読切小説
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百足の毒牙からは逃げられない
ちょうど季節が夏から秋へと変わる頃だ。
人間が住む集落より少しだけ離れた所に大きな山があった。
その山には未だ緑色の葉っぱが付いた木々が覆い茂り、それを見ればこの山は明るいという印象を受ける事だろう。
だが実際は、山の中に入れば薄暗く、じめっとした土が山の陰湿さを演出させていた。
人の手が施されていない、でこぼことした山道もまた陰湿さを演出させ、如何にもこの山は危ない所だと物語っていた。
そんな危ない山の道をそそくさと歩く一人の男がいた。




「う、うう・・・。気味悪い・・・。とっとと帰らねえとな」




体を少しだけ震わせた彼の名は六手(むて)。
歳は20代とまだ若い。
丸坊主の頭に、がっしりとした体格。
正に立派な青年であり、彼は竹で出来た大きなかごを背負っていた。
その中を見れば山菜がどっさりと積まれていた。
見ての通り彼は今、山菜を取った帰り道なのだ。



「っん・・・・・」



六手はまた空を見上げた。
山に入った時と変わらず、灰色の雲が太陽を隠し、どんよりとした雲空が広がっていた。
しかも雲色から見るに今にでも雨が降りそうだった。
生憎、六手は雨傘などを持ってきてなかった。
こうなれば急いで雨が降る前に山から下りなければならない。
ただ六手が山からすぐに降りようとしているのは、それだけが理由という訳ではなかったが。
というのも、この山は本来人間が、それも特に人間の男が入ってはいけない場所だったのだ。




「どうか、大百足にだけは出くわさないでくれよ・・・」




まるで神にでも祈るかの様に六手は声を漏らした。
―――『大百足』。
上半身は人間の女性で下半身がムカデの足となっている魔物。
その毒で獲物である男性を捉え、男性の全てを自分のものにするまで交わり続けるという恐ろしき魔物。
この山はその『大百足』の住処なのだ。
だからこそ、この山に人間が入るのは禁じられていたのだ。
だがそんな危険な魔物が住んでいる山の中で、何故六手が入ったのだろうか。
理由は簡単、この山はまだ荒らされていない山菜の穴場だったからだ。
大百足が住むという危険な山、と聞けば誰も入ろうとはしない。
だが逆を考えればまだ取られていない山菜が残っているはずだ。
そう考えた六手は意を決し、大百足の住む山の中に入ってみた。
山の中は地面がぬかるんでいて歩くのに一苦労したが、山菜が取れるのであればと六手は気にしなかった。
そして山の中を歩く事数分、六手の目に飛び込んできたのは山椒や銀杏などこの時期に取れる山菜が沢山実った光景だった。
それを見た六手は手を叩いて喜び、手当たり次第に山菜を取り尽くした。
そして気が付けばかご一杯に山菜を積んでいた。
これだけあれば大金を得られ、暫くは贅沢出来る。
好物の鮭だって沢山買えるはずだ。


「・・・けど帰りは、安全に行かねえとな・・・」


山から下りて元の村まで戻るまで気を抜いてはいけないのだ。
六手は辺りを警戒しながら山から降りていった。


六手がぬかるみに足を取られながらも歩くこと数分。


「んっ・・・?」

道の先にある、大きな樹の下に人影が一つあった事に気付いた六手。


(誰だ、あれは・・・?)


気になった六手は近づき、大きな樹近くまでやってくると。



「あっ・・・」
「あっ・・・・」




ほぼ同時に漏らした声だった。
その人影の正体は女だった。
薄い紫色の髪の毛で、腰まで届くほどに長い髪。
整った顔たちに、すらりとした鼻筋は確実に美人と言える。
人形の様な平坦で慎ましい体つき、綺麗な紫色の着物を着ていて、まるで大和撫子みたいな風貌だった。
その姿と言いその仕草と言い、正にか弱い乙女そのもので六手が思わず見とれてしまう程の美しさだった。
そして見れば、彼女の手には山道を歩く為の棒と雨笠があった。
どうやら旅の途中らしいが、たった一人でこんな薄暗い山中を歩くなど危険すぎる。
ここは魔物の住処であり、例え女であっても危険な事に変わりはない。
加えて明らかに気弱そうな顔で首をきょろきょろと動かしていたのだから、たまらず六手は彼女に声をかけた。


「おい、あんた。こんな所で何してんだ?」
「は、はい・・・!?」


予想通りのおどおどした乙女らしい小さな声。
鈴の様に透き通っていて、綺麗な声だった。
そして慌てふためく彼女の姿に、六手は大きい声で話しかけてしまったかと反省した。
「ああ、いや・・・。怖がらせるつもりはないんだ。ただ、なんでこんな所にいるのかって」
声の大きさを下げて、六手は再び問いかけた。
「はい・・・少々、道に迷ってしまいまして・・」
「ああ・・。ここは薄暗いから迷いやすいんだ。それに山道も荒れているからな。苦労しただろ?」
「はい、歩き疲れてクタクタになってしまい・・・。それで、ここで休憩を、と・・・」
「なるほどな。でもここは危ないぞ、何しろ危険な魔物の住処だからな。早く山を下りた方が良い」
「き、危険な魔物!?」
彼女は身を震わせて、如何にも怖がっている素振りを見せていた。
「ああ。女でも襲われたら大変だから早く山から・」







―――ポタッ
六手の額に雨粒の一滴が垂れ落ちた。




―――ポタッ、ポタッ
また雨粒が二滴程、六手の額に垂れ落ちた。
すると辺り一面に雨粒がパラパラと振ってきた。
次第に雨粒が降り注ぎ、辺りを濡らし始めた。
「あっちゃ・・。もう雨が降ってきたのか。弱ったな〜」
そう言い、六手は頭をかいた。
彼女の方は雨傘を持っていたから良いが、自分は雨傘など持ってはいない。
このままでは濡れてしまい、もしかすると風邪を引いてしまう事だろう。
「あ、あの・・・?」
そんな困り果てた六手に対し、彼女は声をかけてきた。
「ん、なんだ?」
「それでしたら、向こうに小屋がありましたので、あそこで雨宿りするのはどうでしょうか?」
その指先を少しだけ震わせながら彼女は告げた。
こんな所に小屋なんてあったかと六手は首を傾げたが、今は雨宿りしなければ風を引いてしまう。
「お、おう。そうだな。あんたも一緒に雨宿りしないか?」
「えっ? 私もですか?」
ひどく驚いた表情を見せた彼女。
「山の中歩いてクタクタなんだろ? それに、こんな雨の中で山道歩くのは危険だしな。雨が止むまであそこで休んでいけよ」
それはか弱い彼女を守らなければという『親切心』と『使命感』からだった。
別に彼女には雨笠を持っていたからそれを頭に被れば問題ないかも知れない。
だがここは山の中、そして魔物の住処だ。
もしもの時があったら気が気でならない。
だから六手はそう進めてきたのだ。

「で、では・・・。お言葉に甘えて・・・」

うやうやしく彼女は六手に向かって一礼をした。
その仕草に六手は完全に警戒心を解いていた。
そして心の何処かで思ってしまった。
――――全く無害で可愛らしい乙女である、と。





♢♢♢♢♢♢♢♢




「こちら・・・、です・・・」
彼女に案内され、小屋にたどり着いた六手。
小屋は意外にも真新しく、つい最近建てられたのではないかと疑ってしまう程だった。
中に入ると木板で敷き詰められた床が広がっていて、家具とかは一切置いてなかった。
これなら広々とくつろげるだろう。
六手は背負っていたかごを降ろし、居間へと入った。
続けて彼女も携えていた雨笠と棒を置くと、六手に続いて居間へと入った。
「ふうっ・・・・、疲れたな・・・」
一息付けた事に安堵した六手。
「そうですね」
オウム返しの様に女もまた返事をした。
「そういや、あんたの名前は?」
「はい、白樹(しろき)と申します・・・」
うやうやしく答えた彼女、もとい白樹に六手は声をかけた。
「そうか、白樹さんか。旅の途中だったのか?」
「はい。山を二つ超えた先にある都まで行く道中でした・・・」
それを聞いた六手は口を結んだ。
何しろたった一人でこんな山の中を歩いて、しかも山を二つ越えなければならないのだと言うのだ。
きっと並々ならぬ事情があるはずだ。
「何か、その・・・、事情でもあるのか・・・?」
「ええ、少々・・・」
彼女が口ごもった素振りを見せた。
どうやらよほどの事情らしい。
となれば追及すべきでないと六手は慌てて別の話題を振ろうと口を開けた。
「ああ、いや・・・。言いたくないなら無理に言わなくて良いんだ。ああ、俺も自己紹介しなくちゃな。俺は六手って言うんだ」
「六手、様」
「様付けは良いさ。何だかこそばゆい、しな」
「もしや、お気に召さないのですか?」
「いやいや、そうじゃない。それよりも大変だな、そこまで行くなんて・・・。白樹さんは逞しい人だな」
「逞しいなんて、とんでもございません。今時の女子に、これぐらいの。それにしても・・・」
すると白樹は潤んだ瞳で六手を見つめ直した。
「六手様は、お優しいのですね・・・」
「あ、ああ。まあな」
「・・・ここの人達はよそ者に対してあまり親切ではないと伺っておりますゆえ・・・」
うやうやしく、申し訳なさそうに白樹は告げた。
それに対して六手は気まずい表情をした。
何故ならそれは事実だったからだ。
「・・・・俺の村は魔物に対して嫌っている奴らがいっぱいいてな。それで皆よそ者には警戒するんだよ。もしかしたら人間に化けて近づいてくるかも知れないって」
六手の集落は魔物に対する偏見が未だに根強かった。
その為他から来た人間に対して、追い払うか相手にしないのがお決まりだった
ただ六手個人としては、余りにも警戒し過ぎるのではないかという疑問もあったが。
「でも、何上私に声をかけてくださったのですか?」
「それは・・・・心配だったに決まっているからだ。こんな山奥で女一人、見てみぬふりなんてできる訳ないだろ?」
さも当たり前のように答える六手。
そうだ。
よそ者を助けるなど決しておかしい事ではない。
困っている時はお互い様、旅は道連れ世は情け、というやつだ。
そう考えたら胸を張って言える。
彼女を助けた自分は間違ってない、と。
「やはり、お優しいのですね・・・!」
「いやいや照れるじゃねえかぁ・・・」
まんざらでもない顔をした六手。
この歳になって褒められたのは久しぶりで正直嬉しかったのだ。
「それで、その・・・。つかぬ事をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
「なんだ?」
「・・・・六手様は、魔物に対してどう思われますか?」
「えっ・・・?」
「やはり、六手様も魔物に対して快く思っていないのでしょうか?」
少し頭を抱えて六手は考え込んだ。
「・・・やっぱり警戒はするかもな・・・。村に住んでいれば、魔物は危険だって教わるからな・・・。魔物が独り身の男を連れ去って、そいつの姿を誰も見た事がないという話を聞かされたら、な・・・」
「そう、ですよね・・・」
「・・・でも、やっぱり良い魔物とかもいるんじゃないかって思うんだよ。ほら、人間の中にも悪人や善人がいるのと同じ、魔物の中にも善人とかがいるんじゃないかって。・・・ん? でも何でそんな事を聞くんだ?」
ああ、と白樹は声を漏らした。
「私の村は魔物に対して友好的ですので。魔物の方々は皆優しく、夫を得た者は献身的に尽くすと言われております。それで魔物に対して嫌っている方々がいると聞かされた時は、戸惑ってしまいまして・・・」
それであんな質問をしたのか、と六手は呟いた。
「でも安心しました。六手様は違う方だと知って・・・」
「違う方・・・?」
「はい。正しき目で物事を見られる方で、決して偏見を抱かない方だと・!」
急に白樹は口を閉ざし、目を見開いた。


「きゃあああああ!!」


次には白樹が悲鳴を挙げた。
それこそ恐るべきものを見てしまった際に発する絶体絶命とも言うべき悲鳴だ。
「どうした!?」
たまらず六手が声をかける。
「あ、ああああれ!?」
白樹が指さすその先に目を向けた六手。
「あれは・・・?」
部屋の隅でガサゴソと蠢く生き物が一匹。
手のひらに収まる程小さく、その脚は6本。
尻から糸を吐いていたその生き物は六手が良く知っている生き物だった。 
「ああ、蜘蛛か」
その生き物は小さな蜘蛛であった。
もしや魔物の大百足が出たのかと思っていた六手だが、ただ蜘蛛だと知った時は安堵の息を吐いた。
「い、いやぁ・・・!! そ、そんなっ・・・・!!」
だが安堵する六手とは逆に肩をブルブルと震わせ白樹は縮こまっていた。
確かに女である白樹にとって、蜘蛛は恐ろしい存在で悲鳴も挙げたくなるだろう。
「お、お願いします!! ど、どうかその蜘蛛を」
「お、お、おう。ちょっと待ってな。そのままじっとしていろ」
六手は指先を使って蜘蛛をつまむと、小屋の外へと持っていき、投げる様に放り投げた。
蜘蛛はかざかざと動いて、そのまま何処かへと行ってしまった。
それを確認した六手は白樹の方へと戻ってきた。
「ほら、もう安心だぞ」
「ああ!! なんと助かりました・・・!!」
白樹は感極まって、その瞳から涙を流していた。
そんな大げさな姿に六手は若干戸惑っていた。

(そんな、ただ蜘蛛を捕まえただけなのに・・・)

「私、その・・・蜘蛛が本当に、苦手でして・・・本当に、助かりました・・・!!」
「いやいや。それほどでもねえって・・・」
「いえいえ・・・。私にとって、蜘蛛は恐ろしいもので・・・。それこそ生死に関わるものでしたので・・・」
生死に関わるって、と六手は思わず口をこぼしそうになったが寸前でそれを飲み込んだ。
白樹にとってそれほど怖い蜘蛛なのだから、そんな事を言えば傷つけてしまうだろう
ここは素直に受け止めておこう。
「ああ。まあな・・・・」
照れくさそうに六手は髪をかいた。





♢♢♢♢♢♢♢♢





耳を澄ませば、未だ雨音が聞こえてくる。
小屋に避難してもう数十分くらい立つというのにまだ雨が止まない。
何ともしつこい雨だ、と六手は思っていた。

「んん・・・・」

体をぶるぶると震わせた六手。
外の雨が気温を下げたのか、もしくはここに来るまで濡れてしまっていたからか、少しだけ寒くなってきた。
火を起こして暖を取ろうかと思ったが、小屋には囲炉裏は無かったし、火打ち石とかの道具を持ってきていない。
されど寒いのは白樹も同じではないだろうか。
白樹の方にちらっと眼をやると、白樹は体を縮こまらせていた。
どうやら彼女もまた寒いのだろう。
これは不味いな、と呟いた六手は白樹の方へと近づいた。
「そうだ・・・体冷えてないか・・・? それなら着物を貸そうか?」
そう言い六手は上半身の着物を脱ごうと手を付けていた。
すると白樹は顔を真っ赤にして俯いた。
「あ、あの・・・その・・・・!!」
もじもじとしながら白樹は口ごもっていた。
「えっ・・・? もしかして匂いが嫌か・・・?」
「いえそんな事では・・・、ただ男の肌を見るなど私は・・・」
「は、肌を見る・・・?」
六手は暫く考えこんだ。
白樹が顔を真っ赤にし、男の肌を見たがらない。
更に顔を真っ赤にさせて俯いていた。
そこでようやく白樹が恥ずかしい気持ちになっている事に六手は気づいた。
「あ、あああ・・・!! ご、ごめんな!! そうだよな・・・。恥ずかしいよな、それ・・・」
大和撫子の見本とも言える白樹に対して、上半身裸を見せるなど、はしたない事ではないか。
だから彼女は顔を真っ赤にさせているのだ。
それに気づいた申し訳ない事をしたと六手は反省した。
「あ、はい・・・・。申し訳、ないです・・・・」
「いやいやいや。こっちが悪い・・・。気付けなくてすまねえ・・・。そうだよな、男の裸見るのは恥ずかしい・・・よな・・」
「いえ、こちらの言いたい事を察してくれましたので・・・。気遣い、ありがとうございます・・・」
こんなのが気遣いと言えるのだろうか、と六手は考えていた。
本当に気遣いが出来る奴は彼女の気持ちを考え、そっと包んで挙げられるはずだというのに、自分にはそれが出来ない。


(やっぱ俺って、女の気持ちが分からねえ男だな・・・)


「はあ・・・・・・」
六手は深いため息を吐いた。
「っ・・・・・・・・」
それを見た白樹は体を六手の方へとゆっくりと体を寄せると、肩と腕を、六手の型と腕へとくっ付けさせた。
人肌の温度が六手の体に伝わってきて、布団の中に潜っている以上の心地よさがあった。
「でも・・・これ、なら・・・恥ずかしい・・・、とは思いません・・・ね・・・」
そう言い顔を赤らめ、顔を俯かせている白樹。
恥ずかしいという証なのに敢えてそうしているのは白樹の気持ちを汲み取っての事なのか。
「あ、ああ・・・・・」
六手は無言でそれを受け入れていた。
外は雨の音が聞こえ、人肌の温度が伝わり、何とも不思議な空間を演出させていた。
ずっとこの時間が続いてくれれば良い。
そう思える程、六手は心地よかった。
「もっと、寄っても・・・構いませんか・・・?」
顔を俯かせながら六手は呟いた。
どうやら白樹もまた人肌の温度が心地よかったのだろう。
「ああ・・・、構わねえ、ぞ・・・・」
それを聞いた白樹は肩と腕だけでなく、今度は胴体の側足と太ももまでも六手の体へとくっ付けさせた。
そうなればより一層、人肌の温度が感じられる。
そして布越しであるが白樹の肌の柔らかさが伝わってくるのだ。
女とは無縁であった六手にとってその柔らかさは極上であった。
そこで六手は気づいた。
これはまさしく恋人との触れ合い、なのではないだろうか。
そう思ったら、少しだけ恥ずかしくなってきた。
「なんか・・・恥ずかしい、な・・・・」
「嫌、でしょうか・・・?」
「い、いや・・・これが一番、何だよな・・・うん、一番だ」
何せこんな体験は初めてだから、勝手とかが分からない。
だから拒絶とかしないで素直に受け入れよう、と六手は思った。





♢♢♢♢♢♢♢♢





白樹の温もりを感じる事、数分。
ふと白樹が口を開いた。
「そう言えば、この山には・・・凶暴な魔物が住んでいると言っておりました、よね? どんな魔物なのですか・・・?」
ああ、と六手は呟いた。
「それは、大百足って魔物なんだ。聞いた話だと、非常に凶暴で大きくて・・・。それに人間の、俺みたいな若い男が特に狙われるって噂なんだ・・・」
それを聞いた白樹は少しだけ俯かせた。

(そ、そうだよな・・・。白樹さんにとって、それは聞きたくない、よな・・・)

魔物に対して友好的な村に住んでいた白樹にとって、危険な魔物がいるという話を聞けばいい顔は出来ないだろう。
自分の台詞は胸を痛めるものだったか、と六手は後悔していた。
「・・・凶暴、な魔物ですか・・・・。それで、六手様はその魔物を見たのでしょうか・・・?」
「いや、見てねえけどよ・・・。そう聞かされたら、誰だって怖いものだって思う・・・だろ?」
「・・・ですけれど、百足には良い所もあるの・・・です」
白樹は六手の両目をじっと見つめた。
それも絶対に主張したいという、熱意ある目で。
「・・・百足には多くの足が・・・ありますよね? それで商売を営む方々から・・・・『客足が多い』という事で縁起物として・・・用いられているの、です・・・・。それに、百足は数多くの・・・・卵を産むという事で・・・その、『子孫繫栄』の象徴として、扱われるのです・・・」
『子孫繫栄』という単語だけうやうやしく告げた白樹。
「そ、それに・・・元々、魔物は夫に対して献身的ですし、支えてくれる良き妻として振る舞うのです。で、ですから・・・・その・・・」
「なるほど・・・百足ってそこまで悪い奴じゃないって言いたいんだな・・・」
「そ、そうです・・・。ですので・・・そんな凶暴な魔物じゃない、と思うの・・・です・・・」
六手は首を傾げ、考える素振りを見せた。
次には納得したかの様に首を振ると。
「まあ、白樹さんが言うのだから・・・。そこまで危険じゃないの、かもな」
大和撫子の見本とも言える彼女からの主張だ。
ならば信じよう。
彼女が言う、大百足は凶暴な魔物ではないという主張を。
「あ、ありがとう・・・ございます・・・・!!」
嬉しいと言わんばかりの笑みで白樹は六手にお辞儀した。
そんなに嬉しい事なのか、と六手は一瞬だけ思ったが、別に良いかと思い直した。





♢♢♢♢♢♢♢♢





それから数分。
六手と白樹は互いに体を寄せ合い、その温もりを感じていた。
相変わらず外では雨が降り注ぎ止む気配はない。
それなら今夜はここで寝るか、と六手は考えていた時だ。
「その・・・・。六手様は・・・好きな・・・女性とかいますか・・?」
ふと、白樹が口を開いた。
「好きな女性?」
「はい・・・。それこそ運命の、赤い糸で結ばれた許嫁の方とかいますでしょうか・・・?」
「そこまで重い関係な奴なんかいねえよ〜!! いたら困るしよぉ〜〜!!」
六手は笑いながら頭を振った。
こんな自分を好きになってくれる女子などいない。
自分は気が利かないし、女子の気持ちも分からない朴念仁だ。
きっと自分は生涯独身で居続ける事だろう。
六手はそう思っていた。



「そうですか・・・」



白樹は顔を近づけた。
それこそ白樹の吐息が六手の鼻に当たるまで。




「白、樹・・・さん・・・?」




一体何をするつもりなのか、と六手が聞こうとした、その時だ。












































「なら安心しました・・・♥」





















『ガブッ!!!』



一瞬、六手は何をされたのか分からなかった。
気が付けば、白樹が自身の首に噛みついたのだ。
それも本来、人間にはないはずの鋭い歯で。

「あぐっ・・・!! あ、ああっ・・・!?」

噛まれたと気づいた時には体の異変を感じた。
―――体が熱いのだ。
ただの熱さではない。
自身にある欲情や性欲といったモノが湧きあがってきて、それを満たしたいと騒いでいるのだ。
思わず下半身にあるイチモツが硬くなっていく。
気づけば着物越しで、イチモツが山の様にそそり立っていた。

(ん、んな馬鹿な!? 何だよこれ!?)



「ふ、ふふふっ・・・・」


白樹が笑った。
目を細め口元を引きつり、そして真っ白な鋭い歯を六手へと見せつけながら。


「ふっ、ふっははははっ〜〜〜〜♪ ふはっ、ははははっ〜〜〜〜!!!」


あの気弱で大人しく、大和撫子みたいな白樹が高笑いをした。
それはもう隠す必要はないと言わんばかりの勝利の笑いだった。


「どうですかぁ、私の愛毒は? 私を襲いたくて堪りませんよねぇ♥ 構いませんよぉ、私のお口をぐっちゃぐっちゃにしてもぉ!! お口だけでなく、おまんこを啜ってぐちゃぐちゃにしてもぉ♪」


白樹が淫乱な言葉を使い始めた。
その両目はギラギラと輝いていて、獲物を前に舌なめずりするかの様な目つきで六手を見つめていた。
「毒って、まさか?! お前は・・・!!」
六手は瞬時に悟った。
もしかして、彼女はこの山に住んでいるあいつなのか。
その答えは白樹自ら見せた。
「はい、そうですよ。人間ではこざいません・・・♪ 私は・・・」




『ゴキッ!! グググッ!! ゴキッ!! グギギギッ!!!!!』



音を立てながら白樹の体が変貌していく。
そのすらりとした両足がくっ付き、足の形が消えると、蛇の様に長くなっていく。
次に蛇の様に長くなったそれは、爬虫類を彷彿させる硬い皮膚となり、その両脇からは百足を彷彿させる様な歩肢が出てきた。
そして次には頭から触覚とも思える蔦みたいな物が対となって生えてきた。
更に肌を晒した全身には紫色の刺青が浮かび上がってきた。
まるで淫紋の様に刻まれた刺繡は何処となく背徳感を帯びていた。
そして変化が終われば、白樹の体は異形の姿と化していた。
「あっ・・・。あっ・・・・・」
白樹の変貌に六手は困惑し、声を漏らしていた。
あの清楚な姿から一転して、こんな異形な姿になろうとは。
その姿に六手はくぎ付けとなっていた。
蠱惑的な美しさであらゆる意味で見惚れてしまったのだ。
「ふう〜。人間に化けている時は窮屈で、二本足で歩かねばなりませんでしたが、練習すれば案外簡単に歩けるものですねぇ・・・」
そう言い白樹は胴体の、その百足の足を動かしていた。
カチカチと音を鳴らし、その胴体をくねくねと動かせばまるで誘っているかの様だ。
「お、お前は一体なんだ!?」
六手は信じられなかった。
いや、信じたくなかったのだ。
目の前で起きている出来後を。
だが無情にも白樹は真実を告げた。
「この姿を見てお気づきでしょう・・・? 私は魔物娘の『大百足』。この毒で夫となる殿方を捉え、虜にしてしまう魔物娘なのですよ♥」
そう言い白樹はその鋭い牙を六手へと見せつけていた。
『大百足』。
この山に住んでいると言われているあの『大百足』。
絶対に会ってはいけないあの『大百足』が、今目の前にいる。
その事実に六手はひたすら足を震わせていた。
「ん、んな馬鹿な!? だって『大百足』は人間とか化ける事は出来ないと思っていたのに・・・!!」
だから初めて白樹と会った時は人間の姿だから安心していたのだと六手は心の中でそう付け足した。
「何上人間に化けられないとお考えなのですかぁ・・・。こんな私とて変化の術は心得ております。・・・ですが、その術を持ってしても殿方を捕まえるのは難しかったです」
そう言い、白樹はその顔を六手の顔へと近づけた。
その瞳は潤んでいて、その表情は悲しみに満ちていた。
「あの山には危険な『大百足』が住んでいるから近づくな・・・。そんな噂が流れてしまって私は途方に暮れました。殿方が欲しいにも関わらず、山には誰も近づかない。かと言って人間に化けて山から降りてきても、顔を知らないよそ者は警戒されるのが道理ですし、この周辺は魔物に対して好意的ではない人達ばかり。もしや退魔士の手によって返り討ちにされるかも知れない・・・。となれば私は飢え死にも当然、ひたすら嘆くしかありませんでした。・・・ですが、これは好機だと考え直しました・・・」
そこで白樹は悲しみから一転して笑みを見せた。
嬉しくてたまらないという、喜びを表す笑みだ。
その目はうっとりとしていて、瞬き一つせず六手を見つめていた。
「誰も近づけない場所であるならば、まだ荒らされていない山菜が沢山取れる穴場、必ずや欲に目がくらんだ殿方が入ってくると・・・。そして遂にやって来たのが六手様、貴方なのです。そして六手様に警戒されぬ様、人間の姿をして、か弱い乙女を演じ、そしてこの小屋に誘い込みぃ、何気ない話をしてぇ・・・。蜘蛛に怯えるふりをしてぇ・・・。更に男の肌を見るのは恥ずかしいという振りをしてぇ・・・。そして大百足は凶暴ではない魔物だと言い反応を確かめてぇ・・・」
白樹のか細い右手が六手の頬を撫でた。
上の頬から下へと優しくなぞる。
その仕草は愛おしい存在に対してどう愛でようかという愛人の様な仕草であった。
そして白樹は口元を限界まで引きつり笑みを見せた。
「そこで六手様のお優しさを知りぃ、確信しましたぁ!! 六手様こそ私が求めていた獲物!! 一生離れ様のない運命の赤い糸で結ばれた雄である事を!! 私の全てを求めてくれるただ一人の男であるとぉ!! もう嬉しくて嬉しくて、嬉しくてたまりません!! あっははっはははは〜〜〜〜♥」 
高笑いを挙げる白樹の瞳には『狂気』があった。
死んでも離さない。
一生自分の物だという宣言をするかの様な、狂った姿だ。
その見た事が無い笑みと、例えようのない絶望に打ちひしがれ、六手はその顔を真っ青にさせていた。
一体自分を捕まえて、何をするつもりなのだろうか。
確か百足は捕食をする際、毒を獲物に対して注ぎ込み、弱らせた所でいただくというのを聞いた様な、聞いてない様な気がする。
それを思い出した六手はたまらず尋ねた。
「お・・・俺を喰うつもりなのか・・・? ど、毒を注いで弱らせた所で・・・」
「確かに毒を注いで、はあっていますが。・・・ああ、もしや六手様は私がこの口で貴方様を喰らおうとしているとお考えなのですね。ご安心ください、夫となる方の肉を食すなど考えただけでおぞましい事です・・・。そんな残酷な事、私には絶対に出来ませんよぉ・・・。しかし・・・別の意味では食べる、という点は合っていますねぇ♥ 私は、じっくりとねっとりと存分に交わるのが大好きなのですからぁ・・・♥」
夫、という単語を聞いた六手は悟った。
――――白樹は自分を夫として捕まえようとしていたのだ。
現に白樹は上目づかいで六手を見つめている。
更に頬を赤く染め、熱い息を吐いている。
そして口元は歪んだ笑みで、百足の尾ををフリフリと揺らしていた。
――――つまり、今の自分は獲物。
白樹に喰われようとしている獲物なのだ。
たまらず六手は逃げ出そうとしたが。
「んっ!?」
それよりも早く、白樹がその百足の胴体とその足を用いて六手の体へと巻き付いてきた。
蛇の様にぐるぐると巻き付き、更に四方八方から六手の体を包むように巻き付いて、隙間を一切作らんとばかりに密着した。
最後に白樹がその両手で六手の体を力強く抱きしめた。
「逃げ切れる訳ないじゃないですかぁ・・・♥ 六手様・・・。私と交わりましょう♪」
「ま、交わるなんて出来る訳ないだろ!? ま、魔物とは!?」
「あら? 六手様は戯れがお嫌いですかぁ? それとも初めて、で? でも安心してください。私が先導致しますからぁ♥」
待ってくれ、と六手は言おうとした。
だが白樹はその前に、その唇を六手の唇へと添えた。




『あむ、くちゅ♥ ああむ、ちゅ♥ ちゅぱっ♥』




初めての甘酸っぱい唾液の味。
そして初めて知った白樹の唇の触感に、六手の理性が吹き飛びそうだった。




『ず、じゅぶ♥ ずず、ずずうぅ〜〜♥』




そして次には唾液の啜り合いだ。
唾液の味が口いっぱいに広がり、思わず夢中になりそうだった。



『ぐ、ぐちゅ♥ ちゅ、じゅるぅ♥ じゅる♥』



更に白樹は舌を使って、六手の口内を舐めまわしてきた。
口内が蹂躙され、訳の分からない味でいっぱいになっていく。 
六手はただ耐えて、そして感じていた。



「ちゅ・・ぱぁ・・・♥」



白樹がその唇を六手の唇から離せば、虹色に輝く唾液の橋が出来上がる。

「あっ・・・、ああっ・・・」

紡ぐ言葉を忘れ、茫然としていた六手。

「うふふ・・・♥ もうへばってしまったのですかぁ? でもここから、ここからがお楽しみの時間なのですよぉ♥」

そう言い、白樹は六手の服を掴んだ。
手慣れた手つきで六手の服を脱がし、そして下半身にある褌を引きちぎる様に取り外す。
そうして現れるのは六手の、男としての象徴。
魔物娘であれば、誰しもが目を輝かせて注目する男のイチモツだ。

「きゃは♥ あひゃああ〜〜!! 見ちゃったぁ!! 六手様のイチモツっ!! おち んぽおちんぽおちんぽぉお!! なんて立派なんでしょうかぁあ〜〜〜!!! きゃははは〜〜〜〜♥」

狂乱の声を挙げながら、白樹は喜んでいた。
既に六手のイチモツは天へと向かってそそり立ち、脈打っていた。
亀頭の皮が剥がれ、射精させて欲しいと言わんばかりにピクピクとさせていた。

「ま、まままっ!! まずは舌ですよねぇ〜〜♥ 舌でぇ!!お口でぇ!! 柔らかいお口のおまんこでぇ!! おまんこお口でぇ♥ イかせて挙げますからねぇ〜〜!!」

もう六手しか見ていないと言わんばかりの目で、白樹は口をいっぱいに広げ、六手のイチモツをほうばった。

「は、はむむっ!! ぐ、ちゅじゅるうううう〜〜♥ れろおっ!! じゅ、じゅぶぶうっ!! ちゅ、ちゅうるううぅぅぅ〜〜〜♥」

顔をひょっとこ顔にし、一心不乱に六手のイチモツを吸い上げる様に刺激してくる白樹。
己の分身、それも亀頭辺りがむずむずしてきて思わず六手は声を挙げる。

「お、おおっ!? あ、あああっ!! ん、んはあっ!!」

六手が感じる姿を見た白樹は、イチモツをほうばった状態ながらも嬉しそうな笑みを浮かべていた。

「ひゃ、ひゃは!! ひゃんじて、おられるのですねぇ♥ ひゃんじているのですねぇ〜〜♥ もっと、もっとひゃんじてっ!! ひゃんじてくだしゃいいぃ〜〜〜♥」

そう言い白樹は更に口を動かし、舌も動かした。

「う、うううちゅう♥ ちゅ、ちゅぶ♥ しゅ、じゅうるううぅ♥ ちゅ、ちゅうるうう♥ ん、ぴゅちゅう♥ れろおぉ♥ ちゅるうう、じゅるうううぅ♥」

白樹のいやらしい音が鳴り響き、イチモツが責められている。
加えて既に勃起していた六手のイチモツは絶頂へたどり着くにはさほどかからなかった。











「ああああああ〜〜〜〜!!」

『ぴゅ、ぴゅるっ!! ぴゅるるううぅ〜〜〜!!』

唸りを挙げながら六手のイチモツは精液を吐き出した。
解き放たれた六手の精。
白濁した欲望の子種汁を白樹は嬉しそうに飲んでいく。

「んうぐう〜〜〜♥ んぐっ♥ んぐっ!! んぐっ♥ んぐううっ〜〜〜♥」

飲み干されていく精。
そして体全身が開放感に満たされていくその心地。
そんな絶頂の前に六手は無力だった。

「あっ・・・!! あっ・・・・!!!」

六手は体をビクビクと震えながら、快感に酔いしれていた。
やがて、興奮が収まっていくと同時に精の迸りも収まっていく。
精が出なくなった事で、白樹はその口から六手のイチモツを離した。
だが白樹の両目はまだ、欲情の灯が宿っていた。
まだ足りない。
もっともっと欲しいという淫らな欲望が。

「まだですよぉ。次はいよいよ本番ですからぁ♥ わたしのこのおまんこの中でぇ♥」

そう言い、白樹は自身の股、女の秘所へと手を伸ばした。
白樹の秘所はお札が張られていて、そのお札はよく見れば湿っていた。
なんで湿っているのか、六手には分からなかった。
そんなお札を白樹は剥がすと、現れるのはあられもない白樹の秘所だ。
二つの谷から桃色の肉壁が見え隠れしていて、まさに桃の桃源郷といった所だ。




『くぱぁ・・・♥』



指先を使って、白樹は自身の女性器の、その入り口を広げた。
既に中は濡れていて、桃色の肉壁が何度も蠢いていた。
そんなドロドロでぐちゃぐちゃな膣内へと挿入してしまったらもう、人間として後戻りできない。
――――絶対に受け入れてはいけない。
六手の理性が叫んでいた。
だが六手の本能は違っていた。
――――六手の性器を犯したい。
あの綺麗な桃色の肉壁をぐちゃぐちゃにして、自分だけの膣肉にしたいと。

「あ、あ・・!! ああ、あっ・・・!?」

六手は口をあんぐりと開け、舌を垂らしていた。
六手の理性と本能は争っていたからだ。
そんな不安定の状態のまま、ふと六手の舌が、その唾液がたっぷりと付いた舌が白樹の肩に刻まれた淫紋へと当たった。


『ちゅ・・』

「ひ、ひやああぁあぁ♥」



淫らな声を挙げ、白樹が背を反らせた。
その瞬間、六手を拘束していた百足の胴体が緩み、隙間を作った。


「お、おやめくださいっ!! こ、この模様に六手様の唾液を垂らすのは!!?」


顔を真っ赤にし、百足の足らをじたばたとさせていた白樹。
白樹の異変とそして台詞を聞いた六手の目に光が宿った。
快楽で屈してしまいそうな理性が再び奮い立った。
―――そうだ、このまま唾液をかければ逃げられるはずだ。

白樹は自身の唾液に弱い。
ならばこのまま攻め続けて弱った所を逃げれば良い。
ふしだらな行為に自ら手を染めるというのは不本意であるが背に腹は代えられない。
今はこれしかないのだ。



『れろ・・。れろ・・れろ・・』



白樹の体にある淫紋は肩、胸の端、腹回り、そして股までそれらをぐるりと囲むかの様に刻まれていた。 
まるで自分自身に呪詛をかけているかの様な刻まれ方だった。
六手は白濁の肩に刻まれたその淫紋を、唾液の付いたその舌で舐め始めた。


「ひ、ひやああ♥ ち、力がぁ♥ 力が入んないいいぃ〜〜〜♥」

するとどうだろうか。
白樹がまた背を反らせ淫らな声を挙げたではないか。
そして体にまとわりついている百足の体も徐々に解けていく。

「あ、ああ〜♥ 拘束が解けちゃう・・・♥ に、逃げないでくださいませ六手様ぁああ〜〜♥」

白樹は涎を垂らし快楽に悶えていた。
見れば白樹の百足の胴体はどんどん解けて、体をよじれば後少しで抜けられる程に緩んでいた。
よし、もう少しだ。
もう少しで全身に絡みついた足と胴体が解ける。
そう思えば自然と唾液の量が増え、執拗に舌を動かしてしまった。



『れろ・・。れろ・・れろ・・ちゅ、れろ・・・!! れろ、れろ・・!!』


「ひ、ひやああぁああ〜〜!! お止めくださいませぇええ♥ に、逃げちゃらめえぇえええ♥ 私の、旦那様逃げないでえええぇ♥ 私、一人になっちゃうううううぅ♥」

その台詞を聞いて六手の心が少しだけ痛んだ。
彼女もまた孤独と言う恐怖に耐えられないのだろう。
だがここで情に流されてしまっては、彼女のモノになってしまう。
そうなればもう自分は自分ではいられない。
恐れた六手は心を鬼にして、ひたすら舌を動かした。
それも今度は口も使って、白樹の淫紋にくわえながら舌を動かした。




『れろろ・・!! れろ・・れろ・・!! く、ちゅぷる!! ちゅ、ちゅるう・・・!!』




「ひ、ひいい〜〜!! わた、わたしぃ・・・!! もうらめええぇええ〜〜♥ 六手様の舌でぇいっちゃうううぅ〜〜!! あ、あはああっ!!? ひいい、ひいいいいんん〜〜〜〜!! んんぎいいぃ〜〜〜!!」


びくびくと体を痙攣させていた白樹。
舌を垂らし、涎をまき散らしながら悶えていた。




『れろっろ!! れろ、れろ!! ちゅ、ちゅぷるっ!! ちゅるうぅ!!』




「あ、あひいいい〜〜!! 舌で失神してしまいますううぅ〜〜〜!! 六手様のいやらしい舌さばきでイってしまいますうう〜〜〜!! そのなめくじの様に湿った舌が私の淫紋を舐めまわしてぇ、私のもだえ苦しむ姿を見て愉悦に浸っているのですううぅうう〜〜〜!!! んぎいいい〜〜〜!!」


相変わらず白樹は艶やかな声を出していた。
今まさに味わっている快楽を六手へと伝えるかの様に。
だがそれが怪しかった。
あれほど夫に対して執着心を見せていたのに、もし逃げられたら本末転倒ものだ。
白樹は是が非でも止めたいと力を入れる事だろう。
しかし白樹は初めにわざと六手に弱点を告げて、あたかもそこを弄られる事を望んでいるかの様に喘ぎ声を挙げている様に見える。
それを、わざとらしいと見えるのは考え過ぎだろうか。
そんな事を考えていた六手だが、気が付けば百足の胴体がほぼ、解けている所まで来ていた。
後もう一押し、もう一押しで抜けられる。
そうと分かれば、六手はもう何も考えなかった。
ただ、その舌で白樹の淫紋を舐め続けた。
それも今までより激しい舐め方で、更にその口で淫紋を啜る様にしながら。




『れろろ!! は、はむちゅ!! ちゅぷる!! ちゅ、ちゅう!!』




「お、おおおう〜!! んぎいい、ひいいい♥ んぎいい、おおおう〜〜!! か、感じちゃううぅう〜〜!! ひゃ、ひゃんじ、ひゃんじいいいぃ〜〜♥ んぎい、んいっは〜〜!!」

そして百足の胴体が完全に六手から離れた。
白樹は今快感に悶え、思う様に体が動かせないはずだ。
その隙に彼女から逃げられるはずだ。
六手は決心した。

(よし、今だ!!)

六手がそう思い、小屋の扉へと走ろうとした。
だが。





























『ガシッ!!!』

緩んでいたと思っていた百足の足と胴が再び力強く六手の体に巻き付いた。
先ほどよりもしっかり巻き付き、絶対に離さんとばかりに絡みついていた。
「うふふふ・・・!! 残念でしたぁ・・・♥ 私から逃げようなどという考えは、もう丸わかりですよぉ。ですから戯れて挙げた次第ですううぅ・・・・」
先ほどまで喘ぎ声を挙げ悶えていたというのに、それが嘘の様に平気な表情で白樹は笑みを浮かべていた。
まるで六手に大きな絶望を与えるかの様な、いや敢えて狙っていたのだと言わんばかりの恍惚の笑みだ。
「あ、遊んでいたというのか!! 唾液に弱いってのも嘘なのか!?」
「いえいえ。確かに、私達大百足にとって男様の唾液は毒同然なのは事実です・・・。ですがぁ・・・♥ 私にとっては媚薬も同然なのですよおぉ〜〜♥」
「媚薬同然!?」
「そうです。私には六手様の唾液は絶頂へとイってしまう程のイキ薬・・・。そして・・・」
白樹は口を開け、ギラリとした毒牙を六手に見せつけた。
心なしかその牙は初めてみた時よりずっと輝いていた様に見える。
「唾液を味わえば味わう程、私の毒は更に高まりぃ・・・。六手様を更に絶頂へと誘う甘美な毒と化すのですよぉ♥ さあ、この更に高まった私の毒で、天国へとイってしまいましょうねぇえぇええ〜!!」
白樹の牙が六手へと迫る。
そして白樹の首元にある牙が、更に尻尾の先に付いていた二対の牙までもが六手へと迫っていた。
勿論、どの牙にもたっぷりと毒が塗られていてポタポタと垂れ落ちていた。
しかも白樹は熱く荒い息を吐いていて、もう待てんと言わんばかりの興奮が伝わってくる。
「この毒全てを喰らってしまっては、六手様はもう人間ではなくなってしまいそうかも知れませんねええぇ♥ でも安心して下さぁい。私が妻としてぇ、いえ肉便器となって一生お仕え致しますぅぅうう♥」

そう言い白樹は各々の牙を立て、六手の体へと迫る。
六手はもう逃げられない。
ただ大人しく白樹の毒を受け入れるしかなかった。



『がぶっ!!!』



白樹はまた、六手の首筋へとかみついた。



『ずぶっ!!!』



更に首元の牙が突き立て、六手の胸辺りへと突き刺さった。
そして。



『ずぶっ!!!』


最後に白樹の尻尾の牙が六手の背中に刺されば、六手の理性は全て崩れ去った。






「っ!!!」




六手の体がまた熱くなった。
それも1回目の時と違う。
飢えが、乾きが、欲情が、止まらない。
今すぐにでも白樹を犯したい、穢したい、交わりたい、啜りたい。
そして犯したい。
犯したい!!
犯したい!!!!
六手の頭には、ただそれだけしかなかった。



『ググググッ!!!』



その欲情は白濁の分身にも伝わり、既にそのイチモツは再び硬さを取り戻していく。
更に肥大化し、幾筋もの青筋を立てていき、最早凶器とも言える代物と化した。
それも六手の二の腕ぐらいはあろうかという大きさと太さを誇っていた。
六手の玉袋は暴れだし、子種汁を止めどなく作り出し、玉袋が膨張していた。


「あ、ああああがあぁっ〜〜〜!!!」


六手が雄たけびを上げた。
もう六手には理性など存在しない。
ただ獣の様に、白樹にまたがり、そして犯す。
それしか考えられなかった。

「あはははっ♪ もう犯したくて犯したくてたまらないのですねぇ♥ どうぞどうぞぉ!! 私のおまんこをぐちゃぐちゃにしてくださぁい〜〜♥ 六手様のおっきなおちんぽでぇええぇ〜〜〜!!!」

声を裏返し、白樹が狂喜していた。
これを待っていたと言わんばかりにはしゃいで、その目は酷く濁っていた。
そう。
人間同士の交わりでは得られない悦楽。
その快感を共有し、堕落する事こそが魔物娘の願い。
そして六手もまた、白樹と共に堕落し、昼夜問わず永遠に愛する夫と交わるのが願いだった。
ここから先は人の倫理を超えた世界。
快楽だけが存在する、歪んだ世界だ。



「あがあああああぁ〜〜〜!!」



六手は白樹の股、それも秘所へと目をやった。
先ほどまで拒絶していた白樹の秘所。
だが今の六手にはもう何もない。
獣の様な雄たけびを挙げ、六手はそのいきり立つイチモツを白樹の膣内へ無理やり挿入した―――




『ず、ずちゅうううううるうぅ!!!』



陰音を立てながらイチモツは膣内へとねじり込まれた。
膣肉をえぐる様に押しのけ、イチモツの亀頭は白樹の子宮口へと届いた。
その余りの大きさと太さに白樹は嬌声を挙げた。

「ぬ、ぬはあああぁあぁ〜〜〜♥ すっごいおっきいぃいいぃ〜〜〜♥ 私の子宮、壊れちゃうよおおぉ〜〜!! でもぶっどぉいいの大好きいいぃ!! 動かしてぇ、ぶっどおいの動かしてえええぇ〜〜!!」

舌を垂らしながら快感に悶える白樹。
白樹の期待に応えるかの様に六手は腰を振り始めた。


『ぐっちゅぐっちゅぐっちゅぐっちゅ!!』


何度も膣肉を犯し、そしてイチモツを叩きつける様に腰を振っていた六手。
膣が壊れかねないその激しさに白樹は喜んでいた。

「あはははっはっ♪ 暴れてしまうのですかぁ♥ 暴れれば暴れる程、六手様のおちんぽは高まってびゅるびゅると精液を吐き出されるのですううううぅ!!」

六手にはもう正気など何処にも無い。
そして白樹も既に獣の様に性欲を貪るだけの存在。
となれば今ここにいるのは二匹の獣だけだ。
二匹の獣は快楽を味合う為、ただ交わる。



『ぐっちゅぐっちゅぐっちゅぐっちゅ!!』



激しい腰つきは白樹の膣を犯し、秘所のヒダをめくり、桃色の肉を露にさせていた。
子宮口を亀頭が何度も突き、白樹に甘い痺れを味合わせる。

「あはは、ははは〜〜〜!! しゅ、しゅごぉいい!! わ、私おかしくなってるううぅ!!  ぶっどぉいおちんぽでおまんこがぁ、子宮も貫かれてぇいっちゃうううぅうう〜〜〜!!」

白眼を剥き、涎をまき散らしながら叫ぶ白樹。
元からおかしいというのに自分がおかしくなる、と叫んでいるのは正気を失っていたからだ。

「あ、あははっ〜〜!! こ、壊れちゃうううう〜〜 ぶっ壊れちゃっうう!? 六手様のぶっどいおちんぽで子宮をぉ、赤ちゃん孕む所を犯されてえぇ〜〜 ひゃははは、ひゃああああ〜〜〜」

余りの快感で白樹は思わず声を裏返していた。
その上高笑いを挙げているのだから、白樹の狂気に拍車がかかる。



『ぐっちゅぐっちゅぐっちゅぐっちゅ!!』



激しいピストン運動が続けられ、普通の女であれば体には痛みが走り涙を流しそうだった。
しかし白樹の場合は体に快感が走り、その口からは涎を垂れ流していた。


「あ、あぐううっ!! ぐう、ぐるうう!! ぐう、うぐうう!!」


見れば六手の頬は赤みを帯びて、荒い息を吐いていた。
そして白樹は子宮の奥深くに注がれていく様な感触を味わっていた。
注がれていくものは精液ではない、これは先走り汁だ。
そうか、もうすぐ絶頂へと至るのか。
その途端、白樹はより一層声を裏返して叫んだ。

「お、おおっ!? 遂にくるのですねぇ〜〜〜♥ どうぞどうぞどうぞおおぉお〜〜〜♥ 私に中出ししてくださいませえええぇええ〜〜〜!!! 私を孕ませてぇ、赤ちゃん入りの百足お母さまにさせてくださいませええぇええぇええ〜〜〜!!」 


そして二匹の獣に絶頂が訪れた――――











「「ああああああああああっ〜〜〜〜〜!!」」


『びゅるうう、びゅるう、びゅるううううう〜〜〜!!』




六手のイチモツの、その亀頭から精液が吐き出された。
その溢れんばかりの量といい、その滝の様な勢いといい、尋常ではなかった。
子宮内、そして膣内いっぱいに満たされ、白樹の腹を膨らませていた。
「あはっ♪ す〜ごっい〜〜!! まだまだ射精(で)るのですねえ〜〜。お腹がまん丸になっていくぅうぅ〜〜〜♥ あははっ!! まるで妊婦さんになったみたいぃ〜〜〜!! あはは、あっははは!! これはもう妊娠確定ですねえぇええ〜〜〜!!」
そう言い、白樹はその真ん丸と飛び出た腹を揺らしていた。
たぷんたぷんと揺れ動くその腹の中身は勿論、全て六手の精液だ。
これが六手からの愛の印だと思えば白樹は喜ぶしかない。
傍から見れば狂気とも言えるその光景を。


「が、がっ・・・・!! があ・・・・!!」


だがこれほど出したにも関わらず六手は飢えていた。
そのイチモツがまだ硬く、天へとそそり立っていた。
まだ足りない。
もっと犯したい。
白樹の全てを自分の物にしたいのだ。
その飢えを白樹は良く知っていた。
だからこそ白樹はその両腕でまた熱い抱擁をした。

「でも・・・、まだまだ足りません♥ 私を本当の腹ボテ妊婦さんにしたければもっと注ぎ込んでください・・・♥ そして永遠にぃ・・・、ずっとぉ・・・、死ぬまでぇ・・・・。私の夫としていてくださいねぇ・・・♥ あっはははは〜〜〜!! あっはっはっはっはっは〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」

白樹のムカデの胴体が、ねっとりとまとわり付き、そしてがっちりとまた六手の体を縛った。
この瞬間、六手の運命は決まった。
もう白樹は逃げられない。
白樹の淫らな体から。
そして白樹の重い狂愛からも。






♢♢♢♢♢♢♢♢






あれから何日、何十日経ったのか分からない。
光が届かない程暗く、湿った洞窟の中。
時折、洞窟内の雨水がポチャンと落ちてくる音が聞こえてくる。


『ぐっちゅ♥ ぐっちゅ♥ ぐっちゅ♥』


だが耳を澄ませば聞こえてくる。
肉同士が叩き合う淫乱な音が。
喘ぎ声を挙げ、快楽を貪る音が。


「っはあ!! っはあ!! っはあ!!」


無我夢中で腰を振るう男が一人。
獣の様な声を挙げ、ひたすら硬く勃起した己の肉棒を打ち付けていた六手。
その目は酷く濁っていて、正気を失っているのが一目で分かる。
そしてその体は白樹のその長い百足の体によって巻き付けられ、逃げる事はおろか離れる事すら出来ない。
だが離れる必要などない。
離れる事なんて出来ないのだ、今の六手にとって。


「あああ〜〜ん♥ また子宮の奥深くが疼いてぇ♥ もうぴゅるぴゅるって出したいのですねぇええぇ〜〜!! 良いんですよぉ♪ 気が済むまで中出ししてくださぁあいい〜〜!!」


白樹が淫らな声を挙げながら、両手で力いっぱい六手を抱きしめた。
その声に答えるかの様に六手は腰を振るう速度を挙げた。

「っはああ!! が、がああはあっ!! はああ!!」

『ぐっちゅぐっちゅぐっちゅぐっちゅぐっちゅぐっちゅ!!』



「あははは〜〜〜!! んんんっ〜〜〜♥ そう、そう、これええぇええ〜〜♥ 子宮をえぐられてぇええ!! 私の陰口が、がばがばになってしまいそうな激しさあああぁ〜〜!! しゅ、しゅっごおいいぃ大好きいいいぃ〜〜〜!! あ、あはは〜〜♥ お腹が喜んでいるうううぅうう〜〜♥」

見れば白樹の腹は、まるで臨月近くの妊婦の様に膨らんでいて、赤ん坊一人が収まる程の大きさを誇っていた。


・・・・いや、この腹はまさに妊婦の腹なのだ。




「あははっ♪ 赤ちゃんがまた動いたぁあぁ〜〜♥ お願いいいぃ〜〜、六手様あぁ〜〜♥ 私とぉ、私達との赤ちゃんにいっぱい精子注いでぇええぇ〜〜♥ 私も赤ちゃんも飲み干したいのおおぉおぉ〜〜♥ 子種汁、いっぱぁい飲みたいのおおおぉぉ〜〜」


そう言い、白樹は丸々膨らんだ臨月腹を六手の体へと寄せ、擦りつけてくる。
六手は釣られてその手を伸ばし、お腹をさすると。

『グッ・・・!! グッ・・・・!!』

白樹の腹がもぞもぞと蠢いた。
腹の内側から押し上げて、白樹のまん丸腹を歪に変化させていた。
そうだ、この腹には赤子がいるのだ。
そして赤子は感じているのだ。
白樹の腹の中にいる赤子が、父である六手の精液に。


「あははは〜〜!! しゅごいいぃ♥ 赤ちゃんが精液に浸かっているののおおぉ〜〜♥ なんてイケないお母さんなのおおぉ♥ また産まれてもいない赤ちゃんに精液ぶっかけ、大人の味を味合わせるなんてええぇ〜〜♥ あ、あああぁ〜〜〜んん 感じすぎてぇ、母乳がああぁああ〜〜!!! ぴゅるぴゅるって噴き出しちゃうぅうう〜〜〜!!」


『びゅ、びゅるうぅ・・・!! びゅるう・・・!!』



妊娠となった事で大きく、そしてだらしなく膨らんだ白樹の乳房から真っ白な母乳が噴き出していた。
白樹が絶頂すれば、ぷくりと膨らんだ乳首から勢いよく母乳が噴き出し、六手の顔を母乳塗れにする。
だが六手はその母乳を味わおうとせず、ましてや母乳塗れになった顔を拭おうともせず、ただひたすら腰を振っていた。

「でもまだまだ足りませんよぉ♥ 私、六手様の赤ちゃんであれば何人でも何十人でもいけますからぁ〜〜!! だから・・・・ずっと、ずっとずっとずっとずっとずっとずっと!! 交わり続けましょう・・・!! 光すら届かないこの闇の中でぇ・・・・!! ははははっ、あっはははは〜〜〜〜〜!!!」

狂った高笑いを挙げながら、白樹はその唇を六手の口へと付けた。
六手の全てを手に入れたいと言わんばかりの熱く激しい啜りで。



「はむ、ちゅう!! ちゅ、ちゅうぱっ!! じゅ、ちゅるう!! ちゅ、じゅううううう〜〜〜!!!」


ここはもう人間が入れる領域ではない。
二匹の獣は薄暗い洞窟の中で、ひたすら快楽を貪るのであった。
何もかも忘れて。





20/09/12 11:03更新 / リュウカ

■作者メッセージ
本当に、本当に久しぶりの投稿となりますね・・・
今回は大百足さんを題材にしてみました。
凶暴で、夫に対しては異常な執着心を見せる大百足さんは一、ニを争うほどの凶暴な方になりかねませんね・・・
ちなみに余談ですが、作中内で百足は商人にとって縁起物や子孫繫栄の象徴だと白樹が主張していましたが、他にも百足は『前にのみ進み、決して後ろには進まない』という事で戦国武将達にとっても縁起物という事で、兜の頭に百足を模様した飾りを付けたり、家紋や旗の印として百足が使われていたそうです。
百足というのは案外身近な存在なのかも知れませんね〜

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