恨み晴らさで・・・ %02 c=15d %02 c=15d %02 c=15d

奇襲

 小平太が失踪してから七日が過ぎた。村中を捜し、山狩りまで行なったが、痕跡すら見つけることは出来なかった。火がかけられ続け自然に消えたのであろう囲炉裏、開け放された戸、そのままの金銭、飲みかけの酒が入った升。最初は、酔って何処かで寝ているのだろうとも思われた。
 六郎田も必死で捜したが、見つけることは出来ず、とうとう今日、村長から捜索の打ち切りを言い渡された。もちろん、町へ行って人探しの依頼は出してくると言っていたがあまり期待は出来ないだろう。
 小平太を見つけられなかった不甲斐なさと、余りにもあっさりした村長の態度に六郎田は憤りを感じ、ここ二三日は深酒が続いていた。そして、今日も煽るように飲んでいた。

<トクトクトクトク、…ゴクッゴクッゴクッ、プゥハァー。
「かー!なんだっ言うんや、あの村長の態度は!いっくら昔、悪戯が過ぎたけんて、見捨てるこたぁないだろうがよ。」

 そう、ぶつぶつ文句をつぶやきながら酒を飲んでいると、ふと、戸を叩く音が聞こえた。

<トントン
「んん?誰や?」

 呼びかけても再び戸が叩かれるだけで返事がない。小平太が居なくなったばかりである。不審に思った六郎田は立て掛けていた斧を片手にそっと戸口へと近づいた。戸口では誰だかわからない者がまだ戸を叩いている。六郎田は、気づかれないようにそっと戸に手を掛けると一気に開け放ち、手にした斧を振りかぶった。

「おらああああああ!!」

「きゃああああああ!!」

 六郎田は、斧を掲げた状態で固まった。戸を開けると女が一人、腰を抜かしたようにぺたりと尻餅を付いていたからだ。小豆色の着物を着た女は、怯えた目で六郎田を見つめ返し、目に若干に涙を浮かべていた。

「おんしは誰や!なんの用や!」

「わ、わたくしは、旅の者でして、今夜、泊めていただきたいと思って…。」

「ああ?旅だぁ?今は時期が悪い。数日前に人攫いがあったばっかで怪しい奴は村に入れんことになっちょる。」

「そ、そんな、お願いします!このまま外に出されたのではわたくしが…!」

 六郎田は、斧を下ろし、改めて女を見た。頬や乱れた着物の隙間から見える女の肌は白く、そこらへんの遊女とは比べ物にならないほど美しい。潤んだ視線は、保護欲と嗜虐心を同時に煽り、劣情をもようさせる。これほどの上玉をみすみす逃がすのは、正直、惜しい。

「うーん。まぁ、今夜くらいなら泊めたってもええやろ。」

「本当ですか!?ありがとうございます。」

「(まぁ、お礼は体で払ってもらうがな。くくく!)」

「あ、あの…。」

「ん?」

「お手をお貸しいただけますか?腰が抜けてしまったもので…。」

 六郎田は、女を家へと招き入れ、話を聞くことにした。女は、町のある卸問屋で奉公していたが、主人のあまりに苛烈な仕打ちに耐え切れず逃げ出して来たのだと言う。見つかればただでは済まないが、ほとぼりが冷めるまで関所を抜けることも出来ない。今夜だけの約束であったが、出来れば数日匿って欲しいと、女は懇願した。六郎田も逃がすつもりはなかったので女の願いを快諾した。
 しかし、見れば見るほど美しい女であった。しっとりとした黒髪は、結い上げられておらず、長く背に垂らし、前髪は微妙に視線を隠すように伸ばしていた。胸は控えめであったが、少し大きめで形のいい揉みこたえのあるお尻に、灯りの近くで見る肌は、日焼けとは無縁の白さであった。六郎田は、舐め廻すような目線を止めることが出来なかった。

「ところで、あんた、名は何と言うんや?」

「名は…、その、今はまだ名乗りたくありません。どこで誰が聞いているか分かりませんから。」

「おいおい、これから匿ったろう言うのに名前も教えん気か?」

「ごめんなさい。」

「……まぁ、ええやろ。」

こうして、二人の奇妙な生活が始まった。



 女は、逃亡の身でありながら精力的に働いた。朝昼夕の飯の用意に洗濯、畑の手伝いはもちろん、山に入っては茸や山菜を採ってきた。六郎田は、次の日の夜には襲ってやろうと思っていたが、毎夜の豪勢な食事と女の酌の上手さにやられてしまい、酒に強いはずなのに襲う前に酔い潰されてしまっていた。いつも飲んでいる安酒は、自分の手酌だと味も酔いも薄い酷いものであったが、女が注いだ途端、ピリッとした辛味の効いた極上の酒になる。あまりの旨さについつい飲みすぎてしまう六郎田は、どうすれば酒の誘惑に打ち勝ち、女を手篭に出来るか頭を悩ませていた。

「くそ〜、あの女、わざとやっちょるなぁ。俺に手ぇ出す隙を与えん気や。やけどなぁ、あいつの注いでくれる酒は旨いけんなぁ。どうすっかなぁ〜。」

 そうぶつぶつ言いながら畑の雑草を抜く。女は山へ山菜を取りに行っており、畑には六郎田一人だった。そこそこの広さの畑を一人で耕して行くのは大変なことだが、あの女が来てからはかなり楽になった。山の動物達も来なくなった。いつか手篭にしようと思っていてもこれだけの恩恵があると少し考えるものがある。

「いやいや、何考えてんだ!そもそも、犯る為に匿ってんやろが。でもなぁ…。」

「何ぶつぶつ言いよるんや?お前。」

 声のした方に振り向くと坊さんが一人立っていた。まだ若く、年の頃は六郎田と同じくらいに見えた。

「なんや、幸六か。脅かしまあんな。」

「なんやとは酷いな。小平太がおらんようになった聞いたから心配で来てやったのに。」

 幸六は、怒った風な口調とは裏腹に久しぶりに会った親友に笑を零した。
 流行病で両親を亡くした幸六は、峠のお寺に引き取られ、和尚の跡継ぎとして育てられた。村のガキ大将が仏門に入るなんて可笑しくて村でも話題になったが、格好を見るに上手くやっているようであった。

「ああ、心配いらん。俺はあいつと違って丈夫やけんな。」

「阿呆が。丈夫とかそう言う話やないだろ。」

「だぁーいじょうぶやて。ほれ、山賊でも人攫いでもあの斧で頭かち割ってやるわ。」

 そう言うと戸口に立て掛けていた斧を指さした。ちょうどその時、女が家の裏から出てきた。腕に抱えた笊には、山菜が山になっており、今日の晩飯も期待出来そうであった。女は六郎田と幸六に微笑んで挨拶をすると家の中へと入っていった。
 幸六は、暫く惚けていたが、我に帰ると六郎田に詰め寄った。

「おい、六郎田!あの別嬪さんは誰や!お前、さてはやらしい手段で……!!」

「おい!勝手なこと言うなや!お前が考えとうようなことはしてないわ!」

「阿呆抜かせ!あないな綺麗で若い女子がお前みたいなろくに風呂にも入らんような奴のところに来るわけ無いやろ!人攫いか!?人攫いから買ったんか!!」

「お前は親友をどう言う目で見とるんや!!」

「ほなどう言う理由があるっちゅうんや?」

 六郎田は、一応、周りに気を配り、畑に二人だけしか居ないことを確認してから、詰め寄った幸六に耳打ちをし、ヒソヒソと話し始めた。

「あの女はな、町の奉公先で主人から酷い仕打ちを受けて逃げ出してきたんや。やから、可哀想やな、と思った俺が仏心で匿ってやっとんやないか。」

「とか言いつつ、ほんまは下心で泊めたんちゃうんか?」

「まぁ、そう言う気持ちが無かった訳やないが…。」

「で、名前は?」

「は?」

「は?やないわ。女の名前は?」

「まだ聞いてない。主人の使いがどこで聞いとるか分からんから言うて。」

 幸六は、心底呆れたように溜め息をついた。どこの世に素性の解らない女を家に上げて、名前も聞かずに、あまつさえ、数日もの間、一緒に暮らす奴がいるのか。幸六は、六郎田の肩を掴み、言い聞かせた。

「あんな。それは絶対に騙されとるぞ。」

「いや、俺も怪しいとは思っちょるよ。でもな、畑もよう手伝ってくれるし、飯は旨いしでついついな。」

「小平太がおらんようになった言うのによくそんなことが出来るな。小平太を攫ったんもあの女ちゃうんか?」

「はははっ!ないない。あいつが来たとき斧で脅かしたんやが腰抜かしちょったで。んな度胸、あの女には無いわ。」

「それならええけど…。お前も気いつけよ。喜助も心配しよったからな。」

「喜助がどうしとるか知っとんのか?」

「手紙が来るからな。町の小さい卸問屋やが、今じゃあいつは頭取よ。」

 六郎田と幸六は、ひとしきり昔のことについて談笑した後、幸六は寺へ、六郎田は仕事へと戻って行った。しかし、二人は気づくことはなかった。戸の隙間から伺う視線と林の中に潜む影が細く小さく笑ったことに。






 その日の夕飯はいつにも増して豪華であり、六郎田はそのどれもに舌鼓を打った。家に備蓄していた食料がまったく減っていないところを見ると全て女が集めて来たのだろう。豪勢な食事に喜んだ六郎田であったが同時に疑問にも思った。はたして女一人の力でこれだけの山菜や川魚を一日の内に集められるものなのだろうか?昼間の幸六との会話が思い起こされる。

「ふぅ、食った食った。今日はいつにも増して豪勢やったが何かあったんか?」

「ええ、だって今日はとても良いことがありますゆえ。」

「良いこと?」

「いやですわ、六郎田様。女にとっての良いことなど一つしかありませんでしょ。」

 六郎田は期待に胸を膨らませた。先程までの疑いの気持ちなど何処かへ吹っ飛んでしまった。ついに今夜、この美しい肢体を抱けるのだ。その白い頬に朱を差し、厭らしい声を挙げさせることができるのだ。想像しただけで六郎田のイチモツは着物を押し上げた。

「あらあら、まだ早いですわ。先ずはお酒をお召しになってからでしょう?」

「お、おう。そうやな。」

<トクトクトク
「さぁ、先ずは一杯。」

「んく、んく、んく、ぷっはぁー!!やっぱりあんたが注ぐ酒は最高やな。」

「ふふ、ありがとう御座います。ささ、もう一杯。」
<トクトクトク

「おう!」

 二杯、三杯と酒を煽ると六郎田はすぐに出来上がってきた。しかし、女が家に来てから飲む回数が増えたのか溜めていた酒はすぐに底をついた。

「あらあら、困りましたねぇ。ああ、そうですわ。わたくしが逃げるときに持ち出したお酒があったんでしたわ。」

 そう言うと女はどこからともなく徳利を取りだし、中身を注ぎ始めた。
 出されるがまま杯を受け取り、口に流し込む。やはり旨い。この女が注ぐ酒はどれもピリッとした辛口になるのだなと、ぼんやり考えているとあることに気付いた。気付いたことを意識するとどんどん酔いが冷めていった。

「どうしました?さぁもう一杯。」

「おい。その酒。卸問屋やから持ち出した言うたな。」

「そうですが、何か?」

「そんな訳あるか!その徳利は俺が小平太にやったやつやぞ!」

 そう、少し歪み、不格好な徳利は六郎田が小平太の家が建った記念に挙げたものであった。見間違う筈がない。しかし、女はと言うと悪びれる風もなく、六郎田の怒声を流した。

「あら、そうでしたの?通りで後生大事に抱いていた訳ですわ。」

「おんし!………あれ?」

 女に掴みかかろうとした六郎田だったが女の胸ぐらを掴んだところで頭がぐらりと揺れ、女の胸元をはだけさせながら床に倒れた。
 何が何だか解らない。酔いは冷めているはずなのに頭が熱く、身体が痺れている。

「お、…んし…、俺…なに?」

 何をしたのか問いかけようとしたが舌が回らない。そんな六郎田の様子を面白そうに女は見下ろしていた。

「お酒の飲み過ぎはいけませんよ、六郎田殿。特に百足の毒が入った毒酒は。」

「な!?…ど…いう!」

「どう言うことか?こう言うことですよ。」

 女の脚は音もなく膨れ上がり、長く黒い百足の身体に変化した。カサカサと忙しなく脚が動き、身動きが取れない六郎田の足に巻きついていく。腰巻を取り、はだけられた部分から自ら着物を脱いでいく。灯りに照らされた身体にはだんだん紫色の文様が浮かび上がり、顎下からは顎肢が、頭には触角が生えてきた。

「わたくし達は十年前、貴方がた四人に虐められ、穢された四匹の百足です。と言っても今の六郎田殿に言っても解らないでしょうね。」

「お…れ、し…らな…。」

「ふふふ、無理はなさらずに。ここ数日、貴方にお注ぎしたお酒にはわたくしの毒を少しずつ混ぜていたのですよ。もう、指先一本も動かせないでしょう。」

 ピリッとした辛口は毒の味だったのだ。酒で薄まり、酔い潰す程度の効果しか失くなったが、毒は蓄積していき、やがて獲物を完全に仕留める。六郎田は悔しそうな視線を向けるが、変化(へんげ)はそんなことに気付きもしないで勝手に語りだした。

「でも、本当に困っていたのです。小平太殿と六郎田殿はこの村に居ることは解っていたのですが、あとの二人が何処にいるのか皆目解らなかったのです。ですから、小平太殿を貰い受け、六郎田殿の傍で待ち伏せさせて頂いたのです。」

 変化は、絡めた足からスルスルと六郎田の身体を這い上がり、口付け出来るほど顔を近づけた。頭の触角が楽しそうにくねくね動き、六郎田の顔を頬から顎先までにかけて撫でた。

「思った通りになりました。ですので、今夜は貴方を頂戴しようと思ったのです。」

「…あの、ねぇさん。あたし、もう…。」

 突然の声の乱入に、六郎田は視線を戸口に向けた(と言っても頭も動かせないので視線しか動かせないのだが)。戸口には、変化と同じ姿の大百足が戸に寄り添うように立っていた。もう一匹の変化は六郎田に巻き付いている変化より長く前髪を伸ばしており、目を見ることは出来なかったが、上気した頬が興奮していることを如実に表していた。
 もう一匹の変化は、空いていた片方の足に巻き付くと同じように六郎田に顔を寄せた。

「こら、娘昼(こひる)。女には淑やかさも必要なのですよ。」

「だ、だって…。あの、娘昼と申します。宜しくお願いします。」

 娘昼と変化は姉妹らしく、二人して六郎田に熱い視線を投げかけていた(娘昼の視線はよく解らないが)。
 六郎田は、何か喋ろうとしたが、毒の回りは酷くなる一方で、だらしなく涎を垂らすことしか出来なかった。しかし、変化達にとっては待ちに待った瞬間だったらしく、口角から垂れる涎に二人とも鼻がくっつくくらい近付き、その匂いを嗅いだ。

<スンスン
「どう?ねぇさん。あたしはすっごく好きなんだけど…。」

<スンスン
「…違う。あの人じゃない。」

「ほっ…。ごめんね、ねぇさん。でも、この人は、あたしが欲しかったから。」

「いいの気にしないで。さぁ、たっぷりご奉仕してあげなさい。杯はあとでもいいわ。」

 そう言うと姉の変化は絡めていた胴体を放し、六郎田から離れた。姉が離れると娘昼がその場所を奪うように絡みついた。まるで獲物が取られることを恐れているかのように、強引に引き寄せ、沢山の脚でガッチリと固定した。

「誰も取りはしないわ。姉さんは娘昼の手助けがしたいの。」

「で、でも…、あの…、……ごめんなさい。」

「いいのよ。まずは脚を緩めて、着物を脱がすのよ。」

「はい…。」

 娘昼は、脚を一本一本放しながら着物を脱がしていった。姉も手伝いながらであったが、娘昼がなかなか離さない部分があったのでかなり苦労した。それでも何とか着物を脱がせると膨脹して、固くそそり立つイチモツが露になった。娘昼は火に引き寄せられる羽虫のようにイチモツに顔を近づけた。もちろん、離れた上半身には足に巻きついても余りある長い胴を残して。

「ふぁあ、すごい…、匂い。」

「六郎田殿はあまりお風呂に入らないからね。」

「いいよおお。すごくいいよおお。」

 娘昼はすぐに口に咥えようとしたが姉に制された。

「なんでぇ?なんで、ねぇさま?」

「すぐに咥えるなんてもったいないわ。毒液を垂らして、触角で包んであげるのよ。」

「触角で?」

「そうよ。やってみて。」

 娘昼は言われるがまま、顎肢から毒液を垂らし、ゆっくりと触角を巻きつけていく。触角を少し巻きつけると娘昼は頭をビクッと震わせた。何か強力な刺激を受け取るのか、頭を震わせる度に耐えるように食いしばり、涎とも毒液ともつかないものを口から垂らして白目を向くのだ。全て巻き終わる頃には娘昼の顔は涎と毒液と涙でぐしゃぐしゃになっていた。

「どう?気持ちいいでしょう?」

「はぁあいいぃいひいぃぃ〜…。おちんぽのほおぉぉ、にほひがあ、頭にぃぃぎぃ、じかに、とどいてえぇ、し、しんじゃい…そうぅああぁ…ぁ…ぁ…。」

「匂いだけ?苦い味も、焼けそうな体温も、頭に染み込んで行くのが解るでしょう。」

「は、はひぃぃ〜。ね、ねぇさまぁあ、あたし、もう、だめぁあぁぁ。」

「まだよ。六郎田殿にも気持ち良くなって貰うのよ。」

「うぁあ、ろくろうたさぁまぁ〜。きもちいひれすかぁ〜?」

 娘昼は巻き付けた触角で肉棒を上下にしごき始めた。娘昼が感じて頭を振ると触覚の強弱が入れ替わり、射精を促すように揉み上げていく。ビリビリとした快感がイチモツから背筋へと突き刺さり、脳へと駆け巡る。毒によって精液をぱんぱんに溜めた玉とちんぽには鬼のような責めであり、身動きができない分、快楽に意識が持って行かれそうになる。

「んぁ…、だっめ…だぁ。で、でるうぁあぁ。」

<シュ、ジュルシュシュ、ジュニチャ、ジュリジュル
「あああ!さきっぽの、匂いがぁああ!濃く、濃くなって、頭溶けるうぅあああああ!!」

「先走りだけでこんなに感じちゃって。六郎田殿も早いですよ。ふふふ、娘昼、触角をおちんぽの先の穴に入れて見なさい。」

「!?」

「そ、そんあことひたら、ひ、ひんじゃう!ひんじゃう!!」

「あら?いいのよ、わたくしは。でもいいの?本当にいいの?」

 娘昼は、姉の方を向きながらでもしっかりと目線はちんぽに釘付けになっている。ちんぽの臭いと味で脳を焼き切られた妹に対してこの質問。実の姉とは思えない所業である。当然、いいのかっと尋ねられて断ることなど出来るはずもない。
 しかし、のたうち、心をガサガサと這い回る欲望とは裏腹に娘昼の動きはゆっくりとしたものだった。更なる快楽に踏み出すことに戸惑いを感じているのか、それとも、尿道責めに遭う六郎田の身を案じているのか。どちらにしても、動きをゆっくりにする効果しかなかったのは確かである。
 娘昼は、六郎田を傷付けないようなるべく優しく尿道口に触角を当てた。そこで、今までちんぽにしか向いていなかった目を六郎田に向けた。娘昼としては、その視線には気遣いの気持ちが隠っていたのだが、六郎田にしてみれば見ないで欲しかったことだろう。

「や…め、て。もう、じゅう、ぶん…だから。」

「どうして…。どうして、そのようなお顔をなさるのです?そんな、そんな、涙を浮かべて、涎を垂らした、惚けた顔を見せられたら、あたし、あ、あたしは、もっと虐めたくなってしまいます!!」
<ずっぷぅ

「ぎぃ!?がっあがぁ!!」

 娘昼は、当てがった触角の先端を尿道へと突き刺した。先走り汁の匂いも味もが篭った穴に敏感な触角を突き入れることはちんぽをおま〇こに入れることに等しい。匂いも味も体温も直接脳に流れ込んでくるのだから感覚だけならこちらの方が理性を消し去ることに長けていた。
 そのような凶悪な快楽に娘昼が耐えられるわけもなく、突き入れた瞬間に意識が飛んだ。

「あ、ああ。があぃいはぁ。」

「あらあら、イっちゃったようね。でも、六郎田殿も射精しそうだって。娘昼に耐えられるかしら?」

「で、射精る!!ぎあああ!!」
<ドクっ!ドクッドクッ!!ビュク、ビュルルゥ、ドピュ!
「あぎっ!!きあああうぁああ…ああ、…あ…。」

 焦点が合っていなかった目が一瞬固まり、ぐるんと白目に変わる。吹っ飛んだ意識がまた引き戻されて、再びぶっ飛ばされた。精液の味と匂いと焼けるような熱さを触角でまともに受けてしまった娘昼の脳は完全に溶かされてしまったのだ。姉すらも眼中から消失した。意識のない娘昼の身体を魔物の本能が動かし、触角から滴る精液をそのままに六郎田の口を乱暴に奪った。唾液によって自分自身が痺れようがどうなろうが関係ない。魔物の本能が娘昼の魔物の魔力を総動員させて痺れを無視させた。暴走した娘昼は、まだまだ射精したりないちんぽを自らのま〇こに迎え入れ、思い切り腰を振り始めた。それに応えるように六郎田のちんぽは更に硬く、大きく跳ね上がるのであった。

「あっ、ああ!!ま、また、い、イく!はげし、があ!でる!でる!!」
<パンパンッ!じゅちゃつ!、グチャ、パンッ!ジュチャッ、くちゃ、ぱんっ!
「ろくろうた、ろくろうた、ろくろうた!ろくろうた!!ろくろうたあああぁあぁあぁぁ!!」

「くふふ、あっはは!二人とも壊れちゃったみたいね。これは朝まで…、いいえ、朝になっても終わらなさそうね。いいわ、契の杯は明日にしましょう。」

「あっ、いっあっ!ま、まっ、てえ!でたぁ!でて、る、のに!イグ!」
<ドク!ビュクッ!パンッパンッ!じゅく、びゅる、ぱんっ!ぐちゅ、ドクっ!パン!
「イギュウゥ、ロクッ!ギアィ!ロクロウタッ!イグ!イグゥゥ〜!」

「ふふ、お幸せに。」
<スッー、タン

 静かに閉じられた戸の向こうからは、女と男の喘ぎ声と肉のぶつかる音、ガリガリと爪で木板を引っ掻く音、弾ける水音が絶え間なく続いた、日が昇るまで。




 その後、この村の村長は二人分の搜索依頼を町へと届けたが、良い返事が届くことはなかった。






















…………はげし、があ!でる!でる!!」
<…………パンッ!ジュチャッ、くちゃ、ぱんっ!
…………ろくろうた!ろくろうた!!ろくろうたあああぁあぁあぁぁ!!」

「えらいところに出くわしてもうた。」

 幸六は、六郎田の家の雨戸の隙間から狂った矜持を覗き見ていた。昼間の女のことで六郎田が心配になったので来てみたら、予感は的中していた。しかし、相手は変化、人間など一溜りもないだろう。兎に角、人を呼んでこなければと立ち上がった時、カサカサと茂みが動いた。ひっと驚いて尻餅を着くと茂みの中から女の子が姿を現した。年の頃は十幾つか、幼さが残る少女は首を傾げて幸六を見ていた。
 幸六は、ほっと胸をなで下ろして、女の子に注意した。

「こら、こんな夜中に出歩いてはいかんぞ。この家には、今、変化アヤカシの類が着いている。そなたも早く逃げなさい。」

「ごめんなさい、和尚様。朝美(あさみ)は悪い子ですか?」

「い、いや、悪い子と言うわけではないが、兎に角だね…。」

「でも、和尚様は悪い子だったのでしょう?」

「な、なぜそれを?」

「だって、…クスッ♪、…だって、朝美の身体をこんなにも淫らにしてしまったのですから。」

 少女は茂みから踊り出ると幸六の目の前にドサッと落ちた。そして、幸六の前で羽織っていた着物を脱ぎ捨てると愛液を垂らした秘部を広げ、見せつけるように腰を突き出した。





 腰から下の百足脚で鎌首をもたげて見せつけるのであった。

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朝美「いああああ!!和尚様のおっきいい!!朝美、お腹ぱんぱんだよおおお!!」
幸六「があああ!!でりゅううううう!!」

姉「ふふふ、あと一人、あと一人!ふふ、あはは、あはははははは!!!!」




はい!という訳で2話目投稿いたしました!触手コキならぬ触角コキを取り入れてみましがいかがだったでしょうか?百足の触角ってそこまで高性能だったか解らないのでいろいろ調べたら種類によって違うそうですね。なので、折角だから全部盛りにしてみました。しかし、書いていた思ったのがつくづく自分はアヘ顔が好きなんだなってことです。魔物娘のアヘ顔画集が欲しい。あれば。
お話としては佳境に入り、妹達の結婚相手がつぎつぎ決まっていく中、姉は思い人を見つけることができるのか、必見です!

ではでは、次回でお会いしましょう。

13/01/06 01:37 特車2課

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