読切小説
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尻尾の肥やしにされる話
「ははは、でっけぇ尻尾だな!
しかもブヨブヨ。」

「や、やめてください…」

分かってる。分かってるんだ…
こんなの間違ってるって…
でも…こうでもしないと君に話しかけられない。

「嫌だね、イジめるのが楽しいからな」

こんなことしてたら、
きっと嫌われてしまう。

でも…毎日話しかけたい…




「や…やめてください…」

私は知っている…
彼が私に好意を持っていることを…
知っている。

このことを、彼は知らない。
脆弱な人間は私たちサキュバスが
読心術を標準装備しているとは露にも知らないだろう…
彼は無知ゆえに、私のような
陰キャで淫キャな出来損ないの
ダメダメ喪女淫魔に
ちょっかいをかけてしまった。

淫魔にとって
「尻尾が大きい」というのは
最大級の褒め言葉であり、
「貴方の大きな尻尾が大好きです。」と
半ば告白しているようなもので…

私は、出来損ないで仲間内でも
「尻尾が小さい」とバカにされ続けてきた。
そのせいで引っ込み思案になってしまった。
そんな陰キャ淫魔に対して
「尻尾が大きい」と言えば…
しかも、特大の好意を魔法を通して
伝えてくれば…

どうなるかは火を見るより明らかで…

「やめてください…
(胸が張り裂けそうで…
心音が貴方に聞こえてしまいます。
お恥ずかしい…♡)」

尻尾は言うことを聞かず怒張してしまう。
このオスを食え、食ってしまえと
本能が叫ぶ。

でも…私みたいな出来損ないが…



放課後、チャイムが鳴る。
茜色の夕日差し込む教室には
2人の生徒がいた。


「けっ…なんでお前みたいな陰キャと
掃除当番なんて…」

うおおお!ラッキーだ…
まさか、今日に限って
一緒に遅刻してくるなんて…

でも…喋るきっかけもないし…



「も…申し訳ございません…」

昨夜は捗りすぎてしまったせいで
遅刻してしまいましたが…
まさか、一緒に掃除当番だなんて…

ふふ…彼も喜んでくれているようで…
嬉しいですわ…


「尻尾が大きすぎて、掃除の邪魔なんだよ!
もういいから、ちりとり持ってこい!」

「は、はい…分かりました」

ああ、またお褒めのお言葉を…♡
しかも、私に気を遣わせないように
お仕事の肩代わりまで…

お母様が夫婦とは苦楽を共にするものだ
と教えてくださいましたが…
心地よいものですわ…


「も、持ってきました…きゃっ」

あ痛たた…転んでしまった。
し、しまった彼を下敷きに…


「お、重てぇんだよ!早くどけよ!
でっけぇ胸で息ができねえんだよ!」

早くどかないと…む、胸が…顔も近い…
ううぅ…美人すぎる。
まつ毛長…目が可愛い…肌も白くて
う…動かない…


「……」


「は、早く…」

甘い匂いが直に…
勃起してるのバレちゃう、まずい。


「聞こえてんのか!?おい!」


「…………」



「い、嫌です…♡」


「は…?なにを…?ふざけたこt」


「だ、黙れこの下等種族め…♡
黙らないと尻尾の肥やしにするぞ…♡

ふふひい…♡こんな拘束すら
抜け出せないんだ…♡
誘い受けにも程があるでしょ…♡」


「え…なにを…?淫魔さん…?」

え、なんで?やばい、やばい、逃げないt


「きひひぃ…♡怯えた顔エッロ…♡
劣等種のくせに誘惑スキル高すぎでしょ…
もう一生抱き潰し決定ね。
結婚しよっか…ね…?はい決定。
まずは尻尾の中で洗脳レイプだよ…♡
しっぽの匂い覚えたら、出してあげる…♡」


「ひ…!尻尾が…」


「お家に帰ったら、ゆっくり子供の名前
考えようね…♡パ・パ…♡」


ーーーーーーーーーーーーーー


「先生また明日。ごきげんよう。」


「はい、さようなら…」

ん…?

あの子の尻尾、
あんなに太かったっけ…?

22/01/11 01:40更新 / 星清華

■作者メッセージ
ご心配を…おかけしました…。
生存報告のためのSSなので多少雑ですが…
今年もドロッドロの湿り気たっぷりのSSを投稿しますね。

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