連載小説
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PM 7:00
 さて……アレはなんとか作れたし、そろそろ晩御飯の用意をしないとな。



「〜♪ 〜♪」

 背中の目で料理本を見ながら、鍋を用意する。
 かぼちゃを使うのは久しぶりだから、下ごしらえの仕方も調べないと。
 ……ふんふん、中のこれを取って、スープだから皮も全部剥けばいいわけか。
 あんまり得意じゃないんだよな、皮むき。今回はケガしないといいけど。
 でもようやく前のキズも治ったんだ、今日こそ失敗しないように……。
 そうだ、ついでにサラダの分も切っとくか。
 
 
 次は……げ、玉ねぎ。やだなあ、コイツを切ってるとなんでかもう目が痛くて痛くて……。
 アタシにとっちゃ天敵みたいなモンだけど、幸いそんなに使わないみたいだし、ガマンするしかない。
 ううう、切るだけなのにどうしてこんなに目が染みるんだよっ!
 
 
 ……ぐすっ、ぐすん。涙のせいでえらく時間が掛かっちまった。
 さて、次は玉ねぎを炒めてと。
 えーと、バター、バター……あれ?これってマーガリンだっけ? ま、多分合ってるだろ。
 鍋で玉ねぎ炒めつつ本を見て、調味料の量を確かめて。
 分量は適当でも……いや、計量カップとかちゃんと使った方がいいって、あいつにも言われたっけ。
 みりりっとる〜とかぐらむ〜なんて単位、あたしの生活じゃ使わなかったからなぁ。
 カレーと違って大さっぱには作れないから、失敗しないように気を付けないと。
 ……あ、ちょっと牛乳入れすぎたかな。いいや、少し飲んじまおう。

 んー? 生クリームを入れるとよりおいしく……か。
 っていっても、そんなの買ってなかったしな。
 ……。く、クリームの代わりに、あたしのあそこにあるアレを入れたら……どうなるかな?
 い、いやいや、ダメだ。もし変な味にでもなったらどーする。
 ……け、けど、チョコにだって、や、やっちゃったし……大丈夫、だよな……?




 気を取り直して、鍋を煮込んでる間に鶏肉のソテーを作る。
 下味をつけておいた肉を取り出して、余計な部分を少し切り落としておく。
 フライパンに油を引いて肉を並べると、じゅーっと良い音が鳴った。
 そして肉の上にアルミホイルを敷いて、使ってない鍋を載せておく。
 料理本の内容によれば、これをすると鶏肉は上手く焼けるらしい。
 ただ火の勢いも調節しないといけないみたいだから、なかなか難しいな……

 十五分ほどでひっくり返して、両面とも焼けたら油を切って取り出す。
 そんで鶏肉を包丁でざくっと切って……っと! 危ない危ない、手ぇ切るとこだった……。

「〜♪」

 どうやら今日の料理は上手くいきそうだ。
 ……ししっ、あいつの驚く顔が目に浮かぶなあ。
15/02/14 01:16更新 / しおやき
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