連載小説
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その後の話
リリちゃんとの契約には魔力生成業務を行う限り衣食住を保証するとあった。
最初私はあちこちの異世界から人を集めていて予算とか大丈夫なの? と疑問に思った。
でもそんなしないで疑問は解消した。

異次元を作ることで土地はいくらでも増える。
華美な衣装を求める人がほとんどいないから、生産性最重視で大量に作れる。
食についても男の人がインキュバスになってしまえば食べる必要なんてない。
(っていうか食事の暇があるならエロいことするので誰も食べない)

私達に支給された小さめの一軒家。
その表札には、

ハヨ・モゲロ。
イマ・モゲヨ。
スグ・モグネ。

と三つの名前が書かれている。


私達はこの世界に来てから毎日毎日、この家で休みを取らず働いているのだ。


「んっ…モゲロ、くん……好き…」
モゲロくんがモゲヨとキスをする。
私はその光景にいまだ慣れず、モゲヨをはったおして入れ代わりたくなる。
でもこれは仕方ないことなのだ。

私とモゲヨがあまりに仲違いするのでモゲロくんが作ったルール。
それは彼が一回射精するごとに交代というもの。
私もモゲヨも納得はしていないけど、珍しくモゲロくんが強い口調で言ったから従っている。

「ね、モゲロくん。そろそろあたしに、入れて……」
ベッドに仰向けに寝たモゲヨが足を開いて彼を誘う。
するとモゲロくんは優しく足を開いてちんぽを挿入する。
「んっ……! モゲロくんのちんぽ……っ」
モゲヨの穴にズブズブ入り込んでいくモゲロくんのちんぽ。
ああ、あの穴が私のだったらいいのに。
「はぁ……っ。いつも通り、子宮に入れて…。赤ちゃんが喜ぶからっ……!」

見事に膨らんでいるモゲヨの腹。こいつは私とほぼ同時期に妊娠した。
最近では私とモゲヨ、どっちが先に彼の子供を産むかで微妙な争いがあったりする。
まあ、私としてはどっちでもいいから早く産まれてほしいなと思う。
モゲヨは嫌いだけどモゲロくんの子供は好きだから。たとえ私の血を引いてなくても。

「ん……お願い…ね。く……ぅっ!」
モゲヨは妊娠して以来、子宮の中までモゲロくんのちんぽを入れてセックスするようになった。
もちろん父親の精液がお腹の子に良いっていうのは私も知っている。
でも、それだったら射精する時に入れてもらえばいいんじゃない? って私は思う。
しかしモゲヨは必要無くても受け入れる。
膣のように子宮をモゲロくんのちんぽで引っかき回されることが快感なのだそうだ。
そんな彼女の子宮口はもうユルユルだろう。

「あ…入った……わ。また、吸い取ってあげる…っ」
ユルユルになったはずのこいつの子宮口だが、それで快感が減るというわけではないらしい。
子宮“口”の名の通り、器用に動かして体の奥深くでモゲロくんにフェラをしやがるのだこいつは。
当然対抗して私もやってみたけど全然できなかった。
モゲロくんは私を責めたりはしなかったけど、モグネさんはいつも通りでいいよと言った彼の笑顔が逆にしみた。

「んんっ! モゲロくんの、ちんぽっ…ゴリゴリして…るっ!
 気持ち、良いっ…? うん、嬉しいわ…。ねえ…そろそろ、飲ませてっ…!」
気持ち良いと答えたモゲロくんにモゲヨは血をねだる。
彼は頷くとあまり腹に体重がかからないように体を前に倒した。
モゲヨは腕をモゲロくんの背中に回してして抱きつき、首筋をペロリと舐める。
そしてサクッと歯で傷付け、溢れだす血を飲み始めた。
吸血するモゲヨの顔は蕩けていて本当に気持ち良さそうだ。

「んっ、ありがとう……。モゲロくんのちんぽ、いまビクビクってしたわね…もうすぐ、出すの?」
ヴァンパイアの吸血は吸われた方にも強い快感を与える。(モゲロくん談)
今の吸血でモゲロくんも快楽のボルテージが上がったみたい。
モゲヨの腹を歪ませながら何度も腰を打ちつけているから。
「くぅっ…モゲロ、くんっ…! あたしもイっちゃうから…出してっ!
 赤ちゃんに、飲ませてぇっ!」 
モゲヨがモゲロくんの腰に足を絡ませ、ぐっと押しつける。
「あっ、出てるっ! モゲロくんの精液っ…! もっと…ちょうだい!
 羊水の代わりに…赤ちゃんが、精液漬けになるぐらいっ……!」
傍から二人の交わりを見ている私は頭の中で冷静に突っ込む。
いや、無理だってそれ。
いくらインキュバスでも、一度で羊水と入れ替わるほどの精液は出せないし。
それに赤ちゃんに良いといっても、そこまでの過剰摂取は流石に悪影響がある……はず。

モゲロくんはしばらくモゲヨの子宮に射精していたけど、それが終わると彼女から抜いて横に転がった。
「ん……ぁ…。モゲロくぅん…大好き……。愛してる……」
モゲヨは精液と羊水を穴からこぼしながら喘いでいる。
目は天井を向いているけど焦点は合ってない。
そしてモゲロくんも賢者になっている。
……もう射精したんだから早く代わってくれないかな。

しばらくまどろんでいた二人だけど、モゲロくんは私の相手をしないといけないので身を起こす。
彼はモゲヨのベッドから降りて、私の方へやってくる。
けど、私は腰かけていた自分のベッドから立ち上がり、モゲロくんを壁際へ誘った。
そして壁に手をつき彼に尻を突き出す。

「今日は立ったままでしよ?」
いわゆる立ちバックってやつ。
ベッドに寝てヤるより腰が自由に動けるから、私はこれも好きなのだ。
モゲロくんは構わないと答えると私の腰を押さえて挿入してくれた。

「んっ……さっき出したばかりなのに、モゲロくんは元気だね……」
来たばっかの頃ならもう疲れ切って私が上に乗って動いただろう。
でも流石のインキュバス。今のモゲロくんは全然平気。
ずいぶん長太くなった彼のちんぽ。それが私の中に入っていく。
そして奥までたどり着いた瞬間。

パチュッ、と水の詰まった風船を針で割ったような感じがした。

「あ…え…? ……なに、これっ!」
結合部からボタボタこぼれる液体。
ぎゅっうと腹の中が搾られる感覚。

「モグネ! あなた破水してるじゃない!」
まどろんでいたモゲヨも私の異変に気付いて声をあげた。
それでようやく私は何が起きたのか把握した。

破水。
もうすぐ私は出産するのか。
昔母さんに聞いた話によると、出産は内臓を引き剥がすようなものでスゴイ痛いと言っていた。
でもいま私が味わっているのは快感。それと子供を産むことができるという生物としての達成感だ。

モゲヨの発した言葉に、モゲロくんが慌ててちんぽを抜く。
蓋がなくなったせいか、まんこから零れる液体の量が少し多くなった。

「え……! 抜いちゃうの!?」
抜かなければ胎児が出てこれないのは分かるけど、
おあずけを食らっていた私には彼のちんぽが無くなってしまうのは我慢できなかった。
えーと、何か、何か手はないの!? 
急いで頭を巡らせ、ピンと閃く私。

「ね…ねえ! 後ろ…! お尻があるよモゲロくん!」
片手を尻たぶに回し彼に開いて見せる。

アナルセックス。
普通の人間だったら色々準備が必要なんだろうけど、ずっと食べていない私たちの腸は綺麗なものだ。
それに突発的に言ったわけでもない。

以前モゲヨに子宮口フェラで差をつけられたと感じた私は、モゲロくんに尻を使ってもらうことを提案したのだ。
彼は少し躊躇ったけど私の熱意に折れて、尻の穴でもセックスしてくれるようになった。
そして魔物娘だからか、ちょっと使っただけで快感を得られるように変化した。
私の内臓はもう排泄器官ではなくモゲロくん専用のちんぽ穴だ。
まあ、こんな簡単なことはモゲヨにもできるからすぐ真似されたけど。

「お、お願いっ! きみとセックスしたいんだよっ! あ……、赤ちゃんがっ……!」
私がオネダリしている間も体は子供を産もうとする。
子宮が奥の方からグッ、グッと収縮して胎児の頭で内側から子宮口をこじ開ける。
「早く…早く入れてっ! モゲロくんのちんぽをっ…!」
何だかんだいって彼もセックスを中断したことには変わりない。
私自身の希望という大義名分を与えれば、彼もヤる気になってくれるだろう。

モゲロくんの親指二本が私の肛門に入ってグイッと拡げる。
そこに先っぽを突っ込めば、後は力任せに押し進むだけだ。
「くぅっ! 広が……るっ!」
けつまんこに入ったモゲロくんのちんぽ。
それは引き締まっている私の腸を拡張して壁との摩擦を生む。
普段ならそれでじゅうぶん気持ち良いんだけど、今は別の快感にまぎれてよく感じ取れない。

「ぐ……が、っ…! 太…いっ!」
まんこを進んでいく胎児。
あまりの大きさに私の膣がミチミチと音を立てて拡がっていく。
すべすべで柔らかい肌の赤ちゃんがまんこの中を押し通り、モゲロくんのちんぽと全く違う快楽を与える。
これが出産なのか。こんなに気持ち良いと病みつきになってしまいそうだ。
そんな感じで出産の快楽に溺れかけていた私だけど、背後からモゲロくんの苦しそうな声が聞こえた。

「も、モゲロ…くん? どうし…た、の…?」
モゲロくんは胎児にちんぽを押し潰されてちょっとキツイかも、と言った。

考えてみれば私の子供は周りの肉を押し退けて進んでいるのだ。
彼の太いちんぽに何の影響も与えないはずがない。

私はモゲロくんに不快な思いをさせたくはないので、辛いなら抜いていいよと言う。
しかし彼はそれを拒否した。
全く気持ち良くないわけではないし、なにより私が望んだからというのがその理由。

……嬉しい。
私とモゲロくんはお互いに相手の方を尊重したのだ。
これが心が通じて愛し合っていることの証明でなくてなんだというのか。

私がモゲロくんの愛を堪能していると、眺めていたモゲヨがバカにしてるような羨んでるような口調で告げた。
「…モグネ、今のあなたすごいわよ? ほら、見てごらんなさい」
私のベッド横にある姿見。モゲヨはそれを持ってきて今の私の姿を映す。

―――そこにいたのはとんでもない変態だった。

全裸で壁に手を付き踏ん張る少女。
その股間からは羊水がボタボタこぼれ落ち、胎児が頭を出そうとしている。
しかしその顔に産みの苦しみなどなく、ただ快楽に喘いでいるだけ。
出産中だというのに男とアナルセックスをして、もっと内臓をかき回して欲しいとねだっている。

あはは、こりゃホントにひどいや私。

鏡に映った姿はいまの私から見てもじゅうぶん変態の領域だ。
でもその姿に嫌悪感なんて微塵も感じない。
私とモゲロくんが気持ち良いのだ。変態になって何の問題があるんだろう。

「ねぇ、モゲロくんっ…! 私が、変態になったら、きみは嫌いになる……?」
彼がYESと言うなんて思ってない。
もし言ったら? そのときは彼も同じ変態に落とすだけだ。
そして優しいモゲロくんの返答は当然ながらNO。

「えへへ…嬉しいなぁ……変態の私も好きだなんて――――あっ!」
ついに外に出始めた胎児の頭部。
丸っこいその形はまるで私が卵を産んでいるようにも見えた。
「もっ、モゲロくん見てっ…! あたま、頭が出てるよっ!」
モゲヨが鏡を持ってきたおかげで、私にも産まれるところがよく見える。
肉の穴がこれでもかとばかりに広がり、子供が顔を出した。
「ひっ! 出てきてる…よっ……! 私のまんこから…モゲロくんの、赤ちゃん……っ!」
頭部は抜けたけど、残った胴体はまだまんこ肉に絡みついて快感を送り続けている。
でも私の股間からぶら下がっている頭の重さに引かれて、胴もゆっくり抜けてきた。
「あっ、あっ、もうでちゃう! きみの子供産んじゃうよっ!
 モゲロくんみてっ! わたしのまんこから赤ちゃんでるところみてぇっ!」
最後に息んだ瞬間、ズルリッと胴が抜ける感覚がして、ボテッと床に子供が落ちた。
私はその衝撃で膝の力が抜けてしまい、モゲロくんに体重を預けてしまう。
そして繋がってるちんぽに体重がかかったモゲロくんも床に尻もちをついてしまった。

「はひっ…、ひっ……産まれちゃった……」
床に転がっている子供。その腹から伸びているへその緒はまだ私の中に繋がったまま。
でも出産の余韻に浸っている私には、それをどうにかしようという気が起きなかった。
「あ……ごめん、気持ち良すぎて、力が抜けちゃっ……つ!」
私が謝罪の言葉を口にしようとしたら、尻の中で熱い物がはじける感覚。
それでモゲロくんが今やっと射精したんだと私は理解した。
「あっ、あああ…モゲロくんの精液っ……!」
アナルセックスの快感はろくに感じられなかったけど、
セックスしながら出産できたということに私は満足感を抱いた。

「……ちょっと、惚けてないでよ」
このまま親子三人で繋がっていたかった私だけど、モゲヨが口を出してきたので体を起こす。
「へその緒がまだ抜けてないわよ。早く切ってあげなさい」
そう言ってモゲヨが私にハサミを手渡す。
「あんたが私を手伝うなんて珍しいじゃない。どうしたのよ」
「別にあなたなんてどうでもいいわよ。モゲロくんの子供をちゃんと綺麗にしてあげなさいっていってるの」
なんという意見の一致。
私と同じく自分の子じゃなくても、モゲロくんの血が混ざっていれば可愛いようだ。

「はいはい、すぐやりますよ……んっ!」
残っていた胎盤を抜き出し、へその緒を切る。
モゲヨが持ってきたタオルで体をよくぬぐう。
……うん、綺麗になった。

「ほらモゲロくん、私達の子供だよ」
そして私は彼にそっと渡してあげた。


私に遅れて数日後、モゲヨも無事出産した。
しょっちゅう争っていた私達だけど、それ以来表だって衝突することはやめた。
お互い子供にいがみ合うところなんて見せたくないからね。

さて、今日もモゲロくんと愛し合って疲れた疲れた。
私とモゲヨはモゲロくんを中心に川の字になって眠る。(赤ちゃんはベビーベッドに寝かせてるよ)
モゲロくんの腕にギュッとしがみ付くと、彼は私を見てくれた。
セックスとは別の温かさが湧いてきて私はそれを言葉にする。

「モゲロくん…私、今すっごい幸せ……」
そう言うと彼も優しく微笑んでくれた。
私も微笑み返すと、抱きついた腕に頭を預けて目を閉じる。

―――ホント、私は幸せだ。
12/07/12 17:17更新 / 古い目覚まし
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■作者メッセージ
妄想が浮かばなくなったので、とりあえずこれで終わりとします。


ここまで読んでくださってありがとうございました。

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