読切小説
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百合厨の主張
「いいか、僕は百合が大好きなんだ。中でも親密な友情が徐々に怪しくなっていくタイプのやつが好きだ。ノンケから百合に目覚める過程で『あれ?私はノーマルのはずなのに』と葛藤が生じつつも、つい親友を目で追ってしまっていて、ある日それを自覚して赤面する感じのやつ……いいですよね。百合好きの中には単純に推しの女の子が男とくっつくのが嫌で目覚めたって奴、つまりは独占厨を拗らせたって奴だな……も、いるけど正直僕は奴らのことが好きじゃない。奴らは作品の中に男が登場することを許さないんだ。僕から言わせて貰うと、百合が輝くのは絶対に男女両方が登場する作品だね。一部ではLGBTに配慮がなされる現在においてもまだ理解が浸透せず、所謂同性愛という『禁断とされることが多い恋』を題材にするためには、『真っ当な恋の相手は異性』であると示すためのキャラが必要だと思うんだ。わかるだろ……わかれよッ!殺すぞ。だから、恋の相手として男を選ぶこともできたのに、気がついたら同姓である女の子を好きになっていたということを世界に見みせなけりゃならないンだろ!くそ!何が可能性を生み出しただけでアウトだ!可能性の獣がいるからこそ百合が光るんだろが!”それでも”と言い続けろ!そう、百合好きも一枚岩ではないのだよ……例えば百合カップルが一線を越えることに対して意見が割れている。これに関しては、お互い戸惑いつつ手探りで事を進めるのが良いんだろうが!いや、片方がガチで一方的なのも悪くないです、いやむしろスゥーっと効いてこれは……とにかく僕は百合カップルに対して肉体関係があろうとなかろうと、葛藤しつつも相手が好きであるという精神を大事にしていただきたいという主義だ。『肉体関係までいったらレズだ!百合じゃない』とかいう奴とは血が流れるまで戦う所存だ。そんな人間だから、僕はクラスメイトであるナルコさんとアマナさんのカップルに目をつけたんだ。お互い幼いころからの親友で、世間の好奇の目にさらされながらもリリラウネとなった二人を見たとき、僕は心の底から『尊い』という感情が這いずり出てくるのを感じたんだ。そしてこの花園は絶対に守らなくてはならないと!だから今までのは全部自分のためだったんだ。確かにナルコさんとアマナさんをいじめから庇ったよ。いじめの主犯に制裁を加えた。車に轢かれそうになった所も助けた。火災現場に取り残された所へ救助しに行ったし、川に流されたところを救ったし、二人の要求はなんだって飲んだ。でも全部自分の欲望を満たすためだ!僕は二人が言うようなヒーローじゃないんだ!エゴだよ、これは!それに僕は百合のちんこ堕ちこそ至高とかいう奴が大嫌いなんだよ!一度百合になったらストイックに百合でいてもらいたいんですよ僕ァね。ちんこ堕ちクラスタは見つけ次第ブッ殺してやると心に決めていたんだ。だから僕は僕の意志をいまさら曲げるわけにはいかない。百合に対してだけは誠実であるのが僕のアイデンティティーなんだ

昔、『あいつ百合の話になると早口になってキモイよな』と言われたっけ。懐かしいなぁ。ちょっぴり傷ついたなぁ。だから普段は人の前で百合語りはしないようにしていたんだけどな。
流石にベッドに縛りつけられて両手両足に手錠をかけられて尋問されれば嫌でも饒舌になるってもんだ。
僕の上には憧れのナルコさんとアマナさんが跨っている。このまま僕を無視して目の前でレズってくれたら僕はもう人生に悔いはないと断言する。しかし現実は非情である。

「「だから?」」

うわぁ息ぴったり。こういう所で見せつけられてその……下品なんですが……フフッ、……じゃなかった!今はこの場を切り抜ける方法を探らないと。

「二人の気持ちには少し答えづらいかなぁと……」

そうなのだ。僕は二人から告白をされてしまったのだ。しかし僕としては百合カップルに手を出すことは絶対の禁忌である。そのため、上手く二人だけの世界に戻って頂きたいのだが……
ちょっ、ああ!待って!ズボンを下ろさないで!?

「それじゃ約束通り私がファーストキスを貰うから、アマナちゃんが童貞ね」

「ええ、わかったわ」

その約束何!?仲睦まじそうで何より……って、いやいや!
おい、アマナさん、パンツ下ろさないで!うわぁビショビショ!
ナルコさん口に吸いつかないで!舌をいれないで!歯茎舐めるな!


ちょっ本当に、落ち着いて!
冷静になろう
話せばわかる!……って、









アッーーーーーーーー!!!









18/06/15 23:53更新 / 幼馴染が負け属性とか言った奴出てこいよ!ブッ○してやる!

■作者メッセージ
このSSで一番恐ろしいのは、主人公の主張の前半部分は百合好きの友達の発言をそのまま打ち込んだものってところかな。

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