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Halloween masquerade night
 俺は白川咲夜、どこにでもいるただの大学2年生だ。まぁ親がどっちも蒸発して一人暮らしをしてる点を見ればただの大学生とは言えないかもな。
 閑話休題、今日ポストを開けたらハロウィンパーティーの招待状が入ってた。正直意味が解らないし気味が悪い。そもそも会場の場所も集合時刻もわからないんじゃどうしようもないだろ。

「って、やべ。もうこんな時間じゃん」

 ちらりと時計を見る。まずい、バスの時間が近づいている。俺は意味不明の招待状をポケットに突っ込んで走り出す。

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「…って事があったんだよ」
「変な話もあったもんだな、こうして実物が無きゃ信じてなかったぜ」

 午前の講義が終わり昼休み、人で混む食堂にて俺の唯一の友人である向井悠馬に朝の事を話す。

「んな事よりさぁ、今日いっしょに飲まね?せっかくのハロウィンを一人で過ごすのも味気ねぇしさぁ」
「お前は酒飲みたいだけだろ。まぁいいぜ、今日はパッーと飲もう。店に行く?それとも宅飲み?」
「咲夜の作ったつまみが食いてぇなぁ」

 悠馬は気色悪い上目遣いでこっちを見る。20の大人の上目遣いとかどこに需要があるんだ

「はいはい。その代わり手伝ってもらうし、材料費と酒代は割り勘だぞ」
「へいへい。あっ、俺レンコンのはさみ揚げが食いてぇな」
「はいはい、わかったよ」

その頃には招待状の事など頭からすっぽ抜けていた。

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 午後5時、いつもより遅い時間に帰宅を始める。もう冬になりかけてることもあり辺りはもう真っ暗だ。

「ふぅ〜やっと終わったぁ〜」
「あんのクソ教授め…」

 本来4時に終わるっはずだったのに…あんのクソ教授、暇そうだかって書類整理押し付けやがって…

「うぅ〜さっむ、まだギリ10月なのに寒み〜。早く家帰って飲もうぜ」
「そうだな」

 俺らは手早く食材と酒を調達。速足で帰路に立つ。食材を買った商店街はカボチャやお化けの装飾があったり、子供たちがおばけやドラキュラの仮装をし、お馴染みのセリフでお菓子をねだっている。

「にしても皆浮かれてますねぁ」
「ハロウィンに便乗して酒飲もうとしてる奴がよく言うぜ」

 軽く談笑をして暫くすると俺のアパートが見えてきた。親戚の叔父さんが好意で住まわしてくれているアパートだ。

「あ〜寒寒、早く入ろうぜ」
「ちょいまって鍵を挿すから」

俺は慣れた手つきでドアに鍵を挿しドアを開ける

ドアの向こうは朝まで俺が過ごした部屋とは全く違う空間だった。たとえるならおとぎ話のお城のエントランス。しかもそこにはメイド服を着た女性も居たと来た。

「お待ちしていました、白川咲夜様。案内を仰せつかっておりますアメリア…」

 俺は反射的にドアを閉めた。そりゃそうだ、誰だってそうするだろう。あまりにも現実離れしすぎている。

「な…ここは正真正銘俺の部屋のはず…だよな」
「おいどうしたんだよ、寒いんだから早く入れろよ」
「あっ、オイちょっと待て」

悠馬は俺の制止を聞かずにドアを開ける。

「なぜドアを閉めたのですか?パーティーの時間は刻一刻と…ってあなたは白川様のご友人様でしょうか?殿方の参加は大歓迎でございます。ささ、こちらへ。衣装とヘアセットをしますので…って大丈夫ですか?」
「え…あ、はい。あ、貴方は誰でしょうか?」
「私はこれから開かれるパーティの主催者であるミッシェルさまに使えておりますアメリアです。今日は案内などを仰せつかっております」

パーティー?聞けば聞くほど謎が増える。一体どうしたらいいんだ。

「もしかして招待状をまだご覧になっておりませんか?確かにポストへ投函したはずなのですが」
「招待状?ってこれの事ですか?」

俺はアメリアと名乗る女性にすっかり忘れていた招待状を見せる。

「なんだ、ご覧になっているじゃないですか。ではもう時間もありませんしこちらへ。勿論ご友人様も」

 俺らはアメリアに無理矢理手を引かれドアの向こう側へ連れてこられる。俺と悠馬が向こう側に来るとドアがいつの間にか無くなっていた。

「ドアが無くなった?」
「魔法で繋げただけですし、用が無くなったら自動で無くなるんですよ。お帰りの際はまた自動で繋がりますのでご安心を」
「はぁ、よくわからないが」

 暫く歩いてるうちにある部屋に案内される。部屋の中には2着のタキシードと仮装のためだろうか、顔が隠れる仮面が用意されていた。

「それではこれからこのタキシードに着替えてもらいます、脱いだお召し物はこちらへ。そうそう、今宵のパーティーでは紳士淑女問わず仮面を取ることは禁止となっております」
「わかりました」
「ささ、伝えることは終わりましたし早速着替えちゃいましょう。あ、勿論覗きなんてしませんよ」

そう言うと彼女は部屋の外へ出て行った。

「取り合えず着替えるか」
「そうだな」

 俺たちは用意されていたタキシードに着替える、最初から俺たち用に用意されていたかのように服は俺たちのサイズにぴったりだった。
服を着替え終わりマスクも被り準備ができたので外に出てみる。すると外はさっきまで俺たちが通ってきた廊下ではなく恐らくパーティー会場と思われる場所だった。
困惑する俺らに話かけてくる声がする。そこには仮装した女性が一人。声的にアメリアだろう。

「お二人さんも着替え終わりましたか、お二人さんが着替えてるうちにパーティーは始まっちゃいましたよ。さぁさぁ楽しみましょう。おっ、今からボギーたちのサーカスショーですって、見に行きましょう」

 俺と悠馬はアメリアに連れられ人混みの中に連れられる。しかし俺はその人混みの中でうっかり手を放してしまい早々に迷子になってしまった。

 何とか広いパーティー会場の壁にたどり着くことができたがその頃には人ごみにもみくちゃにされてへとへとだ。

「はぁ…はぁ…何なんだここ…女は妙にギラギラした目をしてて怖いし何より人が多い」

 あまり人混みとかが得意なタイプではないので正直気持ち悪い。このままパーティーが終わるまでここでおとなしくしてよう…

「あのっ、大丈夫ですか?」

不意に後ろから声がする。声的に女、それもかなり若そうだ。

「あっ、大丈夫ですよ…」

 俺は声を失った、それほどに彼女は美しかった。いや、美しいという凡庸で陳腐な言葉で表していいかもわからない。
彼女の髪はシルクのように綺麗で透き通っている。肌はまるで大理石から切り出した彫刻のようにきめ細やかでシミなど一つもない。顔こそ仮面で隠れているがきっと
端整な顔立ちをしているのだろう。
 いや、それより俺が一番見惚れていたのは彼女の仮面からちらりと見えるルビーよりも赤く、ダイヤモンドよりキラキラとしていた目だろう。

 彼女と俺の間で何の会話も無い時間が5秒ほど経つ。先に口を開いたのは彼女の方だった。

「えっと…私がどうかしましたか?」
「あっ、いや。どうかしたわけじゃないって言うか…綺麗な人だなぁ…と思って」

 おいおい、これじゃナンパみたいじゃないか。第一こんな綺麗な人と俺みたいなフツメン(友人談)が釣り合うわけないだろ。

「そっそそんな綺麗だなんて…」
「そうですか?肌は真っ白で綺麗だし髪もサラサラ。僕は特にその真っ赤な目が綺麗だと思いましたよ。」

なぜだろう、彼女から湯気のようなものが出ている。

「しゅ、しゅみましぇん。ちょっとのぼせちゃったみらいれ」
「え、ええ…大丈夫ですか?取り合えず水貰ってきますね」

慌てて水を取りに行き彼女に渡す。

「ありがとうございます。その…あんまり容姿を褒められたことが無くて…その、ほんとにごめんなさい」
「いやいや、苦手なら悪いことしたのはこっちですから」
「じゃあその…私にお詫びをしてくれますか?」
「俺にできる範囲であれば何でもしますよ」

彼女は少し恥ずかしそうにモジモジとしている

「私と一緒にパーティーを巡ってみませんか?このパーティーってここの他にも色んな所があって一人じゃさみしいなって思ってて」
「ここだけでもこんなに広いのにまだほかにあるのか」
「嫌でした?」

こんな美女と一緒にパーティを回れるのだぞ?嫌なわけがない

「いえいえ、全然大丈夫ですよ」
「じゃあ決まりですね。あっ、申し遅れました私はミッシェルと言います」

ミッシェル?どっかで聞いた気がするんだよなぁ… まぁいっか

「俺は白川咲夜です。よろしくお願い推します、ミッシェルさん」
「こちらこそよろしくお願いします。咲夜さん」

可愛い、彼女の仕草一つ一つを切り取っても可愛い。こんな人と一緒に回れるだなんて俺は運がいいな。

「そういえば、ここはどんな所なんですか?」
「ここはショーフロアって言って時間ごとにいろんなショーを楽しめる所なんです。いまはサーカスショーで次は確かオーケストラだったはずです」
「じゃあまずはここのショーを見てみます?あーでも今からじゃ席取りとか難しいかぁ」

するとミッシェルさんは胸を張ってドヤ顔をしてこたえる。

「その心配はありませんよ咲夜さん。私実はVIPみたいなものでして特別席があるんですよ」
「そうなんですね… ってえぇ!」

まさかそんなすごい人だったとは、なんか急に恐れ多くなったな…

「ミッシェルさんそんなすごい人だったのですか?」
「気にしないでください。私がすごいんじゃなくて私の家族がすごいだけなので」
「そうなんですか…」

ミッシェルさんはどこか悲しそうな表情をする。まずいな、また地雷を踏んでしまった…

「じゃあ気にしないことにします。お嬢様じゃなくて女友達として接します」
「ほんとですか?嬉しいです」

良かった。ミッシェルさん嬉しそうだ。

「嬉しいです。私男のお友達が今までいなかったので」
「そうなんですね。嬉しいです、僕がミッシェルさんの男友達1号だなんて」
「あぁ!咲夜さん、ショーが終わっちゃいますよ。早く行きましょう早く」

子供のようにはしゃぐミッシェルさんに連れられ会場の2階、VIP席に着く。遮るものは何もなく快適にショーを見ることができるだろう。しかし

「あの…ミッシェルさん、距離感近くないですか?」
「そう…ですか?私が読んだ文献ではこれくらい攻めた方がいいと書いてあったのですが…」
「それ多分恋愛の本ですよ…」

それを聞きまたミッシェルさんから湯気が立ち顔が茹蛸のようになる

「ご、ごごごごめんなさいぃ…」
「いえいえ。これ飲んで落ち着いてください」
「ありがとうございましゅ…」

ミッシェルさんは容姿を褒められ慣れて無かったり、明らか恋愛初心者だったり。これだけ愛嬌もあって綺麗な人なのに珍しいなぁ

「ミッシェルさん、あのような態度は本気で好きな人にだけした方がいいですよ。男はすぐ誇大妄想して調子に乗りますから」
「じゃ…じゃあ咲夜さんになら…」
「ん?何か言いました?」
「い、いいえ。何でもないですよ。それより見てくださいあれ、すっごいですね」

ミッシェルさんが何かボソッと言ってた気がするんだけどなぁ…まぁ気のせいだろう。

その後俺たちはサーカスショーとその後のオーケストラを楽しんだ後二人でパーティー会場のパンフレットを広げ次に行く会場を見つけているのだが…

「いや一体どれだけ会場があるんだよ!」
「色んな所ががあるとは言いましたよね?」
「だとしても後会場が5つは多すぎないですか?」

遊園地らしきところからカジノらしきところまである。しかし一番目に留まったのは

「なんでこんな休憩スペースが多いんだ?」
「このパーティーは後夜祭までありますからねぇ、参加者1人1人に休憩…、もとい宿泊スペースがあるんです」
「後夜祭まであるのか。俺は明日も大学があるから今日帰んなきゃだけど」

再びミッシェルさんが胸を張りドヤ顔をする。可愛い

「大丈夫ですよ咲夜さん。帰るときは咲夜さんがこっちに来た時の時間に戻されるだけなのです」
「そんな魔法みたいな… そもそもここに来た経緯事態が魔法みたいなものか…」
「心配事は無くなりましたし今からここ行きませんか?」

彼女が指さしていたのはパークエリア。

「一緒にアトラクションに乗りましょう」

 仮面から覗く彼女の眼はとてもキラキラしている。まぁと年ごろの女の子だし当たり前か。

「いいですね。もうこの際沢山楽しんじゃおう」
「じゃあ早速行きましょう」

彼女は俺の手を引いて走り出す。ハイヒールなのによくこんなに走れるなぁ…

俺たちはゲートのようなものをくぐる、するとそこには…

「うわぁ…すっごい」

 まるでディ〇ニーランドみたいな空間が広がっていた。ミッシェルさんがあれだけ目を輝かせるのも頷ける。

「咲夜さん咲夜さん、まずはあれに乗りませんか?」

 ミッシェルさんが指さしているのは恐らくこのパークエリアの目玉であるジェットコースター。

「いいですね。行きましょう」

幸いまだ人が少なかったのかそれほど待たずに乗ることができた。

「ちょっとドキドキしますね」
「そう、ですね。実はこういうのに乗るのは初めてで… 少し怖いです。なので…」
「それではジェットコースタースタートです」

ん?ミッシェルさんが何か言ってた気がするがジェットコースターの音でよく聞こえなかった

「何か言ってました?」
「い、いえ。大丈夫です」

そうこうしているうちにジェットコースターは最初の山に到達する。そして…

 ジェットコースターは落ちた。乗っていた人たちが叫び声をあげる。一度落ちたジェットコースターはもう止まらない。くるくると回ったりしてなかなかにスリルがあった。

かなりの速度が出ていたので終わるのも早くすぐに一周回り終わってしまった。

「どうでしたか、ミッシェルさん?ってミッシェルさん?大丈夫ですか?」
「ハイ…ダイジョウブデス…」

 どうやら彼女にはまだ早かったみたいだ。声から生気が無くなっている。次に乗るアトラクションは穏やかなのにしよう。

「と、とりあえず休憩しましょうか」

 俺たちはジェットコースターの近くにあったカフェらしきところに入る。嬉しい事に軽食からドリンクまですべて無料らしい。ありがたい。

「これ、ジュースです」
「ありがとうございます咲夜さん。すみませんさっきはあんな醜態をさらしてしまって」

恥ずかしそうに顔を隠すミッシェルさん。もう仮面で顔は隠れているのだが

「いえいえ、ミッシェルさんの意外な一面が見られて面白かったですし」
「うぅぅ…とにかく、次に乗るのは落ちなくて、回らなくて、さかさまにならない奴がいいです」
「じゃあこれとかどうです?」

俺が提案したのはメリーゴーランド。これならミッシェルさんも大丈夫だろう

「これは落ちない?」「落ちないです」
「回らない?」「ミッシェルさんが想像する回り方は絶対しません」
「さかさまにならない?」「なったら落ちて怪我します」

暫くの沈黙のうち

「乗ってみます」
「じゃあ早速行ってみましょう」

近くにあったのでそれほど歩かずにメリーゴーランドに着く。ミッシェルさんもメリーゴーランドを楽しそうに見てる、よかった。

「これなら怖くないですね。早く乗りましょう早く」

此方もさほど並ばずに乗ることができたが…

「なんで同じところに座ってるんです?」
「いいじゃないですか♡」

 いやいや良くない良くない。ミッシェルさんのいい匂いがすっごいするし何より背中辺りに柔らかい物が当たってる。ダメだ童貞には刺激が強すぎる…

「やっぱり危ないですよ。ほら二人だと狭いですし落ちたら危ないですよ」
「そうですか、じゃあ」ギュッ

 あああああああくぁwせdrftgyふじこlp。ミッシェルさん抱き着くのはダメだって、反則だって。柔らかい物がさらに当たってるし、匂いも凄いし。ダメだって、死んじゃう、俺死んじゃう。

「良くないですよミッシェルさん。俺たち恋人でもないんですから」
「でも私と咲夜さんの仲じゃないですか」

 そうこうしてるうちにメリーゴーランドが動き始めた。もう耐えるしかない、漢白川咲夜、耐えるしかない。

「楽しいですね、咲夜さん」
「そ、そうですね。ミッシェルさん」

 駄目だ、耐えられる気がしない。ミッシェルさんのおっぱいにいい匂い、こんなのきっと修行僧でも耐えられないだろう。

「ねぇ咲夜さん」
「ど、どうかしましたか?」
「私の事どう思ってますか?」

んんんん?この状況でその質問ってつまりそういう事だよね?

「ミッシェルさんの事ですか…可愛いと「そうじゃないです」
「私の事、女として抱けますか?」

急すぎない?ねぇ、急すぎない?

「今日あったばっかりの人を抱くのはちょっと…」
「そう…ですよね」

 その質問以降なんの話も起きず気まずい空気が俺たちの周りを漂う。やっちゃったかなぁ…でもそう言うしかなかったよなぁ…

 暫くするとメリーゴーランドが減速し始め完全に停止する。そのままメリーゴーランドから降りても会話は何もない。気まずい、何か会話をしなければ。

「えっと、楽しかったですね」
「そう、ですね」

 会話はそれで終わる。そりゃそうだ、あんな会話をした後じゃこうなるのも無理はない。

会派の無いままパークの中をぶらぶらと歩いている内に一周してしまったみたいだ。

「一周、しましたね」
「そうみたいですね。これからどうしますか?」

これ以上の会話は続かない、ほんとにどうしようと考えているうちに遠くから俺の名前を呼ぶ声が聞こえてくる。

「おーい、咲夜〜」

悠馬だ、隣にはアメリアもいる…て距離感近いなオイ

「悠馬、なんか距離感近くない?」
「まぁな、俺たち付き合ってみることになったからさ」

!!!???まって突然の爆弾発言に俺の思考回路がショートするんだが

「まぁお前が固まるのも無理はないわな。まぁ安心しろ、まだ仮だから、仮」
「だとしても驚くって」

聞いた話ではアメリアと恋占いをしてみた所相性100%が出てそれなら付き合ってみる?という流れらしい。

「俺はお前が羨ましいよ」

俺は今までの事を悠馬に話す

「お前が悪いけどお前みたいな童貞拗らせた奴に気を利かせた返しなんてできないだろうな」
「悪かったな童貞拗らせてて」
「咲夜さん…」

急にミッシェルさんが俺に話しかけてくる

「おっ、このままじゃ俺はお邪魔虫かな?それじゃ、俺はアメリアと楽しんでくるから〜」
「ったく、悠馬の奴…すみません、あいつああゆう奴なんですが悪い奴じゃないから許してやってください」
「大丈夫ですよ、アメリアも悠馬さんの事気に入っていたみたいですし」
「アメリアさんと知り合いなんですか?」
「知り合いと言うか…私の従者がアメリアなんです」

へぇー従者がアメリアさんだったのか…ん?そうだ思いだした。どっかで聞いたことがあると思えばこのパーティーの主催者の名前だ

「ミッシェルさん」
「どうかなさいました?」
「もしかしてですが、このパーティーの主催者なんですか?」

ミッシェルさんの動きが止まる、5秒後くらいに言われたことを理解しきれえたのか笑い始める

「あははは、バレちゃいました?それともアメリアが話してました?」
「後者ですね」
「まぁどっちでもいいです。バレちゃったなら」

不意に俺の視界がぼやける、考えもまとまらなくなってきた…あ、あ、まずい。もうげんか、い…

「計画変更です、もう力ずくで手に入れちゃう♡」

最後に俺に聞こえたミッシェルさんの声は今までより色っぽく聞こえた

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うぅん、ここは…ふかふかのベッド?確かパークエリアで気を失って…

「やっと起きましたねお寝坊さん♡」
「ミッシェルさん?ここどこですか?」
「ここはね♡私と咲夜さんが一夜を共にして愛を育む場所です♡」

 言っている意味が分からない。いや、きっと愛を育むの意味の通りの事をする気なのだろうけど。

「じゃあまずは私たちの事を説明しなきゃね♡」

 その時初めて彼女やアメリアが人間ではなく魔物娘と言う存在だという事、ミッシェルさんは魔物娘の中でも最上位の存在リリムであり事、人間の精を主食にしている事、魔物娘の倫理観では今日あったばかりでもセックスしても問題ない事などが語られた。

「だとしても今日あったばかりなのにセックスするのはちょっと…」
「人間の倫理観だなんて知らなーい、私魔物娘だもん。だから♡ えいっ」
「うわっ、ちょ、待って力つっよ」

ミッシェルさんに押し倒される、馬乗りの形になり逃げることができない。

「そうそう、一つ言い忘れてたことがったわ♡」
「と言うと?」
「仮面の下の素顔を見られたらその相手と結婚するしかないのよ」

なんだその女性聖闘士みたいなルールは…ってそういう事かぁ!

「やっとこの煩わしい仮面が取れるっと」

 止める間もなくミッシェルさんは仮面を取る。仮面の下の素顔は勿論美人だった。予想通りの端整な顔立ち、どこをとっても100点満点な顔だった。

「どう?結婚が確定しちゃった気分は」
「逃げたい」
「逃がさない♡」

 俺は最後の希望と言わんばかりにもがいている。しかし彼女にとってそれは赤子の児戯にも等しいのだろう。慈しみと情愛の目線で俺を見守っている。

「じゃあそろそろ咲夜さんの素顔も見ちゃおっかなぁ♡」

不味い、素顔を見られたら逃げにくくなる。俺は必死に抵抗をする。

「だぁいじょうぶ、私たち魔物娘は好きになったら絶対に愛しちゃうんだから♡」
「やめ、ちょ、あっ…」

俺の必死の抵抗虚しく仮面は外されてしまった。

「あっ////まって無理かっこよすぎ////咲夜さんこんなかっこよくて優しいなんて私が囲っておかなきゃ絶対悪い虫着くじゃん… 犯す、絶対犯す犯し倒して私のお屋敷に軟禁してグヘヘヘヘヘ」

 最後年頃の女の子が出しちゃいけない声を出していた気がする… ってそこじゃない、逃げなければ。軟禁なんてまっぴらごめんだ。

しかし俺の必死の抵抗はどこから出ているかわからないミッシェルさんの怪力に阻まれ失敗に終わる。

「ミッシェルさん、もう辞めましょう。放してください」
「だぁいじょうぶ♡気持ちよさ過ぎて咲夜さんから私を求めるようになりますから♡」

駄目だ、話が通じない。

「そもそも俺なんかじゃ釣り合わないですよ」
「それは私が決める事でしょ。それにね、今まで私の事を褒めたりする男は私の事を何も見なかった。私が持ってるお金とか地位が欲しかっただけ。でも咲夜さんは違った、咲夜さんは私の事を見て、私を褒めてくれた。だから好きになったの」

「じゃあ話はこれくらいにしてそろそろ始めよっか♡」
「何をですか?」
「んもぅ…わかってる癖にぃ♡ 子作りだよ、こ♡づ♡く♡り♡」

 ミッシェルさんは何か呪文のような物を唱えるとあら不思議、服がすべて脱がされてしまいました。勿論ミッシェルさんの着ていた服も無くなる。意外と着やせするタイプなのかイメージより大きい二つのおっぱいが存在感を放つ。

「咲夜さんのおちんちんもこんなに…えいっえいっ。つつくたびに咲夜さんのおちんちんピクッピクッって痙攣して先っちょから我慢汁とぷとぷ〜で出てきてる♡」

 ミっシェルさんの匂い、美貌、肢体、そのすべてで魅了されていた俺は勿論フル勃起、それも今まで無い位デカくなっていた。そんな暴発一歩手前のようなイチモツをつつかれるたびに脊椎に、脳に、イチモツに電流が走ったような気持ちよさが走る。

 暴発しないようにするので手いっぱいで無防備になったイチモツをミッシェルさんはさらにいじめる。

「遊びはこれくらいにして…お姉さまに教えてもらったパイズリをしてみましょうか♡あっ、気持ちよかったら好きなだけ出しちゃっていいですからね。すぐに私の魔力で精液満タンにしちゃいますから」

ミッシェルさんはどこからかローションを取り出し、自分の胸に垂らす。小玉スイカほどの大きさのおっぱいにどんどんローションがなじみパイズリ準備OKになる。

「え〜とたしかおっぱいでおちんちんを挟むんだよね、えいっ。その後におっぱいでおちんちんを揉むみたいに動かす」ヌチンッ ヌチンッ クチュ ヌチッヌチッ

「おっ、おっ、あ…ああああああビュルルビュル」

彼女が少し動かすだけで我慢は決壊し精の大洪水が起こる。射精が終わるまで恐らく30秒はかかっただろう。それほど大量の精を吐き出した。しかし俺のイチモツはまだ臨戦態勢のままである。

「まだ行けそうですね咲夜さん。じゃあもっと刺激強いの行ってみましょう」

先ほどとは違い激しく動き出すおっぱい、すぐに射精感がイチモツを襲う。

ヌッチン ヌッチン パチュンパチュン 

「まっ、あっあっあっ。ああああビュビュビュビュビュルルル」

先ほど一週間分以上はゆうに出したはず。しかし第二射でも勢いは衰えるどころか先ほどよりも量も、勢いも上だった。

流石に魔物娘の最上位種であるリリムのパイズリを、魔力でのサポートがあったとしても二回もあれだけの量を出してしまえばさすがに萎えてしまう。

「ふう…ふう…もう出ないから…休憩を…」
「魔力流してあげるから休憩はいらないよ♡ キスで流し込んであげるね」ンチュッ 

ミッシェルさんは俺の唇に己の唇を落とす。まるで仲のいい恋人が伴侶にするような優しく、愛が詰まったキス。しかしそれだけではない、何かが俺の中に流れ込んでくる、これがミッシェルさんの言う魔力なのだろう。

「ほらっ、萎えてたおちんちんももうこんなにおっきしてるよ♡」

俺は目を疑う、あれだけだし満身創痍だった己のイチモツが元気を取り戻していたのだ。いや、更に大きく巨大化している。

「おちんちんはもう私を孕ませる気満々ですね♡ このまま生殺しにするのもかわいそうですし何より私のおマンコがもう我慢できないんです♡ じゃあ行きますよ、えいっ」
「待って、まだ戻れ…おっ、あおおあああ」ドピュドピュウウウ

魔力を流し込まれ言わば半インキュバス化した咲夜でさえ一秒も耐えられない。

「まっれ、きもちよすひるからぁ…」
「駄目です。さぁ、動きますよ。もっともっと私のナカに出しちゃってください」
「らめぇ…いまうごいたら…イヒィ」ドピュトピュピュピュピュ

咲夜の制止も聞かず動き出すミッシェル。ミッシェルの膣内のひだがとても敏感になった咲夜のイチモツを撫でる。

「あはっ、気持ちいいですね咲夜さん。イイです、もっとイっていいんです。だって私たちもう夫婦なんですから」パンッパンッ

何も考えられない、考えさせてくれないノーガードの脳にミッシェルの声が木霊する

「ふうふじゃにゃい…」
「いいえ、これだけエッチして、何より私の素顔を見ちゃったんですからもう夫婦です♡ 早く諦めて私のお婿さん宣言してください♡」

「これで最後です♡私の最強の一撃でお婿さん宣言確定射精させてあげます。わかりますか?今咲夜さんのおちんこを撫でてるひだひだ全てがすごい勢いで上下するんです」
「まっれ…それだけわぁ…」
「ゾリゾリゾリィ…って咲夜さんのおちんこ撫でちゃったら咲夜さんの最後の理性とかぁ…抵抗心とかぁ…ぜぇ〜んぶ精子に溶けだして私のお婿さんになっちゃいますね♡じゃあ早速行きますね♡」パンパンパンッ
「まっ…おっおおおおお」ビュビュビュビュビュビュッルルウッル

苛烈なストロークによる過去最大の射精、その射精時間驚異の一分超え。そして…

「どう?私のお婿さんになる?」
「なりましゅ♡みっしぇるさんのおむこさんになりましゅ♡」

理性は完全崩壊しミッシェルのお婿さんになる事を認める咲夜。しかし度重なる射精により咲夜の体は疲労困憊。ついに限界が来る。

「みっしぇるしゃん、おれもうねむいれす…」
「うん、いいよ。たっくさん休んで明日も楽しもうね♡」
「みっしぇるしゃん…あい、して…ます…」

眠りにつく咲夜を見守るミッシェル。しかしその口はまだ淫靡歪んでいる

「おやすみ咲夜さん♡じゃあ早速淫紋を付けて、寝てる間にも魔力流し込んで魔力漬けにしてインキュバスにしてあげるね♡」

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「ふわぁ…よく寝た…あれミッシェルさん…?って夢か。そうだよな、俺とミッシェルさんが釣り合うわけ…「おはよう♡咲夜さん♡」

そこには昨日とは違う白いパーティードレスを着たミッシュるさんが立っていた。俺は反射的にミッシェルさんに抱き着く。

「あんっ、もう。甘えん坊さんなんだから♡」
「だって…昨日の事ホントだって確かめたいから…」
「そんなに確かめたいなら…ほらっ」

ミッシェルさんはドレスの裾を上げパンツを脱ぎ股のあたりを俺に見せる。そこにはぼんやりとピンクに光るハートを禍々しくしたような文様が光っていた。

「咲夜さんにもちゃんとついてますよ♡」

確認すると確かに自分の股にも同じ文様がついていた」

「これは淫紋って言ってね…私がサインするだけで即エッチな気持ちになるものなの。まぁ私のお婿さんは淫紋なんて使わなくてももう準備万端みたいだけどね♡」
「すみません…」
「いいのいいの、寧ろ魔物娘とインキュバスの夫婦はそれが当たり前なの♡でもその前に昨日話しきれなかった事とか話さなきゃね」

ミッシェルさんから自分はインキュバスと言う魔物になったことなどを話してもらった。

「と言うわけよ。話してたらお腹すいてきたわね。セックスとご飯どっちがいい?」
「ご飯が食べたいです。後その前にシャワーを」

流石にご飯は食べたいなぁ…

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「ふぅ〜美味しかったわね」
「そうなんですが…」

他の人もしていたからって口移しとかあーんはまだ恥ずかしいよ…

「おーい、咲夜〜」
「おっ、悠馬にアメリアさん!」

アメリアさんの肌が昨日よりツヤツヤしている。恐らくヤッたのだろう。

「その様子じゃ仲直りどころか恋人関係まで言ったのか?」
「いや、それ以上まで言った」

悠馬は目をまんまると開け驚く

「まさか童貞のお前がそこまでいくとはな。俺嬉しいよ」
「なんでお前が泣くんだよ。そういうお前こそどこまで行ったんだ?」
「勿論セックスまで行ったに決まってんだろ」

まだ色々話したいこともあったがそろそろ支度をしないといないので悠馬と別れる。

その後ハロウィンパーティーの後夜祭を一日中楽しんだ。

「じゃあそろそろ帰ります…て言っても勿論ついてきますよね?」
「勿論よ、だって私達もう夫婦なんだもの」

その後俺が大学を卒業するまで同棲をした後ミッシェルの屋敷に移住した。

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とある魔界のお屋敷にて

「ミッシェル〜、ミア〜、ご飯できたよ〜」
「はーいパパ」
「うーんいい匂いね。今日は何?」

移住して3年がたった。赤ちゃんが生まれにくい魔物娘でも運よく結婚した年に妊娠し生まれたミアも今年で4歳。正直順風満帆な人生を送っていると思っている。

あっちのの世界にはそんなに未練はない。前までは月に一度父さんと母さんの墓参りに戻っていたがミッシェルさんが魂を見つけ魔物娘とインキュバスとして蘇生。今ではただの孫バカになり二度目の人生を謳歌してる

「トマトクリームパスタだよ」
「うわぁ〜おいしそう。食べていい?」
「うん、たんとお食べ」
「わーい」

美味しそうにパスタを頬張るミア、それを見てほほ笑む俺とミッシェル。

「それじゃ俺たちも食べよっか」
「そうね、私もうお腹ペコペコ。いっただっきまーす」

あの日、ポストの中に入ってた奇妙な招待状から始まったこの縁は。見事に実を結んだ。
22/10/31 16:52更新 / photon

■作者メッセージ
悠馬「俺たちはどうなったんだ?」

アメリアと一緒に魔王城勤務です(ミッシェルのお手伝いとか)


 どうも、photonです。ここまで読んでいただいてありがとうございます。咲夜とミッシェルの物語はどうでしたか?私は初めてのパイズリの表現に苦戦しました。
 そして三度目の子供と一緒エンド。私的にこれが一番幸せな家庭を表現できるのでこれからも使っていきます

それではここまで読んでくださりありがとうございます

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