ガンバレ、私！
旦那様の朝は…モーニングティーから始まる……
のだけど…
「ひゃわわわわ！！ふきこぼれぇ！え〜とぉえ〜とぉ、あっつつつつつ！！」
私はここでメイドをやっている、セリアと申します。
現在、旦那様のモーニングティーのためにこの火魔法搭載ポットでお湯を沸かしているのですが…いかんせん古いもので扱いが難しく…
「あつい！！あついですぅ！！」
ガコンッ！
そんな風に動き回ってきたからポットを倒しちゃって…
倒れた私に沸かしたばかりのお湯が…お湯…が…
「ひぎゃああああああああああああああああああああ！！？」
またやってしまいました……
いつもこうなんです。お湯を沸かそうとすれば毎日のように零して、掃除をしようとすれば窓ガラスを割ってしまったり旦那様が大切にしている植物園を荒らしてしまったり…
コカトリスですから、腕が羽なので不器用なのも仕方ないのですが…
で、でも…おなじ腕が羽でも器用な娘もいたし……
「…一体何の騒ぎ？…ってありゃりゃ…またやったのかい…セリア…」
「だ、旦那様……うう、はい……」
旦那様が起きてしまいました。まだ二十代半ばという好青年ぐらいですが気品…それ以上に優しさを漂わせています…
また間に合わなかった…旦那様の起床時間は午前７時…
この時間のために私は５時に起きて準備をしていたのに……
茶葉ををばら撒いてしまい…転んでティーカップを割り、火魔法搭載のポットが誤作動を起こして爆発して、淹れ直そうとしたらまた茶葉を……そんな感じで二時間…
「旦那さまぁ…ごめんなさい……またモーニングティーを淹れることができませんでしたぁ…」
情けない…それよりも、旦那様の前でまた失態をして…恥ずかしい…
「いいよいいよ…それより、火傷とかないかい？僕としては、そんなお茶よりも君が怪我をしていないかの方が重要なんだけど…」
それにここまで心配させて…もう…涙が……
「怪我なんてありませーーーーん！！うわぁぁぁぁぁぁぁん！！」
私はそのまま逃げてしまいました……
「うう…ひっく…」
恥ずかしい…情けない……私が旦那様に御仕えして何年が経つでしょうか…？
この屋敷には私の他には旦那様と度々ここに来られては一時期滞在したりするバフォメット様しかおりません…なので私がこの屋敷（といっても結構小さめだったり…）の掃除を全て任せられているというのに…
「旦那様の迷惑に……」
「なんじゃオヌシ？なにを泣いておる？」
「はわぁ！！？」
裏庭の倉庫の中で泣いていた私を見つけたのは、魔王軍の将軍クラスの地位を持ちながらも遊んでばかりいて、なぜかこの屋敷に泊まるバフォメットのクラリス様…実年齢七百十ｎ
「１２歳じゃが…オヌシ…なにか余計なこと考えておるのかの…」
「な、なにも思ってません！！！！」
心を文章化して読むのが特技らしいです…
「まあよい……どうせオヌシのことじゃから、またあやつの前で失態を犯してここで泣いておるのじゃろう？」
「あう…はい……そうです…」
な〜んじゃ…と溜息をつかれました…
いいですよ…どうせ私なんて……蔑まれてもいい存在なんですから…
どうせ…私……なんて…
「おわっ！？な、泣くでない！！それではワシが悪者みたいではないか！」
「えぐ…だってぇ……私…ひぐ…旦那様の迷惑ばかりかけて……それに…」
昔の旦那様の言葉を思い出す…
人も魔物も関係ないよ…僕達はこの世界に生きるヒトだよ…
とても良い言葉です。魔物さんとしての誇りを持っている方にはすみませんが…
そして、旦那様はその言葉通り…
「うむうむ…わかるぞ…妾も４〜５才の頃…つまり士官学校時代にはあやつと同期じゃったからのう…
４〜５歳…つまり７〜８年前……ということは七百ｎ
「オヌシ………どうやら死にたいようじゃの……」
「い、いえいえいえいえいえ！！別に幼なすぎるからやっぱりすっごい長生きなんだぁとかそんなこと思ってないです！」
「……………」
「あ、あの〜…その鎌は一体…？」
あ、そ…それよりも旦那様とクラリス様が士官学校って…？そうだ！話題を変えれｂ
「問答無用！！！」
「キャーーーーーーーーーーーーーー！！！」
また私は逃げています………
「ク……心を読んでも追いつかん…なんたる足の速さ…そして身のこなし…」
奇跡的に、私はクラリス様の鎌を避けています…恐いです！恐いです！
「ひぃぃぃぃん！！ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい！！」
「謝りながら避けるでない！……ドラゴンでもかわせずに受け止めようとする一撃を……！」
そ、そんなこといわれてもぉ！！
「………フフフ♪このまま鬼ごっこと洒落込もうではないか！！」
ブウンッ！！
「ひぁぁあぁぁぁぁぁぁ！！？」
「と、いうのは置いといて」
ズザァァァァァァァァァァ！！
逃げるために豪快にヘッドスライディングを決めてしまいました…
どうやらいきなり気が変わったようです。
「そもそもワシが士官学校にいた理由は…品定めじゃ」
なるほど…それで七百ｎ
ｷﾞﾗｯ！
いえいえなんでもありません！
「魔王軍にいてもよいが、若い才能というのを発掘したがる同族も多いのじゃ。じゃから魔物も入れる士官学校では見学を認められている」
「旦那様もそこで？」
「うむ。あやつも才能ある者の一人じゃった………なのじゃが…」
私はそこで旦那様の士官学校時代の話を聞きました。
「これはワシがあやつの才能に気付いて少し行動を共にしておる時じゃった。
なんでも、他の男より数段…誰かに惚れられる性質みたいでな……あやつはあらゆる魔物からさまざまな誘惑を受けていた。
アルラウネの蜜入りのジュースを無理やり飲まされ、運動していたジャイアントアント達に囲まれて談笑し、妖狐と会話をし、デュラハンに手紙をだされたり、ホルスタウロスのミルクを差し出されたり、サハギンに襲われたり、ナイトメア、ゴーストに間接的に辱められたり、スフィンクスに謎かけ勝負をされたり、セイレーンやマーメイドにコンサートの予行演習と言われ、何時間も何十人に及ぶ誘惑の合唱をうけ、しまいにはドラゴンにお持ち帰りされそうになったこともあったのじゃ……」
お、恐ろしい…やっぱり旦那様は只者ではなかったのですね。
「そして…あやつは……決してそれらの誘惑に惑わされる事なく…全員と友達以上恋人未満という結果で士官学校を卒業し、こうして家を引き継いで今に至るのじゃ……」
だ、旦那様………
「あやつが言ったとおり…人間も魔物もヒト…つまり、女として皆を真面目に見ておらず…元来からそういうものにありえないぐらい耐性があるのじゃ…」
すごすぎます…もし、他の人間さんの男性の方のセリフを代弁するなら、オイ、ちょっとソコ代われ…でしょうか…
「まあ、大体そんな感じじゃな…ワシもさすがに諦めかけた……あの男にはワシの誘惑も効く気がせんのじゃ……」
それもそうですよね…アルラウネさんの蜜ですら強力な媚薬になるというのに効かず、数十人のマーメイドやセイレーンの合唱を受けても誰かと恋に堕ちることすらなかったのですから…
……じゃあ私は未婚のはずなのに旦那様にフェロモンが通じないのはやはり………
「ふむ、そのことじゃがな。ワシはまずはフェロモンの辺りから少しずつあやつに対抗する術を考えていたのじゃがな…」
そう言って、クラリス様はなにかの液体が入っているフラスコを懐から出しました。
「これは飲んだ者のフェロモンを何十倍にも何百倍にも出来るクスリじゃ。じゃが如何せん、まだ未完成でなぁ…オヌシ達コカトリスのような元々フェロモンが強い種族でないとまだ効果が発揮されんのじゃ…」
「あの…なぜそんなものを私に渡すのですか…？」
「……飲め…♪」
「い、いやです…」
こんな怪しいクスリ……でも…旦那様が私のことを少しでも見てくださるのなら……
イヤ…でも……
「まあよい、オヌシが気が変わって飲むかもしれんから渡しておくぞ」
「あ、はい…ありがとうございます」
これを飲めば…もしかしたら……
旦那様も…私を女として見てくれるのでしょうか…
旦那様の昼の日程はなし……この場合、旦那様は屋敷を見回ってから自室に入って読書をしながらお茶を飲むはず…。
メイドである私が旦那様の部屋に入ることは旦那様が許しても私的に許されない…チャンスは今…
「ん…ゴクッ…」
意外に量があり、とても苦いですがなんとかクスリを飲む事が出来ました…
気分が高揚し、私は旦那様への欲望に駆られました…私を女として見て欲しい…私は旦那様を愛している…もっと……旦那のことを知りたい…
もっと……旦那様をめちゃくちゃにしたい…
「ふふふ♪…旦那様ぁ…」
まるで、別の自分ができたかのように…別の感情が私を突き動かしました…
「ぬ…しまった…」
ワシは懐に入っていた調合表を見る……
「セリアに渡したのはさらに冒険的に作った、フェロモン百倍のフェロマックス（媚薬入り）に性格が一時的にドＳになるドエスナールを適当に配合したものじゃったな…」
自分でも試した事のない薬…
「ま、なんとかなるじゃろ…ドエスナールの効力も数十分程度じゃからのう」
根拠はない…じゃが、根拠の無い自信にはワシは自信があるのじゃ。
セリアはまたどこかで泣いているのだろうか……窓を割ったり色々やってるけど、気にすること無いのに…
彼女がこの家に来てから数年……僕はメイドやら執事やら、自分の身の回りの世話は自分でやりたいから雇わなかった。
世間体もあり、僕は一応ながら貴族……貴族間の交流というものをした。
奴隷の売買……まさかこんな腐った出来事が僕の方に転がり込むとは…
セリアはその売買される奴隷の一人だった。
僕は買うと言う行為をせず、奴隷が集められている監獄を壊し、皆を解放させた…
そうして僕が引き取る事になったのがセリアだ。
既に両親も逝ってしまい、身寄りのない彼女を僕は引き取り、彼女は恩返しをしたいとここで働いている。
そんなこんなで二年が経つけど…彼女もそろそろ旦那さんと一緒に生活したいんじゃないのか…？
好きな人と一緒に過ごして、愛を語って、子供ができて…それが彼女のこれからの人生だと思う…
僕は…なんかそういうの良くわからないんだよね……
まあ今度、彼女の旦那さんになるべく人を探してみるか……
「旦那様ぁ…♪」
この声…というかこの屋敷は僕とセリアぐらいしかいない（そもそもクラリスは神出鬼没だ…）
「やぁ、セリア。掃除は終わったのかい………ん？」
手を動かして挨拶をしようとするが、全く動かない…
「……セリ…ア？」
腕が石になっている……石化という言葉が脳裏に浮かび、セリアを見た。
その瞳は妖しく光り、口元は妖しく笑みを形作り…その姿は今までの彼女からは想像できないぐらい艶かしい…
「セリア…一体何を……うっ…」
セリアが艶かしく腰をくねらせ…近づく。近づいてくる度に、強烈な…甘い匂いが鼻腔をくすぐる…
士官学校時代にもよく感じた匂いだった。あの時はいい香りだなぁと思うだけだったが今回は違う…
彼女の眼が光ると、今度は足が石化する。
彼女は僕を押し倒した。
「旦那様…♪今、気持ちよくしてあげます…」
セリアは甘い吐息を僕にかけて…だめだ…この匂い……今まで経験したどの匂いよりもキツイ…！
「こんなにギンギンになられて……旦那様のおちんちんは節操がないんですねぇ…」
声は彼女のものだが、その行動は彼女のものではない…その時、彼女の服のポケットからチラッと見えたのは…ドクロのマークをした怪しい小瓶…
（クラリスか…）
薄々そんな気はしていたんだけど……今は彼女をどうやって静めるか…
「では…お望みどおりに……お気を楽にしてください…んむ…」
そして…情欲に目を光らせている彼女はそのまま口に僕のを咥える。
「む…ちゅぷ、くちゅ…じゅ、じゅるるる！ぷぁ、むぐ、ん、………ふふっ♪…随分溜まっていらしたんですね……旦那様だから仕方の無い事…ですね…」
「ああ、うう……セリ…ア…やめ」
「フフッ…ダ・メ・で・す♪」
そう言って、彼女はその両腕の羽で…絶妙な力加減で擦りあげる…
「シュッ…シュッ…シュッ…シュッ…♪…キモチイイですかぁ？…旦那様の匂い…とても良い匂いです…」
彼女は羽で敏感な所を集中的に擦り、透明な液が出るたびに…その小さい舌でまるでくすぐる様に舐め取る…
火照った…蕩けた表情で僕を見る彼女はとても魅力的で…もしこんな状況でなければだきしめてやりたいほどだった
「ぐ……セリア…も、もう……」
「もう出しちゃうのですか？………でも、させてあげませんよ♪」
ギュッ……！
「ぐぁぁっ！？」
そのまま彼女は亀頭を押しつぶすように摘んだ…！
でも、射精間はすれど、出ていない…
「できましたよ…♪」
「…なっ！？」
彼女は…亀頭の入り口を潰すように塞いだ状態で…先端のあたりだけを石化させていた……
「どうですかぁ？せっかくイかせてくれると思ったのにこうしてイかせてもらえないのは♪」
「うぐっ…」
射精感はすれど出てくる事はない。
石化しているというのは妙な感覚だ…感覚がないわけではないのだが、恐ろしく鈍い…
その状態で、彼女はさらに喉の奥に僕のを導く。
「はむっ…ん、ゲホッ…じゅ、じゅるるるる！！ んぐ、ぷひゃ、あぐ…ちゅぷ、くちゅ…んぐ、んぐ…」
ディープスロートというやつだった。
咽頭の奥まで剛直を飲み込み、喉全体を使って搾り上げる。
しかし、一番快感を感じる部分…亀頭は石化により、ただ少し鈍い感覚がするだけ…
さらに絶妙な力加減で、射精には至らなかった…
「プハッ……そんな風によだれを垂らして…気持ちいいのですか？気持ちいいのですよね？」
彼女は僕のモノを休めず、手で弄り回しながら僕の顔を覗き込む…
「そうですよね…旦那様は士官学校にいた時は、間接的に誘惑されてただけですからね……こうして直接されたことはないのですよね？」
話していないのに何故彼女がそれを知っているのか…そんな疑問は快感の前に消え失せた。
「あ、ぐ、セリアぁ……ダメだ…こんなこと…あぁぁ！」
「こんな…こと…？」
その言葉に反応し、セリアは竿を握り締めた。
「旦那様はわかってるようでなんにもわかってないんです！ どうせ学校の友達も気の良い仲間としか思ってないでしょう！！ クラリス様だって、いつも悪戯ばかりしてるのは……それに………私だって……！」
その瞳には情欲だけではなく、少し涙目で…ウルウルと光を反射させている瞳が映っていた。
「だからっ！」
乱暴に僕を仰向けに寝かせ、その上に乗る…
「こうするしか…旦那様に伝える方法はないんです！！」
そして…
「う、きつい……」
「旦那…さまぁぁぁぁ！！」
彼女の蜜壺の中に、僕のモノは挿入れられた。
そして流れるのは、白が混じったヌルヌルとした液体と……赤い液体…
「せ、セリア！！君は…！？」
「あ、当たり前ですよ……未婚のコカトリスは……フェロモンを放っている…だからフェロモンを放っている私は…未婚で…男性に…この身に捧げた事はないのですから…」
過去、奴隷として捕まった時はまだ日が浅くてそこまで酷いことはされなかったと彼女は付け足した。
「嬉しい…旦那様に捧げられて……」
そう言って、彼女は貪欲に動かす…
「旦那さまぁ！旦那さまぁ！！好き！大好きです！！初めて…あの時……旦那様に救われて……その御姿を見たときから…！！」
「は、激し……で、でも……まだ…」
そう、僕は彼女の能力で一番敏感な部分の快楽をカットされている…
「もうちょっと…もうちょっと待っててください…あと、もう少し…なんですぅぅ！！」
次第に、彼女の体がぶるぶると震え、頂点に近づこうとしているのがわかった。
「くる！キちゃう！旦那さまぁ！！一緒に………ふふ、解除しますよ…今まで我慢した分、いっぱい…出してください！！」
その瞬間、今まで鈍かった亀頭の感覚が…突然……暖かくて…ぬるぬるで…締め上げる様な感覚に襲われる…！
だが、ソレと共に…彼女の動きがぴたりと止まった…
「……？」
「ふえ？…はれ？…」
情欲にまみれた光は失われ、彼女の瞳は穢れもなく澄んだものに変わった…
「だ、旦那様…？ わ、私……この格好…それに……えっと…」
そして、悲しきかな（いや、嬉しきかな？）…魔物娘としての本能が、僕のモノを締め付け、不意のそれが引き金となった。
「あ、出る！！」
「ひゃうん！？ え……？」
彼女はそれでようやく……
自分の中に僕のナニが埋まってて。 そこから白い…ドロドロとした物が流れてくるのに気付いた…
「い…い…」
「い？」
「イヤァァァァァァァァァァァァァァァァアアァァァァァァァァァァァァァァァアァアアアアアアアァァァァアァァァァアァァァァァァァァ！！！！！！」
人生最大の大絶叫………そして…
「旦那様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああぁぁあぁ！！！」
と叫びながら彼女はどこかに言ってしまった……あそこまで激しくしていたのにあの体力…
さすがコカトリス……
「セリア！！もういいから！！」
「いえ、埋まります！！私は穴に埋まって腐ります！！！」
大泣きしながら彼女はシャベルで大きな穴を掘っていた。
さすがに僕も放ってはおけない……
「私は…ひぐ…旦那様にぃ……ぐす…酷い事を…」
…このままじゃあ…埒が明かない……
「セリア！」
「は、ｈむぐ！？？……」
横にいた旦那様に大声で呼ばれ、振り向くと……
旦那様は…私と………
「〜〜〜〜〜！！！！！！！！！」
条件反射なんでしょうか……私は脱兎の如く（鳥ですが）逃げようと…
「離さない！」
「ひやぁ！？」
そのまま抱きしめられてしまいました……
「君は覚えていないんだろうけど…さっき……その……シた時に言った言葉……あれは…」
「あ、アレは…？」
記憶はあいまいですが……クラリス様の薬を飲んで私は…旦那様を襲って…何を言ったのかはわかりませんが……怒っているのでしょうか…
「いや…あれは君の想いだって…鈍いって言われてた僕でもわかるか…」
そう言って、きつく抱きしめた腕を緩めて…
「好きってことがどういうことなのか……君をみてると湧き上がるこのもやっとした気持ちがそうなのか…僕にはまだわかんないけど…」
旦那様はまた…今度は優しく唇を近づけて。
「こんな僕だけど……君と…これからもずっと…一緒に……恋人として過ごしたい…」
私は……
「旦那様……だんなさまぁぁぁぁあぁぁぁん！！！！」
泣いて…泣いて…泣いて…
「セリアァァァァァァァァァァァァアァ！！？？」
逃げました………
「馬鹿じゃろオヌシ…そんな感動？的なタイミングで…泣くならまだいいとしても逃げる者はおらんぞ……」
「えぐ…だってぇ……ひぐ……うふ…うふふ…」
「その泣きながら思い出して笑うのやめい。気持ち悪いぞ…」
この二年の間…ずっと旦那様に恋焦がれていた気持ちを…記憶はあいまいだけどやっと伝える事が出来て……
「全く…判っていた事じゃが、これでワシはターゲットを獲られてしまったのう……しょうがない、誰か他の者を狙うとするかの」
裏庭にある倉庫…ここは私が逃げた時に使う隠れ家のような場所…私は逃げる度にこの中で気持ちが落ち着くまで隠れていました。
「ん？ほれ…王子様がお呼びじゃぞ……あ、ちなみにワシはこれからもオヌシ達とつるむからの。オヌシ達のことは、そういう感情を抜いても好きなのでな」
でも、それももう終わりにします…
私はクラリス様に目礼をして、旦那様の声がする方向へと駆けました…
「旦那さまぁふぎゃふうう！！！」
ズザァァァァァァァァァァァァ………
お約束……でしょうか……
「や、やあ…セリア……」
「あ…や……うう…」
恥ずかしい…神様ひどいです…
「うわぁぁぁぁぁぁぁん！！！」
そして、また私と旦那様のかくれんぼが始まりました……
あの隠れ家を終わりにするのは…
大分後になりそうです……
〜fin〜
のだけど…
「ひゃわわわわ！！ふきこぼれぇ！え〜とぉえ〜とぉ、あっつつつつつ！！」
私はここでメイドをやっている、セリアと申します。
現在、旦那様のモーニングティーのためにこの火魔法搭載ポットでお湯を沸かしているのですが…いかんせん古いもので扱いが難しく…
「あつい！！あついですぅ！！」
ガコンッ！
そんな風に動き回ってきたからポットを倒しちゃって…
倒れた私に沸かしたばかりのお湯が…お湯…が…
「ひぎゃああああああああああああああああああああ！！？」
またやってしまいました……
いつもこうなんです。お湯を沸かそうとすれば毎日のように零して、掃除をしようとすれば窓ガラスを割ってしまったり旦那様が大切にしている植物園を荒らしてしまったり…
コカトリスですから、腕が羽なので不器用なのも仕方ないのですが…
で、でも…おなじ腕が羽でも器用な娘もいたし……
「…一体何の騒ぎ？…ってありゃりゃ…またやったのかい…セリア…」
「だ、旦那様……うう、はい……」
旦那様が起きてしまいました。まだ二十代半ばという好青年ぐらいですが気品…それ以上に優しさを漂わせています…
また間に合わなかった…旦那様の起床時間は午前７時…
この時間のために私は５時に起きて準備をしていたのに……
茶葉ををばら撒いてしまい…転んでティーカップを割り、火魔法搭載のポットが誤作動を起こして爆発して、淹れ直そうとしたらまた茶葉を……そんな感じで二時間…
「旦那さまぁ…ごめんなさい……またモーニングティーを淹れることができませんでしたぁ…」
情けない…それよりも、旦那様の前でまた失態をして…恥ずかしい…
「いいよいいよ…それより、火傷とかないかい？僕としては、そんなお茶よりも君が怪我をしていないかの方が重要なんだけど…」
それにここまで心配させて…もう…涙が……
「怪我なんてありませーーーーん！！うわぁぁぁぁぁぁぁん！！」
私はそのまま逃げてしまいました……
「うう…ひっく…」
恥ずかしい…情けない……私が旦那様に御仕えして何年が経つでしょうか…？
この屋敷には私の他には旦那様と度々ここに来られては一時期滞在したりするバフォメット様しかおりません…なので私がこの屋敷（といっても結構小さめだったり…）の掃除を全て任せられているというのに…
「旦那様の迷惑に……」
「なんじゃオヌシ？なにを泣いておる？」
「はわぁ！！？」
裏庭の倉庫の中で泣いていた私を見つけたのは、魔王軍の将軍クラスの地位を持ちながらも遊んでばかりいて、なぜかこの屋敷に泊まるバフォメットのクラリス様…実年齢七百十ｎ
「１２歳じゃが…オヌシ…なにか余計なこと考えておるのかの…」
「な、なにも思ってません！！！！」
心を文章化して読むのが特技らしいです…
「まあよい……どうせオヌシのことじゃから、またあやつの前で失態を犯してここで泣いておるのじゃろう？」
「あう…はい……そうです…」
な〜んじゃ…と溜息をつかれました…
いいですよ…どうせ私なんて……蔑まれてもいい存在なんですから…
どうせ…私……なんて…
「おわっ！？な、泣くでない！！それではワシが悪者みたいではないか！」
「えぐ…だってぇ……私…ひぐ…旦那様の迷惑ばかりかけて……それに…」
昔の旦那様の言葉を思い出す…
人も魔物も関係ないよ…僕達はこの世界に生きるヒトだよ…
とても良い言葉です。魔物さんとしての誇りを持っている方にはすみませんが…
そして、旦那様はその言葉通り…
「うむうむ…わかるぞ…妾も４〜５才の頃…つまり士官学校時代にはあやつと同期じゃったからのう…
４〜５歳…つまり７〜８年前……ということは七百ｎ
「オヌシ………どうやら死にたいようじゃの……」
「い、いえいえいえいえいえ！！別に幼なすぎるからやっぱりすっごい長生きなんだぁとかそんなこと思ってないです！」
「……………」
「あ、あの〜…その鎌は一体…？」
あ、そ…それよりも旦那様とクラリス様が士官学校って…？そうだ！話題を変えれｂ
「問答無用！！！」
「キャーーーーーーーーーーーーーー！！！」
また私は逃げています………
「ク……心を読んでも追いつかん…なんたる足の速さ…そして身のこなし…」
奇跡的に、私はクラリス様の鎌を避けています…恐いです！恐いです！
「ひぃぃぃぃん！！ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい！！」
「謝りながら避けるでない！……ドラゴンでもかわせずに受け止めようとする一撃を……！」
そ、そんなこといわれてもぉ！！
「………フフフ♪このまま鬼ごっこと洒落込もうではないか！！」
ブウンッ！！
「ひぁぁあぁぁぁぁぁぁ！！？」
「と、いうのは置いといて」
ズザァァァァァァァァァァ！！
逃げるために豪快にヘッドスライディングを決めてしまいました…
どうやらいきなり気が変わったようです。
「そもそもワシが士官学校にいた理由は…品定めじゃ」
なるほど…それで七百ｎ
ｷﾞﾗｯ！
いえいえなんでもありません！
「魔王軍にいてもよいが、若い才能というのを発掘したがる同族も多いのじゃ。じゃから魔物も入れる士官学校では見学を認められている」
「旦那様もそこで？」
「うむ。あやつも才能ある者の一人じゃった………なのじゃが…」
私はそこで旦那様の士官学校時代の話を聞きました。
「これはワシがあやつの才能に気付いて少し行動を共にしておる時じゃった。
なんでも、他の男より数段…誰かに惚れられる性質みたいでな……あやつはあらゆる魔物からさまざまな誘惑を受けていた。
アルラウネの蜜入りのジュースを無理やり飲まされ、運動していたジャイアントアント達に囲まれて談笑し、妖狐と会話をし、デュラハンに手紙をだされたり、ホルスタウロスのミルクを差し出されたり、サハギンに襲われたり、ナイトメア、ゴーストに間接的に辱められたり、スフィンクスに謎かけ勝負をされたり、セイレーンやマーメイドにコンサートの予行演習と言われ、何時間も何十人に及ぶ誘惑の合唱をうけ、しまいにはドラゴンにお持ち帰りされそうになったこともあったのじゃ……」
お、恐ろしい…やっぱり旦那様は只者ではなかったのですね。
「そして…あやつは……決してそれらの誘惑に惑わされる事なく…全員と友達以上恋人未満という結果で士官学校を卒業し、こうして家を引き継いで今に至るのじゃ……」
だ、旦那様………
「あやつが言ったとおり…人間も魔物もヒト…つまり、女として皆を真面目に見ておらず…元来からそういうものにありえないぐらい耐性があるのじゃ…」
すごすぎます…もし、他の人間さんの男性の方のセリフを代弁するなら、オイ、ちょっとソコ代われ…でしょうか…
「まあ、大体そんな感じじゃな…ワシもさすがに諦めかけた……あの男にはワシの誘惑も効く気がせんのじゃ……」
それもそうですよね…アルラウネさんの蜜ですら強力な媚薬になるというのに効かず、数十人のマーメイドやセイレーンの合唱を受けても誰かと恋に堕ちることすらなかったのですから…
……じゃあ私は未婚のはずなのに旦那様にフェロモンが通じないのはやはり………
「ふむ、そのことじゃがな。ワシはまずはフェロモンの辺りから少しずつあやつに対抗する術を考えていたのじゃがな…」
そう言って、クラリス様はなにかの液体が入っているフラスコを懐から出しました。
「これは飲んだ者のフェロモンを何十倍にも何百倍にも出来るクスリじゃ。じゃが如何せん、まだ未完成でなぁ…オヌシ達コカトリスのような元々フェロモンが強い種族でないとまだ効果が発揮されんのじゃ…」
「あの…なぜそんなものを私に渡すのですか…？」
「……飲め…♪」
「い、いやです…」
こんな怪しいクスリ……でも…旦那様が私のことを少しでも見てくださるのなら……
イヤ…でも……
「まあよい、オヌシが気が変わって飲むかもしれんから渡しておくぞ」
「あ、はい…ありがとうございます」
これを飲めば…もしかしたら……
旦那様も…私を女として見てくれるのでしょうか…
旦那様の昼の日程はなし……この場合、旦那様は屋敷を見回ってから自室に入って読書をしながらお茶を飲むはず…。
メイドである私が旦那様の部屋に入ることは旦那様が許しても私的に許されない…チャンスは今…
「ん…ゴクッ…」
意外に量があり、とても苦いですがなんとかクスリを飲む事が出来ました…
気分が高揚し、私は旦那様への欲望に駆られました…私を女として見て欲しい…私は旦那様を愛している…もっと……旦那のことを知りたい…
もっと……旦那様をめちゃくちゃにしたい…
「ふふふ♪…旦那様ぁ…」
まるで、別の自分ができたかのように…別の感情が私を突き動かしました…
「ぬ…しまった…」
ワシは懐に入っていた調合表を見る……
「セリアに渡したのはさらに冒険的に作った、フェロモン百倍のフェロマックス（媚薬入り）に性格が一時的にドＳになるドエスナールを適当に配合したものじゃったな…」
自分でも試した事のない薬…
「ま、なんとかなるじゃろ…ドエスナールの効力も数十分程度じゃからのう」
根拠はない…じゃが、根拠の無い自信にはワシは自信があるのじゃ。
セリアはまたどこかで泣いているのだろうか……窓を割ったり色々やってるけど、気にすること無いのに…
彼女がこの家に来てから数年……僕はメイドやら執事やら、自分の身の回りの世話は自分でやりたいから雇わなかった。
世間体もあり、僕は一応ながら貴族……貴族間の交流というものをした。
奴隷の売買……まさかこんな腐った出来事が僕の方に転がり込むとは…
セリアはその売買される奴隷の一人だった。
僕は買うと言う行為をせず、奴隷が集められている監獄を壊し、皆を解放させた…
そうして僕が引き取る事になったのがセリアだ。
既に両親も逝ってしまい、身寄りのない彼女を僕は引き取り、彼女は恩返しをしたいとここで働いている。
そんなこんなで二年が経つけど…彼女もそろそろ旦那さんと一緒に生活したいんじゃないのか…？
好きな人と一緒に過ごして、愛を語って、子供ができて…それが彼女のこれからの人生だと思う…
僕は…なんかそういうの良くわからないんだよね……
まあ今度、彼女の旦那さんになるべく人を探してみるか……
「旦那様ぁ…♪」
この声…というかこの屋敷は僕とセリアぐらいしかいない（そもそもクラリスは神出鬼没だ…）
「やぁ、セリア。掃除は終わったのかい………ん？」
手を動かして挨拶をしようとするが、全く動かない…
「……セリ…ア？」
腕が石になっている……石化という言葉が脳裏に浮かび、セリアを見た。
その瞳は妖しく光り、口元は妖しく笑みを形作り…その姿は今までの彼女からは想像できないぐらい艶かしい…
「セリア…一体何を……うっ…」
セリアが艶かしく腰をくねらせ…近づく。近づいてくる度に、強烈な…甘い匂いが鼻腔をくすぐる…
士官学校時代にもよく感じた匂いだった。あの時はいい香りだなぁと思うだけだったが今回は違う…
彼女の眼が光ると、今度は足が石化する。
彼女は僕を押し倒した。
「旦那様…♪今、気持ちよくしてあげます…」
セリアは甘い吐息を僕にかけて…だめだ…この匂い……今まで経験したどの匂いよりもキツイ…！
「こんなにギンギンになられて……旦那様のおちんちんは節操がないんですねぇ…」
声は彼女のものだが、その行動は彼女のものではない…その時、彼女の服のポケットからチラッと見えたのは…ドクロのマークをした怪しい小瓶…
（クラリスか…）
薄々そんな気はしていたんだけど……今は彼女をどうやって静めるか…
「では…お望みどおりに……お気を楽にしてください…んむ…」
そして…情欲に目を光らせている彼女はそのまま口に僕のを咥える。
「む…ちゅぷ、くちゅ…じゅ、じゅるるる！ぷぁ、むぐ、ん、………ふふっ♪…随分溜まっていらしたんですね……旦那様だから仕方の無い事…ですね…」
「ああ、うう……セリ…ア…やめ」
「フフッ…ダ・メ・で・す♪」
そう言って、彼女はその両腕の羽で…絶妙な力加減で擦りあげる…
「シュッ…シュッ…シュッ…シュッ…♪…キモチイイですかぁ？…旦那様の匂い…とても良い匂いです…」
彼女は羽で敏感な所を集中的に擦り、透明な液が出るたびに…その小さい舌でまるでくすぐる様に舐め取る…
火照った…蕩けた表情で僕を見る彼女はとても魅力的で…もしこんな状況でなければだきしめてやりたいほどだった
「ぐ……セリア…も、もう……」
「もう出しちゃうのですか？………でも、させてあげませんよ♪」
ギュッ……！
「ぐぁぁっ！？」
そのまま彼女は亀頭を押しつぶすように摘んだ…！
でも、射精間はすれど、出ていない…
「できましたよ…♪」
「…なっ！？」
彼女は…亀頭の入り口を潰すように塞いだ状態で…先端のあたりだけを石化させていた……
「どうですかぁ？せっかくイかせてくれると思ったのにこうしてイかせてもらえないのは♪」
「うぐっ…」
射精感はすれど出てくる事はない。
石化しているというのは妙な感覚だ…感覚がないわけではないのだが、恐ろしく鈍い…
その状態で、彼女はさらに喉の奥に僕のを導く。
「はむっ…ん、ゲホッ…じゅ、じゅるるるる！！ んぐ、ぷひゃ、あぐ…ちゅぷ、くちゅ…んぐ、んぐ…」
ディープスロートというやつだった。
咽頭の奥まで剛直を飲み込み、喉全体を使って搾り上げる。
しかし、一番快感を感じる部分…亀頭は石化により、ただ少し鈍い感覚がするだけ…
さらに絶妙な力加減で、射精には至らなかった…
「プハッ……そんな風によだれを垂らして…気持ちいいのですか？気持ちいいのですよね？」
彼女は僕のモノを休めず、手で弄り回しながら僕の顔を覗き込む…
「そうですよね…旦那様は士官学校にいた時は、間接的に誘惑されてただけですからね……こうして直接されたことはないのですよね？」
話していないのに何故彼女がそれを知っているのか…そんな疑問は快感の前に消え失せた。
「あ、ぐ、セリアぁ……ダメだ…こんなこと…あぁぁ！」
「こんな…こと…？」
その言葉に反応し、セリアは竿を握り締めた。
「旦那様はわかってるようでなんにもわかってないんです！ どうせ学校の友達も気の良い仲間としか思ってないでしょう！！ クラリス様だって、いつも悪戯ばかりしてるのは……それに………私だって……！」
その瞳には情欲だけではなく、少し涙目で…ウルウルと光を反射させている瞳が映っていた。
「だからっ！」
乱暴に僕を仰向けに寝かせ、その上に乗る…
「こうするしか…旦那様に伝える方法はないんです！！」
そして…
「う、きつい……」
「旦那…さまぁぁぁぁ！！」
彼女の蜜壺の中に、僕のモノは挿入れられた。
そして流れるのは、白が混じったヌルヌルとした液体と……赤い液体…
「せ、セリア！！君は…！？」
「あ、当たり前ですよ……未婚のコカトリスは……フェロモンを放っている…だからフェロモンを放っている私は…未婚で…男性に…この身に捧げた事はないのですから…」
過去、奴隷として捕まった時はまだ日が浅くてそこまで酷いことはされなかったと彼女は付け足した。
「嬉しい…旦那様に捧げられて……」
そう言って、彼女は貪欲に動かす…
「旦那さまぁ！旦那さまぁ！！好き！大好きです！！初めて…あの時……旦那様に救われて……その御姿を見たときから…！！」
「は、激し……で、でも……まだ…」
そう、僕は彼女の能力で一番敏感な部分の快楽をカットされている…
「もうちょっと…もうちょっと待っててください…あと、もう少し…なんですぅぅ！！」
次第に、彼女の体がぶるぶると震え、頂点に近づこうとしているのがわかった。
「くる！キちゃう！旦那さまぁ！！一緒に………ふふ、解除しますよ…今まで我慢した分、いっぱい…出してください！！」
その瞬間、今まで鈍かった亀頭の感覚が…突然……暖かくて…ぬるぬるで…締め上げる様な感覚に襲われる…！
だが、ソレと共に…彼女の動きがぴたりと止まった…
「……？」
「ふえ？…はれ？…」
情欲にまみれた光は失われ、彼女の瞳は穢れもなく澄んだものに変わった…
「だ、旦那様…？ わ、私……この格好…それに……えっと…」
そして、悲しきかな（いや、嬉しきかな？）…魔物娘としての本能が、僕のモノを締め付け、不意のそれが引き金となった。
「あ、出る！！」
「ひゃうん！？ え……？」
彼女はそれでようやく……
自分の中に僕のナニが埋まってて。 そこから白い…ドロドロとした物が流れてくるのに気付いた…
「い…い…」
「い？」
「イヤァァァァァァァァァァァァァァァァアアァァァァァァァァァァァァァァァアァアアアアアアアァァァァアァァァァアァァァァァァァァ！！！！！！」
人生最大の大絶叫………そして…
「旦那様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああぁぁあぁ！！！」
と叫びながら彼女はどこかに言ってしまった……あそこまで激しくしていたのにあの体力…
さすがコカトリス……
「セリア！！もういいから！！」
「いえ、埋まります！！私は穴に埋まって腐ります！！！」
大泣きしながら彼女はシャベルで大きな穴を掘っていた。
さすがに僕も放ってはおけない……
「私は…ひぐ…旦那様にぃ……ぐす…酷い事を…」
…このままじゃあ…埒が明かない……
「セリア！」
「は、ｈむぐ！？？……」
横にいた旦那様に大声で呼ばれ、振り向くと……
旦那様は…私と………
「〜〜〜〜〜！！！！！！！！！」
条件反射なんでしょうか……私は脱兎の如く（鳥ですが）逃げようと…
「離さない！」
「ひやぁ！？」
そのまま抱きしめられてしまいました……
「君は覚えていないんだろうけど…さっき……その……シた時に言った言葉……あれは…」
「あ、アレは…？」
記憶はあいまいですが……クラリス様の薬を飲んで私は…旦那様を襲って…何を言ったのかはわかりませんが……怒っているのでしょうか…
「いや…あれは君の想いだって…鈍いって言われてた僕でもわかるか…」
そう言って、きつく抱きしめた腕を緩めて…
「好きってことがどういうことなのか……君をみてると湧き上がるこのもやっとした気持ちがそうなのか…僕にはまだわかんないけど…」
旦那様はまた…今度は優しく唇を近づけて。
「こんな僕だけど……君と…これからもずっと…一緒に……恋人として過ごしたい…」
私は……
「旦那様……だんなさまぁぁぁぁあぁぁぁん！！！！」
泣いて…泣いて…泣いて…
「セリアァァァァァァァァァァァァアァ！！？？」
逃げました………
「馬鹿じゃろオヌシ…そんな感動？的なタイミングで…泣くならまだいいとしても逃げる者はおらんぞ……」
「えぐ…だってぇ……ひぐ……うふ…うふふ…」
「その泣きながら思い出して笑うのやめい。気持ち悪いぞ…」
この二年の間…ずっと旦那様に恋焦がれていた気持ちを…記憶はあいまいだけどやっと伝える事が出来て……
「全く…判っていた事じゃが、これでワシはターゲットを獲られてしまったのう……しょうがない、誰か他の者を狙うとするかの」
裏庭にある倉庫…ここは私が逃げた時に使う隠れ家のような場所…私は逃げる度にこの中で気持ちが落ち着くまで隠れていました。
「ん？ほれ…王子様がお呼びじゃぞ……あ、ちなみにワシはこれからもオヌシ達とつるむからの。オヌシ達のことは、そういう感情を抜いても好きなのでな」
でも、それももう終わりにします…
私はクラリス様に目礼をして、旦那様の声がする方向へと駆けました…
「旦那さまぁふぎゃふうう！！！」
ズザァァァァァァァァァァァァ………
お約束……でしょうか……
「や、やあ…セリア……」
「あ…や……うう…」
恥ずかしい…神様ひどいです…
「うわぁぁぁぁぁぁぁん！！！」
そして、また私と旦那様のかくれんぼが始まりました……
あの隠れ家を終わりにするのは…
大分後になりそうです……
〜fin〜
10/12/19 20:46更新 / zeno