ユウシャスレイヤー！
ピンポーン
「どちらさまですか？」
突然の訪問者にあわてて玄関へとやってきた人物、サトウ＝クンはインターホンの受話器を取る。
ノーディスプレイタイプのインターホンからは訪問者の声が聞こえるのみ。
『こんにちは。サトウ＝クン』
「スズキ＝サン？ 一体どうしたの？ というかよくうちの住所知ってたね」
インターホンの向こうから聞こえてきたのは学校のクラスメイト、スズキ＝サンの声だ。
サトウ＝クンとは出席番号が近いこともあり、実験や実習では一緒に活動することも多い女子である。
しかしそれはあくまで学校内での話。雑談やプライベートな話もしないではないが、学校外で会ったことはいまだかつてない。
そのスズキ＝サンが家の玄関の向こうに立っているのだ。この不思議をいぶかしみながらサトウ＝クンは扉を開けた。
「えへ、来ちゃった」
「スズキ＝サン・・・？」
サトウ＝クンはスズキ＝サンの様子にいつもと違うなんかを感じた。
スズキ＝サンはクラスの中でもけして目立つほうではない。
サトウ＝クンから見てもおとなしく、ともすれば地味という印象を与える女子である。
しかしいま目の前でにこやかに笑っているスズキ＝サンは、いつもと同じ制服姿ではあるものの、どこか人の目を惹きつけるアトモスフィアを漂わせているのだ。
学校のことで相談があるという彼女をサトウ＝クンは自室へと案内した。
スズキ＝サンは物珍しそうに部屋の中を見回している。
「ご家族の方は？」
「今日は親が泊まりで出かけちゃって。そういえばスズキ＝サンは休みなのに制服なんだね。なにか学校に用事でもあったの？」
「ふうん、そうなんだ♪ ・・・え、制服？ ちょっと私変わっちゃったから、もしかしたらサトウ＝クンわからないかもと思って。でも、そんな心配いらなかったね」
いつもと同じはずなのに、どこかオイランめいた色気を感じさせる声。
その言葉をいぶかしみ、サトウ＝クンはじっと彼女を見つめる。
サトウ＝クンの脳はその時やっと事態を理解した。
「アイエッ！？ サキュバス！？ スズキ＝サン、サキュバスナンデ！？」
大きめの髪飾りかと思ったそれは未発達ながらも凶悪さを秘めた角。
背後に見えるのはまだ色素の薄い灰色であるもののまごう事なき翼と尻尾。
そう、彼女スズキ＝サンはあからさまにサキュバスなのだ！
「もう、我慢ができないの！ イヤーッ！」
「アバーッ！？」
体を砲弾と化してサトウ＝クンに体当たりしたスズキ＝サン。二人はそのままひと塊の物体となって２ｍほど飛翔したのち、サトウ＝クンのベッドへとテイクダウンした。
「ちょっと待って、いきなりこんなのおかしいよ！」
「大丈夫、一緒におかしくなろ？ ずっとずっと、どこでもどこまでも一緒に・・・」
サトウ＝クンの抗議に聞く耳を持たないスズキ＝サン。
「サトウ＝クン、サトウ＝クン、サトウ＝クン・・・」
サトウ＝クンを抱きしめながら恍惚の表情を浮かべるスズキ＝サン。
いくら魔物になりたてのニュービーサキュバスでも、力で人間に負けることはけしてない。
「お願いだから、落ち着いてよ！」
ドクンッ
そのときサトウ＝クンの体に今まで感じたこともない力が沸いてくるのを感じた。
＊ ＊ ＊
ニュービーサキュバス・スズキ＝サンは困惑していた。
ついさっきまで、全てがうまくいっていた。
一向に距離の縮まらないクラスメイトのサトウ＝クンとの関係に疲れたスズキ＝サンは、義姉のサキュバスに無理に頼み込んで得た魔物の体とともに、休日のサトウ＝クン宅へ強襲をかけ、彼をベッドへ押し倒すことに成功したのだった。
しかし愛する男を魔物の力で押さえつけ、今まさに誓いのマリッジ・セップンをしようとしたその時、下になったサトウ＝クンは信じられない力を発揮し、彼女の拘束を振りほどいたのだ。
いくら魔物になりたてのニュービーサキュバスでも、力で普通の人間に負けることなどありえない。一体なにが起こったのか一瞬あっけにとられるスズキ＝サン。
しかしニュービーといえど魔物の本能が、サトウ＝クンの中に力強く渦巻くものをすばやく、そして敏感に察知する！
感じるのはまさしくユウシャのソウル！
「アイエエ！？ ユウシャ！？ サトウ＝クン、ユウシャナンデ！？」
突然のユウシャソウル憑依にニュービーサキュバスは声を上げて驚嘆！
ユウシャとは古来より魔物にとっての天敵！
旧時代に実在したと言われる伝説上のユウシャ“ドラゴンスレイヤー・トロノコ”は、たった一人で何百、何千もの魔物を殺害したといわれている！
もしサトウ＝クンに降りたソウルが旧時代のレジェンド級ユウシャとなれば、スズキ＝サンの命は、ロウソク・ビフォア・ザ・ウィンドの故事のごとく瞬時にかき消されてしまうだろう！
サトウ＝クンの虚ろなまなざしがスズキ＝サンを捉える。スズキ＝サンはその暗い瞳に射すくめられ動くことができない。
「・・・るべし。・・・はない」
熱に浮かされたようなサトウ＝クンの手がスズキ＝サンに伸びる。アブナイ！
しかしその時
バターン！
いきなり部屋の扉が突風めいて開閉！
ある意味二人の世界に没入していたサトウ＝クンとスズキ＝サンは一瞬で我にかえり、ギョッとしてそちらを振り返った。何事か！？
「ドーモ、はじめましてユウシャ＝サン。ユウシャスレイヤー４６４３号、エキドナです」
「「アイエエ！？ エキドナ！？ エキドナナンデ！？」」
突然の闖入者にニュービーサキュバスとニュービーユウシャはそろって声をあげた。
「私のソウルが囁くのです。“ユウシャ、愛すべし”と。そしてあなたはユウシャ、私は献身的です」
求婚者のエントリーだ！
「イヤーッ！」
全身を使ったスプリングめいた跳躍！
ナムサン！ このままユウシャはエキドナに巻きつかれ、献身的かつ執拗な愛撫を受けて身動き取れぬまま前後されてしまうのか！
ガシャーン！
「グワーッ！」
いきなり窓が竜巻めいて爆発四散！
飛び込んできたなんかにぶつかってエキドナは全身を壁に強打！ 痛そう！
「ドーモ、はじめましてユウシャ＝サン。ユウシャスレイヤー８９３号、ドラゴンです」
「「アイエエエ！？ ドラゴン！？ ドラゴンナンデ！？」」
突然の闖入者にニュービーサキュバスとニュービーユウシャはそろって声をあげた。
「俺のソウルが叫ぶのだ。“ユウシャ、犯すべし”と。そしてお前はユウシャ。お前と世界を半分こ！」
求婚者のエントリーだ！
「イヤーッ！」
翼を使った高速飛行突撃！
ナムアミダブツ！ このままユウシャはドラゴンに押し倒されて、その巨大なヒップにしかれたままジンセイハカバへ直行してしまうのか！
シュバッ、ピカーッ！
「グワーッ！」
突如床に召喚めいて魔方陣が出現！
魔方陣から飛び出したなんかにぶつかりドラゴンは全身を天井に強打！ 痛そう！
「・・・ドーモ、はじめましてユウシャ＝サン。ユウシャスレイヤー０７２号、リリムです」
「「アイエッ！？ アイエエエッ！？ リリム！？ リリムナンデ！？」」
突然の闖入者にニュービーサキュバスとニュービーユウシャはそろって声をあげた。
「白きソウルが求めるのです。“ユウシャ、娶るべし”と。そして貴君はユウシャ。拒否は認めない」
求婚者のエントリーだ！
「ザッケンナコラー！」
「トサカにキマシタワー！」
伸びていたドラゴンとエキドナがユリヤクザスラングを叫んでリリムに向かい合う。サツバツ！
「ユウシャ、愛すべし！ イヤーッ！」
「ユウシャ、犯すべし！ イヤーッ！」
「ユウシャ、娶るべし・・・邪魔するものに、慈悲はない！ イヤーッ！イヤーッ！」
パシーン！パシーン！
「グワーッ！」
「グワーッ！」
飛びかかって来たエキドナとドラゴンを稲光めいた平手打ちで迎撃！
「顔を叩くなんてアンマリデスワー！」
「親父にもぶたれたことないのにー！」
頬に真っ赤なモミジをつけたエキドナとドラゴンは、泣きながらしめやかに退散！
指をパチンと鳴らし部屋を元通りにすると、一人残った闖入者、ユウシャスレイヤー０７２号・リリム＝サンはサトウ＝クンに向き直り赤く目を光らせた。
「ユウシャ、娶るべし。拒否は、認めない」
先の二人とは対照的にゆっくりとした足取りで近寄るリリム＝サン。
足取りと共にゆれる胸は豊満であった。
アワレ！ このままサトウ＝クンは洗脳めいた誘惑により、誓いのマリッジ・セップンをしてしまうのか！？
「寝取り、ダメ、ゼッタイ！」
その時！ 果敢にもユウシャスレイヤー０７２号の前に立ちふさがる影が一つ！
さきほどから闖入者があらわれる度にサトウ＝クンの手を握ったりハグしたり押し付けたりとタイヘン・アザトイなアッピールーを繰り返していたニュービーサキュバス・スズキ＝サンだ！
しかし、ああ無謀！
リリム＝サンはニュービーサキュバスが勝てるような相手ではない！ ナムサン！
「ユウシャ、娶るべし。邪魔するものに、慈悲はない！ イィヤヤヤーッ！」
パシーンパシーンパシーン！
「ンアーッ！」
スズキ＝サンの頬と胸を襲うローリングサンダーめいた連続平手打ち！
スズキ＝サンは生まれて初めて顔を叩かれたショックと両胸を襲うスゴイ・カイカンに包まれ、放心して崩れ落ちた。
ナムアミダブツ！
「スズキ＝サン！」
これでサトウ＝クンを守るものは何もない。読者諸君はこの後に訪れる猥雑しかないエクストリーム前後に胸をときめかせていることだろう！
しかし。おお、だが見よ！
サトウ＝クンの周りに白いもやもやしたなんかが集まってくる！
「ぬう、なんというユウシャ・チカラ！」
目を見張り足を止めるリリム＝サン。
サトウ＝クンのユウシャ・チカラが滝をのぼるウナギのごとく上昇していくのが感じられる！
「バカな！ ユウシャ・チカラ二万だと！？ 万越えなどパパ以外に・・・まだ上がるのか！？」
さらに上がり続けるユウシャ・チカラに驚愕するリリム＝サン。
「二万千、二万千五百、二万二せ・・・ヘアッ！？メガーッ！」
急激に濃度をましたユウシャ・チカラによりサトウ＝クンはバルスめいた発光！
「ヘアーッ！ 目が、パパ、メガ、メガーッ！」
光を直視してしまったリリム＝サンは七転び八起き！
発光が弱まり、金色の炎に包まれてギュインギュインと大気を震わせているサトウ＝クンは、床でビクンビクンと苦しげに痙攣しているスズキ＝サンを優しく抱き上げると自分のベッドへ寝かせた。スズキ＝サンは薄く目を開けて目の前の人物を認めると、安心したように意識を手放すのだった。
サトウ＝クンは厳かなアトモスフィアをまとってリリム＝サンに振り返ると、静かに、しかし決断的な口調で告げた。
「弱者、守るべし。種族・所属に、差別はない！」
ゴウランガ、ゴウランガ！
今のサトウ＝クンはもはやニュービーユウシャではない！ 彼に降りたユウシャ・ソウルが横暴なリリム＝サンの所業に完全覚醒したのだ！
「ユウシャ、娶るべし！ 拒否は、認めない・・・！」
しかしそこで諦めるようならばユウシャスレイヤーとは呼ばれない！
リリム＝サンは豊満な胸元からオモチめいた合成タブレットを取り出し、一口に咀嚼する。
「うゥ、マズーイ！」
実際合成タブレットはすこぶる不味い。口の中に広がるまったりとしたほろ甘い味に頭を震わせつつ嚥下する。
しかしこのオモチめいたタブレットがマリキを急速充填するには最適の完全食であることは周知の事実。
この強敵とやりあうに際し、マリキはいくらあっても足りるということはない！
「セップン、ユビワ、・・・そしてセップン」
精神を集中して血中マリキを爆発させる。
地力で負けると判断したリリム＝サンは短期決戦をしかける気だ！
「・・・コン！」
リリム＝サンは左手を前に突き出し掌を上へ、
「・・・イン！」
リリム＝サンは右手を頭の横に構え掌を外へ。
おお！ これぞ古代テンペスト・タワー図書館に神代より伝わる、カポエイラ・カラテの構え！
気合と共に揺れる胸は豊満だ！
「イヤーッ！」
リリム＝サンの足元が爆発し、ロケットめいてサトウ＝クンに飛びかかる！
その突進速度はエキドナ＝サンやドラゴン＝サンよりもすさまじい！
「弱者、守るべし。イヤーッ！」
迎え撃つサトウ＝クン！
ＣＲＡＡＡＡＳＨ！！
白いなんかや粉塵が舞い、あたり一面真っ白でなにも見えない！
一体勝負の行方はどうなったのか！？
静かになった白いもやの向こうでは一体どんな猥雑が行われているのか！？
豊満な胸を押し付けられつつハグアンドキッスの抱きつき騎乗位で陥落せられているのか！？
あるいは強大なユウシャ・チカラにより抱きすくめられたリリム＝サンは魔物の力を発揮できずにキスアンド押し倒しからの種付けプレスせられているのか！？
おお！もやが晴れてきた！ どちらが上になっているのか？ それが重点！
「グワーッ！」
ああ！ しかし、なんと！ 飛び込んできたのはあまりにも恐ろしい光景！
読者諸氏は強い心と寛大な精神を持ってこの先を読み進めていただきたい！
（ちょっと休憩な）
（再開ドスエ）
「グワーッ！」
ああ！ しかし、なんと！ 飛び込んできたのはあまりにも恐ろしい光景！
読者諸氏は強い心と寛大な精神を持ってこの先を読み進めていただきたい！
もやの向こう、そこでは情け容赦のないサトウ＝クンのグー・パンチが、リリム＝サンの顔面にクリーンヒットしているではないか！ 痛い！
「アバッ、アババーッ！」
ああ、私はこれ以上描写を続けていいものか！？
顔面中央の呼吸孔からとめどなく赤い液体を垂れ流しながらリリム＝サンが床の上をのたうち回る！
左右に転げるたびに白く艶かしい足がサトウ＝クンを誘うように開閉される。ヒワイ！
これぞリリム種にそなわるユニーク＝ジツ、ナチュラルボーン・キラーズ！
サキュバスの使うチャーム・ジツを上まわる、回復不能のノウサツ・ジツだ！
転んでもただでは起きないユウシャスレイヤーの執念を感じさせる攻防！
しかしサトウ＝クンはそれをものともせずリリム＝サンの首根っこをつかむと魔方陣の中へ放り投げた。
そして何事かマントラを唱えると、白い閃光と共にリリム＝サンも魔方陣も、跡形もなく消え去った。
あとに残されたのはサトウ＝クンと気を失ったスズキ＝サンのみ。
サトウ＝クンはベッドの上のスズキ＝サンの元にひざまずき、
「・・・」
寂しげだが満足気な、そして穏やかな微笑みを残して崩れ落ちた。
＊ ＊ ＊
あれからどのくらいたったのだろう。既に日は沈みかけ、部屋を赤く照らしている。
先に目を覚ましたのはスズキ＝サンだ。
ベッドの脇ではサトウ＝クンが気を失って倒れている。
もはやユウシャのソウルは感じられない。急激な覚醒によりユウシャ・チカラを使い果たしたのか、それとも。
動かないサトウ＝クンを案じてスズキ＝サンの手が彼の肩に触れる。その手から温かさが伝わる。
サトウ＝クンが目を覚ます。まぶたが開いていき、瞳にスズキ＝サンの姿が映し出される。
はじめは朧な輪郭だが、やがてその顔がはっきりと像を結び・・・
これ以上の描写はヤボ・テンであろう。
ブッディズムの聖典『カルマ・スートラ』にも書いてある。
“人の恋路を邪魔するやつは、ケンタウロスがケリ・キック”と。
それでは我々はしめやかに退散するとしよう。
みなさんサラバ！ オタッシャデー！
＊＊＊ おまけ ＊＊＊
「ひどい目にあったわ。まさか一人で触手の森の奥まで飛ばされるとは」
疲労の色を隠せないリリムが、サトウ＝クンの家に戻ったのは間もなく夜も明けようという頃だった。
「お前か・・・遅かったな」
そのリリムに声をかけたのは誰あろう、つい数時間前に拳を交わした女、ユウシャスレイヤー８９３号・ドラゴンだった。
「・・・」
そしてその隣には同じく４６４３号・エキドナの姿があった。
うつむいたエキドナの様子と、ドラゴンの苦々しい表情から、リリムはなにか決定的な事態が起こったことを理解した。
二人の見つめる先には、ベッドの上で穏やかな寝息を立てるサキュバスと、その手を握ったまま隣で寝ている男の姿があった。
「あの男はもうユウシャじゃない。もはや何の価値もない」
ドラゴンは眠るサトウ＝クンを見てそう吐き捨てた。
「グス、ユウシャじゃなくても、夫がほしい・・・彼氏がほしい・・・恋人が・・・」
エキドナはべそべそとつぶやいた。
「フン！」
ドラゴンはそんなエキドナをひどく苛立たしそうに見下ろした。
「・・・」
リリムは無言で足もとを見た。
「ガンバルゾー!」
リリムは腕を振り上げ叫んだ。
二人はリリムを見た。
「ガンバルゾー!」
リリムは腕を振り上げ叫んだ。
二人はリリムを見た。
「ガンバルゾー！」
リリムは腕を振り上げ叫んだ。
「ガ、ガンバルゾー！」
エキドナは鼻声で叫んだ。
「・・・」
ドラゴンは二人を見た。
「ガンバルゾー！」
リリムは叫んだ。
「ガンバルゾー！」
エキドナは叫んだ。
「・・・ガンバルゾ」
ドラゴンは呟いた。
「ガンバルゾー！」
リリムは叫んだ。
「ガンバルゾー！」
エキドナは叫んだ。
「ガンバルゾー！」
ドラゴンは叫んだ。
「ガンバルゾー！」
リリムは叫んだ。
「ガンバルゾー！」
エキドナは叫んだ。
「ガンバルゾー！」
ドラゴンは叫んだ。
「ガンバルゾー！」
リリムは叫んだ。
「ガンバルゾー！」
エキドナは叫んだ。
「ガンバルゾー！」
ドラゴンは叫んだ。
聞け、ユウシャたちよ。夜空に響き渡るこの禍々しくも悲しいチャントを。
「ガンバルゾー！」「ガンバルゾー！」「ガンバルゾー！」
いつかお前たちの前に彼女たちが現れるだろう。
「ガンバルゾー！」「ガンバルゾー！」「ガンバルゾー！」
「ガンバルゾー！」「ガンバルゾー！」「ガンバルゾー！」
ユウシャ、愛すべし。
ユウシャ、犯すべし。
ユウシャ、娶るべし。
拒否は、
認めない。
「どちらさまですか？」
突然の訪問者にあわてて玄関へとやってきた人物、サトウ＝クンはインターホンの受話器を取る。
ノーディスプレイタイプのインターホンからは訪問者の声が聞こえるのみ。
『こんにちは。サトウ＝クン』
「スズキ＝サン？ 一体どうしたの？ というかよくうちの住所知ってたね」
インターホンの向こうから聞こえてきたのは学校のクラスメイト、スズキ＝サンの声だ。
サトウ＝クンとは出席番号が近いこともあり、実験や実習では一緒に活動することも多い女子である。
しかしそれはあくまで学校内での話。雑談やプライベートな話もしないではないが、学校外で会ったことはいまだかつてない。
そのスズキ＝サンが家の玄関の向こうに立っているのだ。この不思議をいぶかしみながらサトウ＝クンは扉を開けた。
「えへ、来ちゃった」
「スズキ＝サン・・・？」
サトウ＝クンはスズキ＝サンの様子にいつもと違うなんかを感じた。
スズキ＝サンはクラスの中でもけして目立つほうではない。
サトウ＝クンから見てもおとなしく、ともすれば地味という印象を与える女子である。
しかしいま目の前でにこやかに笑っているスズキ＝サンは、いつもと同じ制服姿ではあるものの、どこか人の目を惹きつけるアトモスフィアを漂わせているのだ。
学校のことで相談があるという彼女をサトウ＝クンは自室へと案内した。
スズキ＝サンは物珍しそうに部屋の中を見回している。
「ご家族の方は？」
「今日は親が泊まりで出かけちゃって。そういえばスズキ＝サンは休みなのに制服なんだね。なにか学校に用事でもあったの？」
「ふうん、そうなんだ♪ ・・・え、制服？ ちょっと私変わっちゃったから、もしかしたらサトウ＝クンわからないかもと思って。でも、そんな心配いらなかったね」
いつもと同じはずなのに、どこかオイランめいた色気を感じさせる声。
その言葉をいぶかしみ、サトウ＝クンはじっと彼女を見つめる。
サトウ＝クンの脳はその時やっと事態を理解した。
「アイエッ！？ サキュバス！？ スズキ＝サン、サキュバスナンデ！？」
大きめの髪飾りかと思ったそれは未発達ながらも凶悪さを秘めた角。
背後に見えるのはまだ色素の薄い灰色であるもののまごう事なき翼と尻尾。
そう、彼女スズキ＝サンはあからさまにサキュバスなのだ！
「もう、我慢ができないの！ イヤーッ！」
「アバーッ！？」
体を砲弾と化してサトウ＝クンに体当たりしたスズキ＝サン。二人はそのままひと塊の物体となって２ｍほど飛翔したのち、サトウ＝クンのベッドへとテイクダウンした。
「ちょっと待って、いきなりこんなのおかしいよ！」
「大丈夫、一緒におかしくなろ？ ずっとずっと、どこでもどこまでも一緒に・・・」
サトウ＝クンの抗議に聞く耳を持たないスズキ＝サン。
「サトウ＝クン、サトウ＝クン、サトウ＝クン・・・」
サトウ＝クンを抱きしめながら恍惚の表情を浮かべるスズキ＝サン。
いくら魔物になりたてのニュービーサキュバスでも、力で人間に負けることはけしてない。
「お願いだから、落ち着いてよ！」
ドクンッ
そのときサトウ＝クンの体に今まで感じたこともない力が沸いてくるのを感じた。
＊ ＊ ＊
ニュービーサキュバス・スズキ＝サンは困惑していた。
ついさっきまで、全てがうまくいっていた。
一向に距離の縮まらないクラスメイトのサトウ＝クンとの関係に疲れたスズキ＝サンは、義姉のサキュバスに無理に頼み込んで得た魔物の体とともに、休日のサトウ＝クン宅へ強襲をかけ、彼をベッドへ押し倒すことに成功したのだった。
しかし愛する男を魔物の力で押さえつけ、今まさに誓いのマリッジ・セップンをしようとしたその時、下になったサトウ＝クンは信じられない力を発揮し、彼女の拘束を振りほどいたのだ。
いくら魔物になりたてのニュービーサキュバスでも、力で普通の人間に負けることなどありえない。一体なにが起こったのか一瞬あっけにとられるスズキ＝サン。
しかしニュービーといえど魔物の本能が、サトウ＝クンの中に力強く渦巻くものをすばやく、そして敏感に察知する！
感じるのはまさしくユウシャのソウル！
「アイエエ！？ ユウシャ！？ サトウ＝クン、ユウシャナンデ！？」
突然のユウシャソウル憑依にニュービーサキュバスは声を上げて驚嘆！
ユウシャとは古来より魔物にとっての天敵！
旧時代に実在したと言われる伝説上のユウシャ“ドラゴンスレイヤー・トロノコ”は、たった一人で何百、何千もの魔物を殺害したといわれている！
もしサトウ＝クンに降りたソウルが旧時代のレジェンド級ユウシャとなれば、スズキ＝サンの命は、ロウソク・ビフォア・ザ・ウィンドの故事のごとく瞬時にかき消されてしまうだろう！
サトウ＝クンの虚ろなまなざしがスズキ＝サンを捉える。スズキ＝サンはその暗い瞳に射すくめられ動くことができない。
「・・・るべし。・・・はない」
熱に浮かされたようなサトウ＝クンの手がスズキ＝サンに伸びる。アブナイ！
しかしその時
バターン！
いきなり部屋の扉が突風めいて開閉！
ある意味二人の世界に没入していたサトウ＝クンとスズキ＝サンは一瞬で我にかえり、ギョッとしてそちらを振り返った。何事か！？
「ドーモ、はじめましてユウシャ＝サン。ユウシャスレイヤー４６４３号、エキドナです」
「「アイエエ！？ エキドナ！？ エキドナナンデ！？」」
突然の闖入者にニュービーサキュバスとニュービーユウシャはそろって声をあげた。
「私のソウルが囁くのです。“ユウシャ、愛すべし”と。そしてあなたはユウシャ、私は献身的です」
求婚者のエントリーだ！
「イヤーッ！」
全身を使ったスプリングめいた跳躍！
ナムサン！ このままユウシャはエキドナに巻きつかれ、献身的かつ執拗な愛撫を受けて身動き取れぬまま前後されてしまうのか！
ガシャーン！
「グワーッ！」
いきなり窓が竜巻めいて爆発四散！
飛び込んできたなんかにぶつかってエキドナは全身を壁に強打！ 痛そう！
「ドーモ、はじめましてユウシャ＝サン。ユウシャスレイヤー８９３号、ドラゴンです」
「「アイエエエ！？ ドラゴン！？ ドラゴンナンデ！？」」
突然の闖入者にニュービーサキュバスとニュービーユウシャはそろって声をあげた。
「俺のソウルが叫ぶのだ。“ユウシャ、犯すべし”と。そしてお前はユウシャ。お前と世界を半分こ！」
求婚者のエントリーだ！
「イヤーッ！」
翼を使った高速飛行突撃！
ナムアミダブツ！ このままユウシャはドラゴンに押し倒されて、その巨大なヒップにしかれたままジンセイハカバへ直行してしまうのか！
シュバッ、ピカーッ！
「グワーッ！」
突如床に召喚めいて魔方陣が出現！
魔方陣から飛び出したなんかにぶつかりドラゴンは全身を天井に強打！ 痛そう！
「・・・ドーモ、はじめましてユウシャ＝サン。ユウシャスレイヤー０７２号、リリムです」
「「アイエッ！？ アイエエエッ！？ リリム！？ リリムナンデ！？」」
突然の闖入者にニュービーサキュバスとニュービーユウシャはそろって声をあげた。
「白きソウルが求めるのです。“ユウシャ、娶るべし”と。そして貴君はユウシャ。拒否は認めない」
求婚者のエントリーだ！
「ザッケンナコラー！」
「トサカにキマシタワー！」
伸びていたドラゴンとエキドナがユリヤクザスラングを叫んでリリムに向かい合う。サツバツ！
「ユウシャ、愛すべし！ イヤーッ！」
「ユウシャ、犯すべし！ イヤーッ！」
「ユウシャ、娶るべし・・・邪魔するものに、慈悲はない！ イヤーッ！イヤーッ！」
パシーン！パシーン！
「グワーッ！」
「グワーッ！」
飛びかかって来たエキドナとドラゴンを稲光めいた平手打ちで迎撃！
「顔を叩くなんてアンマリデスワー！」
「親父にもぶたれたことないのにー！」
頬に真っ赤なモミジをつけたエキドナとドラゴンは、泣きながらしめやかに退散！
指をパチンと鳴らし部屋を元通りにすると、一人残った闖入者、ユウシャスレイヤー０７２号・リリム＝サンはサトウ＝クンに向き直り赤く目を光らせた。
「ユウシャ、娶るべし。拒否は、認めない」
先の二人とは対照的にゆっくりとした足取りで近寄るリリム＝サン。
足取りと共にゆれる胸は豊満であった。
アワレ！ このままサトウ＝クンは洗脳めいた誘惑により、誓いのマリッジ・セップンをしてしまうのか！？
「寝取り、ダメ、ゼッタイ！」
その時！ 果敢にもユウシャスレイヤー０７２号の前に立ちふさがる影が一つ！
さきほどから闖入者があらわれる度にサトウ＝クンの手を握ったりハグしたり押し付けたりとタイヘン・アザトイなアッピールーを繰り返していたニュービーサキュバス・スズキ＝サンだ！
しかし、ああ無謀！
リリム＝サンはニュービーサキュバスが勝てるような相手ではない！ ナムサン！
「ユウシャ、娶るべし。邪魔するものに、慈悲はない！ イィヤヤヤーッ！」
パシーンパシーンパシーン！
「ンアーッ！」
スズキ＝サンの頬と胸を襲うローリングサンダーめいた連続平手打ち！
スズキ＝サンは生まれて初めて顔を叩かれたショックと両胸を襲うスゴイ・カイカンに包まれ、放心して崩れ落ちた。
ナムアミダブツ！
「スズキ＝サン！」
これでサトウ＝クンを守るものは何もない。読者諸君はこの後に訪れる猥雑しかないエクストリーム前後に胸をときめかせていることだろう！
しかし。おお、だが見よ！
サトウ＝クンの周りに白いもやもやしたなんかが集まってくる！
「ぬう、なんというユウシャ・チカラ！」
目を見張り足を止めるリリム＝サン。
サトウ＝クンのユウシャ・チカラが滝をのぼるウナギのごとく上昇していくのが感じられる！
「バカな！ ユウシャ・チカラ二万だと！？ 万越えなどパパ以外に・・・まだ上がるのか！？」
さらに上がり続けるユウシャ・チカラに驚愕するリリム＝サン。
「二万千、二万千五百、二万二せ・・・ヘアッ！？メガーッ！」
急激に濃度をましたユウシャ・チカラによりサトウ＝クンはバルスめいた発光！
「ヘアーッ！ 目が、パパ、メガ、メガーッ！」
光を直視してしまったリリム＝サンは七転び八起き！
発光が弱まり、金色の炎に包まれてギュインギュインと大気を震わせているサトウ＝クンは、床でビクンビクンと苦しげに痙攣しているスズキ＝サンを優しく抱き上げると自分のベッドへ寝かせた。スズキ＝サンは薄く目を開けて目の前の人物を認めると、安心したように意識を手放すのだった。
サトウ＝クンは厳かなアトモスフィアをまとってリリム＝サンに振り返ると、静かに、しかし決断的な口調で告げた。
「弱者、守るべし。種族・所属に、差別はない！」
ゴウランガ、ゴウランガ！
今のサトウ＝クンはもはやニュービーユウシャではない！ 彼に降りたユウシャ・ソウルが横暴なリリム＝サンの所業に完全覚醒したのだ！
「ユウシャ、娶るべし！ 拒否は、認めない・・・！」
しかしそこで諦めるようならばユウシャスレイヤーとは呼ばれない！
リリム＝サンは豊満な胸元からオモチめいた合成タブレットを取り出し、一口に咀嚼する。
「うゥ、マズーイ！」
実際合成タブレットはすこぶる不味い。口の中に広がるまったりとしたほろ甘い味に頭を震わせつつ嚥下する。
しかしこのオモチめいたタブレットがマリキを急速充填するには最適の完全食であることは周知の事実。
この強敵とやりあうに際し、マリキはいくらあっても足りるということはない！
「セップン、ユビワ、・・・そしてセップン」
精神を集中して血中マリキを爆発させる。
地力で負けると判断したリリム＝サンは短期決戦をしかける気だ！
「・・・コン！」
リリム＝サンは左手を前に突き出し掌を上へ、
「・・・イン！」
リリム＝サンは右手を頭の横に構え掌を外へ。
おお！ これぞ古代テンペスト・タワー図書館に神代より伝わる、カポエイラ・カラテの構え！
気合と共に揺れる胸は豊満だ！
「イヤーッ！」
リリム＝サンの足元が爆発し、ロケットめいてサトウ＝クンに飛びかかる！
その突進速度はエキドナ＝サンやドラゴン＝サンよりもすさまじい！
「弱者、守るべし。イヤーッ！」
迎え撃つサトウ＝クン！
ＣＲＡＡＡＡＳＨ！！
白いなんかや粉塵が舞い、あたり一面真っ白でなにも見えない！
一体勝負の行方はどうなったのか！？
静かになった白いもやの向こうでは一体どんな猥雑が行われているのか！？
豊満な胸を押し付けられつつハグアンドキッスの抱きつき騎乗位で陥落せられているのか！？
あるいは強大なユウシャ・チカラにより抱きすくめられたリリム＝サンは魔物の力を発揮できずにキスアンド押し倒しからの種付けプレスせられているのか！？
おお！もやが晴れてきた！ どちらが上になっているのか？ それが重点！
「グワーッ！」
ああ！ しかし、なんと！ 飛び込んできたのはあまりにも恐ろしい光景！
読者諸氏は強い心と寛大な精神を持ってこの先を読み進めていただきたい！
（ちょっと休憩な）
（再開ドスエ）
「グワーッ！」
ああ！ しかし、なんと！ 飛び込んできたのはあまりにも恐ろしい光景！
読者諸氏は強い心と寛大な精神を持ってこの先を読み進めていただきたい！
もやの向こう、そこでは情け容赦のないサトウ＝クンのグー・パンチが、リリム＝サンの顔面にクリーンヒットしているではないか！ 痛い！
「アバッ、アババーッ！」
ああ、私はこれ以上描写を続けていいものか！？
顔面中央の呼吸孔からとめどなく赤い液体を垂れ流しながらリリム＝サンが床の上をのたうち回る！
左右に転げるたびに白く艶かしい足がサトウ＝クンを誘うように開閉される。ヒワイ！
これぞリリム種にそなわるユニーク＝ジツ、ナチュラルボーン・キラーズ！
サキュバスの使うチャーム・ジツを上まわる、回復不能のノウサツ・ジツだ！
転んでもただでは起きないユウシャスレイヤーの執念を感じさせる攻防！
しかしサトウ＝クンはそれをものともせずリリム＝サンの首根っこをつかむと魔方陣の中へ放り投げた。
そして何事かマントラを唱えると、白い閃光と共にリリム＝サンも魔方陣も、跡形もなく消え去った。
あとに残されたのはサトウ＝クンと気を失ったスズキ＝サンのみ。
サトウ＝クンはベッドの上のスズキ＝サンの元にひざまずき、
「・・・」
寂しげだが満足気な、そして穏やかな微笑みを残して崩れ落ちた。
＊ ＊ ＊
あれからどのくらいたったのだろう。既に日は沈みかけ、部屋を赤く照らしている。
先に目を覚ましたのはスズキ＝サンだ。
ベッドの脇ではサトウ＝クンが気を失って倒れている。
もはやユウシャのソウルは感じられない。急激な覚醒によりユウシャ・チカラを使い果たしたのか、それとも。
動かないサトウ＝クンを案じてスズキ＝サンの手が彼の肩に触れる。その手から温かさが伝わる。
サトウ＝クンが目を覚ます。まぶたが開いていき、瞳にスズキ＝サンの姿が映し出される。
はじめは朧な輪郭だが、やがてその顔がはっきりと像を結び・・・
これ以上の描写はヤボ・テンであろう。
ブッディズムの聖典『カルマ・スートラ』にも書いてある。
“人の恋路を邪魔するやつは、ケンタウロスがケリ・キック”と。
それでは我々はしめやかに退散するとしよう。
みなさんサラバ！ オタッシャデー！
＊＊＊ おまけ ＊＊＊
「ひどい目にあったわ。まさか一人で触手の森の奥まで飛ばされるとは」
疲労の色を隠せないリリムが、サトウ＝クンの家に戻ったのは間もなく夜も明けようという頃だった。
「お前か・・・遅かったな」
そのリリムに声をかけたのは誰あろう、つい数時間前に拳を交わした女、ユウシャスレイヤー８９３号・ドラゴンだった。
「・・・」
そしてその隣には同じく４６４３号・エキドナの姿があった。
うつむいたエキドナの様子と、ドラゴンの苦々しい表情から、リリムはなにか決定的な事態が起こったことを理解した。
二人の見つめる先には、ベッドの上で穏やかな寝息を立てるサキュバスと、その手を握ったまま隣で寝ている男の姿があった。
「あの男はもうユウシャじゃない。もはや何の価値もない」
ドラゴンは眠るサトウ＝クンを見てそう吐き捨てた。
「グス、ユウシャじゃなくても、夫がほしい・・・彼氏がほしい・・・恋人が・・・」
エキドナはべそべそとつぶやいた。
「フン！」
ドラゴンはそんなエキドナをひどく苛立たしそうに見下ろした。
「・・・」
リリムは無言で足もとを見た。
「ガンバルゾー!」
リリムは腕を振り上げ叫んだ。
二人はリリムを見た。
「ガンバルゾー!」
リリムは腕を振り上げ叫んだ。
二人はリリムを見た。
「ガンバルゾー！」
リリムは腕を振り上げ叫んだ。
「ガ、ガンバルゾー！」
エキドナは鼻声で叫んだ。
「・・・」
ドラゴンは二人を見た。
「ガンバルゾー！」
リリムは叫んだ。
「ガンバルゾー！」
エキドナは叫んだ。
「・・・ガンバルゾ」
ドラゴンは呟いた。
「ガンバルゾー！」
リリムは叫んだ。
「ガンバルゾー！」
エキドナは叫んだ。
「ガンバルゾー！」
ドラゴンは叫んだ。
「ガンバルゾー！」
リリムは叫んだ。
「ガンバルゾー！」
エキドナは叫んだ。
「ガンバルゾー！」
ドラゴンは叫んだ。
「ガンバルゾー！」
リリムは叫んだ。
「ガンバルゾー！」
エキドナは叫んだ。
「ガンバルゾー！」
ドラゴンは叫んだ。
聞け、ユウシャたちよ。夜空に響き渡るこの禍々しくも悲しいチャントを。
「ガンバルゾー！」「ガンバルゾー！」「ガンバルゾー！」
いつかお前たちの前に彼女たちが現れるだろう。
「ガンバルゾー！」「ガンバルゾー！」「ガンバルゾー！」
「ガンバルゾー！」「ガンバルゾー！」「ガンバルゾー！」
ユウシャ、愛すべし。
ユウシャ、犯すべし。
ユウシャ、娶るべし。
拒否は、
認めない。
18/04/07 22:46更新 / なげっぱなしヘルマン