だけの行為を行うのは危険ですので、絶対に止めましょう』
16/02/04 01:18更新 / kirisaki
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■作者メッセージ
お疲れ様です。
日にちずれてしまいましたが書きました。

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